金属の融点と重さ・かたちとは? わかりやすく解説!

金属の融点

金属は、ある決まった圧力のもとではその金属に特有な温度で溶けて、液状になります。

この温度を、その金属の融点といいます。融点は、金属の種類によって、高さが違います。


このうち周期律表のIa族は、アルカリ金属とよばれ原子の大きさもわりあいに大きく原子どうしのむすびつきが弱いので融点が低いという特徴があります。

またIb族の銅族などのように原子の小さい金属は原子どうしのむすびつきが強く、融点はわりあいに高くなります。

水銀は例外で原子の大きさが小さいわりに、融点が低く零下38.8℃です。

このように金属の融点は、その金属の原子の大きさと深いつながりがあります。

金属の重さ

金属には、わりあいに軽いものと非常に重いものとがあります。
重さのあらわし方には、いろいろな方法かありますがふつうは比重であらわします。

比重四を基準にして、それ以下の軽い金属を軽金属それ以上の重い金属を重金属とよんでいます。

金属のなかで、もっとも比重の大きいものは22.5のオスミウムでもっとも小さいものは、0.534のリチウムです。

軽金属のなかで重要なものにはアルミニウム・ナトリウム・マグネシウムなどがあります。

いっぽう重金属は、軽金属にくらべてその数も多く鉄・銅・金・銀をはじめ、重要なものがたくさんあります。


金属のかたさ

金属のかたさも、金属の種類によって、いろいろと違います。

金属のかたさをあらわす方法には、いろいろありますがそのどれも、なにか基準になるものを含めてそれにくらべた値であらわしています。

いっぱんに.ナトリウム・カリウムなど、アルカリ金属には柔らかいものが多く鉄・コバルト・ニッケルなどの周期律表のⅧ族の元素にはかたいものが多くなっています。

また、タングステンをふくむ合金には非常にかたいものが、たくさんあります。

金属の色とつや

金属には、その金属に特有のつやがあってこれを金属のつや(金属光沢)といいます。

金属のつやは、金属が光を反射するためにあらわれるもので金属の表面の、反射する力が大きければ大きいほど、強く輝いたつやがみられます。

いっぽう、金属はその種類によって反射のしかたが違うのでそれぞれ特有の色が見られます。

たいていの金属は、白っぽい色に見えますがその光り方は種類によって、いくらか感じが違っています。

色がついている金属は、金・銅ぐらいでこれらを着色金属、白っぽい金属を白色金属といって区別することもあります。

金属は光を通しませんが、うすい箔にして、ふつうの光を通すと多くの金属は、灰色がかった茶色に見えます。

また、着色金属は反射する色と通り抜ける色とが補色の関係になります。
たとえば、金の箔では反射する光は金色ですが通り抜ける色は、青緑色に見えます。



溶液の濃度とは? コロイド溶液とは? わかりやすく解説!

