梅雨とは? 梅雨の特徴とは? わかりやすく解説!

春は、冬から夏にうつりかわる途中の季節ですが春から本当の夏になるまでのあいだに、梅雨(つゆ)の期間があります。


梅雨というのは、6月10日ごろから約1か月のあいだ、くもりがちで雨の多い季節のことです。
5月の終わりごろにも数日、梅雨と同じような天気があらわれます。
これを「梅雨の前触れ」とか、「はしり梅雨」などといいます。

暦のうえでは、6月の11日か12日が、入梅(梅雨に入る日)となっています。
東京あたりでは、梅雨に入った日は、平均して、6月10日ごろです。

しかし、入悔は場町によって違い、日本の南のほうからはじまってだんだん北のほうまで進んでいきます。

梅雨のあいだは、毎日、雨が降るというわけではありません。
梅雨の中休みといって、梅雨の期間のうちで、2、3日晴れの日が続くことがあります。

梅雨の期間を30日として、そのあいだのくもりと雨の日を合計すると東京で約25日、福岡で約22日となります。
つまり、梅雨の期間は、全体の日数の70~80パーセントはくもっているか雨が降っていることになります。

梅雨のころの雨は、しとしと降るのがふつうです。
しかし、ときには、すさまじい勢いで、大雨が降ることもあります。

しとしと降る雨は、だいたい、梅雨のはじめのころに多くすさまじい雨に、梅雨の終わりごろに多く降ります。

梅雨のあいだは、よく雨が降りますから、この雨量をあわせると、かなりの量になります。
場所によっては、1年中の雨量の30パーセント以上にまでなるところがあります。

梅雨には、うすら寒い日と、蒸し暑い日とがありますが1年中で、いちばん湿り気の多い時期です。




春雨・花曇・蜃気楼・霞・陽炎とは? 春の天気の特徴とは?

春雨

春は、冬よりも雨の降る日が多く、1回に降る雨の量も多くなります。
草木に若芽のでるころに降る、細かい雨は、春雨といわれています。

これは本州の南に前線があるようなときに、降る雨です。


花ぐもリ

前線が近づいて、雨が降るまえは、空一面にうす雲(絹層雲)やおぼろ雲(高層雲)が広がってきます。

花見のころの、このような天気は、花ぐもりといわれています。
空一面に、うす雲が出ているときは、太陽や月のまわりに大きな輪ができます。

これを日のかさ、月のかさといいます。
昔から「月がかさをかぶると、雨が降る」といわれています。

春の夜、おぼろ雲が広がっていると、月の形が、ぼんやりと見えるものです。
これをおぼろ月といいます。

霞(かすみ)

風が静かで、天気のよい日の朝や夕方に、かすみのかかることがあります。
かすみは、霧や、煙霧のうすいもので地面の近くの空気が上空の気温よりも低いときに起こるものです。

陽炎(かげろう)

春さき、風が弱くて、日差しが強いとき川原や、線路のところでものがゆらゆら揺れて見えることがあります。これをかげろうといいます。

ふつう空気は、地直に近いところがいちばん濃く高いところにいくほど、少しずつうすくなっています。

ところが、地面が強く温めれると、地面近くの空気が温まって膨張し、軽くなります。
軽くなった空気は上のほうに昇っていきます。
すると、地面に近いところの空気には、濃いところと、うすいところができます。

いっぽう、光は空気の中を通るとき、濃さが違うところでは屈折してすすむので、物が揺れて見えるわけです。

蜃気楼

冷たい空気と温かい空気が接しているとき遠くの景色が空中に見えることがあります。この現象を蜃気楼といいます。

蜃気楼が起こるのは、密度の違う空気が接しているとその接する面で光が屈折するためです。

蜃気楼は、砂漠などで地表近くの空気の温度が高く上のほうの空気の温度が急に低くなっているとき、極地方の海のように海面の温度が空気の温度よりも非常に低いとき水平方向に温度の異なる空気層があるとき、などに起こります。

日本では、富山県の魚津で見られる、蜃気楼が有名です。

富山湾では、春から夏のはじめにかけて、山の雪が溶け冷たい水が海に流れだして、海面の温度が低くなります。

すると、海面近くの空気が濃くなりますが、そのすぐ上には温かい薄い空気が重なっています。
このため、光の進みかたがかわり、蜃気楼があらわれると考えられています。

逃げ水

天気のよい日のアスファルト道路などで
水がないのに遠くのほうに水があるように見えることがあります。
この現象を逃げ水といいます。

逃げ水は、蜃気楼の一種で、地面が高温に熱せられると
その近くの空気が温められて密度が小さくなります。

すると、密度の大きい上側の空気中にある物体から出た光は
下側の密度の小さい空気との境目で屈折します。

したがって遠くで見ると、あたかもその物体が道路の上の水面にうつっているように
逆さまに見えます。
しかし、近づくと消えてしまい、後ろへと逃げていくので逃げ水といわれています。



雪解け

冬のあいだに降り積もった雪は、温度が上がるとともに、解けはじめます。
急に温度が高くなると、山の雪がいちどにとけて川に流れこみ、洪水が起こることがあります。

北海道から北陸地方までの雪の多いところでは、春に、雪解けの洪水がよく起こります。
しかし、春から夏にかけて、水の足りない季節には
山奥の雪がとけて流れ出す水が、水力発電にとって、大切なはたらきをしています。

春の霜の害

4月を過ぎてから、高気圧でおおわれると、夜、気温が下がるため霜がおりクワや、果物の木などの農作物が害を受けます。

129

上の天気図は、1967年4月8日の朝のものです。
本州のまん中にある高気圧は、朝鮮のほうから動いてきた移動性の高気圧です。
日本の各地とも、高気圧の影響で風が弱く、ほとんどよい天気になっています。

このようなときは、夜間の冷え込みが強いのです。

そのうえ、グラフでわかるように、ちょうどこのころは、気温の低い時期にもあたっています。

8日の朝は、関東地方の北部から東北地方にかけて気温が0度以下に下がったところもあったほどです。

このような移動性高気圧におおわれ、気温が下がったとき、よく霜がおります。
このころに霜がおりると、梨・桃などの果樹や茶・クワ・じゃがいもなどの農作物におおきな被害を与えることがあります。

春の天気図

上の天気図を見ると、本州の中央部に移動性高気圧があります。
この影響で、全国的に快晴になっています。

春に気温が急に高くなるときは、太平洋の気団が、日本付近に顔を出したときです。
このようなときには、必ず日本海かシベリアに、強い低気圧があります。

そして、本州では各地とも気温が高く、南風が強くなっていきます。
このようなときは、せっかく咲いているサクラの花が、いっぺんに散ってしまいます。

また、とくに日本海側では、気温が高くなり湿り気が少なくなるので、大火事が起こりやすくなります。




春の天気の特徴とは? わかりやすく解説!

私たちの住んでいる温帯地方では、春・夏・秋・冬の4つの季節が、はっきりしています。
しかし、赤道に近い熱帯地方では、1年中の温度の違いが小さいので四季の区別が、はっきりしません。

また北極や南極に近いところでは、夏と冬の温度の違いは大きいのですが1年中、雪や氷があるので、温帯地方のような季節の変化は見られません。

温帯地方の中でも、日本はシベリア大陸と太平洋とのあいだにあって四季の区別が、とくにはっきりしています。

日本は、北東から南西に細長く伸びた列島ですから場所によって、季節のあらわれかたがかなり違っています。
北海道では、冬が長くて、暖かい季節が短く、とくに秋が短くなっています。

これとは反対に、西日本の太平洋側では、冬が短くて、暖かい季節が長くなっています。


春の天気

春になると、冬にくらべて、だいぶ日が長くなるので地面は冬のあいだより暖かくなってきます。

そうすると、空気の温度もだんだん高くなってきてあまり寒くもなく、暑くもない天候になります。

暦のうえでは、3月になると、北海道から九州まで春になるわけですが気象のほうでは、北海道の春と九州の春とでは、ずいぶん大きな違いがあります。

いま、温度の違いを調べてみましょう。

図は、3月の平均気温を等温線であらわしたものです。
3月の平均気温にというのは3月1日から31日までの、毎日の気温を平均したものです。

また、この図は、長い年数の3月の気温を平均したものです。
このような図は、全国のたくさんの測候所で何十年も温度の観測を続けて、はじめてつくられるのです。

図で見るといちばん気温の低いところは、北海這の中央あたりです。
この部分は、3月の気温が、零下4度以下になっているのです。
こんなところでは、まだ雪が残っています。

関東地方は、だいたい4度の線と、8度の線のあいだにありますから、北海道より約10度高いことになります。

いちばん気温が高いのは、四国や九州の南部で、ここは10度の線が通っています。

寒い北の地方でも、5月になると、平均気温が10度ぐらいになります。
つまり、九州の南のほうより約2か月遅れて、本当に春らしい暖かさになってくるのです。

上の図は、東京の3月のはじめから4月の終わりまでの毎日の平均気温をグラフにしたものです。

このグラフによると、3月のはじめから4月の終わりまで気温は全体としては、だんだん上がっていきますが毎日少しずつ高くなるのではありません。

急に気温が上がって、2、3日暖かい日が続き、また急に寒い日がやってきます。そして、また急に暖かくなってきます。

このように、気温が急に高くなったり、低くなったりするのが、春の気象の特徴の1つです。

春には、気温の変化が激しいだけでなく、天気の変化も大きいのです。
晴れの日と雨の日が、わりあい規則正しく繰り替えされます。




天気図と低気圧の発生・発達・消滅とは? わかりやすく解説!

