液体の重さと体積・固体の重さと体積とは? わかりやすく解説!

重さは、物質を区別する手がかりになるでしょうがここでは物質の重さと体積について調べてみましよう。 



液体の重さと体積

液体1立方センチあたりの重さを調べるにはつぎのようにします。
上皿天秤で、空のビーカーの重さをはかります。

このビーカーにメスシリンダーで水を10立方センチはかって入れビーカーと水の全体の重さをはかります。

全体の重さからビーカーの重さを引くと水10立方センチの重さがもとまります。

この数値を10で割れば1立方センチあたりの水の重さがもとめられます。

ビーカーに入れる水の体積をいろいろにかえて水の重さを測定し縦軸に水の重さ、横軸に水の体積をとってグラフに書いてみましょう。

また、水と同じようにしてアルコール(アルコールにはメチルアルコールとよばれるアルコールやニチルアルコールとよばれるアルコールなどがありこれらはすべて性質の違うアルコールです)の体積と重さを測定しグラフに書いてみてください。

また、グリセリンやエーテル(エチルエーテルなど)も同じようにやってみましょう。

右のグラフは、このようにしてつくったグラフです。
これを見ると、液体の体積の重さは比例していることがわかります。

さらに、液体の種類によって、グラフの傾きが違うことから1立方センチあたりの重さは、それぞれの液体の種類によって決まっていることがわかります。



固体の重さと体積

球・円錐・円柱のような規則正しい形をした固体の体積は辺の長さや直径を測定して、計算すればもとめることができます。

しかし、不規則な形の固体の体積はこのような方法で測定することはできません。

このようなときには、以下の方法でもとめます。

水に固体を入れたとき、固体の体積と同じ体積だけの水がおしのけられます。

この法則を利用して、おしのけられて溢れだした水の量をはかり固体の体積をもとめます。

鉄球、鉄のナット、鉄のボルト・鉄棒を切ったものなどの体積と重さを測定し、
液体の場合と同じようにグラフを書いてみましょう。

さらに、鉛の玉、鉛の棒、鉛の板などの重さと体積
銅の棒、銅の板、銅線のかたまりなどの重さと体積を測定し
グラフに書いてみましょう。

このグラフから、どんなことがいえるか考えてみます。

アルミニウムや鉄・鉛・銅などの固体でも、液体の場合と同じように
体積と重さは比例しており、同じ種類の物質では
1立方センチあたりの重さはそれぞれ決まっていることがわかります。

つまり、それぞれの物質についての直線の傾き方がその物質の1立方センチあたりの重さをしめしています。

液体でも固体でも、種類によってその物質1立方センチあたりの重さが決まっているということはたいへん大切なことで、これは物質のもつ重要な性質の一つです。

したがって、物質1立方センチの重さが何グラムであるかを測定すればその物質が何であるかを確かめる有力な手がかりとなるのです。




物質の特性とは? 色・におい・味の違いとは?

色・におい・味

白い粉末を2種類見せられて、どちらが砂糖でどちらが食塩かと訊かれたとき
私たちは、どうするでしょう。




砂糖と食塩である、ということがわかっていれば
いちばん早いのは、なめて味をみることではないでしょうか。

それには、物質がもっている味は、物質固有のものであって味が違えば物質が違うということがあらかじめわかっていなければなりません。

色の違う、2つの指輪を見せられたときに2つの指輪は質が違う、とすぐ答えることができるでしょう。

それは、金でつくられているとか、白金でつくられているとかそれらのどれが値段が高いかといったようなことを知らなくてもただ色が違うということだけで、2つの金属は質の違う金属なのだとすぐ答えることができるのです。

しかし、その指輪が、めっきされたものであり表面だけの色が違っている場合はどうでしょう。

こうなると、もはや色では区別することはできません。

色で区別ができる場合は、物の表面の色も、内部の色も同じであるときすなわち、そのもの自身がもつ色をくらべることができるときなのです。

この2つの例のように、私たちは物質を見たときに見かけの性質の違いによって分けることができるし多くの物質は、それぞれ見ただけでわかるような他のものと違う性質をもっています。

