溶解度とは? 結晶の形とは? わかりやすく解説!

溶解度

食塩と砂糖と同じ量の水に溶かしてみると溶ける量は物質によって違いがあることがわかります。 


硫酸銅やホウ酸・ミョウバンなどのいろいろな物質はその物質特有の溶解度をもっています。

白色の粉末が2種類あり、見た目には区別がつかないぐらいよく似ているときこの2種類の物質を水に溶かしてみると一方はたいへんよく溶解し、他方はあまり溶解しなかったとしたらこの2種類の物質は違う物質であることがはっきりするでしょう。

ナフタリンとパラジクロルベンゼンは、融点の違いによって違った物質であることを知ることができました。

この2つの物質を水に入れてよく振ってみると両方とも水に溶けない物質であることがわかります。

物質の溶解度はたんに水にたいする溶解度だけでなく他の液体にたいする溶解度も物質を区別する特性であり物質固有の性質なのです。

結晶のかたち

食塩水を浅い皿の上にうつし、日のあたるところに出しておくと水はしだいに蒸発し、中から同じ形をしたたくさんの結晶があらわれます。

この結晶は食塩を使えば誰がやってもどこでやっても同じ形のものしかできません。

食塩を使って、丸い形の結晶や三角形の結晶、長方形の結晶をつくることができません。

ミョウバンの溶液をビーカーに入れて放置しておくとこれも同じ形をした結晶ができ、そのどれ一つとってみても他のものと結晶の形が違うものは見られません。

ホウ酸や硫酸銅の水溶液を冷やしたときも冷えるにつれてホウ酸ならばホウ酸の結晶、硫酸銅なら硫酸銅の結晶といつも同じ形のものが析出します。

これらのことは結晶の形は、気まぐれにできているのではなくその物質に特有の決まった形があることをしめしています。

つまり、結晶の形も物質の特性であるということができます。




物質の融点とは? 水・ナフタリン・パラジクロルベンゼンとの違いとは?

水を試験管に入れ、氷と食塩をまぜあわせたもの(これを寒剤という)の中に入れて冷やしてみます。 


このとき、水の中に温度計をさしこんでおいて冷えてゆく温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

水は、その量が多くても少なくても、氷になる温度は0℃であり全部の水が氷になるまで0℃の温度は一定のままでかわりません。

家庭にある防虫剤で、ナフタリンという薬があります。

これを試験管にいれてから100℃ぐらいの湯を入れたビーカーの中につけておきます。

しばらくすると、固体であったナフタリンは溶けて液体のナフタリンにかわってしまいます。

液体になったナフタリンの中に温度計を入れて試験管をビーカーの湯に入れたままで放置し温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

100℃近い温度であった液体のナフタリンはビーカーの湯の温度が低くなるにつれて、温度が下がりやがて80℃ぐらいになると、液体のナフタリンの中に小さな固体ができてくるのが見えます。

ナフタリンの温度は、このときから、80℃より低い温度にならずそのかわり、どんどん多くの固体が生じます。

ナフタリンが全部固体にかわるあいだ80℃の温度はかわらず、そのまま一定です。

全部のナフタリンが固体になると固体のナフタリンの温度はしだいに下がります。

これは、まえの実験で、水が氷になる温度が0℃で全部の水が氷になるまで0℃であったことと同じ現象です。

家庭で、ナフタリンよりも、もっとよく使われる防虫剤にパラジクロルベンゼンというのがあります。

これは、ナフタリンとは違う種類の物質です。



パラジクロルベンゼンを小さく砕いて試験管に入れて100℃ぐらいの湯を入とれたビーカーの中に入れ、溶かして液体にします。

これをナフタリンのときと同じようにして冷やし温度と時間との関係をグフフに書いてみます。

約52℃になると、液体のパラジクロルベンゼンの中に小さな固体があらわれだんだん量が多くなります。

そのときから温度は変化せず、52℃のままです。

そして、液体が全部固体にかわったところでふたたび温度は下がりはじめます。

水・ナフタリン・パラジクロルベンゼンが液体の状態から固体の状態になるときは物質によって温度が決まっていることがわかりました。

この温度は、水の量やナフタリンの多い、少ないによるものではなく量に無関係に、その物質によって決まっている温度です。

このように、液体から固体になる温度は物質により決まっておりこの温度を凝固点または融点といいます。

鉛やスズをるつぼの中に入れて熱すると溶けて液体の鉛や、液体のスズができます。

この中に温度計をさしこんで、ゆっくり冷やしてやるとやはり一定の温度になったときにかたまることがわかります。

すなわち、鉛の融点は327.5℃、スズの融点は231.9・℃であってこの温度は常に一定です。

このように、沸点や融点は物質によって決まっている値で物質の特性をしめす一つの要素です。

ですから、沸点や融点を測定することによってその物質が何であるかを推定することができる場合が多いのです。




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