ビタミンとは? ビタミンの種類と特徴とは? わかりやすく解説!

ビタミンは私たちの体の調子を整えたり、成長を促したりするはたらきがあります。
人間の体を機械にたとえると、ビタミンは、この機械にさす油だといえましょう。

もし、ビタミンのとり方が足りないと、体が疲れやすくなったり思うようにはたらけなくなったり、また、いろいろな病気をおこしたりします。

ビタミンの必要量は、たいへんわずかですが毎日とらなければなりません。

しかし、このように大切なはたらきをするビタミンも必要以上に毎日たくさんとりすぎると、いろいろの病気にかかることがあります。

昔から「過ぎたるは、及ばざるがごとし」ということわざがあるようにビタミンの中でとくに、ビタミンAやDをその必要量の何10倍も多くとりすぎるとかえって害を及ぼすものです。

ビタミンには、いろいろな種類が知られています。
これらは、ふつうに食べ物をとっていれば、あまり不足することはありません。

ただ、ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンCにはとくに気をつけなければなりません。

ビタミンは、たいてい、熱・酸・塩基とか空気中の酸素によって壊されやすいので加工するときや料理するとき、とくに加熱するときには気をつけなければなりません。


ビタミンA

ビタミンAは、目や肝臓のはたらきを助けたり体の抵抗力を強めたりするはたらきがあります。

また、私たちが成長するときには、たいへん必要なものです。

昼間はなんともなくても夜になると目が見えない、とり目という病気があります。
この病気は、ビタミンAが足りないために起こります。

ビタミンAは、肝油・バター・たまごの黄身・肝臓(レバー)などの脂肪に溶けてふくまれています。

まだ、植物にふくまれているカロチンは私たちの体に入ってビタミンAにかわります。
ですから、カロチンをとっても、ビタミンAをとったのと同じことになります。

カロチンは、ニンジン・カボチヤ・トマト・ホウレンソウなど色のついた野菜にたくさんふくまれています。

ビタミンB1

ビタミンB1は、水に溶けるビタミンです。
炭水化物が、体の中で栄養にかわるとき、ビタミンB1がなくてはなりません。

ですから、毎日でんぷんをたくさん食べる日本人はビタミンB1もたくさんとらなければなりません。

とくに仕事をする人、運動やスポーツをする人たちはビタミンB1がたくさん必要になります。

このビタミンB1が足りなくなると、疲れやすくなったり食べ物がほしくなくなったり、かっけになって足がはれ、しびれてきたりします。

穀類の胚芽、大豆、小豆、落花生、大根の葉、生しいたけ、豚肉、動物の肝臓、粉乳、イーストなどは、ビタミンB1をふくんでいる食べ物です。

ビタミンB2

ビタミンB2は、水に溶けるビタミンで、私たちが成長するときになくてはなりません。
これが足りなくなると、成長が悪くなるばかりでなく口角炎というくちびるがただれる病気をおこします。

このビタミンは、肉類、動物の肝臓、牛乳、チーズ、たまご、ニンジンの葉、キャベツ、ホウレンソウ、イーストなどにふくまれています。



ビタミンC

これは、水に溶けるビタミンで、血液の循環を助けるはたらきがあります。
このビタミンCが不足すると、毛細管が破れやすくなり皮膚や粘膜、とくに歯ぐきなどから、よく出血します。