天気図と低気圧

日本付近に、よく訪れる低気圧は温帯低気圧といい、前線をよく伴います。

上の天気図は、日本近くでよく見られる温帯低気圧です。
ふつう、温帯低気圧は寒冷前線と温暖前線を伴うことが多く北半球では寒冷前線は南西に伸び、温暖前線は南東に伸びています。


この2つの前線にはさまれたところは、天気はよく、温かい風が吹き込んでいますが、その外側では、冷たい風が吹き込んでいます。

この天気図でもわかるように、低気圧の中心に近い東京では雨が降っています。
しかし、寒冷前線の北側の大阪では晴れています。
前線を伴う低気圧のつくりから、低気圧付近の天気の様子を調べてみましょう。

図は低気圧のつくりをしめしたものです。
この図でもわかるように2つの前線にはさまれた地域は雲もなく晴れていることがわかります。

温暖前線の北側で降る雨は、しとしとと、わりあい長い時間降り続きます。
しかし、寒冷前線の西側で降る雨は強くなったり、弱くなったりしてにわか雨のような降りかたをします。

雨の降っている時間は、わりあいに短いのがふつうです。

あたたかい気団と冷たい気団の性質が非常に異なる温暖前線の場合では前線の北側と南側での温度の違いは約10度くらいになります。

つまり、温暖前線の北にある気団と南にある気団との温度の違いが10度ということです。

また、天気図を見るときには昨日の天気図と、今日の天気図というようにいつでも前の天気図とくらべてみることが大切です。

そうすると、高気圧や低気圧の動き方や、天気の移り変わる様子などがよくわかります。



低気圧の発生・発達・消滅

日本にやってくる温帯低気圧は中国・シベリア・東シナ海などで発生したものがほとんどです。

温帯低気圧は、下の図のように、はじめ前線付近に波がおこりこの波が大きくなってうずまきとなり、だんだん発達していきます。

そして、気圧の谷にそって、東または北東にすすんでいきます。

やがて、閉塞前線ができて、その勢力も衰えていき、最後には消えてしまいます。
北半球での高気圧や低気圧が、西から東へと進んでいくのは地球が自転しているためで、南半球では、これとは逆になります。

しかし、北半球での低気圧も、必ずしも西から東へ進むのではなくそのときの気圧配置によって大きく左右されるのでその進みかたや速さは一定していません。

また、季節によってはり出してくる、気団の影響も受けるので発達のしかたもいろいろです。




気団と前線とは? 日本に影響を及ぼす気団とは?

気団

いろいろな研究の結果、低気圧は、温かい空気と冷たい空気の境目にできやすいことがわかっています。

ちょっと考えると、温かい空気と冷たい空気とが、隣り合っていればすぐに混じりあってしまうように思われますが、そうではありません。

長いあいだ、太平洋の上にあった空気は温かくて、湿り気が多くなっています。
長いあいだシベリア大陸にあった空気は冷たく、乾いています。

太平洋の上とか、シベリア大陸の上というような、広い地域にあってだいたい同じような性質になっている、空気の大きなかたまりを気団といいます。


日本に影響を及ぼす気団

冬は冷たく、乾いた北西の風となって吹いてくる空気は、シベリア気団です。
夏、南よりの風となって吹いてくる、温かくて、湿った空気は、小笠原気団です。

露のころに、オホーツク海や三陸の沖から
冷たくて、湿った北東の風を吹かせる空気を、オホーツク海気団といいます。

このほか、春や秋に影響を及ぼす揚子江気団があります。

前線

温かい空気と、冷たい空気というように、温度や湿度の異なる空気はなかなか交わらないで、境目ができます。
この境目を前線面といい、前線面が地表と交わるところを前線といいます。

前線のところでは、温かい空気(暖気団)は、冷たい空気(寒気団)よりも軽いので温かい空気は、前線面にそって上昇し、冷えてその中の水蒸気が凝結するため前線面の近くでは雲が多く、天気はよくありません。

前線は、暖気団と寒気団の勢力の強さによって温暖前線・寒冷前線・停滞前線・閉塞前線などができます。

温暖前線

温かい空気が、冷たい空気の上に、どんどん這い上がっていく場合には冷たい空気が後ろに下がります。

そして、もと冷たい空気のあったところへ、温かい空気が入っていきます。
このような前線を、温暖前線といいます。

温暖前線が近づくと、はじめに絹雲があらわれ、それから絹層雲が空をおおいやがて雲がだんだん厚くなり、低く下がってきます。
最後に乱層雲になって雨が降り出します。

温暖前線にともなう雨は、しとしと降る弱い雨です。
また雨が降っている地域も広い範囲です。
温暖前線が通ると、風は南よりになり気温も上がり、天気もよくなります。



寒冷前線

冷たい空気が、温かい空気の下に、潜り込んでくる場合には温かい空気は、冷たい空気の前のほうで、その上へのぼり、後ろのほうに下がっていきます。

そして、もと温かい空気のあったところへ、冷たい空気が入りこんでいきます。このような前線を寒冷前線といいます。

寒冷前線が進んでくると、積乱雲が盛り上がって見え、やがて雨が降り出します。
雨の降る範囲はせまく、雷やひょう・突風を伴う強い雨が降ります。
しかし、すぐ止んでしまいます。

寒冷前線が通ると、いままで南よりだった風向が、北または西よりにかわって、温度が急に下がり、天気はよくなります。

温暖前線を天気図にあらわす場合には、前線が通っている位置に線をひいてその線の片側の前線の進む方向に、半円を並べて書きます。

寒冷前線の場合は温暖前線と同じように、前線の進む方向に小さな三角形を並べて書きます。

停滞前線

停滞前線は暖気団と寒気団の勢力が、ほぼ等しいときに生じる前線です。

したがって、前線はゆっくり動くかあるいは、まったく動きません。
停滞前線の近くでは、くもりがちで、また、前線にそって小さい低気圧が発生するため、雨の降っていることがよくあります。

露のころ、雨の日が多いのは、この停滞前線が、本州の南側に発達するからです。

閉塞前線

寒冷前線のほうが、温暖前線よりも速く移動するため寒冷前線が温暖前線に追いついてできる前線を、閉塞前線といいます。




風は吹くのはなぜ? ジェット気流とは? わかりやすく解説!

風の吹くわけ

風は、二地点間で気圧の差があるときに気圧の高いほうから、低いほうへ吹きます。
風には、高気圧や低気圧のように、かなり広い地域のあいだで生じる風もあれば陸風・海風のように温度の違いで生じる気圧の差が原因となって吹く風もあります。


気圧配置と風

風が強く吹くか、弱く吹くかは、二地点間の気圧の差と距離によって違ってきます。
二地点間の気圧の差を、その距離で割ったものを気圧傾度といい気圧傾度が大きいところでは、風は強く吹いています。

風は、北半球では、高圧部から低圧部に向かって、低圧部を左に見るように吹きます。
風向と等圧線との角度は、陸上では30~40度、海上では20~30度傾いて吹いています。
しかし、陸上では地形の影響によって、等圧線とほとんど直角になっていることもあります。

温度の違いによる風

海岸地方で、昼間に海から陸に向かって吹く海風や夜間に陸から海に向かって吹く陸風は温度の違いによって気圧に差が生じて吹く風です。

上の図のように、Aの空気が温まると、膨張するので軽くなり上空では気圧の低いDに向かう風が生じます。
また、Bの上空に空気が流れこむと、空気の量が増えるのでBの気圧はAよりも高くなります。

そこで地上では、BからAへ向かう風が生じます。

大気の大循環

地表が、太陽からうける熱は赤道付近で最も大きく、緯度が高くなるにつれて小さくなります。
このため、赤道付近には低圧部が、極ふきんには高圧部ができます。
しかし、地球上の全てのところで。極から赤道に風が吹いているわけではありません。
それは、地球が球形であり、自転しているために、緯度が30度付近に高圧帯ができています。

この高圧帯から、赤道に向かう貿易風と、極に向かう偏西風とが噴き出しています。

このように30度付近に高圧帯ができるのは地球の表面積は緯度が高くなるほどせまくなるため、極に向かう上空の風は30度近くの上空までくると、それより先には進みにくくなり、風の吹き溜まりになっています。

このため、高圧帯ができると考えられています。

ジェット気流

中緯度地方の約12キロメートルの上空では、極地方と赤道地方からくる温度の違う2つの空気が出会うため、非常に強い西風が帯のように地球をとりまいています。

これをジェット気流といいます。




気圧の変化、気圧配置とは? 等圧線の引き方とは?