溶液の沸点と氷点

純粋な水に、一気圧のもとでは、0℃以下では氷になりますが100℃になると沸騰して水蒸気にかわります。


このことを、水の氷点(融点)は0℃であり、沸点は100℃であるといいます。

しかし、水にいろいろな物質が溶解しているとこの溶液の氷点や沸点は、純粋な水のときと違ってきます。

ビーカーに純粋な水を入れ、沸騰しているときの温度をはかりつぎに、砂糖を溶かして沸騰させ、その温度をはかって水のときと比べると違いがよくわかります。

溶質が砂糖や塩化ナトリウムのように固体であるときは、その水溶液の氷点は0℃以下となり沸点は100℃を越えるようになります。

つぎのグラフは、砂糖の水溶液の氷点と沸点とをしめしたものです。

このグラフから、氷点の下がる程度や沸点の上がる程度は、溶かした砂糖の重さに比例していることがわかるでしょう。

このことを利用して、分子量がわからない物質の分子量を実験によってもとめることもできるのです。

ここでは、純粋な溶媒に他の物質を溶かしたときに沸点や氷点(融点)がかわるということを覚えておいて下さい。

溶液の濃度

物質の溶け方を注意してみると砂糖のように非常に水に溶けやすいものと塩化ナトリウム(食塩)のようにそれほどよく溶けないものとがあります。

そこで、ある溶媒に溶質がどれだけ溶けるかとかこの溶液には溶質がどれだけ、溶けているかとかをあらわすのに溶液の濃さをはかる基準を決めておくと、たいへん便利です。

この基準を濃度といいます。

濃度のあらわし方としては、ふつうパーセント濃度が使われます。

パーセント濃度は、つぎの式のようにして計算します。

ここで注意しなければならないのはパーセント濃度は、溶質の溶液にたいする割合であって溶質の溶媒にたいする割合ではないということです。

また、濃度をあらわすのに溶液1リットルに溶けている溶質のグラム数を溶質の分子量で割った値を使うこともあります。



コロイド溶液

溶液中の溶質は分子の大きさで溶媒中に散らばっています。
そして、この溶液は色のついていることはありますがすべて透明です。

また、ろ紙を自由に通り抜けます。

ところが、溶液中に散らばっている粒子が1ミリの100万分の1から1万分の1ぐらいの大きさになるとろ紙は通り抜けますが、光の進む道をさえぎるようになります。

このくらいの大きさの粒子には1粒に原子が1000から10億個ぐらいふくまれていてコロイド粒子といわれます。

また、このコロイド粒子を含んでいる溶液をコロイド溶液といって、ふつうの溶液とは区別しています。

コロイド粒子は、ろ紙は通り抜けますがろ紙より目の細かいセロハンやポリニチレンの膜などは通り抜けません。

コロイド溶液に、細い光の筋を当てると光の進む道が、ぼんやりとにごって見えます。

このように、コロイド溶液に光の筋を当てて光の進む道が見える現象をチンダル現象といいます。

また、コロイド粒子はふつうの顕微鏡では見ることができませんが限外顕微鏡という特別な装置をつけた顕微鏡で見ると粒子のひとつひとつが光の点となって見えます。

この粒子をよく見るとひとつひとつが、あちこちと不規則に動き周っているのがわかります。

この粒子の運動を、ブラウン運動といいます。

チンダル現象とブラウン運動はコロイド粒子にだけ見られる特別な性質です。




混合物の沸点と融点とは? わかりやすく解説!

純物質と混合物

前の章でも述べたように、純粋な物質の沸点や融点を測定してみると常に一定の値をしめすものです。 

これに対して、2種以上の物質を混ぜた混合物は一定の沸点も融点もしめしません。

そこで、一定の沸点と融点を持つ物質を純粋な物質(純物質)といい一定の沸点や融点を持たない物質を混合物ということに決めます。


混合物の沸点

水やアルコールは、その体積の大小に関わらず同じ温度で沸騰することはすでに学びました。

それでは、水とエチルアルコールを混ぜ合わせたものの沸騰する温度すなわち沸点はあるのでしょうか。

水1に対してエチルアルコール1体積の割合に混合したものをフラスコに入れ1~3個の沸騰石を入れ、温度計を入れて熱してみましょう。

そして、時間と温度との関係をグラフに書いてみます。

水やアルコールを別々に熱したときのグラフに比べ一定の沸点をしめさないことがはっきりわかります。

水に溶けているアルコールが全部蒸発してしまうとはじめて100℃の沸点をしめすようになります。

次に、水に食塩を混合した場合の沸点について、調べてみましょう。

20グラムの水に、2グラムぐらいの食塩を溶かした液を大形の試験管に入れ沸騰石を加え、温度計を入れて熱してみましょう。

そして、やはり温度と時間の関係をグラフに書いてみます。

食塩水は、100℃ぐらいから沸騰をはじめますがその温度はだんだん高くなって、106℃ぐらいになるまで上昇を続けます。

食塩水の底のほうに食塩の結晶がでるまで温度は上昇を続け結晶が出ると、はじめて一定の温度になります。

この2つの例からもわかるように2つの物質を混合した場合は一定の沸点をしめさないものです。

これに対し純粋な物質は、一定の沸点をもっています。



混合物の融点

ナフタリソやパラジクロルベンゼンは、一定の融点をもっています。
今、ナフタリンとパラジクロルベンゼンの2物質を混合してその混合物の融点を調べてみましょう。

ナフタリンとパラジクロルベンゼン2グラムの割合で混合し前回と同じ方法で融点を測定します。

グラフを見てわかるように、この混合物は一定の融点を示せません。

純粋な水は、0℃で氷になります。すなわち、氷の融点は0℃です。

水に食塩を溶かした場合や水に砂糖を溶かした場合の融点はどうなるでしょうか。

水の融点を測定したのと同じ方法で、食塩水の融点を測定してみましょう。
水20立方センチに食塩5グラムを溶かし、これを大形試験管に入れて温度計を入れ、寒剤の中に入れて冷やします。

温度と時間との関係をグラフにします。

このグラフから、食塩水は一定の融点をしめさないことがわかります。
      .
水に他の物質が溶解したときは、0℃より低い温度で氷ができます。
混合する物質が多くなるにつれて、氷のできる温度はいっそう低くなります。

海の水がなかなか凍らないのや漬物の汁が冬に水が凍るような寒いところでも凍らないのはこのためなのです。

また、純粋な酢酸は16.6℃の融点をもっています。
これに、水を加えると、16.6℃になっても凝固しません。

この水を含んだ酢酸が凍る温度は、加えた水の量によってまちまちです。
これも、混合物が一定の融点をしめさない例の一つです。

このように、純粋な物質はそれが純粋でありさえずれば、どの試料を測定してもいつも一定の融点をしめすのに対し混合物はその混合の割合により融点が異なりグラフに書いた場合も、純粋な物質とは違う温度の下がり方をしたり融点がはっきりしなかったりします。




微量物質の融点のはかリ方とは?ガラスの毛細管の作り方とは?