この病気を、壊血病といいます。

食べ物では、ミカン類に多く、ホウレンソウ、キュウリ、ニンジンの葉、大根の葉、茶などにふくまれています。

ビタミンは、いっぱんに新しい食べ物に多くふくまれていますが古くなると、ビタミンがしだいに減ってきます。

ことにビタミンCがいちばん壊れやすいので、野菜や果物などのように、ビタミンCの多いものは新しいうちに食べるようにしましょう。

料理のときも、このビタミンがいちばん失われやすく長い間熟をくわえる料理では、ビタミンCはほとんど壊れてしまいます。

ビタミンD

これは、骨をつくるのに大切なビタミンです。
これが足りなくなると、骨、か弱くなり、子どもでは、くる病にかかります。

ビタミンDが多い食べ物は、肝油、バター、動物の肝臓などです。

その他のビタミン

以上のほかに、よく知られているビタミンに二コチン酸・ビタミンB6・パントテン酸などがあります。

これらは、いずれも、皮膚などの栄養に必要なビタミンで動物の肝臓・肉・魚・脱脂粉乳・大豆などにたくさんふくまれています。

ビタミンB12・葉酸は、貧血の予防に必要なビタミンでB12は、動物の肝臓・貝・肉・魚に、葉酸は、動物の肝臓・野菜・大豆に多くあります。

強化食品

食品の中には、ビタミンなどの栄養素が足りないものがあります。
このような食品に、足りないビタミンをくわえて栄養価を高くする方法がおこなわれています。

白米にビタミンB1やB2をくわえた強化米マーガリンにビタミンAをくわえた強化マーガリンなどがそれです。




たんぱく質のはたらきとは? 灰分とは? わかりやすく解説!

たんぱく質は、窒素をふくんでいて、栄養分として大切な役目をもっています。
また、カロリーのもとにもなりますが、体をつくる材料としていちばん大事な栄養素です。

私たちの体では、皮膚・筋肉・骨・髪の毛・爪・血液・いろいろな内臓などにたくさんふくまれています。

たんぱく質を多くふくむ食べ物は、たまご・肉類・魚肉・牛乳・豆などです。


アミノ酸

たんぱく質が消化されていくと、最後にはアミノ酸というものになります。

アミノ酸には、いろいろな種類がありますが、栄養のうえからみると私たちの体になくてはならないもの(必須アミノ酸)ととらなくてもさしつかえないもの(非必須アミノ酸)の2種類があります。

必須アミノ酸は、植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質にたくさんふくまれています。

ですから、栄養のうえからみると動物性たんぱく質のほうが植物性たんぱく質よりも価値が高いのです。

たんぱく質のはたらき

私たちがたんぱく質をとると消化されてアミノ酸となり、腸の壁から吸収されます。
アミノ酸は門脈を通って肝臓に行き、ここから体のいろいろな部分に運ばれるのです。

そこで、いろいろなアミノ酸が組み合わされ、新しいたんぱく質がつくられます。

余分なアミノ酸は、熱量素として使われ1グラムあたり約4カロリーの割合で、熱をだします。

残ったものは、尿素などになって、尿といっしょに体の外へ捨てられます。



灰分

動物や植物を燃やしたあとに、白い灰が残ります。
この灰には、カルシウム・鉄・リン・ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどがふくまれています。

これらをまとめて灰分というのです。
灰分は、体をつくる材料として大切なものです。

私たちの体では、歯・骨・血液・内臓などにふくまれています。
また体液に溶けていて、体のいろいろなはたらきを助け健康を保つ役目をしています。

カルシウム

歯や骨は、おもに、カルシウムからできています。
カルシウムは、血液にも、ふくまれています。

これは、病気にたいする抵抗力を増したり、体の中にできたいろいろの酸を中和するはたらきをしています。

食べ物としては、牛乳、魚の骨、植物の葉などにふくまれています。

リン

カルシウムと同じように、歯や骨にたくさんふくまれています。
そのほか、脳・血液・内臓の組織にもあります。

このように、リンは、体の材料となっています。
また、体液に溶けていて、体のはたらきを助けたり、成長をさかんにしたりします。

たまごの黄身、牛乳、魚の骨、肉類などが、リンをふくんだ食べ物です。

赤血球にふくまれるヘモグロビンの大切な成分で酸素や二酸化炭素を運ぶのに役立っています。
これが不足すると、貧血をおこします。

鉄は、肉、魚、動物の肝臓、たまご、青野菜、海藻、茶などにふくまれています。

食塩

食塩は、血液の中にふくまれていて、体の水分を調節するはたらきをしています。

私たちは、1日に10~20グラムの食塩を必要とします。
食塩は、汗といっしょにでていくので汗をだしてはたらく人には、もっとたくさん必要です。

味噌汁・塩魚・ハム・漬物などには、食塩がふくまれていますがそれだけでは足りないので、食塩や醤油で味つけした食べ物などからも食塩をとっています。




脂肪とは? 脂肪のはたらきとは? わかりやすく解説!