空気は、水のような液体ではないので、高さや場所によって、気圧の大きさは異なります。

気圧と高さ

海面上で測った気圧を平均すると、その大きさは水銀柱の高さが76センチの圧力に相当します。

この圧力を1気圧といい。これは約1013ミリバールにあたります。

空気には、圧力によって体積がかわるため、圧力の大きい地上では濃く上空にいくにつれて薄くなります。

上のグラフは、高さと気圧の関係をあらわしたものです。

このグラフからもわかるように、地上30キロメートル以上になると気圧も地上より、ずっと小さくなります。

高さと気圧の関係は、およそ1000メートルくらいまでは高さ10メートルにつき、約1.2ミリバールずつ減っていきます。


気圧の変化

同じ場所で、続けて気圧を測ってみると気圧は時刻とともにかわっているのがわかります。

上のグラフは、5日間の気圧の変化をあらわしたものですがこのグラフからも、気圧はいつも変化し、しかも、気圧の高いときは天気はよいが気圧が低くなってくると、天気は悪くなることがわかります。

等圧線と気圧配置

各地で観測した、気圧の値の等しいところをむすんでできた線を等圧線といいます。

何本かの等圧線をひくことによって気圧の高いところや低いところがどのように分布しているかがわかります。

このように、地図の上に気圧の分布をあらわしたものを気圧配置といい天気記号で述べた、風向・風力・天気、等圧線などを書きこんだものを天気図といいます。

上の天気図は、春の日本付近の気圧配置をしめしたものです。

この天気図を見ると、大陸側に気圧の高いところがあり太平洋側にも気圧の高いところがあります。

そして、日本はちょうど2つの気圧の高いところにはさまれています。
このようなところを気圧の谷といいます。

気圧の谷は天気の移り変わりが激しいところでです。

等圧線のひきかた

等圧線の間隔は、天気によって、2ミリバールおき、3ミリバールおき5ミリバールおきというように、いろいろあります。
日本の気象台や測侯所で出している天気図はふつう2ミリバールおきの等圧線で書かれています。

そして、10ミリバールごとに太い線であらわされています。
各地で観測した気圧が、必ずしも2ミリバールごとの値になるわけではありません。
そのため、等圧線をひくとき、観測値から、平均の値をもとめて、線をひくこともあります。

たとえば、各地で観測した気圧が、1図のようになっているとき1012ミリバールの線をひくとします。

ちょうど、10ミリバールという気圧は、イとエとしかありませんがアやウやオは、1011と1013ミリバールのあいだですからこれらのところは1012と考えて、ア・イ・ウ・エ・オというようにつないでいけばよいのです。

この5つの点をつなぐとき、1図のようにもつなげるし、2図のようにもつなげます。
しかし、1図のほうが、見た目にもきれいであり、実際に2図のように気圧が変化していることもありません。

1014ミリバールの線も、同じようにして引くことができます。
等圧線は、天気図のはしからはしまでつながっているものやまるい形や楕円形をしているものなどがあります。

しかし、等圧線が交わったり、枝分かれしたり、切れたり渦巻きになったりすることはありません。

また、等圧線は、前線のところでは、とがっていますがこのほかのところでは、とがった形にはなりません。



高気圧と低気圧

天気図の中に「高」または「H」という印しのつけてあるところはまわりよりも気圧が高いところです。

ここを高気圧といいます。

高気圧といっても、気圧が1気圧(1013ミリバール)より低くてもまわりよりも気圧が高ければ高気圧になるのです。

高気圧の中では、等圧線の間隔が、比較的広く、風はあまり強くなく中心から時計の針の動きと同じ方向にまわりながら、外側へ噴き出しています。

そして、これを補うために、空気が上層から降りてきて、下降気流を生じます。

空気が降りるときには、温度が上がるため、雲があっても蒸発して消えてしまいます。
したがって、高気土でおおわれている地域は、一般に天気がよくなっています。

天気図の中で「低」または「L」という印のつけてあるところはそのまわりにくらべて気圧の低いところで、ここを低気圧といいます。

低気圧とは、高気圧と同じように、気圧が1気圧より低いということではなくまわりよりも気圧が低いところということです。

低気圧の中では、等圧線の間隔は、せまく風は北半球では時計の針の動きと反対の方向に、まわりから中心へ吹き込んでいます。
また風の強さは、低気圧の中心に近づくほど強く吹いています。

このように、低気圧では、四方から風が吹き込んでいるので中心付近では、上昇気流ができるため、雲を生じくもりがちや雨の降っていることが多いようです。




天気図とは? 天気記号とは? わかりやすく解説!

天気図

昔は、天気の移り変わりを予想するには、ことわざや言い伝えに頼るほかはありませんでした。

気象学が進歩したいまでは、天気図をつくって天気予報が出されています。
天気図は、新聞にも出ていますから、いつでも見られます。

しかし、天気図がどうしてつくられるかまた、どのように読めばよいかがわからないと何の興味もなく利用のしかたもわかりません。


気象の観測をするとき、屋上に出て空を眺めると見渡せる範囲は日によって違いますが、見通しのよいときでもせいぜい数十キロメートルの範囲しか見ることができません。

天気図は広い範囲の天気の様子を一目で見渡せるようにつくられたものです。

そのため、天気図には、たくさんの場所で同じ時刻に観測した天気の様子を記号や数字を使って、書き入れてあります。

天気図を入ると、雨の降っているところや風の強いところなどが、一目でわかります。
また、1日に何回か天気図をつくってくらべてみると時刻とともに天気がかわっていく様子もわかります。

1つの場所の天気は、つぎつぎに移り変わっていますから天気図は観測をしたあと、できるだけ早くつくるようにしなければなりません。

また、天気図に書き入れる天気は、できるだけ、広い地域で観測されたものが必要です。

そのため、各地に散らばっている測候所や気象台海上の船などでは、決められた時刻に観測するとすぐにそれを電話や無線電信で、気象庁予報部に知らせることになっています。

天気図には日本の測候所や気象台で観測した結果のほかに外国の測侯所で観測されたものも書かれています。

外国の気象は、各国の気象台が、無線電信で放送するのを受けるのです。
そして、気象庁予報部では、各地からきた電報を、つぎつぎに天気図に書き入れていきます。

各地で観測してから、天気図に書き入れが終わるまでの時間は、ふつう1時間半ほどです。

天気記号

各地の天気の様子を天気図に書き入れるときはできるだけ読みやすいようにするため、いろいろな記号や数字を使います。

天気図では、風向と風力と天気は、記号で書いてあり、温度は数字で書いてあります。
気象台や測候所で、天気予報をするためにつくる天気図にはこのほかに、気圧、雲の形、雲の高さなど、いろいろなものが書き込まれています。



風向・風力をあらわす記号

風向矢ばねを風が吹いてくる方向にかき、また○印で、観測所の位置をあらわします。
たとえば、北東の風ならば、下の図のアのように、南の風ならば、図のイのように書きます。

風速をあらわすには、2通りあります。
その1つは、風速のかわりに風力を使うものでラジオの気象通報は、この風力で放送しています。

もう1つの方法は、風速をノット(1ノットは、1時間に約1852メートルすすむ速さ)であらわすものです。

この場合には、短い羽根1本は1~7ノット、長い羽根は8~12ノット、三角形の旗は48~52ノッ卜をあらわし、これらを組み合わせて使います。

天気と気温のあらわしかた

晴れ・くもり・雨などの天気の様子は、観測所の位置をあらわす○印の中に図のような記号で書きます。

気温は天気記号の左上に数字で書き入れ、小数点以下は四捨五入します。
こうして、風向・風力・天気・気温を全部書いたときの形は、図のようになります。

これを天気図の中に書き入れたものが、その場所での天気の様子をあらわすことになります。




天気のことわざをまとめてみました! わかりやすく解説!

