太陽と生命
太陽の光と熱は、地球上のすべての生物の育ての親です。
たいていの植物に、空気中の二酸化炭素と、地面から吸い上げた水分とで必要な栄養分をつくりますが、このはたらきをおこなわせるのは太陽の光の力です。
ですから、日光がなければ植物は生長しません。
稲とか麦のような穀物に、太陽の光を非常によく栄養分にかえる植物です。
人間をはじめとして動物は植物のように空気中から栄養分をつくる力をもっていないので植物か、植物を食べているほかの動物を食料にしなければなりません。
1杯のごはん、1切れの肉、1さじの砂糖、これらには目で見ることはできませんが日光がしまいこまれているのです。
私たちは、太陽の光を食べて生きているといっても、決して言い過ぎではありません。
もちろん、生物の生長には光だけでなく、温かさもたいヘん大切です。
地球に太陽から送られてくる熱で、ほどよく温められていますがもし太陽の熱がなかったら、生物はいっぺんに、凍え死んでしまうでしょう。
動力の源
人類は、文明が進むにつれて多くの機械を使うようになりました。
しかし、太陽の輝きがなかったら機械をはたらかせる動力の源もありません。
水車とか風車のような原始的な機械も太陽の力によって動いています。
なぜなら、川に水が流れるのに雨が降るからですが雨が振るためには地表の水が太陽熱で蒸発しなければなりません。
風車を動かす風は空気が太陽熱で温められ空気中に温度の差ができるために起こるのです。
いまでは、機械を動かすには、おもに電気・石炭・石油などを使います。
水力発電は、高い山に振った雨水が低い場所に流れ落ちるときのものすごい力を利用しています。
ですから、大都会の夜を明るく照らす電灯やネオンサインの光は何日か前に、どこかの海の水を蒸発させた太陽の光と熱が形をかえているものなのです。
石炭や石油は、日光の当たらない地面の下から掘り出すので太陽とは関係がないように見えます。
しかし、石炭は遠い昔、いまから数千年万年も前に地上にしげっていた植物が積み重なり、厚い土に埋もれてできたものです。
石油は古代の海や湖に住んでいた生物の残骸が長い間に堂上に積み重なった土の圧力と熱で化学変化を起こして油にかわったものです。
ですから、昔太陽が地球を照らさなかったなら1かけらの石炭も、1滴の石油も地球上にないわけです。
火力発電所のタービンを動かす石炭や、自動車のエンジンを動かす石油は大昔に地球に溜めこまれた、太陽の光と熱の缶詰にあたるわけです。
このように、私たちの生活の大部分は太陽の恵みを受けているのです。