脂肪は、ふつう、あぶらといわれているもののことです。
ふつうの温度では、固体のもの(肉のあぶらやバターなど)と液体のもの(なたねあぶらなど)とがあります。


しかし、固体のものでも、すこし温めると、どろどろしてきます。

脂肪をたくさんふくんだ食べ物には大豆・落花生・クルミ・バター・マーガリン・肉・イワシ・コイ・サンマなどがあります。

私たもの体では、内臓・筋肉にたくさんふくまれています。
また皮下脂肪として、たくわえられています。

秋から冬にかけて、鳥などの体には、だんだんあぶらがのってきます。
これは、寒さを防ぐ用意なのです。

増える脂肪は、だいたい、皮下脂肪としてたくわえられます。
外の寒さに体温を奪われないように、この皮下脂肪が壁をつくるのです。

私たちの体も、鳥と同じことです。

脂肪のはたらき

体の中に取り入れられた脂肪はすい液や腸液にふくまれているリパーゼのはたらきで消化され脂肪酸とグリセリンとになります。

これが腸で吸収されると、すぐにまた結びついて、脂肪になります。

吸収された脂肪は、リンパ管を通って、大静脈に運ばれます。
つぎに血液が、脂肪組織まで運んでいくのです。

脂肪は、脂肪組織としてたくわえられるほか炭水化物と同じように、熱や力のもとになります。

このとき、脂肪は酸素と結びついて、二酸化炭素と水ができ1グラムにつき、9カロリーの熱をだします。

ですから、同じカロリーがほしいときには炭水化物のかわりに脂肪をとれば、量が少なくてすみます。

そのほうが、胃や腸を疲れさせず、体のためにもよいのです。
しかし、あまりとりすぎると、消化がうまく行われないで、下痢を起こしたりします。




炭水化物とは? 炭水化物のはたらきとは? わかりやすく解説!

炭水化物には、砂糖類・グリコーゲン・でんぷん・繊維質などがあり植物に多くふくまれています。

炭水化物は体の中に取り入れられて、熱や力のもととなります。
ただ、繊維質だけは消化されないので、栄養にはなりません。


砂糖類

毎日使う砂糖のほか、ブドウに多いぶどう糖、麦芽に多い麦芽糖などがあります。

砂糖類は、甘い味をもっています。
果物が甘いのは、果物に、これがふくまれているからです。
また、甘味があるので栄養素としてばかりでなく、嗜好品としても役立っています。

でんぷん

でんぷんは、米や麦などの穀類、サツマイモやジャガイモなどのイモ類にたくさんふくまれています。

顕微鏡で見ると、でんぷんは、小さな粒からできていてこの粒の形を見れば、なんのでんぷんかすぐにわかります。

でんぷんは水に溶けませんが、水で煮るとのりのようになり、消化がよくなります。

繊維質

繊維質は、ふつうの植物には、みなふくまれています。これは、炭水化物の仲間ですが、栄養にはなりません。

食べても、消化されないで、外へ出されます。しかし、これがないと、便通が悪くなります。



グリコーゲン

でんぷんは、植物にふくまれていますがグリコーゲンは、動物にだけふくまれているので動物性でんぷんともいわれます。

私たちの体では肝臓や筋肉などに、たくさんふくまれています。

これは、血液で運ばれたぶどう糖がグリコーゲンにされてたくわえられているのです。
ぶどう糖が必要なときには、グリコーゲンは、またぶどう糖にかえられます。

炭水化物のはたらき

炭水化物は、消化されてぶどう糖になり、腸の壁から吸収されます。
吸収されたぶどう糖は、門脈を通って、肝臓へ運ばれます。

ここから、体のすみずみまで、配られるのです。

このぶどう糖は、呼吸によって取り入れた酸素と結びついて二酸化炭素と水にかわります。

このとき、1グラムにつき4カロリーの熱をだすのです。

体でぶどう糖が使われると、肝臓や筋肉にたくわえられているグリコーゲンがぶどう糖にかえられて血液で運ばれてきます。

また、ぶどう糖は、脂肪につくりかえられて、皮下組織にたくわえられます。




カロリーとは? 熱量素とは? わかりやすく解説!