天気のことわざ

天気がかわると、私たちの生活には、いろいろなことが影響してきます。

いまよりも、自然の影響を強く受けた、昔の人はどんなにか天気のことを気にしたことでしょう。

けれど、昔は天気予報がなかったので、自分で天気を判断しなけばなりませんでした。

天気のうつりかわりを予想するのは、難しいことです。

昔の人たちも、風向きや雲の様子と天気とのあいだに深いつながりのあることが、長いあいだに、だんだんとわかるようになったのでしょう。
そのうちのいくつかは、ことわざとして、いまでも残っています。

ことわざは、地方地方で、大勢の人の経験から出てきたものですから
たくさんあります。
その中には、いま考えても、正しいものもあり
どういうことか、意味がよくわからないものもあります。

もともと、天気のことわざは、自分の住んでいるところから見える山や海の様子や
毎日の生活の経験をもとにしてできたものです。

したがって、せいぜい、半日くらい先までの、予想ができるだけです。
また、その土地にだけしか、あてはまらないものもあります。

つぎに、だいたい、どこの地方にもあてはまるような、天気のことわざを挙げてみましょう。


夕焼けは、晴天の前触れ

温帯地方では、大気は西から東に、うつりかわってきます。

夕焼けが出るということは、西の空が晴れているということですからそのあとしばらくは天気がよいと考えてもいいことになります。

はね雲(うす雲)が出たら雨

月や太陽が傘をかぶったら雨

この2つのことわざは、同じ意味のものです。月や太陽が傘をかぶるのは、うす雲の出ているときです。

低気圧や前線が近づいてくるときには、まず、うす雲が出てきます。
月が傘をかぶる場合、10回のうち、およそ6回は、1日半のうちに雨が降るということを調べた人がいます。

綿雲が出たら晴れ

綿雲(積雲)は、天気のよい日に出るものですがしだいに大きく発達して、入道雲や雷雲になることがあります。

しかし、このことわざは、ふんわりと空に浮かんでいてあまり大きくならない、綿雲の場合を指しているようです。

煙りが西へ流れると雨、東へ流れると晴れ

温帯地方では、西の風が吹いているときは、だいたい天気がよいといって間違いありません。

東の風が吹くのは低気圧などが近づいているようなときに多いのですからこのことわざは、だいたい正しいと考えてよいでしょう。

鐘の音がはっきり聞こえると、雨が近い

鐘の音だけでなく、汽車の汽笛なども、日によってよく聞こえるときと、あまりよく聞こえないときとがあります。

これは、地面から高いところまでの空気の温度がどのようになっているかに関係があることです。

また、空がくもってくると音がよく聞こえるようになります。

冬の西風、日暮れまで

日が出た後に、西または北西の風が強くなりはじめて午後には、いちばん強くなり、夕方になると、おさまることをいいあらわしたものです。

関東平野では、冬の天気のよい日には、よくあることです。

アマガエルが鳴くと、雨になる

ネコが顔を洗うと、雨になる

というようなことわざもありますが、これらは気象のほうからは、説明が難しいようです。




天気とは? 天気の移り変わりとは? わかりやすく解説!

天気

天気という言葉には、2通りの意味があります。

気象のほうでは、ある場所で、ある時刻に測った風向・風速・雲量・気圧・気温・湿度などを、みんなひとまとめにして天気といっています。


天気調べ、天気図などというときの天気は、その意味のものです。

「今日はよい天気です」とか、「何日もうっとしい天気が続く」というときにも天気という言葉が使われます。

このときの意味は、雲量の多い少ないや、雨で雪などが降っているかいないかをあらわしているものです。

この意味の天気には、たくさんの種類がありますが、おもなものは、つぎの通りです。

  • 快晴: 雲量が、0から2までのとき晴れ: 雲量が、3から7までのあいだのとき
  • くもり: 雲量が8から10までのとき
  • 雨: 雨が降っているとき
  • 雪: 雪が降っているとき
  • あられ: あられが降っているとき
  • ひょう: ひょうがふっているとき
  • みぞれ: 雨と雪が、混じって降っているとき
  • 雷雨: 雷が鳴ったり、いな光りがするとき(雷といっしょに雨が降ることがある)
  • 霧: 霧がかかって、見通しが悪いとき(1000メートルより先が見えないとき)
  • 煙霧: 細かい煙の粒などが、空気中に浮かんでいて見通しが悪いとき(1000メートル以上先が見えないとき)

天気は、1日のうちでも、朝と夜とでは違うことがあります。
また。今日と明日とで違うのもふつうです。

2、3日同じような天気が続くこともあります。

1年のうちでは、春や秋には、天気のうつりかわりが早く真夏や、真冬には、わりあい同じような天気が続くものです。

天気のうつりかわリ

遠足とか運動会があるときには、明日の大気のことが気になります。
それは、日によって天気がかわるのは、当たり前のことと思っているからです。

しかし、外国には、何か月ものあいだ、ほとんど毎日、同じような天気が続き明日の天気などを気にしなくてもよい土地もあるのです。

たとえば、インドの平野部では秋の中ごろから春のはじめまでほとんど毎日晴れの日が続きます。
アメリカのカリフォルニアの沿岸でも、夏から秋のはじめまでのあいだ雨らしい雨かぶらないのです。

このような土地にくらべて、日本は天気の変化の激しい国といえます。




降水量と調べかたとは? 雨量計の種類とは? わかりやすく解説!

雨量と積雪の深さ

雨量は、雨が地上に何ミリの深さに降り積もったかでいいあらわします。

2ミリの雨といえば、そこに降った雨が、どこにも流れずに、また土の中にも染み込まないとすると、一面に2ミリの深さになるということです。

雨のほかに、雪・あられ・ひょうなども、溶かして水に直し雨量と同じように、その深さを測ります。
これらと雨量とをひとまとめにして、降水量といっています。

日本では、降水量は、だいたい1年間に少ないところで1000ミリ多いところで3000ミリくらいになります。


雨量の測りかた

直径10センチ、深さ10センチ、またはそれ以上の大きさのブリキ缶を運動場の真ん中か、庭の中ほどにおいて、雨を受けてみましょう。

まわりに落ちた雨粒が、飛び込まないように、缶をいくらか高い木の台の上にのせます。
風が吹いても缶が倒れないように、台に釘などを使って、缶が動かないようにしておきます。

この缶の中に雨がたまったら、ものさしをまっすぐに差し込んで、水の深さを測ります。
このときによんだ水の深さが雨量になります。

底の平らでない缶や、口のほうが広くなったバケツのような形のものを用いると水の深さを測っただけでは、雨量はわかりません。
もし、このような缶しかないときには、水の深さを測るのを止め缶ごと量りにのせて重さを測ります。

はじめに、缶の重さを測っておいて、それを差し引けば缶の中の水の重さが何グラムあるかわかります。

この水の重さを、缶のうけ口の面積、たとえば500平方センチで割れば雨量が何センチであったかがわかります。
ふつうには、これを10倍して何ミリあったかであらわします。

雨量計のいろいろ

①雨量計

ふつう、いちばんよく用いられている雨量計は雨がうける口の直径が20センチで、ふちは刃物のように、うすくなっています。

この雨量計は地面を少し掘って埋めますが、雨のうけ口は地面から20~30センチくらい、出るように据え付けます。

雨量計のまわりの地面には、短い芝生を植えるのがいちばんよく細かい砂をしくのもよいことです。

降ってきた雨は、口から入って、中にあるろうとを通って、貯水瓶の中に入ります。
雨量を測るときには、この瓶を取り出して、雨水を雨量ますにうつし、雨量を測ります。
雨量ますには、雨量がミリですぐにあわせるように、特別な目盛りがしてあります。

雨量ますの中の水の高さをよむときには温度計の目もりをよむときと同じような注意が必要です。

ふつう雨量を測るのは、毎日午前9時にしますが都合の悪いときには、別の時刻に測ってもよいのです。
ただ、注意しなければならないことは何日もほうっておくと瓶の中に入った雨が、蒸発して、減ってしまいます。

②自記雨量計

気象台には、ふつうの雨量計のほかに、自記雨量計がおいてあります。
自記雨量計は、雨の量を時々刻々に記録していく器械です。

自記雨量計には2通りあります。

1つは雨がたまると浮き上がり、それによって、ペンが動いて雨量が記録されます。
もう1つは小さいシーソーの両はしにバケツが2つあって雨がたまるとその重みで、ちょうどシーソーのようにかわりばんこにバケツが倒れるしかけになっています。

