液体の重さと体積・固体の重さと体積とは? わかりやすく解説!

重さは、物質を区別する手がかりになるでしょうがここでは物質の重さと体積について調べてみましよう。 



液体の重さと体積

液体1立方センチあたりの重さを調べるにはつぎのようにします。
上皿天秤で、空のビーカーの重さをはかります。

このビーカーにメスシリンダーで水を10立方センチはかって入れビーカーと水の全体の重さをはかります。

全体の重さからビーカーの重さを引くと水10立方センチの重さがもとまります。

この数値を10で割れば1立方センチあたりの水の重さがもとめられます。

ビーカーに入れる水の体積をいろいろにかえて水の重さを測定し縦軸に水の重さ、横軸に水の体積をとってグラフに書いてみましょう。

また、水と同じようにしてアルコール(アルコールにはメチルアルコールとよばれるアルコールやニチルアルコールとよばれるアルコールなどがありこれらはすべて性質の違うアルコールです)の体積と重さを測定しグラフに書いてみてください。

また、グリセリンやエーテル(エチルエーテルなど)も同じようにやってみましょう。

右のグラフは、このようにしてつくったグラフです。
これを見ると、液体の体積の重さは比例していることがわかります。

さらに、液体の種類によって、グラフの傾きが違うことから1立方センチあたりの重さは、それぞれの液体の種類によって決まっていることがわかります。



固体の重さと体積

球・円錐・円柱のような規則正しい形をした固体の体積は辺の長さや直径を測定して、計算すればもとめることができます。

しかし、不規則な形の固体の体積はこのような方法で測定することはできません。

このようなときには、以下の方法でもとめます。

水に固体を入れたとき、固体の体積と同じ体積だけの水がおしのけられます。

この法則を利用して、おしのけられて溢れだした水の量をはかり固体の体積をもとめます。

鉄球、鉄のナット、鉄のボルト・鉄棒を切ったものなどの体積と重さを測定し、
液体の場合と同じようにグラフを書いてみましょう。

さらに、鉛の玉、鉛の棒、鉛の板などの重さと体積
銅の棒、銅の板、銅線のかたまりなどの重さと体積を測定し
グラフに書いてみましょう。

このグラフから、どんなことがいえるか考えてみます。

アルミニウムや鉄・鉛・銅などの固体でも、液体の場合と同じように
体積と重さは比例しており、同じ種類の物質では
1立方センチあたりの重さはそれぞれ決まっていることがわかります。

つまり、それぞれの物質についての直線の傾き方がその物質の1立方センチあたりの重さをしめしています。

液体でも固体でも、種類によってその物質1立方センチあたりの重さが決まっているということはたいへん大切なことで、これは物質のもつ重要な性質の一つです。

したがって、物質1立方センチの重さが何グラムであるかを測定すればその物質が何であるかを確かめる有力な手がかりとなるのです。




混合物の重さと体積の変化とは? わかりやすく解説!

混合したときの重さの変化

水に食塩を溶かしたとき、物質の重さや体積はどうなるでしょうか。
ビーカーに50グラムの水をはかりとりこれに食塩15グラムをはかって溶かし完全に溶け終わってから混合溶液の重さを測定してみます。


この場合、混合物の重さは水の重さと食塩の重さとの和になることがわかります。

砂糖を水に溶かした場合についても調べてみましょう。
水をビーカーにはかりとり、これに、重さをはかった砂糖を溶かします。

そうすると、混合液の重さは砂糖と水の重さの和になっています。
このことは、気体と気体との混合物についてもいうことができます。

このように、混合物の重さは混合する前の物質の重さの和になるものであって混合したときに重くなるとか、軽くなるとかいうことはおこりません。

これを、重量には加法性がある、といいます。

混合したときの体積の変化】

体積についてはどうでしょうか。

図のように、100立方センチの水と100立方センチのエチルアルコールを混合すると200立方センチにはならず、約185立方センチになります。

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水に食塩や砂糖を溶かした場合の体積はどうなるでしょう。
大形の試験管に水と氷砂糖を入れ、ガラス管を通したゴム栓をします。

水面の位置を記録しておき氷砂糖が完全に溶解したあと水面がどうなるかを観察します。

食塩や氷砂糖が溶けたあとはガラス管の水位が低くなっていることがわかります。

このことから、食塩や氷砂糖が溶解した場合は溶解する前の固体と液体の体積の和より混合溶液の体積が小さくなっていることがわかります。

塩酸と水酸化ナトリウムの水溶液を混ぜ合わせるときを調べてみましょう。

40立方センチの塩酸(約20パーセントのもの)をメスシリンダーにはかりとり別のメスシリンダーに、水酸化ナトリウムの水溶液(約20パーセント)を40立方センチはかりとります。

