ロケットが発達しはじめたのはいつ頃? わかりやすく解説!

20億光年の彼方の宇宙の様子を知るとか巨大な星雲同士の衝突を見るということは確かに驚くべきことです。

しかし、地球上の私たちの生活により密接な関係があるのははるかに近い空間、つまり地球の上空1000キロメートルとか2000キロメートルとかいった程度までの空間です。


そこで、地球の上空2000キロメートルくらいまでの高さにわたって大気層を例えば10キロメートルごとに何層にも水平に切ってそれぞれの高度での空間状態を観測する手段がほしいわけです。

この観測は飛行機や気球では無理です。そこへ登場してきたのがロケットです。

ロケットの原型は、すでに古代中国で戦争の兵器として使われていた火箭(火の矢)だということですが、これは近代のロケットとはまるで違ったものです。

現在、世界のいくつかの国で兵器や空間観測用に使われているロケットの原型は第二次大戦中にナチスドイツが開発したV2号、その他のロケット弾などです。

ロケットというのは、その後尾のノズル(ふん射孔)からたくさんのガスをふきだし、その反動で飛ぶもので、空気の密度の非常にうすい高層空間をも飛ぶことができます。

はじめのころの観測用ロケットはせいぜい数十キロメートルくらいでしたが現在では1000キロメートル以上に達することができます。

このロケットに、温度や風向・風速・放射線・地磁気などを測定するための機械装置を積み込み、それぞれ決められた高度のところではたらくようにしておき観測データはテレメーター(遠隔通信装置)で地上に送信させるようにすればそれぞれの高度の空間状態がつかめるわけです。



第二次大戦後、ナチスドイツがつくっていたロケットやその設計図を持ち出したアメリカとソ連はそれをもとにロケットの研究、開発をすすめました。

それが、中距離弾道弾(IRBM)や大陸間弾道弾(ICBM)として実をむすびそれらに核弾頭をつけることによりいわゆる押しボタン戦争の可能性までうみだしまかり間違えば、全地球を破滅させるような兵器となったのです。

いっぽう、科学観測用として開発されたロケットもまた急速に進歩発展を続け、得られたデータは、それまで知ることができなかった高層大気・高層空間(スペース)についての知識を大幅に増やすことに役立ってています。

日本でも、1957年7月1日から1958年12月31日まで世界60か国が参加して行われた国際地球観測年(IGY)をきっかけとして科学観測用ロケットの開発に乗り出しまず、おもちゃのようなペンシル型・ベビー型ロケットから出発10年のちには、全長12メートル、重さ1.5トンというラムダ型ロケットの開発に成功
さらに、1970年2月、4段式ロケット、ラムダ4S型5号機で初の国産人工衛星「おおすみ」を打ち上げることに成功しました。




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