丸く切った鉄板Aと四角に切った鉄板Bとを見てAとBとは違った物質であるとはいいません。

また、コップ1杯の水と、バケツ1杯の水を見てこれらが違う物質だとも言いません。

このように、形とか大きさにはよらないで物質が他の物質と違うということを区別できる性質のことを物質の特性といいます。

それでは、物質の特性にはどんなものがあるでしょうか。

観察によって見わけがつく特性について調べてみましよう。


物質の色の特性

まえに書いたように、物質はその物質特有の色をもっています。
金や銅は、小さく切りきざんでも、切り口の色はかわりません。

また、青色の硫酸銅の色は、大きな結晶でも小さな結晶でもかわりがありません。

ですから、物質Aと物質Bとの色が違えばAとBは違う物質ではないかと疑うことはできるわけです。

鉄に黒さびができて、表面が黒ずんできたようなものと銅にさびができたようなものとでは
外から見たとき、ちょっと区別できないことがあります。

ですから、色によって物質の違いを調べるような場合は表面の色も、それをこすりおとしたときの内部の色も同じかどうかをしっかり確かめてみることが必要です。

銀は、銀色の色をもっているといわれますが銀が粉末になったときは黒色になります。

銅も金もこれらがかたまりであるときと粉末になったときとでは色が違います。

ですから、物質の色を観察するときには粒の大きさにも注意しなければならないのです。

物質のにおいの特性

アンモニアのにおいと、都市ガスが漏れたときのにおいとははっきり違います。

ガスの漏れたにおいで「あぶない」と危険を感じるのはにおいによって毒性のあるガスとそうでないガスを区別することができるからです。

このように、物質によって、その物質特有のにおいを持つものがありにおいは、物質を区別することができる性質(物質の特性)の1つです。

物質の味の特性

まえに、砂糖と食塩の味が違うことについて説明しました。
味も物質特有の性質であって、味が違えば物質が違うということができます。

しかし、味だけに頼って物質を区別することはたいへん難しいしときに銅は間違いをおかすこともあります。

酢をなめると、すっぱい味がすることは誰でも知っていることです。
しかし、他の物質を味わったとき、すっぱい味がしたらそれはすべて酢であるといえるでしょうか。

もちろん、この判断は間違いです。

梅干しの汁も、ミカンの汁もすっぱい味がしますがこれらは酢ではありません。





電気抵抗と熱伝導とは? 炎色反応とは?

電気抵抗と熱伝導

長さ、太さが等しく、種類の違う金属線に豆電球をつけ電気を通して豆電球の明るさをくらべてみます。


金属線として、銅線・鉄線・ニクロム線を使うと銅線につないだ豆電球は明るくつきますが鉄線の場合はそれよりもやや暗くさらにニクロム線にいたってはもっと豆電球は暗くなります。

これは物質によって、電気の流れにたいして邪魔する性質(これを電気抵抗といいます)が違うことを意味しています。

つまり、電気抵抗も物質の違いをあらわすことができる特性であるということができます。

豆電球のかわりに、それぞれの線に電流計をつないで流れる電流を測定するともっと正確に電気抵抗の違いを調べることでができます。

同じ長さで、同じ太さの銅と鉄の棒の一端を熱してみます。
これらの棒のはしをさわっていると銅はすぐに熱くなりますが、鉄はなかなか熱くなりません。

熱が伝わることを熱伝導といいます。

熱伝導の程度も物質によって違っていることが銅と鉄とを比較した場合にもわかります。

熱伝導のしかたは、熱伝導率であらわし物質はそれぞれ特有の熱伝導率をしめします。

炎色反応

塩化ナトリウムや炭酸ナトリウム・水酸化ナトリウムなどのナトリウムの化合物の水溶液を白金線(またはニクロム線)につけてガスバーナーの炎の中に入れて熱すると炎は黄色に染まります。

これは、これらの化合物の中に共通にあるナトリウム原子が、高温に熱せられたときに発する色です。

このように、金属の化合物を炎の中に入れて高温に熱すると化合物の中の金属原子が光をだします。

この光の色は、金属の種類によって特有のものです。これを炎色反応といいます。

炎色反応をしめしやすいのは、アルカリ金属・アルカリ土類金属のほか数種の金属で、これらの物質は、ごく微量でもまた単体でも化合物でも同じように反応をしめします。

このため、炎色反応によって化合物の中の金属原子を調べることができます。




溶解度とは? 結晶の形とは? わかりやすく解説!