食べ物のは、体の中で変化して熱や力になります。
このときにでる熱や力の量は、カロリーであらわされます。

栄養学において、1カロリーとは、1キログラムの水の温度を摂氏1度だけ上げるのに必要な熱の量のことです。


熱量素

カロリーのもとになる栄養素は、炭水化物・脂肪・たんぱく質の3つでこれをまとめて熱量素といいます。

1グラムについて、炭水化物とたんぱく質が約4カロリー脂肪が約9カロリーの熱をだします。

これからもわかるように、脂肪は炭水化物やたんぱく質にくらべ2倍あまりも余計に熱をだします。

自動車は、ガソリンを燃やして走ります。
私たちの体も、これと同じように、熱量素を変化させて、力のもととします。

この力が、筋肉や体を動かすもととなります。

カロリーの必要量

私たちが生きていくためには熱や力のもととして、たくさんのカロリーが必要です。
1日に、どのくらいのカロリーをとればよいかはいろいろな場合で違います。

私たちが、はたらけばはたらくほどたくさんのカロリーが必要となります。
ちょうど、自動車を長く走らすほど、たくさんのガソリンがいるのと同じわけです。

カロリーがいちばんいらないのは、じっとして寝ているときです。
このときのカロリーは、心臓や呼吸のための筋肉などがははたらく力や体温を一定に保つための熱に使われます。

また、体重の多い人、体の大きい人は体重の少ない人、体の小さい人よりも、たくさんのカロリーが必要です。

男と女では、男のほうが、たくさんカロリーをとらなければなりません。
これは男のほうが、体が大きいことと、よく動くためにたくさんのカロリーを必要とするからです。

夏と冬をくらべると、冬のほうがたくさんカロリーをとらなければなりません。

また、年令によっても違います。
育ちざかりの子どもと、成長してしまった大人とでは体重1キロあたりのカロリーの必要量がずいぶん違います。




栄養とは? 栄養素の役目とは? わかりやすく解説!

私たちは毎日、三度三度食事をとり、その合間にもお腹が空いたといっては、おやつを食べます。

こうして、なにげなく食べている食べ物がみな、私たちの体に役に立っているのです。
体が大きくなるのも、丈夫な体になるのも勉強や運動ができるのもみな、食べ物を食べているおかげです。


栄養

私たちが、毎日食べ物を食べて、体をつくるもとにしたりエネルギーのもとにしたりすることを栄養といいます。

人間にかぎらず、生物は生きていくために、たえずエネルギーを使っています。

これを補うためには、外からエネルギーのもとになるものをとらなければならないのです。

このエネルギーのもとになるものでとくに、食べ物の中にふくまれているものを栄養素といいます。

栄養素は大きく分けると、たんぱく質・炭水化物・脂肪・灰分・ビタミンの5つになります。

広い意味では酸素・水も、栄養素ですが、ふつう特別に考えられています。
このうち、炭水化物・脂肪・たんぱく質は、食べ物の中にふくまれる量が多いので三大栄養素といわれます。



栄養素の役目

栄養素は、体をつくる材料となります。
体を成長させたり、体の消耗を補うために必要な栄養素は、水・たんぱく質・灰分です。

私たちの体は、つぎのような割合で、できています。

水   分……65%
たんぱく質……16%
炭水化物・脂肪・ビタミン……14%
灰分……5%

栄養素のいちばん大事な役目は、私たちの体で変化してカロリーのもととなることです。
体温を一定に保つ熱になったり、体を動かす力のもとになったりします。

それには、炭水化物・脂肪・たんぱく質の3つが使われます。
また、ビタミンや灰分のように、体の調子を整えるはたらきをするものがあります。

このように、栄養素には、体をつくる材料となったり、熱や力のもとになったり体の調子をよくしたりする役目があります。




人・犬・猫・鶴の大人になるまでの長さとは? わかりやすく解説! 発育と老化とは?

大人になるまでの長さ

私たちは、うまれてから赤ちゃんの時代、幼児の時代を過ごして小学生になります。
それから後も、大人になるまでには、何年もかかります。

人の一生を100年とすると、その5分の1にあたる20年ちかくもかかってやっと大人になるのです。


ほかの動物たちを見ても大人になるまでの時代が、このように長いものはありません。

猫の一生は、平均して8年ぐらいですが、その8分の1の1年で大人になってしまいます。
また犬は、大人になるまでに、一生の10分の1しか、かかりません。
大人になるまでの時代が長いことは、立派な体や精神をつくるのに都合がよいわけです。

