天の川
夏の夜の夕涼みで、だれにも馴染み深い天の川はその名の通り、夜空を流れる銀色の川のように見えます。
銀河というよび名や、七夕の物語は、中国から伝わったものです。
昔の人は、天の川を空のつぎめがほころびてそこから外の世界の光がもれてくるのだというように考えていました。
ギリシア時代に、天の川が非常にたくさんの星の集まりだと考えた学者がいましたが、後に望遠鏡でこのことをはじめて観測で確かめたのは有名なガリレオ=ガリレイです。
天の川は、夏の夜空に美しく見られるだけではありません。
その続きが秋から冬・春の空にかかりぐるっと、ひとまわりしています。
私たちのまわりの星や星間物質に、1つのまとまりをつくっているのです。
それが光の帯のように見えるのは、そのまとまりが平たい円盤のような形をしていると考えると、うまく説明できます。
この円盤の中に、いっぱい星がつまっていてその中の1つの点に太陽系があるとしましょう。
この星の世界の四方上下を見渡します。
そうすると、円盤の平たい面にそってずっと遠くまで星が広がっているのですから幅のせまい部分にたくさんの星が重なり合って、全体としてはまるくつながった光の帯に見えます。
これが天の川の正体なのです。
銀河系小宇宙
言葉をかえていうと、天の川は私たちのまわりにある星の集まりを天球に散りばめたものといえるわけです。
そこで、これらの星の集まりを天の川小宇宙あるいは銀河系小宇宙といい、ふつうは銀河系といっています。
銀河系の渦巻き
銀河系の中には、おもに、水素でできた星間物質が広がっています。
この水素ガスは、波長21センチメートルという電波を出していますが、その電波を電波望遠鏡で観測した結果それらは銀河系の円盤の面にそって平たい渦巻きの形をしていることがわかりました。
そして多くの星が、この渦巻きの方向に並んでいることも知られています。
銀河系の姿
銀河系をずっと離れたところから見たとすれば真上からは、大きな渦巻きに、真横から見れば平たい円盤の形に見えるだろうと考えられます。
その大きさは、中心のかたまりにあたる部分の直径が約1.5万光年そのまわりに広がっている平たい渦巻きの直径が、約10万光年です。
太陽系は銀河系の中心から約2.7万光年ほど離れたところにあることも、わかっています。
厚さは、太陽系の付近で約5000光年くらいです。
なお、球状星団や、星やガスの一部は銀河系の平たい円盤をまるく包むように散らばっています。
これを銀河系のハロ、またはコロナとよんでいます。
銀河系の回転
銀河系の中の星や星間物質は、それぞれものすごい速度で中心のまわりを回転しています。
中心からの距離によって回転の速度は違い太陽系付近の星で、毎秒250メートルです。
銀河系はこんな大スピード運動しているのですが中心のまわりを1回転するには、約2億年もかかります。