溶解度

食塩と砂糖と同じ量の水に溶かしてみると溶ける量は物質によって違いがあることがわかります。 


硫酸銅やホウ酸・ミョウバンなどのいろいろな物質はその物質特有の溶解度をもっています。

白色の粉末が2種類あり、見た目には区別がつかないぐらいよく似ているときこの2種類の物質を水に溶かしてみると一方はたいへんよく溶解し、他方はあまり溶解しなかったとしたらこの2種類の物質は違う物質であることがはっきりするでしょう。

ナフタリンとパラジクロルベンゼンは、融点の違いによって違った物質であることを知ることができました。

この2つの物質を水に入れてよく振ってみると両方とも水に溶けない物質であることがわかります。

物質の溶解度はたんに水にたいする溶解度だけでなく他の液体にたいする溶解度も物質を区別する特性であり物質固有の性質なのです。

結晶のかたち

食塩水を浅い皿の上にうつし、日のあたるところに出しておくと水はしだいに蒸発し、中から同じ形をしたたくさんの結晶があらわれます。

この結晶は食塩を使えば誰がやってもどこでやっても同じ形のものしかできません。

食塩を使って、丸い形の結晶や三角形の結晶、長方形の結晶をつくることができません。

ミョウバンの溶液をビーカーに入れて放置しておくとこれも同じ形をした結晶ができ、そのどれ一つとってみても他のものと結晶の形が違うものは見られません。

ホウ酸や硫酸銅の水溶液を冷やしたときも冷えるにつれてホウ酸ならばホウ酸の結晶、硫酸銅なら硫酸銅の結晶といつも同じ形のものが析出します。

これらのことは結晶の形は、気まぐれにできているのではなくその物質に特有の決まった形があることをしめしています。

つまり、結晶の形も物質の特性であるということができます。




気体の膨張率とは? シャルルの法則とは?

気体の膨張

空気や窒素・酸素などの気体も、温度を高くすると体積が膨張します。
下の図のような装置で、空気の膨張を測定し体積と温度との関係をグラフにすることができます。 

空気のかわりに、二酸化炭素・窒素・酸素などの気体を入れ空気のときと同じようにして膨張する割合をグラフに記入してみましょう。

そうすると膨張する気体の量は上がった温度に比例しますが膨張する割合はどの気体も同じであることがわかります。

これは、固体や液体の膨張率が物質によって特有の値であるのに反して気体の膨張率は、物質の特性とはならないことをしめしています。

気体の体積と温度

いっぱんに、気体は圧力が一定ならば、温度が1℃上がるごとにその気体の0℃のときの体積の273分の1だけ増えるのです。

つまり、気体の体積は、圧力が一定ならば絶対温度(物理や化学の計算に使われる温度で摂氏の温度に273をくわえたもの に正比例してかわるという関係があるのです。

これをシャルルの法則といいます。

ですから、体積が0℃のときの2倍になるのは273℃ということになります。

またこの法則でいくと、温度を、零下273℃にすると体積が0になってしまうはずですが、どんな気体でも零下273℃にならないうちに液体か固体になってしまうので体積が0になることはありません。


【実験】

①フラスコにガラス管をつけた栓をします。
このフラスコを温めてから、管の先を水にちょっとつけると、水滴が吸い込まれます。

つぎに、このフラスコを左の図のようにスタンドにとりつけ手の平で温めたり、冷やしたりしてみましょう。

フラスコを温めると、管の水滴が下がり手の平を遠ざけて中の空気を冷やすと、水滴があがってきます。

これは、中の空気の体積が温度によって大きくなったり小さくなったりするからです。

②フラスコを100℃ぐらいの湯につけとてからこれを逆さまにし10℃ぐらいに冷やします。

すると、フラスコの中に4分の1ほど水が入ってきます。
これは、中の空気が90℃だけ冷えたため体積が4分の1ほど減ったことをしめします。

体の体積と温度・圧カ

ある決まった気体の体積が大きくなるのは温度が上がったときか、圧力が小さくなったときです。

また、体積が小さくなるのは、温度が下がったときか圧力が大きくなったときです。

では、体積をかえると、温度や圧力はどうなるでしょう。

たいていの場合、気体は圧力をかけて体積を小さくすると温度があがります。

自転車の空気入れの先をふさいでおいて急にピストンを押し下げると、空気入れの下のほうがかなり厚くなります。

これは空気を圧縮して熱が出たためです。

まえの場合と反対に、気体を温めないか温まる暇のないくらい早く膨張させればその気体の温度は下がります。

夏など、強い日光で温めれた地表の空気が何千メートルも上昇していくうらに、膨張して温度が下がります。

それで、その空気にふくまれていた水蒸気が水滴になって雲になることがあります。

入道雲はこのようにしてできた雲です。




固体の膨張率・液体の膨張率とは?わかりやすく解説!