塩酸の中に水酸化ナトリウムの水溶液を静かに注ぐと熱が出ます。

溶液の温度が冷えるまでしばらくまって体積がいくらになったかを測定します。

2つの液を混合したにもかかわらず混合溶液の体積は80立方センチよりも増加しています。

以上の例からわかるように違った種類の固体や液体を混合したときの体積はもとの体積の和になりません。

多くなる場合も、少なくなる場合もあり体積には加法性がないということになります。



測定と誤差

私たちが、ものさしを用いて、ある長さの金属を測定したとします。
1センチの目もりのものさしで測定すれば○○メートル○○センチまでは正しく測定できてもミリまではわかりません。

ミリメートルの目もりのものさしならばミリメートルの単位までは測定できますがそれより詳しくはわかりません。

普通の顕微鏡を使いさらに、電子顕微鏡を使うともっと詳しく測定できますがそれより詳しくは、はかれません。

こうしてみると、金属の本当の長さは永久に測定することができないことになります。

センチの目もりのものさしではミリメートルのけたは目分量でしか読み取れないしミリメートルの目もりのものさしでもミリメートルより小さい単位は読みとれません。

このとき、目分量で読みとった値は、誤差を含む、といいます。
誤差のあらわし方は次の通りです。

  25.7 cm ± 0.1cm……①
  25.78 ㎝ ± 0.01cm……②

 は誤差をあらわしています。
この測定では、①よりも②のほうが精度が10倍高いということができます。

メスシリンダーで体積を測定する場合もa図のようなメスシリンダーで測定したときはb図のメスシリンダーで測定したときより、精度は10分の1になります。

また、重さをはかるための上皿天秤は100グラムまではかれるもので±0.1グラムの誤差を含んでいます。
      
このように、測定の値にはいつも誤差が含まれています。
絶対に正しい測定というのはできません。

私たちは、測定するとき、誤差がいつもついているということを知っておくことが必要です。

誤差といっても、誤った測定によって得られた値では決してありません。




気体の重さと体積とは? わかりやすく解説!

空気を注射器に入れて、注射器の先を閉じ、
ピストンを押したり引いたりすると空気は縮んだり、広がったりします。


これは、気体が液体や固体とは著しく異なるところです。
物質の状態を考えるとき、温度と圧力と体積は大切な要素です。

固体や液体の重さと体積を考えるときは、圧力の影響があまりないのでまったく触れませんでしたが、気体について調べるときは圧力を考えなければなりません。

気体の体積と圧力

瓶の中に液体や固体を入れるとき、ある決まった量だけ入れるとそれ以上は入りません。

しかし、空気のような気体では、かなりの量を詰め込むことができます。
それを確かめるために圧力計をつけた瓶の中に空気をふきこんでみましょう。

すると、空気が多く入るにつれて瓶の中の圧力が高くなることがわかるでしょう。

これは、気体の体積と圧力との間にある決まった関係があるからなのです。

それは、ある決まった量の気体の体積が2分の1になれば圧力はもとの2倍になり
体積が3分の1になれば、圧力は3倍になるということなのです。

また、反対に体積が2倍になると、圧力は2分の1になります。

つまり、温度が一定のとき、決まった量の気体の体積は圧力に反比例してかわるのです。

この関係は、空気ばかりでなく、どの気体にもあてはまります。

この関係をボイルの法則といいます。

注射器の内側を水でぬらし、先を指でおさえてピストンを押していくとだんだんピストンを押し返す力が増していきます。

これは、筒の中の空気の体積が縮めば縮むほど、その空気の圧力が大きくなくなるからです。



気体の重さと体積

気体の重さをはかるには、外から力を加えない状態にして体積をはかり、その体積で何グラムの重さがあるかを測定しなければなりません。

空気の重さは、はかることができます。

スプレーの空き缶の重さをはかっておき、これにポンプで空気を押し込んで、再び重さをはかります。

空気を押し込んだときのスプレーの重さからはじめのスプレーの重さを引けば、押し込んだだ空気の重さがわかります。

つぎに、押し込んだ空気を水で満たした水槽の中に逆さまに立てたメスシリンダーの中にはかりとれば何立方センチの空気を押し込んだかがわかります。

その体積で、空気の重さを割れば1立方センチあたりの空気の重さをもとめることができるわけです。

空気ばかりでなく、酸素や水素、二酸化炭素などの気体も空気と同じ方法でその重さをもとめることができます。

気体も、固体や液体と同じように1立方センチあたりの重さ、または1000立方センチあたりの重さはその気体の種類によって決まっています。

このように、物質の種類によってその物質1立方センチあたりの重さが決まっていることはたいへん重要なことなのです。

1立方センチあたりの重さを密度といいます。

まえに述べたような、物質の色・におい・味などは物質の特性としては、曖昧なものですが物質の密度は、物質の特性の代表的なものの一つです。

密度をはかれば、その物質は何であるかとはっきりわからないまでもある程度の検討をつけることはできます。




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