この動きを、電気仕掛けによって、部屋の中の記録装置に伝えます。



③長期自記雨量計

人の住んでいない土地や、山の中などで雨量を測りたいときには長い期間にわたって、ひとりで雨量を記録する装置を用います。

ふつうには、3か月間自動的に記録する雨量計が用いられていて、これを長期自記雨量計とよんでいます。

この雨量計は、雨をうける口の直径が10センチで、ふつうの雨量計より小さくまた記録する装置は高さ50センチ、縦横25センチの箱におさめてあって山地へ持っていくのに便利にできています。

④無線ロボット雨量計

空気は山にそってのぼるので、山岳地帯では、たくさんの雨が降ります。

日本のような山の多い国では、このような山に降る雨のために降水がおこるので、山で降る雨を、正しく測ることが必要です。

人の住んでいない山奥の雨を知るには、無線ロボット雨量計が使われています。

無線ロボット雨量計は、自動的に1時間ごとに雨量を無線電信でおくり、気象台でそれを受信して山奥で振った雨が、測れる仕掛けになっています。

雪の測りかた

積もった雪の深さを測るには、まず、学校の運動場のようななるべく、広い平らな地面のところを選びます。

雪があまり多くない地方では雪の中にものさしを差し込んで、何センチあったかを測ります。
雪の多い地方では、あらかじめ、目もりを書き込んだ棒を立ておきます。
この棒のことを雪尺といいます。

積もった雪が、どれだけの水の量になるかを知るには採雪器で雪をとり、その雪の重さを測ります。

なお、空から降ってくる雪の量をはかるには、雪量計を使います。
雪量計は、直径が20センチの細長い金図製の筒です。

この雪量計の筒の中にたまった雪を、部屋の中で溶かして雨量と同じようにしてはかり、ミリであらわします。




雪ができるのはなぜ? 雪の結晶の種類と調べ方とは? 人工雪とは?

雪が美しい結晶でできていることは、ほぼ400年も前からわかっていました。
しかし、そのころは、どうして雪の結晶ができるかは、あまりよく知られていませんでした。

日本の中谷宇吉郎博士に、実験室でいろいろの雪の結晶をつくることに成功し
雪の研究は大いにすすんできました。


雪の結晶の調べかた

黒い紙か、布切れを出して、降ってくる雪を受けてみましょう。

手で触ったり、息をふきかけたりすると、消えてしまうので注意してみるとちょうど、白砂糖を見るように、雪の結晶を見ることができます。

虫眼鏡で見ると、なおくわしくわかります。

雪の結晶のいろいろ

雪の結晶が、美しい六角の花のような形をしていることはよく知られています。
雪の結晶には、このほか、いろいろな形があります。

その形から、針状結晶・板状結晶・柱状結晶・樹技状結晶・不定形などいろいろな名前がつけられています。

これらの結晶は、それぞれ単独に振ってくることもありますがふつう、いろいろ組み合わさっている場合が多いのです。

このように、結晶の形が違うのは、雪を生じだ雲の水蒸気の量と温度と違うからです。

雪のできかた

水蒸気をたくさんふくんだ空気が上昇すると温度が下がるだめその空気の水蒸気の量が、飽和にたっし、雲ができます。

さらに温度が下がると雲をつくっている水粒が過冷却の状態になりその過冷却の水粒や、小さな粒を核として氷晶ができます。

氷晶ができると雨のできかたと同じように水晶がだんだん大きくなり落ちる途中、まわりの水粒とくっつきながら結晶は大きくなっていきます。

この結晶が溶けることなく地上に振ってきたものが雪です。

雪が降っているときの地面の近くの気温が、だいたい2、3度以下です。
気温が0度より高いときには振ってくる雪は、溶けてしまいそうに思えます。

しかし、雪のできる空の高いところでは、0度よりも、ずっと低い温度です。
したがって、地面の近くだけが、0度より少し高くても溶けてしまわないで、雪として降ってくるのです。

ときには、雪と雨が混じって降ることもあります。これがみぞれです。

冬のはじめや冬の終わりごろ、雨が降りだす前に、みぞれが降ってくることがよくあります。

最近は、人工雪の研究の進歩により、雪の結晶の形から雪ができた雲の状態を知ることができるようになりました。

人工雪

人工雪をつくる装置は、図のように、上のほうにはうさぎの毛を垂らしておき
下のほうには、水をおいてその水を温めながら、水蒸気が常に補われるようになっています。

この装置を低温の室内におきます。

はじめに、水蒸気がうさぎ毛の上に小さな結晶となってつきそれがだんだん大きくなって雪の結晶となります。




雨雲と雨のできかたとは? 人工降雨とは? わかりやすく解説!

雲の粒の大きさは、直径が平均して、0.02ミリくらいですが雨粒は、ふつう1~2ミリくらいあります。

雲の粒と雨粒の1個ずつの重さをくらべてみると、大きな雨粒は、雲粒の100万倍もあります。

雨粒は雲の中でできることはわかりますが、大きな雨の粒にまでどのようにしてなるのでしょうか。


雨を降らせる雲

雨を降らせるような雲は、うすい雲の中ではできないで、厚い雲の中にできます。

絹雲や絹層雲は、うすい雲ですから、雨を降らせません。
層積雲や積雲も、やや厚い雲ですが、雨をほとんど降らせません。

雨を降らせる雲は、積乱雲・高層雲・乱層雲などのように、たいへん厚い雲です。
雨を降らせる厚い雲は、山脈にそって空気が上昇するときや低気圧・温暖前線・寒冷前線の付近にできます。

前線が西から東へ進んでくるとき、雲の形や雨の降りかたがどのようにかわるかを調べてみましょう。

はじめは、絹層雲(うす雲)が西の空にあらわれだんだんに頭の上に広がり、空をおおってきます。

このとき、太陽のまわりにかさができます。
この雲は、だんだん厚くなり、かさは消えてしまい、高層雲(おぼろ雲)になります。
このころは、また雲を通して、太陽がぼんやり見えます。

前線が近づいてくると、雲はさらに厚くなり、ついに乱層雲(雨雲)になります。
この雲が近づくと、雨がぼつぼつ振りはじめ、乱層雲の下では、雨が降り続きます。
雲の厚さは、うす雲・おぼろ雲・雨雲の順に厚くなっています。



雨のできかた

雲の中での、雨のできかたには、いろいろありますが日本などで降る雨の原因は、つぎのように考えられています。

雲が成長しはじめ、高い空にまでも上昇すると、温度の低い雲の中では小さい氷の結晶があらわれます。

これを氷晶といいます。

雲をつくっている水粒は、0度以下の温度でも必ずしも氷になっているわけではなく、むしろ、零下15度くらいまでは水滴になっています。
このように0度以下になっても氷にならないでいる状態を過冷却の状態といいます。

垂直に高く伸びた雲では、氷晶だけからなるところ、氷晶と過冷却の水粒からなるところ水粒からなるところと大きく3つの層からできています。

このような雲で、氷晶と過冷却の水粒が混じっているところでは水粒がどんどん蒸発して、そのぶんだけ水晶は大きくなって雪の粒となりやがて落ちはじめます。

雪の粒は、落ちる途中、まわりの水粒と衝突つしながらますます大きくなり、下のほうで暖められて溶け、雨粒となります。

とくに、落ちる途中、気温が低いと溶けることなく、そのまま地上に落ちてきます。

これが雪です。

上昇気流が激しい場合には、雲の底のほうまで落ちてきた水粒や氷晶がふたたびふき上げられて、互いにくっつきながら大粒の雨や、あられ・ひょうなどになって降ってきます。

人工降雨

人工的に雨を降らせることが、試みられています。
1つは、雨になりやすい雲があるとき、ドライアイスをその雲の中にまき雲の温度を下げて、雨のもととなる氷晶をつくることです。

もう1つは、ヨウ化銀の微粒子を煙りとして立ち上らせこの微粒子が過冷却の水粒の中に入ったとき、この粒子を核として氷晶をつくらせることです。

いずれの場合も、雲の中に雨のもととなる氷晶をつくらせることですが雨を降らせることは難しくまだ、実用化はされていません。




雨粒の大きさの調べ方とは? わかりやすく解説!