固体の膨張率

ふつうの物質は、温度が高くなると体積が増えます。このことを膨張といいます。
 

それでは、膨張のしかたは、物質によってどのように違うのでしょうか。

中空のパイプの一端を固定し、他のはしがのび縮みしたときにそののび方が拡大されるような装置をつくります。

一端の固定されている側からゴム管により水蒸気を送りパイプを加熟するようにします。

水蒸気は、フラスコの水を加熟することによってつくることができます。
管の他のはしにあけた穴から、水蒸気が逃げるようにしておきます。

銅・アルミニウム・鉄・ガラス・黄銅などのパイプを用いてこの実験な行ってみましょう。

水蒸気で熱せられたパイプの膨張する割合が物質によって違うことがわります。

パイプの長さ、太さ(直径)、パイプの厚みパイプを通る水蒸気の温度などの条件を実験する物質全部についてほぼ等しくて実験結果をくらべることが大切です。

注意して、何度も実験してみると膨張する割合は物質の種類によって違うが同じ種類の物質ではだいたい等しいことがわかります。

この場合、パイプの太さも膨張により変化しますが長さの変化にたいして、非常に少ない変化ですので太さの変化は考えなくてもよいのです。

このように長さの膨張だけを問題にするとき線膨張という言葉を使います。

正確には、温度が1℃上がるときにのびる長さのもとの長さにたいする割合で膨張の程度をあらわします。

これを線膨張率といいます。

線膨張率は物質により特有の値すなわち、物質の特性をあらわす数値です。

線膨張率をはかれば、その物質が何であるかをある程度推定することができるのです。



液体の膨張率

図のような容器に水を満たし、液の温度が測定できるように温度計を入れます。
この装置を水槽の中に入れ、水槽の中に60℃ぐらいの湯を入れます。

温度が5℃上がるごとに、ガラス管の液面が上がった高さを測定し
温度と液面の高さとの関係をグラフにします。

水のかわりに、エチルアルコールを入れて水と同じ方法で実験し、液面が上がった高さとアルコールの温度とり関係をグフフに書きます。

グラフを見てわかるように、水とエチルアルコールとでは膨張のしかたが、違っていることがわかります。

液体も固体と同じように温度が高くなると膨張しますがこの場合は体積が膨張します。

体積が膨張する割合を体膨張率といいます。

体膨張率は、物質の種類によって違い液体の体膨張率は、液体によって一定の値をとります。




微量物質の融点のはかリ方とは?ガラスの毛細管の作り方とは?

ナフタリンやパラジクロルベンゼンなどの固体の物質の融点を測定するにはつぎのようにすると便利です。 


この方法によると、融点をはかる物質の量が微量で済むのでその点でも便利です。

ガラスの毛細管の中に物質を少量入れて温度計とともにこれを加熱します。

温度が上がって物質が融解して透明になったときの温度をはかり、これを融点とします。

また、融解していいて、透明であったものをゆっくり冷やしてかたまらせ不透明になったときの温度を測定する方法もあります。

ガラスの毛細管をつくるには内径8ミリメートルぐらいのガラス管の一部を加熱して引きのばし内径1ミリメートルぐらいで厚さのうすい毛細管をつくります。

この毛細管を長さ7~8センチに切り一方のばしを炎で熱してとじると融点測定用の毛細管ができます。

この毛細管に融点をはかる物質を入れるには乳鉢か、素焼きの板で粉末にした物質の中に毛細管のひらいたほうをさしみます。

すると、管の中に少量の物質が入りますから管を逆さまにし、閉じたほうを下にして机の上で軽く叩き物質を管の底のほうへ落とすようにします。

この方法をくり返し毛細管の底から約5ミリメートルぐらいの高さになるような物質を入れます。

融点をはかるときは、温度計の球部に少量の水をつけこれに毛細管をつけ、そのままビーカーの液の中に入れます。

熱するときは、できるだけゆっくり温度が上昇するようにします。




物質の融点とは? 水・ナフタリン・パラジクロルベンゼンとの違いとは?

