沈殿岩
岩石などから、水中に溶けだしたいろいろな成分の一部は温度や圧力や、その水の性質などがかわると再び、沈殿しはじめます。
沈殿するときの条件によって化学成分か違いますからその成分で、つぎのように種類わけします。
石灰岩
おもに、炭酸カルシウムからできています。
このカルシウムに、はじめは陸上の岩石中にふくまれていたのですが風化作用で水に溶け川で運ばれて集まったものです。
日本の各地でも、いまから2億数千万年前の生物であるフズリナやサンゴになどがもとになってできたセッカイ岩が秩父古生層とよばれる地層の中に発見され現在、セメントの原料として掘り出されています。
しかし、石灰岩には、化石をふくまないものも少なくありません。
これらは、水に溶けている力ルシウム分が沈殿してできたものと考えられます。
石灰岩をつくる炭酸カルシウムは、続成作用や温泉水火山ガスなどによる作用を受けてそのカルシウムの一部がマグネシウムと入れかわってハクウン岩(クカイ岩)となることもあります。
チャート
ほとんどケイ酸でできた、緻密な堆積岩です。
セッカイ岩と同じようにケイ酸質の生物の殻でできる場合と海図中に溶けているケイ酸分が沈殿する場合とがあります。
ケイ酸は、水に溶けにくいので、海水中にふくまれるには少ないのがふつうですが、火山活動などで大いに持ち込まれて沈殿する例もたくさんあります。
チャートをつくるおもな生物は、ホウサンチュウとケイソウです。
現在でも、陸から遠くになれた大洋の底では、泥や砂が持ち込まれないでこれらの生物の死骸かたまっています。
そして、深い海の底では圧力が大きいので、石灰質のものは、海水中に溶けてしまい、溶けにくいケイ酸質の殻だけが残り、チャートをつくります。
日本では、チャートもセッカイ岩のように秩父古生層の一部として、全国いたるところにみられます。
塩やセッコウ
雨のほとんど降らない大陸内部の湖では地表の岩石から物質を溶かして運んできた水が蒸発してしだいに塩分が濃くなり、ついには湖の底や岸に塩類が堆積していきます。
こうした堆積岩には、岩塩・セッコウ・チリショウ石などがふり工業原料として利用されています。
鉄鉱石
水中に溶けている鉄分が、沼地などで鉄バクテリアの作用により水酸化鉄として沈暇することがあります。
日本でも、群馬県でこのようなものを、鉄の鉱石としてとっているところがあります。
大陸では、古生代にこうした鉄が厚い層をつくっていて広く分布しているので、世界の鉄の重要な資源となっています。
硫化鉱
黄鉄鉱や黄銅鉱などの鉱石が、地層のように堆積して大きな鉱床をつくることがあります。
それが、どうして出来たかは、まだよくわかっていませんが多くは海底火山から噴出した気体や液体から沈殿したものと考えられています。