昔から日本ではたくさんの米がとれます。
これはちょうど田植えのころに、雨が充分に降ってくれるからです。

また、電気がたくさん起こされるのも、やはり山地に雨や雪がたくさん降るからです。
このように、雨はたいへんありがたいものですがときには大雨となり、大水を起こして大きな損害を与えることもあります。

そして、私たちの暮らしに、雨とたいへん深いつながりをもっているので雨の観測は、昔から熱心に続けられてきました。


雨粒の大きさの調べかた

雨の降っているときに、窓ガラスにあたる雨粒の大きさを調べてみましょう。

きれいに拭いたガラス板を用意して、雨粒を受けてみると雨粒の大きさがもっとよくわかります。

雨粒はガラス板の上で潰れて、まるい形になります。
この雨粒のあとを見ると、大きい雨粒は、潰れた跡が大きく小さい雨粒は、跡が小さくつきます。

この雨の跡を見ると、雨粒は、いろいろの大きさのものがあることがわかりました。
また、ガラス板の裏に方限紙を張りつけておくと、潰れた雨粒の大きさを測ることができます。

また、吸い取り紙かろ紙を出して、雨を受けてみましょう。
雨粒は、吸い取り紙にあたると、大きいしみ跡をつくります。

しみ跡の外側を、鉛筆でなぞっておきます。

食紅の粉を、紙の上にむらのないようにすりつけておくとしみ跡が赤く残り、よくわかるようになります。

吸い取り紙やろ紙の種類によって、いくらか違いがありますがだいたい、しみ跡の大きさから、雨粒の直径を知ることができます。



雨粒の大きさ

いままでの観察によると雨粒の大きさは、だいたい直径が0.5~5ミリくらいでふつうは1~2ミリくらいです。

春に降る雨は、どちらかといえば、小さい雨粒が多く夏の雷雨のときに降る雨は、大粒の雨が多いのです。

いままで、雨粒のいちばん大きかったのは、直径10ミリですが雨粒にあまり大きくなると、落ちてくる途中で割れてしまいます。

また、大粒の雨は、早く落ち、小粒の雨にゆっくり落ちるので落ちかたからも、雨粒の大きさの見分けをつけることもできます。

直径が0.5ミリより小さい雨粒は落ちかたも遅く、霧のように空に浮かんでいるように見えます。
このような小粒の雨を、霧雨ともよんでいます。

雨の降りかた

雷のときには、大粒の雨が急に降ってきてちょうどバケツの水がひっくり返したように、強い雨を降らせます。

春から初夏にかけて糸のような細い雨が、しとしとと、降ることがあります。
このように雨の降りかたは、そのときによって、強く降ったり、弱く降ったりします。

降りかたによって、弱い雨、ふつうの雨、強い雨にわけて、観察することができます。

パラパラと降る雨で、地面が湿るくらいの雨を弱い雨とします。
地面に水たまりができ、家の中にいても雨の降る音が聞こえるくらいの雨をふつうの雨とします。

地面に一面に水たまりができ、激しい雨の音が聞こえるくらいの雨を、強い雨とします。

弱い雨は、雨量にすると、1時間に3ミリ以下くらいです。
ふつうの雨は、1時間に15ミリ程度以下の雨量に相当します。

雷のときには、1時間に15ミリ以上の強い雨が降ることは、めずらしくありません。

東京のいままでの最大記録を見ると、かなりのときに1時間に約90ミリも降ったことがあります。




霧・靄(きり・もや)とは? なぜできるのか? わかりやすく解説!

高い空にできる水粒の集まりを雲といい、地表の近くにできる水粒の集まりを霧といいます。
どちらも水粒の集まりで、できる場所が違うだけです。

霧ができると遠くが見えなくなり、航海する船や、山登りの人たちは困ります。
船や灯台は、霧笛という警笛を鳴らして、衝突に注意します。
とくに、濃い霧のときには、10メートル先も見えなくなることがあります。

気象観測では1000メートル先が見えなくなったときから霧がかかったということになっています。


霧のできるわけ

夜は、地面が冷えるので、気温が下がります。
すると、水蒸気が飽和になり、さらに冷えると空気中の塵を芯にして、水の粒ができます。

このように、霧のできかたは雲のできかたとよく似ています。

昼に雨が降って空気が湿っている場合夜になって天気がよくなり、気温が下がると、とくに濃い霧ができます。
盆地や都会にできる霧は、たいてい、こうしてできたものです。

冷たい海面の上に、温かい空気が流れてきて冷やされ、霧かできることもあります。

夏、北海道の東海岸にできる海霧は、このようにしてできる霧です。

都会などでは、煙りと、霧が混じって、黒っぽい霧ができることがあります。これをスモッグといいます。

靄・煙霧

霧ほどに濃くはありませんが、空気がぼんやりかすんでいることがあります。
これが、靄(もや)です。

靄は、霧よりも小さな水粒が、空気中に浮かんで、大気がうすくかすんだものです。
乾いた塵・ほこり・煤煙など、目に見えない小さな粒が空気中に浮かんでいるときは煙霧といいます。

視程

視程は、大気がどのくらいに、にごっているかをあらわすものです。
それには、どれだけ遠くまで見えるかを、調べればよいわけです。

50メートル先までしか見えないときを視程0とし50キロメートル以上見えるときを視程9として、下の表のように決めたものもあります

この表では、数が小さくなるほど、空気がにごっていることになります。




雲と天気の関係とは? 雲ができるのはなぜ? わかりやすく解説!

雲量

雲量は、雲が多いか、少ないかをあらわすもので空が一面に雲でおおわれているときを雲量10といいまったく雲のないときを雲量0といいます。

空を見渡したときの、空全体の面積を10としてそのうち青空が10分の2で、雲が10分の8だけでていれば雲量は8です。

また、青空と雲のでているところとが半分ずつならば雲量は3になります。


雲量と天気

雲量が0から2までのとき、天気は快晴といいます。
また雲量が3から7までのとき、大気は晴れ、8から10までのときは、くもりです。

雨か雪が降っているときに、たいてい空一面に雲が広がっていて雲量はやはり10になります。

雲の観測のしかた

雲の種類と雲量の見かたがわかったので、こんどに雲の観測のしかたについて述べましょう。

雲を観測するには、校舎の屋上とか運動場の真ん中とかなるべく空全体が広く見渡せるような場所を選びます。

はじめに、空全体を見渡して雲量を決めます。雲量が決まったたら、つぎに雲の種類を見ます。
いま出ている雲が、10種類の雲形のうち、どれにあたるかを決めるのです。

しかし、困ったことには、空にはふつう2種類以上の形の雲が出ています。
このようなときには、だいたい面積の広いほうから、順に雲の形を決めます。

たとえば、空の半分以上を層積雲がおおっていて空の一部分に絹雲が少し出ているような場合には多いほうから順に層債雲・絹雲と書いておきます。

雲のできるわけ

夏、冷たい水をコップに注ぐと、まわりに小さい水の粒がついてくもります

これはコップの温度が下がると、そのまわりの空気が冷えて露点になり水蒸気が水の粒になるためです。

雲ができるのも、これと似ています。

空気は高い空にのぼると、ひとりでに冷えるという性質があります。
乾燥した空気が200メートルのぼると、およそ1度だけ気温が下がります。

たとえば、地上で気温20度の空気を富士山の高さつまり3800メートルばかり持ち上げたとすると、気温ははじめより38度だけ下がり零下18度となります。

このように、高い空に空気がのぼると、その空気の温度は下がります。
この気温が露点より下がると空気中の水蒸気が細かい水滴となり、雲になるのです。

コップの実験の場合、水滴はコップにくっつきました。
雲の場合、水蒸気は空気中の目に見えないほどの細かい塵などを芯にして、水滴になります。

これが雲の粒です。

この雲の粒の大きさは、直径がおよそ0.02ミリくらいです。
非常に高い空にできる雲の粒は、水ではなくて、水の結晶になります。

絹雲・絹層雲・積乱雲・高積雲・乱層雲の頭の部分の雲の粒は、氷の結晶です。

そのほかの雲は、たいてい水の粒からできています。雲は、このような雲粒がたくさん集まったものです。

雲の中では、1立方センチについて数百個の雲の粒が浮かんでいます。



雲のできかた

空気がのぼっていくと雲ができることがわかりました。
それでは、どんなときに、空気はのぼるのでしょうか。

①天気のよい日には、地面は太陽の熱を受けて熱くなります。
夏の昼間、海岸の砂などは、裸足で歩けないほどになります。

こうなると、地面の近くの空気は、あたためらちょうど火鉢の上の空気のように高くのぼります。

この空気は、高くのぼるにつれて冷え、露点になって、雲の粒ができはじめます。
春から夏にかけてよくでる、綿雲や大きな入道雲は、このようにしてできた雲です。

② 風が吹いていく方向に、山や島などがあると、風はその上に吹き上がります。

とくに、山脈のように山が横に長く連なっているところでは風は横に逃げることができなくて、山に這い上がっていきます。

冬、日本海の沿岸地方に、たくさんの雪を降らせる雲は日本海のほうからきた、湿った空気が、山につきあたって、空高くのぼってできたものです。

③ 山のかわりに、冷たい空気のかたまりがあるとすすんできたあたたかい空気は、ちょうど山の上を越すように冷たい空気の上に、這い上がります。

そして同じように雲ができます。

この場合の冷たい空気と温かい空気の境目の面を前線面といい前線面が地上と接するところを温暖前線といいます。
前線面にそって雲ができるため、天気が悪くなります。

反対に、温かい空気があって、その下に冷たい空気がもぐりこんで進むこともあります。

温かい空気は、冷たい空気に、押し上げられて、厚い雲をつくります。
このような場合の冷たい空気と温かい空気の境目が地上と接するところを寒冷前線といいます。

低気圧があると、まわりの空気が、その中心にむかって吹き込みます。
すると、中心に集まった空気は、上のほうに押し上げられます。

このようにして強い上昇気流が起こると、厚い雲ができ、大雨を降らせます。

このように、いろいろの場合に空気はのぼりますがどの場合でも、のぼった空気が冷えて、露点にまで下がり、雲をつくることは同じです。




雲の種類とは?絹積雲・高積雲・乱層雲・積乱雲・飛行機雲の違いとは?