水を試験管に入れ、氷と食塩をまぜあわせたもの(これを寒剤という)の中に入れて冷やしてみます。 


このとき、水の中に温度計をさしこんでおいて冷えてゆく温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

水は、その量が多くても少なくても、氷になる温度は0℃であり全部の水が氷になるまで0℃の温度は一定のままでかわりません。

家庭にある防虫剤で、ナフタリンという薬があります。

これを試験管にいれてから100℃ぐらいの湯を入れたビーカーの中につけておきます。

しばらくすると、固体であったナフタリンは溶けて液体のナフタリンにかわってしまいます。

液体になったナフタリンの中に温度計を入れて試験管をビーカーの湯に入れたままで放置し温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

100℃近い温度であった液体のナフタリンはビーカーの湯の温度が低くなるにつれて、温度が下がりやがて80℃ぐらいになると、液体のナフタリンの中に小さな固体ができてくるのが見えます。

ナフタリンの温度は、このときから、80℃より低い温度にならずそのかわり、どんどん多くの固体が生じます。

ナフタリンが全部固体にかわるあいだ80℃の温度はかわらず、そのまま一定です。

全部のナフタリンが固体になると固体のナフタリンの温度はしだいに下がります。

これは、まえの実験で、水が氷になる温度が0℃で全部の水が氷になるまで0℃であったことと同じ現象です。

家庭で、ナフタリンよりも、もっとよく使われる防虫剤にパラジクロルベンゼンというのがあります。

これは、ナフタリンとは違う種類の物質です。



パラジクロルベンゼンを小さく砕いて試験管に入れて100℃ぐらいの湯を入とれたビーカーの中に入れ、溶かして液体にします。

これをナフタリンのときと同じようにして冷やし温度と時間との関係をグフフに書いてみます。

約52℃になると、液体のパラジクロルベンゼンの中に小さな固体があらわれだんだん量が多くなります。

そのときから温度は変化せず、52℃のままです。

そして、液体が全部固体にかわったところでふたたび温度は下がりはじめます。

水・ナフタリン・パラジクロルベンゼンが液体の状態から固体の状態になるときは物質によって温度が決まっていることがわかりました。

この温度は、水の量やナフタリンの多い、少ないによるものではなく量に無関係に、その物質によって決まっている温度です。

このように、液体から固体になる温度は物質により決まっておりこの温度を凝固点または融点といいます。

鉛やスズをるつぼの中に入れて熱すると溶けて液体の鉛や、液体のスズができます。

この中に温度計をさしこんで、ゆっくり冷やしてやるとやはり一定の温度になったときにかたまることがわかります。

すなわち、鉛の融点は327.5℃、スズの融点は231.9・℃であってこの温度は常に一定です。

このように、沸点や融点は物質によって決まっている値で物質の特性をしめす一つの要素です。

ですから、沸点や融点を測定することによってその物質が何であるかを推定することができる場合が多いのです。




物質の沸点とは? 水とアルコールの違いとは?

水を試験管に入れ、その中に素焼きのかけらを2~3粒入れ温度計を入れて熱してみましょう。 


三角フラスコにも水を入れ、温度計を入れ熱します。

丸底フラスコは試験管や三角フラスコよりも多量の水が入ります。
これにも、素焼きのかけらを入れ、温度計をさしこんで熱してみましよう。

そして、熱してからの温度の上がり具合と時間との関係を調べグラフに書いてみます。

つまり、水の量の多い少ないによって水の沸き立つ温度に違いがあるかどうかを調べてみるのです。

試験管に入れた水は、量が少ないので短時間で温度が上昇しやがて100℃近くで沸騰します。

三角フラスコの水は、試験管の水の量よりやや多いので時間はかかりますが、やはり100℃近くで沸騰します。

丸底フラスコに入れた水は、量が多いのでなかなか沸き立ちませんが、やがて100℃になって沸騰しはじめます。

このことから、水は体積には関係なくほぼ100℃近くで沸騰することがわかります。

アルコールには、エチルアルコールやメチルアルコールなどがありますが、注射をするときの消毒用とかお酒の中にあるアルコールはエチルアルコールでメチルアルコールというのは、人の体にはたいへん有毒な物質です。