ナフタリンやパラジクロルベンゼンなどの固体の物質の融点を測定するにはつぎのようにすると便利です。 


この方法によると、融点をはかる物質の量が微量で済むのでその点でも便利です。

ガラスの毛細管の中に物質を少量入れて温度計とともにこれを加熱します。

温度が上がって物質が融解して透明になったときの温度をはかり、これを融点とします。

また、融解していいて、透明であったものをゆっくり冷やしてかたまらせ不透明になったときの温度を測定する方法もあります。

ガラスの毛細管をつくるには内径8ミリメートルぐらいのガラス管の一部を加熱して引きのばし内径1ミリメートルぐらいで厚さのうすい毛細管をつくります。

この毛細管を長さ7~8センチに切り一方のばしを炎で熱してとじると融点測定用の毛細管ができます。

この毛細管に融点をはかる物質を入れるには乳鉢か、素焼きの板で粉末にした物質の中に毛細管のひらいたほうをさしみます。

すると、管の中に少量の物質が入りますから管を逆さまにし、閉じたほうを下にして机の上で軽く叩き物質を管の底のほうへ落とすようにします。

この方法をくり返し毛細管の底から約5ミリメートルぐらいの高さになるような物質を入れます。

融点をはかるときは、温度計の球部に少量の水をつけこれに毛細管をつけ、そのままビーカーの液の中に入れます。

熱するときは、できるだけゆっくり温度が上昇するようにします。




物質の融点とは? 水・ナフタリン・パラジクロルベンゼンとの違いとは?

水を試験管に入れ、氷と食塩をまぜあわせたもの(これを寒剤という)の中に入れて冷やしてみます。 


このとき、水の中に温度計をさしこんでおいて冷えてゆく温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

水は、その量が多くても少なくても、氷になる温度は0℃であり全部の水が氷になるまで0℃の温度は一定のままでかわりません。

家庭にある防虫剤で、ナフタリンという薬があります。

これを試験管にいれてから100℃ぐらいの湯を入れたビーカーの中につけておきます。

しばらくすると、固体であったナフタリンは溶けて液体のナフタリンにかわってしまいます。

液体になったナフタリンの中に温度計を入れて試験管をビーカーの湯に入れたままで放置し温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

100℃近い温度であった液体のナフタリンはビーカーの湯の温度が低くなるにつれて、温度が下がりやがて80℃ぐらいになると、液体のナフタリンの中に小さな固体ができてくるのが見えます。

ナフタリンの温度は、このときから、80℃より低い温度にならずそのかわり、どんどん多くの固体が生じます。

ナフタリンが全部固体にかわるあいだ80℃の温度はかわらず、そのまま一定です。

全部のナフタリンが固体になると固体のナフタリンの温度はしだいに下がります。

これは、まえの実験で、水が氷になる温度が0℃で全部の水が氷になるまで0℃であったことと同じ現象です。

家庭で、ナフタリンよりも、もっとよく使われる防虫剤にパラジクロルベンゼンというのがあります。

これは、ナフタリンとは違う種類の物質です。



パラジクロルベンゼンを小さく砕いて試験管に入れて100℃ぐらいの湯を入とれたビーカーの中に入れ、溶かして液体にします。

これをナフタリンのときと同じようにして冷やし温度と時間との関係をグフフに書いてみます。

約52℃になると、液体のパラジクロルベンゼンの中に小さな固体があらわれだんだん量が多くなります。

そのときから温度は変化せず、52℃のままです。

そして、液体が全部固体にかわったところでふたたび温度は下がりはじめます。

水・ナフタリン・パラジクロルベンゼンが液体の状態から固体の状態になるときは物質によって温度が決まっていることがわかりました。

この温度は、水の量やナフタリンの多い、少ないによるものではなく量に無関係に、その物質によって決まっている温度です。

このように、液体から固体になる温度は物質により決まっておりこの温度を凝固点または融点といいます。

鉛やスズをるつぼの中に入れて熱すると溶けて液体の鉛や、液体のスズができます。

この中に温度計をさしこんで、ゆっくり冷やしてやるとやはり一定の温度になったときにかたまることがわかります。

すなわち、鉛の融点は327.5℃、スズの融点は231.9・℃であってこの温度は常に一定です。

このように、沸点や融点は物質によって決まっている値で物質の特性をしめす一つの要素です。

ですから、沸点や融点を測定することによってその物質が何であるかを推定することができる場合が多いのです。




モバイルバージョンを終了