雲は、どれもみな違った形をしているので、名前をつけてあらわすのは、難しいことです。

しかし、いつもよく雲を見ていると、この見分けにくい雲もいくつかに区別できるようになります。

雲には、非常に高い空にできるもの、中ぐらいの高さにできるもの、低い空にできるものがあります。
このほかに、低い空から高い空へ突き抜ける厚い空気中ぐらいの高さから高い空へ突き抜ける厚い雲などがあり、あらわれる高さによって、それぞれ、違った格好をしています。

これを、もっと細かくわけると、つぎのように、1つ種類になります。


高い空にできる雲

①絹雲(巻雲)

すじ雲ともいい、青空にうすく鳥の羽毛のような形をしています。

また、細い絹糸がいくすじも流れているようだったりもつれているようだったりしています。
どの形でも、うすくて白く、すじが見えるのが絹雲の特徴です。

②絹積雲

魚の鱗を並べたような、うすい白い雲で、鱗雲ともいいます。
青くすんだ空に、小さい白い貝がらをたくさん並べたようにも見え、なかなか美しい雲です。

③絹層雲

うす雲ともいいます。

うすい白い雲で、空がうす白くにごっているように見えることもあり真綿をうすく引き伸ばしたように広がって、すじの見えることもあります。

月や太陽が傘をかぶって見えるのは、この雲のためです。
そして、この雲が空をおおってくると、天気が悪くなるのがふつうです。

中ぐらいの高さにできる雲

④高積雲

むら雲ともいい、白い雲のかたまりが青空にたくさん並んでいます。

絹積雲を小さい貝がらの並んだ形にたとえましたが高積雲は、まきばに群れているヒツジにたとえることができ絹積雲よりも1つ1つの雲のかたまりが、大きいのが特徴です。

中ぐらいの高さから高い空までのびる雲

⑤高層雲

おぼろ雲ともいい。

灰色がかった厚い雲で、空全体をおおいます。雲が厚いので、月や太陽はおぼろに見えます。

絹層雲は、真綿をうすく引き伸ばした、うすい雲にたとえましたが高層雲は、厚い綿を、空一面にしいた形にたとえることができます。

はじめ、青空にうすい絹層雲があらわれ、つぎに、厚い高層雲があらわれ最後に、非常に厚い乱層雲があらわれて、雨や雪が降るようになります。

中ぐらいの高さ、または、低い空から高い空まで伸びる雲

⑥乱層雲

ふつうにいうあめ雲です。
黒い厚い雲で、この雲かでると昼でもあたりが暗くなります。

この雲は、絹層雲・高層雲と同じ仲間の雲です。
絹層雲の厚くなったものが高層雲で高層雲の厚くなったものが、乱層雲と思えばよいのです。

この雲からは、雨や雪が降っていることが多いのです。



低い空にできる雲

⑦層積雲

くもり雲ともいい、高層雲の雲のかたまりより、もっと大きい灰色の雲のかたまりです。
このようなかたまりは、空の一部分にあることもあり、また空一面に広がることもあります。

雲の隙間から青空が見えることもあります。
いままでに述べた雲のなかで、絹積雲と高積雲・層積雲は形の上では親類です。

雲のあらわれる高さや、1つ1つの雲のかたまりの大きさによって区別します。

⑧層雲

霧雲ともいい、霧に似たむらのない雲です。
朝がた、もやもやした低い雲があり、ちょっと見ると乱層雲のようですが10時ごろになると、切れ目が出て青空が見え、まもなく晴れます。

このような朝ぐもりの雲は、たいてい層雲です。

低い空から高い空まで伸びる雲

⑨積雲

綿雲ともいわれる雲で、頭がまるくて、底が平らな形をしています。

たいていは、天気のよいときにでき、大きいのは、塔のように高く伸びて入道雲になります。

⑩積乱雲

かみなり雲ともいわれ、夏によく出て、雷を起こします。
この雲は、塔のように伸びた大きな入道雲の頭がすじ雲になって広がったものです。
この雲が近づくと、雷が聞こえ雨やヒョウが降ることもあります。

おもしろい雲・めずらしい雲

①レンズ雲

高積雲や層積雲が、ちょうど凸レンズを横から見たような形をしていることがあります。
このような形の雲をレンズ雲といいます。

この雲のある高さのところでは、風が強く吹いています。

②飛行機雲

飛行機が飛んでいったあとに、細く白い雲のすじができることがあります。
これは、おもに飛行機のエンジンからでるガスの中にふくまれている水蒸気が凝結してできるものです。

気温の低い高空にできます。

飛行機雲は、出来てからすぐに消えることもあり長いあいだ残って、絹層雲や絹積雲になってしまうこともあります。

③かさ雲

山の上を風が吹き越えていくときに雲ができちょうど、山がかさをかぶったような形になることがあります。
ときには、二重や三重もの、かさができることもあります。

富士山にできるかさ雲は有名です。
一般に、富士山をはじめ、山にかさ雲ができると、天気が悪くなるといわれています。




湿度とは? 湿度のあらわし方とは? わかりやすく解説!

湿り気

洗濯ものは、曇りの日や、雨の降っている日にはなかなか乾きませんが、天気のよい日には早く乾きます。

これは、空気の湿り気が多いか少ないかによるからです。
空気の湿り気が多いと乾き方が遅く、湿り気が少ないと乾き方が早くなります。

湿り気をあらわすのに、湿度という言葉を使います。
湿度が高いときは湿り気が多く、湿度が低いときに湿り気が少ないことになります。


湿気のあらわし方

空気中の水分がある程度まで増えると、水の蒸発は止まってしまいます。
もうそれ以上、空気の中に水蒸気が入りこめなくなってしまうのです。

このように、水蒸気でいっぱいになった空気を、飽和した空気といいます。

湿度はパーセントであらわします。
飽和した空気は、湿度100パーセントで水に蒸気を全くふくまない空気は湿度0パーセントです。

空気は、温度が上がれば、膨張し、温度が下がれば縮まります。
ですから、同じ水蒸気の量でも、温度が高ければ湿度は小さく温度が低ければ湿度は大きくなります。

飽和した空気に、水蒸気がどのくらいふくまれているかはその空気の温度によって違ってきます。

グラフは、空気1立方メートルの中にふくむことができる水蒸気の量とその空気の温度との関係をあらわしたものです。

空気の温度が20度のとき、飽和した空気1立法メートルの中には約17グラムの水が、水蒸気としてふくまれています。
また、温度が30度では、飽和した空気には、約30グラムの水蒸気がふくまれています。

このように飽和した空気にふくまれる水蒸気の量は、温度が弱くなるにつれて増えています。

20度のとき、水蒸気で飽和している空気の温度が上がり、30度になったとします。
20度のときの飽和水蒸気量は17グラムで、30度のときは30グラムですからこの空気は、まだ13グラムの水蒸気をふくむことができます。

こんどは、20度の飽和した空気が、急に冷えて10度になったとします。
10度の飽和水蒸気量は9グラムですから、のこりの8グラムの水蒸気は水になってしまいます。

このように、水蒸気が、飽和の状態を超えて水ができることを水蒸気の凝結といいます。
そして、凝結のはじまる温度を露点といいます。

毛髪湿度計

人間の髪の毛は、湿り気が増えると伸び、湿り気が減ると縮む性質があります。
この髪の毛の、伸び縮みを使って、湿度を測る器械を毛髪湿度計といいます。
髪の毛の伸び縮みは、てこで大きくされて、指針を動かします。

