炭水化物とは? 炭水化物のはたらきとは? わかりやすく解説!

炭水化物には、砂糖類・グリコーゲン・でんぷん・繊維質などがあり植物に多くふくまれています。

炭水化物は体の中に取り入れられて、熱や力のもととなります。
ただ、繊維質だけは消化されないので、栄養にはなりません。


砂糖類

毎日使う砂糖のほか、ブドウに多いぶどう糖、麦芽に多い麦芽糖などがあります。

砂糖類は、甘い味をもっています。
果物が甘いのは、果物に、これがふくまれているからです。
また、甘味があるので栄養素としてばかりでなく、嗜好品としても役立っています。

でんぷん

でんぷんは、米や麦などの穀類、サツマイモやジャガイモなどのイモ類にたくさんふくまれています。

顕微鏡で見ると、でんぷんは、小さな粒からできていてこの粒の形を見れば、なんのでんぷんかすぐにわかります。

でんぷんは水に溶けませんが、水で煮るとのりのようになり、消化がよくなります。

繊維質

繊維質は、ふつうの植物には、みなふくまれています。これは、炭水化物の仲間ですが、栄養にはなりません。

食べても、消化されないで、外へ出されます。しかし、これがないと、便通が悪くなります。



グリコーゲン

でんぷんは、植物にふくまれていますがグリコーゲンは、動物にだけふくまれているので動物性でんぷんともいわれます。

私たちの体では肝臓や筋肉などに、たくさんふくまれています。

これは、血液で運ばれたぶどう糖がグリコーゲンにされてたくわえられているのです。
ぶどう糖が必要なときには、グリコーゲンは、またぶどう糖にかえられます。

炭水化物のはたらき

炭水化物は、消化されてぶどう糖になり、腸の壁から吸収されます。
吸収されたぶどう糖は、門脈を通って、肝臓へ運ばれます。

ここから、体のすみずみまで、配られるのです。

このぶどう糖は、呼吸によって取り入れた酸素と結びついて二酸化炭素と水にかわります。

このとき、1グラムにつき4カロリーの熱をだすのです。

体でぶどう糖が使われると、肝臓や筋肉にたくわえられているグリコーゲンがぶどう糖にかえられて血液で運ばれてきます。

また、ぶどう糖は、脂肪につくりかえられて、皮下組織にたくわえられます。




砂糖・グリコーゲン・セルロースの特徴とは? わかりやすく解説!

砂糖

サッカロース・しょ糖・かんしょ糖など、たくさんの呼び名があります。
やはり二糖類で、αぶどう糖とβ果糖から水一分子がとれて結合したものです。


砂糖にはフェーリング液を還元する性質がありませんが酸、またはサッカラーゼ(インベルターゼ)という酵素によって加水分解をうけると、還元性をしめすようになります。

また、砂糖を加水分解してえられるぶどう糖と果糖の混合物はニコルプリズムを通ってきた偏光を砂糖の場合と逆の方向に回転させるので転化糖といられます。

転化糖は、果糖をふくんでいるため砂糖より甘みが強くなります。

蜂蜜は、蜂のだ液にふくまれた酵素により砂糖が分解されて、一部が転化糖になっているものです。

砂糖は、いろいろな植物にふくまれていますがとくにテンサイ(サトウダイコン)の根やサトウキビの茎にたくさんふくまれているので、これから精製されます。

グリコーゲン

グリコーゲンは、でんぷんと同じように多糖類の炭水化物で、ぶどう糖がたくさん結合してできたものです。
グリコーゲンは、動物によってつくられ、植物ではほとんどつくられません。

でんぷんは、植物がつくったエネルギーの貯蔵庫ですがグリコーゲンは動物がつくるエネルギーのたくわえでおもに肝臓や筋肉に多く存在しています。

そこで、グリコーゲンは、動物性でんぷんともよばれることがあります。

グリコーゲンは、そのつくりがアミロペクチンとよく似ています。
しかし、分子のえだ分かれがもっと多く、ヨウ素でんぷん反応ではアミロペクチンが赤みをおびた青から紫色になるのにたいしグリコーゲンでは赤みがかったかっ色になります。



また、でんぷんと同じように、フェーリング液を還元しません。
動物体にたくわえられているグリコーゲンはエネルギーが心要になるとぶどう糖にまで壊され、血液で運ばれて、体中の細胞に入ります。

そこで、二酸化炭素と水にまで分解されるときにできるエネルギーが、利用されるのです。

また、酸素の供給が充分でないときには乳酸にまでしか分解がすすみません。
激しい運動をしたあとで、手足が痛くなるのはこうしてできた乳酸が筋肉中にたくさんたまるためなのです。

筋肉にたまった乳酸は時間が経つにつれて、またグリコーゲンにかわります。
食品のなかでは、動物の肝臓や貝類のカキなどが多量のグリコーゲンをふくんでいます。
食物100グラム中にふくまれるグリコーゲンの量は、つぎのとおりです。

肝臓では6グラム、牛肉1グラム。
たまごの黄身0.1グラム、カキ5.7グラム(2月)、0.49グラム(8月)などです。

セルロース

セルロースは、植物の細胞をとりまく壁をつくっている主成分で多糖類の一つです。衣料として使うワタは、ほとんど純粋なセルロースです。

セルロースは、水やうすい酸、うすい塩基には溶けませんが強い酸にあうと加水分解をうけ、ぶどう糖ができます。

セルロースは、私たもの体の中では消化できないので食品としては役立ちませんが牛や馬などの飼料として重要です。
この場合は、家畜の腸の中にいる微生物が食べた草のセルロースを分解して、ぶどう糖にかえるのです。

セルロースは、家畜の食物の他にパルプやレーヨンなどの原料として大切なものです。



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