また、親は長い間、子どもを養い育てなければなりません。
そのために、しっかりした社会生活を身につける期間が必要なのです。

発育と老化

私たちの体は、うまれてから老人になるまで、たえず形やつくりがかわっています。
このかわりかたが一番激しいのは赤ちゃんから子どもになり、さらに大人になる時期です。

このように、大人になるまでの体のかわりかたを、発育といいます。

いったん大人になってしまうと身長や体重などは、ほとんどかわりません。
しかし、体のつくりやはたらきは、少しずつかわっているのです。

こうして50才を越えるころになると体も、体のはたらきも衰えて、やがて一生を終わるのです。

このように、大人になってからの体のかわりかたを老化といいます。
いちばん先に老化するのは運動器系で神経系は、かなり遅くなってから衰えます。




体の発育とは? 身長・体重・胸囲の増え方とは?

体の検査

私たちの体は、健康なら順調に育っていくものです。
しかし、体重が3か月も続けて減るようだったらよく調べて、どこが悪いのかをつきとめなければなりません。

病気は早く見つけて早く治療すれば、たいてい治ってしまうものですが中には、自分が知らないうちにかかって、知らないうちに重くなる病気があります。

このような病気は、定期的に検査しなければ早く見つけることができません。

学校で行われる身体検査は、そのためで生徒の健康状態を調べて、どうしたらよいかを決めていくものです。

学校の身体検査は、毎年、4月頃に行われます。
この検査では、身長・体重・胸囲・皮膚・歯・ツベルクリン反応などのほか病気や悪いところがないか、などが調べられるのです。


育つ体

私たちの体は、うまれてから大人になるまで、どんどん大きくなっていきます。
しかし、体の各部分が、同じ調子で大きくなるわけではありません。

うまれたばかりの赤ちゃんの体重は、大人の17分の1ですが脳の重さは、大人の4分の1もあります。

また、ふつう、うまれてまもないときの頭囲は胸囲よりも大きいものです。
しかし、2才ごろになると、胸囲のほうが大きくなります。

それで赤ちゃんは、頭でっかちなのです。

手と足をくらべてみても、うまれたばかりのときは、ほとんど同じ長さです。
そして、年が経つにつれて足のほうが長くなります。

このように、体の下の部分ほど、伸び方が大きいのです。
ですから、体の中心は赤ちゃんでは、へそより少し上のほうにありますが大人では、ももの付け根のあたりになるのです。

また、私たちの体は、いつも同じ割合で大きくなっているわけではないのです。
急に伸びる時期と、ゆっくり伸びる時期とがあります。

このことは上のグラフにしめしたとおりです。



赤ちゃんのときから小学校に入るころまではたいヘん早く大きくなりますが、その後はいくぶん遅くなります。

中学校の終わりごろからは、また、急に大きくなります。
10才ごろから、身長が急に大きくなるのは、この時期に足が長くなるためです。

男と女のあいだにも、育ち方に違いがあります。

ふつう、身長・体重・胸囲などは、女よりも男のほうが大きいのですが11~13才のころだけは、女の子のほうが、男の子よりも大きくなります。

これは、女の子のほうが、男の子よりも大人になるのが早いからです。

また、このころになると男の子は、肩幅が広く、ごつごつしだ体つきになり女の子は乳房が大きくなりはじめ、腰がまるく広くなります。

このような男らしい体、女らしい体がつくられるのはホルモンのはたらきによるのです。




細胞と組織とは? 器官と器官系とは? わかりやすく解説!

細胞

生物の体は、すべて細胞からできています。
細胞の大きさは、ふつう0.01~0.03ミリぐらいで、顕微鏡でなければ見ることができません。

1つ1つの細胞は、原形質というねばりけのある物質からできていてその中に核という、球のような形をしたかたまりがあります。

この核は、細胞が生きていくために、なくてはならない大切なものなのです。
私たもの体も、やはり細胞が集まってできています。

しかし、この細胞はでたらめに集まっているわけではありません。

またふつう、隣り合っている細胞と細胞の間には、細胞間物質というものが詰まっています。


組織

細胞には、いろいろな種類があって、それぞれ形や性質が違っています。
そして、同じ形や性質の細胞が集まったものを組織といいます。

この組織は、ふつう、つぎの4つに分けられています。

上皮組織

皮膚のように、体の表面を保護する役目のものと腸の内側の細胞のように、栄養分を吸収したり消化液を分泌したりするものとがあります。

これらの細胞は上皮細胞といわれ、細胞間物質がほとんどなく、細胞と細胞は、直に隣り合っているのが特徴です。

支持組織

体の支持に役立つ組織のことで、骨の組織、軟骨の組織、結合組織などから成り立っています。

この組織は、とくに細胞間物質の多いことが特徴です。

骨の組織がかたいのは、細胞間物質の中にカルシウム分などがふくまれているためで細胞そのものは、やわらかです。

筋組織

細長くて、伸び縮みのしやすい筋細胞の集まりです。
骨といっしょにはたらいて体を動かす横紋筋腸や血管などをつくっている平滑筋、心臓をつくっている心筋の3種類があります。

