雲量
雲量は、雲が多いか、少ないかをあらわすもので空が一面に雲でおおわれているときを雲量10といいまったく雲のないときを雲量0といいます。
空を見渡したときの、空全体の面積を10としてそのうち青空が10分の2で、雲が10分の8だけでていれば雲量は8です。
また、青空と雲のでているところとが半分ずつならば雲量は3になります。
雲量と天気
雲量が0から2までのとき、天気は快晴といいます。
また雲量が3から7までのとき、大気は晴れ、8から10までのときは、くもりです。
雨か雪が降っているときに、たいてい空一面に雲が広がっていて雲量はやはり10になります。
雲の観測のしかた
雲の種類と雲量の見かたがわかったので、こんどに雲の観測のしかたについて述べましょう。
雲を観測するには、校舎の屋上とか運動場の真ん中とかなるべく空全体が広く見渡せるような場所を選びます。
はじめに、空全体を見渡して雲量を決めます。雲量が決まったたら、つぎに雲の種類を見ます。
いま出ている雲が、10種類の雲形のうち、どれにあたるかを決めるのです。
しかし、困ったことには、空にはふつう2種類以上の形の雲が出ています。
このようなときには、だいたい面積の広いほうから、順に雲の形を決めます。
たとえば、空の半分以上を層積雲がおおっていて空の一部分に絹雲が少し出ているような場合には多いほうから順に層債雲・絹雲と書いておきます。
雲のできるわけ
夏、冷たい水をコップに注ぐと、まわりに小さい水の粒がついてくもります
。
これはコップの温度が下がると、そのまわりの空気が冷えて露点になり水蒸気が水の粒になるためです。
雲ができるのも、これと似ています。
空気は高い空にのぼると、ひとりでに冷えるという性質があります。
乾燥した空気が200メートルのぼると、およそ1度だけ気温が下がります。
たとえば、地上で気温20度の空気を富士山の高さつまり3800メートルばかり持ち上げたとすると、気温ははじめより38度だけ下がり零下18度となります。
このように、高い空に空気がのぼると、その空気の温度は下がります。
この気温が露点より下がると空気中の水蒸気が細かい水滴となり、雲になるのです。
コップの実験の場合、水滴はコップにくっつきました。
雲の場合、水蒸気は空気中の目に見えないほどの細かい塵などを芯にして、水滴になります。
これが雲の粒です。
この雲の粒の大きさは、直径がおよそ0.02ミリくらいです。
非常に高い空にできる雲の粒は、水ではなくて、水の結晶になります。
絹雲・絹層雲・積乱雲・高積雲・乱層雲の頭の部分の雲の粒は、氷の結晶です。
そのほかの雲は、たいてい水の粒からできています。雲は、このような雲粒がたくさん集まったものです。
雲の中では、1立方センチについて数百個の雲の粒が浮かんでいます。
雲のできかた
空気がのぼっていくと雲ができることがわかりました。
それでは、どんなときに、空気はのぼるのでしょうか。
①天気のよい日には、地面は太陽の熱を受けて熱くなります。
夏の昼間、海岸の砂などは、裸足で歩けないほどになります。
こうなると、地面の近くの空気は、あたためらちょうど火鉢の上の空気のように高くのぼります。
この空気は、高くのぼるにつれて冷え、露点になって、雲の粒ができはじめます。
春から夏にかけてよくでる、綿雲や大きな入道雲は、このようにしてできた雲です。
② 風が吹いていく方向に、山や島などがあると、風はその上に吹き上がります。
とくに、山脈のように山が横に長く連なっているところでは風は横に逃げることができなくて、山に這い上がっていきます。
冬、日本海の沿岸地方に、たくさんの雪を降らせる雲は日本海のほうからきた、湿った空気が、山につきあたって、空高くのぼってできたものです。
③ 山のかわりに、冷たい空気のかたまりがあるとすすんできたあたたかい空気は、ちょうど山の上を越すように冷たい空気の上に、這い上がります。
そして同じように雲ができます。
この場合の冷たい空気と温かい空気の境目の面を前線面といい前線面が地上と接するところを温暖前線といいます。
前線面にそって雲ができるため、天気が悪くなります。
反対に、温かい空気があって、その下に冷たい空気がもぐりこんで進むこともあります。
温かい空気は、冷たい空気に、押し上げられて、厚い雲をつくります。
このような場合の冷たい空気と温かい空気の境目が地上と接するところを寒冷前線といいます。
低気圧があると、まわりの空気が、その中心にむかって吹き込みます。
すると、中心に集まった空気は、上のほうに押し上げられます。
このようにして強い上昇気流が起こると、厚い雲ができ、大雨を降らせます。
このように、いろいろの場合に空気はのぼりますがどの場合でも、のぼった空気が冷えて、露点にまで下がり、雲をつくることは同じです。