これを読めば、湿度がわかるわけです。

指針のかわりに、ペンを動かして紙に湿度を書きこんでいくようにした自記毛髪湿度計もあります。



乾湿計

温度計を2本使って、湿度を測る方法があります。

1本の温度計はそのままですが、他の1本に、その球部をガーゼで包みます。
ガーゼからは、木綿糸の束を、小さい水壺の中に垂らしてあるのでガーゼはいつも水を吸って湿っています。

なにも付けてないほうの温度計を乾球温度計、ガーゼをつけたほうの温度計を湿球温度計といいます。
この2本を、並べて枠に取り付けたものが乾湿計です。

乾湿計は、百葉箱の中に取り付け、水壺には、水を8分目ほど入れておきます。

百葉箱の中では、温度計を包んだガーゼの水が、だんだん蒸発します。
水が蒸発するとき熱をうばうのでガーゼで包んだ温度計の球部が冷えて、温度が下がります。
空気が乾いていれば、水の蒸発はさかんで湿球温度計の温度は気温より、ずっと低くなります。

乾球温度計のほうは、気温をしめしています。
そこで、乾球温度計の目もりのよみと、湿球温度計の目もりのよみとの違いからつぎのようにして、湿度を知ることができます。

湿度のもとめかた

乾湿計の観測から、湿度を出すには、表を使います。
いま、乾球が23度、湿球が20度をしめしていたとします。その差は、3度になります。

表で、乾球と湿球の差の3度の欄と、乾球の温度23度の欄とがまじわるところをみます。75パーセントが、もとめる湿度になります。

観測するときに注意することは、つぎのようなことがらです。
ガーゼは必ず、のりや油気をとったものを使います。

湿球を包んだガーゼから垂れた、木綿糸の束は、水壺の水をガーゼに運ぶので、ガーゼはいつも湿っています。

しかし、水壺に水がなくなったり、木綿糸の束が汚れて水壺の水をよく吸わなくなってくると、ガーゼは乾いてしまいます。
観測するときは、まず、ガーゼが湿っていることを確かめましょう。

湿度の1日中の変化

同じ量の水蒸気がふくまれている空気でも、温度が下がれば飽和に近づき(湿度が高くなり)、温度が上がると、湿度が低くなります。

ふつう、大気中の水蒸気の量は、1日中ほとんどかわりませんから湿度は気温のかわりかたと、ちょうど反対になります。

湿度の1年中の変化

湿度の1年中のかわりかたは、1日の様子と違います。
夏には、空気中の水蒸気の量は、冬よりもずっと多くなります。

それで、湿度も夏に高くなり、冬には低くなります。
しかし、内陸では、冬にも高くなるところがあります。




水蒸気の量のあらわし方とは? 空気と水蒸気の関係とは?

やかんでお湯を沸かすときに、やかんを長いあいだ火にかけておくと、お湯がだんだんなくたってつにいには、やかんが、からっぽになってしまいます。

これは、やかんの中の水が、だんだん蒸発して、部屋の中の空気に溶け込んだためです。


夏に天気が何日も続くと田の水がなくなって田がからからに干上がってしまうことがあります。
また、冬に天気が何日も続くと、家の柱や板などがすっかり乾いてしまって燃えやすくなり、大火事を起こししやすくなります。

田の水や、柱や板などの水に、どこへ行ったのでしょうか。
これらの水は蒸発して、空気の中に溶け込んで、空のほうへ逃げていったのです。

水が蒸発して、空気の中に溶け込んだものを、水蒸気とよびます。

水は目に見えますが、水蒸気は空気と同じように、目には見えません。
したがって、水蒸気が空気中にたくさんふくまれているのか少ししかふくまれていないのかは、私たちは目で見ることはできません。

この場合、湯気と水蒸気を間違えないように注意しましょう。
やかんの口から出ている湯気や、ふろ場にもうもうとたちこめている湯気は水蒸気が冷えて、たくさんの水粒になったものです。

湯気が目に見えるのは、水粒だからです。
湯気は、いったんお湯の面から蒸発した水蒸気がまわりの空気に急に冷やされて、水の粒となったものです。

私たちのまわりの空気に、いつでも、いくらかの水蒸気をふくんでいます。
それは、海や川や湖の水面から、目に見えない水蒸気が、蒸発しているためです。

水蒸気の量のあらわし方

空気中にどのくらいの水蒸気があるかをあらわす方法には、いくつかあります。
空気1立方メートル中にふくまれている水蒸気量が、何グラムあるからで、あらわすこともできます。

水蒸気は、空気と同じように、目には見えませんが、重さであらわすことができるのです。




気圧とは? 気圧のはかりかたとは? わかりやすく解説!

気圧

山登りをしたとき、耳の調子がおかしくなって、聞こえにくくなることをよく経験します。これはどうしてでしょうか。

私たちのまわりには、空気がいっぱい詰まっていますがだれも、空気はずいぶん軽いものだと思っています。

しかし、空気は地上から高い空の上まで積み重なって下のほうの空気は、上の空気に押されているのです。

この空気の押す力が気圧です。
だから気圧は、空高くなるほど低くなるほどです。

高い山などに登ると、気圧が低いために、耳の中の鼓膜が外のほうへ押されて、聞こえにくくなるのです。


実験

小さい・空き缶にゴム風船のゴムで、ふたをつくってみましょう。

この缶のふたには、実は、およそ1平方センチに1キログラ厶ぐらいの重りを載せたのと同じ力がかかっていますが缶の中にも空気があって、やはり同じ力で押しているので、このふたは凹みません。

こんどは、缶の底に穴をあけて、口で缶の中の空気を吸い出してみましょう。
ゴムのふたは、だんだん凹みます。
これは、ゴ厶のふたの上から、空気が押している証拠です。

水銀気圧計

気圧を測るには、水銀気圧計を使います。
水銀気圧計は水銀の入ったガラス管を逆さに立てたもので、上部が真空になっています。
管の中の水銀の栓は、図のように大気の重みで管の中に押し上げられています。

そこで、この水銀柱の高さを測れば、気圧を知ることができるわけです。

水銀の柱の高さは、場所や時間でいろいろかわりますがふつう750~770ミリメートルのあいだにあります。

気圧は、ふつうミリバールであらわします。

水銀気圧計の水銀柱の高さをミリメートルで測りこれに4/3かければ、気圧を、ミリバールでもとめることができます。
たとえば、水銀柱の高さが760ミリメートルならば、気圧は1013ミリバールです。

アネロイド気圧計

気圧を測る器械には、水銀気圧計のほかに、アネロイド気圧計や自記気圧計があります。

アネロイド気圧計のいちばん大切な感部に、金属製のまるくて薄いかんです。
そのふたは波形になって、ふくれたり、凹んだりできるようになっています。
缶の中は、空気を抜いて、ほとんど真空にして振ります。

気圧の変化につれて、波形のふたが、ふくれたり、凹んだりします。
その動きは、てこで大きくされて、指針が目もりを指すようになっています。

自記気圧計は、このような金属のかんをいくつか、重ねあわせたものを使い気圧のかわっていく様子をペンで記録するしかけになっています。



気圧のかわりかた

日本の各地方で気圧を測った結果を見ると、1年間の平均の気圧はだいたい1010ミリバールから1016ミリバールのあいだにあります。

毎月の平均の気圧を見ると、土地によって多少の違いがありますが一般に、冬に気圧が高く、夏は低くなっています。

これは平均の気圧の様子ですが、毎日の気圧は、たえずかわっています。

いままで、日本までの気象台で測ったいちばん低い気圧に1934年9月12日、四国の室戸測候所で、測った912ミリバールです。

また、いちばん高い気圧は、1913年11月30日北海道の旭川地方気象台で測った1044ミリバールです。

ところで、いままでに述べた気圧の値はみんな平地で測った値ですが気圧は高いところへいくほど、低くなります。

同じ筑波山でも、海抜870メートルの山頂の測候所では年平均気圧は915ミリバール、海抜240メートルの中腹では、986ミリバール海抜30メートルのふもとでは1011ミリバールとなります。

このように気圧に、高さが高くなるほど低くなっています。
地上とて100メートル上空(または山の上)との気圧の差は、12ミリバールです。
このような関係で、気圧を正確に測ると、反対にその位置の高さがわかります。

航空機には、気圧計の一種の器械が備えつけてあって気圧によって、自分の飛んでいる高さを知ることがでるようになっています。

このような目的に用いる気圧計を高度計とよんでいます。




モバイルバージョンを終了