神経組織

体のある部分に受けた刺激を、ほかの部分に伝えるはたらきをする神経細胞とそれから伸びでた神経繊維とからできています。

たとえば、目に入った光の刺激を大脳に伝えてはじめてものが見えるという感じを起こさせたり大脳からの命令を筋肉に伝えて運動を起こさせたりするのです。



器官

いろいろな組織が組み合わさって特別のはたらきをするようにまとまったものを器官といいます。

心臓は、主に心筋組織でできていますがそのほか、上皮組織・結合組織・神経組織が組み合わさっている1つの器官です。

そして、血液を全身にまわすポンプの役目をしているのです。

力こぶをつくる上腕二頭筋という筋肉も1つの器官です。
大腿骨という1本の骨もまた、1つの器官なのです。

器官系

同じようなはたらきをする器官が集まり互いに助け合うようにまとまったものを器官系といいます。

200個あまりの骨と、これらを互いにつないでいる関節や靭帯と400個あまりの筋肉を、まとめて運動器系といいます。

口・喉頭・食道・胃・小腸・大腸などの消化管と肝臓・すい臓などそれぞれ食べ物の消化や吸収に大切な器官の集まりを消化器系といいます。

鼻・喉頭・気管・肺など、私たちの呼吸に大切な器官の集まりを呼吸器系といいます。

血液やリンパを循環させるはたらきをする。
心臓・動脈・静脈・リンパ管などは、まとめて循環器系とよばれます。

脳・脊髄・脳神経・脊髄神経などの器官を神経系といいます。

このように私たちの体には、いくつかの器官系があります。
そして、これらの器官系が互いに、うまく助け合いながらはたらいているので私たちは、元気に暮らしていくことができるのです。




健康な体とは? 私たちの体とは? わかりやすく解説!

体と健康

「健康とは、体に病気がないことである」とよくいわれます。
体に病気がある場合には、もちろん、だれも健康とはいわないでしょう。

しかし、病気というほどでなくても、いつも体が弱々しいとか発育が遅れていて体格が悪いとか体の力やはたらきがふつうより劣っているとかいうような場合も、健康だとはいえません。


また、体だけでなく、心も健全でなければ本当の健康とはいえないのです。

健康な人というのは、体にも、心にも、病気はもちろんなくそれらのはたらきがふつう以上で、毎日、仕事や勉強がよくはかどり明るい幸福な生活をおくって、長生きできる人のことです。

私たちの健康は、自分ひとりのためだけでなく家庭のためであり、社会全体のためでもあるのです。

ですから私たちは、自分の健康だけでなくほかの人の健康についても考えなげればなりません。

このように、健康な生活をするためには病気のことや衛生などについて知っておくことも大切ですが自分たちの体のしくみを知らなくてはなりません。

体のしくみがわからなければ、どんな原因で病気がおこるのか病気になったときは、体のしくみがどのような変化をしているのかということを理解することができません。

ここでは、主に私たちの体について勉強しましょう。

私たちの体

地球上には、たくさんの種類の動物が住んでいますがこれらはみな、背骨のある脊椎動物と背骨のない無脊椎動物との2つに分けることができます。

脊椎動物にも、魚や鳥など、いろいろのものがありますがその中で、うまれてからしばらくのあいだ母親の乳で育つ動物の仲間を、哺乳動物といいます。

私たち人間も、哺乳動物の仲間で、体のつくりも互いによく似ています。

ただ、ほかの哺乳動物のように、4つ足で歩かずに、2本の足で立って歩くことはほかの動物と違う、大きな特徴の1つです。

また人間は、とくに知能が発達していて複雑な社会をつくり、進んだ文化をもっていてほかの動物とは、かなり違った生活をしています。




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