混合したときの重さの変化
水に食塩を溶かしたとき、物質の重さや体積はどうなるでしょうか。
ビーカーに50グラムの水をはかりとりこれに食塩15グラムをはかって溶かし完全に溶け終わってから混合溶液の重さを測定してみます。
この場合、混合物の重さは水の重さと食塩の重さとの和になることがわかります。
砂糖を水に溶かした場合についても調べてみましょう。
水をビーカーにはかりとり、これに、重さをはかった砂糖を溶かします。
そうすると、混合液の重さは砂糖と水の重さの和になっています。
このことは、気体と気体との混合物についてもいうことができます。
このように、混合物の重さは混合する前の物質の重さの和になるものであって混合したときに重くなるとか、軽くなるとかいうことはおこりません。
これを、重量には加法性がある、といいます。
混合したときの体積の変化】
体積についてはどうでしょうか。
図のように、100立方センチの水と100立方センチのエチルアルコールを混合すると200立方センチにはならず、約185立方センチになります。
水に食塩や砂糖を溶かした場合の体積はどうなるでしょう。
大形の試験管に水と氷砂糖を入れ、ガラス管を通したゴム栓をします。
水面の位置を記録しておき氷砂糖が完全に溶解したあと水面がどうなるかを観察します。
食塩や氷砂糖が溶けたあとはガラス管の水位が低くなっていることがわかります。
このことから、食塩や氷砂糖が溶解した場合は溶解する前の固体と液体の体積の和より混合溶液の体積が小さくなっていることがわかります。
塩酸と水酸化ナトリウムの水溶液を混ぜ合わせるときを調べてみましょう。
40立方センチの塩酸(約20パーセントのもの)をメスシリンダーにはかりとり別のメスシリンダーに、水酸化ナトリウムの水溶液(約20パーセント)を40立方センチはかりとります。
塩酸の中に水酸化ナトリウムの水溶液を静かに注ぐと熱が出ます。
溶液の温度が冷えるまでしばらくまって体積がいくらになったかを測定します。
2つの液を混合したにもかかわらず混合溶液の体積は80立方センチよりも増加しています。
以上の例からわかるように違った種類の固体や液体を混合したときの体積はもとの体積の和になりません。
多くなる場合も、少なくなる場合もあり体積には加法性がないということになります。
測定と誤差
私たちが、ものさしを用いて、ある長さの金属を測定したとします。
1センチの目もりのものさしで測定すれば○○メートル○○センチまでは正しく測定できてもミリまではわかりません。
ミリメートルの目もりのものさしならばミリメートルの単位までは測定できますがそれより詳しくはわかりません。
普通の顕微鏡を使いさらに、電子顕微鏡を使うともっと詳しく測定できますがそれより詳しくは、はかれません。
こうしてみると、金属の本当の長さは永久に測定することができないことになります。
センチの目もりのものさしではミリメートルのけたは目分量でしか読み取れないしミリメートルの目もりのものさしでもミリメートルより小さい単位は読みとれません。
このとき、目分量で読みとった値は、誤差を含む、といいます。
誤差のあらわし方は次の通りです。
25.7 cm ± 0.1cm……①
25.78 ㎝ ± 0.01cm……②
は誤差をあらわしています。
この測定では、①よりも②のほうが精度が10倍高いということができます。
メスシリンダーで体積を測定する場合もa図のようなメスシリンダーで測定したときはb図のメスシリンダーで測定したときより、精度は10分の1になります。
また、重さをはかるための上皿天秤は100グラムまではかれるもので±0.1グラムの誤差を含んでいます。
このように、測定の値にはいつも誤差が含まれています。
絶対に正しい測定というのはできません。
私たちは、測定するとき、誤差がいつもついているということを知っておくことが必要です。
誤差といっても、誤った測定によって得られた値では決してありません。