エチルアルコールを、水が沸騰する温度を調べたときと同じように量をかえて沸騰する温度を調べてみましょう。



ただし、アルコールを熱するときは、直接金網の上で熱するのではなく湯の中で熱するようにします。

これは、あまり熱しすぎるとアルコールの蒸気が多量に出てこれに引火して危険なことがあるからです。

この場合は水浴(ウォーターバス)という器具を使うのがふつうですがないときには、缶詰の空き缶に湯を入れたりビーカーに湯(または水)を入れ、それを下から熱するのもよい方法です。

エチルアルコールの場合も、水と同じようにその量に関係なく、約78℃で沸騰します。

メチルアルコールについてもエチルアルコールとまったく同じ方法で調べてみるとやはり量の多い少ないに関係なく、約64℃で沸騰します。

このようにして、いろいろな液体について調べてみると液体が沸騰する温度は、液の量には関係なく液体の種類によって決まっています。

物質はこのように、その物質に特有な沸騰温度をもっています。

この温度を沸点といいます。
物質の沸点は、物質の特性をあらわすものとして大切なものです。

しかし、注意しなければならないことは物質の沸点は、気体の密度や体積と同じように大気の圧力に影響されることです。

といっても普段、圧力(大気圧)の変化は小さいので沸点はそれほど違いません。

ふつう、一気圧における沸点としてあらわします。




気体の重さと体積とは? わかりやすく解説!

空気を注射器に入れて、注射器の先を閉じ、
ピストンを押したり引いたりすると空気は縮んだり、広がったりします。


これは、気体が液体や固体とは著しく異なるところです。
物質の状態を考えるとき、温度と圧力と体積は大切な要素です。

固体や液体の重さと体積を考えるときは、圧力の影響があまりないのでまったく触れませんでしたが、気体について調べるときは圧力を考えなければなりません。

気体の体積と圧力

瓶の中に液体や固体を入れるとき、ある決まった量だけ入れるとそれ以上は入りません。

しかし、空気のような気体では、かなりの量を詰め込むことができます。
それを確かめるために圧力計をつけた瓶の中に空気をふきこんでみましょう。

すると、空気が多く入るにつれて瓶の中の圧力が高くなることがわかるでしょう。

これは、気体の体積と圧力との間にある決まった関係があるからなのです。

それは、ある決まった量の気体の体積が2分の1になれば圧力はもとの2倍になり
体積が3分の1になれば、圧力は3倍になるということなのです。

また、反対に体積が2倍になると、圧力は2分の1になります。

つまり、温度が一定のとき、決まった量の気体の体積は圧力に反比例してかわるのです。

この関係は、空気ばかりでなく、どの気体にもあてはまります。

この関係をボイルの法則といいます。

注射器の内側を水でぬらし、先を指でおさえてピストンを押していくとだんだんピストンを押し返す力が増していきます。

これは、筒の中の空気の体積が縮めば縮むほど、その空気の圧力が大きくなくなるからです。



気体の重さと体積

気体の重さをはかるには、外から力を加えない状態にして体積をはかり、その体積で何グラムの重さがあるかを測定しなければなりません。

空気の重さは、はかることができます。

スプレーの空き缶の重さをはかっておき、これにポンプで空気を押し込んで、再び重さをはかります。

空気を押し込んだときのスプレーの重さからはじめのスプレーの重さを引けば、押し込んだだ空気の重さがわかります。

つぎに、押し込んだ空気を水で満たした水槽の中に逆さまに立てたメスシリンダーの中にはかりとれば何立方センチの空気を押し込んだかがわかります。

その体積で、空気の重さを割れば1立方センチあたりの空気の重さをもとめることができるわけです。

空気ばかりでなく、酸素や水素、二酸化炭素などの気体も空気と同じ方法でその重さをもとめることができます。

気体も、固体や液体と同じように1立方センチあたりの重さ、または1000立方センチあたりの重さはその気体の種類によって決まっています。

このように、物質の種類によってその物質1立方センチあたりの重さが決まっていることはたいへん重要なことなのです。

1立方センチあたりの重さを密度といいます。

まえに述べたような、物質の色・におい・味などは物質の特性としては、曖昧なものですが物質の密度は、物質の特性の代表的なものの一つです。

密度をはかれば、その物質は何であるかとはっきりわからないまでもある程度の検討をつけることはできます。




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