降水量と調べかたとは? 雨量計の種類とは? わかりやすく解説!

気象

雨量と積雪の深さ

雨量は、雨が地上に何ミリの深さに降り積もったかでいいあらわします。

2ミリの雨といえば、そこに降った雨が、どこにも流れずに、また土の中にも染み込まないとすると、一面に2ミリの深さになるということです。

雨のほかに、雪・あられ・ひょうなども、溶かして水に直し雨量と同じように、その深さを測ります。
これらと雨量とをひとまとめにして、降水量といっています。

日本では、降水量は、だいたい1年間に少ないところで1000ミリ多いところで3000ミリくらいになります。


雨量の測りかた

直径10センチ、深さ10センチ、またはそれ以上の大きさのブリキ缶を運動場の真ん中か、庭の中ほどにおいて、雨を受けてみましょう。

まわりに落ちた雨粒が、飛び込まないように、缶をいくらか高い木の台の上にのせます。
風が吹いても缶が倒れないように、台に釘などを使って、缶が動かないようにしておきます。

この缶の中に雨がたまったら、ものさしをまっすぐに差し込んで、水の深さを測ります。
このときによんだ水の深さが雨量になります。

底の平らでない缶や、口のほうが広くなったバケツのような形のものを用いると水の深さを測っただけでは、雨量はわかりません。
もし、このような缶しかないときには、水の深さを測るのを止め缶ごと量りにのせて重さを測ります。

はじめに、缶の重さを測っておいて、それを差し引けば缶の中の水の重さが何グラムあるかわかります。

この水の重さを、缶のうけ口の面積、たとえば500平方センチで割れば雨量が何センチであったかがわかります。
ふつうには、これを10倍して何ミリあったかであらわします。

雨量計のいろいろ

①雨量計

ふつう、いちばんよく用いられている雨量計は雨がうける口の直径が20センチで、ふちは刃物のように、うすくなっています。

この雨量計は地面を少し掘って埋めますが、雨のうけ口は地面から20~30センチくらい、出るように据え付けます。

雨量計のまわりの地面には、短い芝生を植えるのがいちばんよく細かい砂をしくのもよいことです。

降ってきた雨は、口から入って、中にあるろうとを通って、貯水瓶の中に入ります。
雨量を測るときには、この瓶を取り出して、雨水を雨量ますにうつし、雨量を測ります。
雨量ますには、雨量がミリですぐにあわせるように、特別な目盛りがしてあります。

雨量ますの中の水の高さをよむときには温度計の目もりをよむときと同じような注意が必要です。

ふつう雨量を測るのは、毎日午前9時にしますが都合の悪いときには、別の時刻に測ってもよいのです。
ただ、注意しなければならないことは何日もほうっておくと瓶の中に入った雨が、蒸発して、減ってしまいます。

②自記雨量計

気象台には、ふつうの雨量計のほかに、自記雨量計がおいてあります。
自記雨量計は、雨の量を時々刻々に記録していく器械です。

自記雨量計には2通りあります。

1つは雨がたまると浮き上がり、それによって、ペンが動いて雨量が記録されます。
もう1つは小さいシーソーの両はしにバケツが2つあって雨がたまるとその重みで、ちょうどシーソーのようにかわりばんこにバケツが倒れるしかけになっています。

この動きを、電気仕掛けによって、部屋の中の記録装置に伝えます。



③長期自記雨量計

人の住んでいない土地や、山の中などで雨量を測りたいときには長い期間にわたって、ひとりで雨量を記録する装置を用います。

ふつうには、3か月間自動的に記録する雨量計が用いられていて、これを長期自記雨量計とよんでいます。

この雨量計は、雨をうける口の直径が10センチで、ふつうの雨量計より小さくまた記録する装置は高さ50センチ、縦横25センチの箱におさめてあって山地へ持っていくのに便利にできています。

④無線ロボット雨量計

空気は山にそってのぼるので、山岳地帯では、たくさんの雨が降ります。

日本のような山の多い国では、このような山に降る雨のために降水がおこるので、山で降る雨を、正しく測ることが必要です。

人の住んでいない山奥の雨を知るには、無線ロボット雨量計が使われています。

無線ロボット雨量計は、自動的に1時間ごとに雨量を無線電信でおくり、気象台でそれを受信して山奥で振った雨が、測れる仕掛けになっています。

雪の測りかた

積もった雪の深さを測るには、まず、学校の運動場のようななるべく、広い平らな地面のところを選びます。

雪があまり多くない地方では雪の中にものさしを差し込んで、何センチあったかを測ります。
雪の多い地方では、あらかじめ、目もりを書き込んだ棒を立ておきます。
この棒のことを雪尺といいます。

積もった雪が、どれだけの水の量になるかを知るには採雪器で雪をとり、その雪の重さを測ります。

なお、空から降ってくる雪の量をはかるには、雪量計を使います。
雪量計は、直径が20センチの細長い金図製の筒です。

この雪量計の筒の中にたまった雪を、部屋の中で溶かして雨量と同じようにしてはかり、ミリであらわします。




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