アセタール樹脂・ポリカーボネート・繊維素合成樹脂の性質と用途とは?

アセタール樹脂

充分精製したホルムアルデヒドを重合させてつくったもので見かけはポリアミドによく似ています。

性質と用途

性質もポリアミドに似ていますが、いろいろな点でさらにすぐれており金属のかわりになる合成樹脂としていちばん注目されています。

歯車、ベアリング、いろいろな機械部品、薬品瓶などがつくられていますがそのうちにもっと値段が安くなるといわれていますので、使い道はさらに広くなるでしょう。


ポリカーボネート

ビスフェノールとホスゲンとからつくられ、やや黄色みがかった合成樹脂です。

性質と用途

叩いても踏みつけても割れない非常に丈夫な合成樹脂です。
熱にも強く、長いあいだ日光にてらされても強さがかわりません。

この樹脂も金属のかわりに使うことのできる材料でたとえば保安帽・歯車・機械部品・熱湯消毒のできるほ乳瓶・医療用器具・薬品瓶などに使われます。

繊維素合成樹脂

天然高分子である繊維素に、硝酸をはたらかせるとセルロイドの原料になる硝酸繊維素ができますがこれはたいへんよく燃えるので、火事の危険があります。

硝酸のかわりに、酢酸や、ラク酸をはたらかせると安全な酢酸繊維素やラク酸繊維素ができます。

これに可塑剤をまぜると、繊維素合成樹脂になります。

性質と用途

繊維素合成樹脂は、丈夫で割れにくく、美しい見かけをもっています。
セルロイドは加工しやすく、眼鏡の枠や、くしなどの雑貨がつくられ酢酸繊維素を原料としたものは、難燃セルロイドといわれ写真や映画のフィルムとかねじまわしの柄、おもちゃなどに使われます。



新しい合成樹脂

合成樹脂に関係する学問や工業は、すばらしい勢いで進歩しています。
最近も、つぎつぎと新しい合成樹脂が生みだされています。

その中から、工業的に使い道の多いものを、いくつかとりあげて説明しましょう。

アイオノマー

ポリニチレンの仲間ですが、完全に透明で破れにくいフィルムをつくることがで、包装材料として期待されています。

ポリフェニレンオキシド

200℃以上の温度で長時間使っても、性質がかわらず薬品にも強いのでステンレス鋼のかわりに使われるようになるかもしれません。

ポリスルホン

割れにくく熱にも強いので、やはり金属のかわりになるでしょう。

ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリペンゾイミダソール

宇宙開発のためにつくられた耐熱性合成樹脂でいずれも、300℃以上の温度に耐えられますのでロケットやミサイルの重要な電気部品に使われています。



メタクリル樹脂・ポリエチレン・ポリプロピレン・フッ素樹脂・ポリアミドの性質と用途とは?

メタクリル樹脂

アセトンと青酸からつくられる樹脂です。
石油化学製品から直接つくる方法も考えられています。

性質と用途

合成樹脂の中で最も光線を通しやすく、また丈夫で割れにくく日光にてらされても性質がかわりません。

ですから、ヘリコプターの風防ガラス、看板の材料、照明器具、光学レンズなど使い道の広い樹脂です。
美しい真珠光沢のあるボタンもこれでつくられますしコンタクトレンズや入れ歯の材料にも使われます。


ポリエチレン

ポリエチレンは、石油の分解ガスからとれるエチレンを重合させてつくりますがこの重合法には、高圧法・中圧法・低圧法の3つがありつくりかたによって、できるポリエチレンの性質も少し違ってきます。

性質と用途

ポリエチレンは、可塑剤をくわえなくても、柔らかい製品がえられるのが特徴ですが高圧法のものより、中・低圧法のもののほうが硬くて丈夫で溶ける温度も高くなります。
水や薬品に強く、電気を通さないのは、すべてのポリエチレンに共通した性質です。

ポリエチレンのいちばん大きな用途は食料品や雑貨などを包む袋や温床などに使うフィルムです。

また、軽くて壊れにくい性質を利用してごみ箱・バケツ・たらい、ジュースやビールの運搬箱、水筒、薬品瓶などたくさんの種類の製品がつくられています。

ポリエチレンは、安くて使いやすい合成樹脂ですから我が国では、合成樹脂の中で、いちばん多く製造されています。

ポリプロピレン」

石油からとれるプロピレンガスを原料としポリエチレンの低圧法によくにた方法でつくられます。

性質と用途

およその性質は、ポリエチレンとよく似ていますので、使い道も似ています。
しかし、ポリエチレンよりもさらに耐熱性がよく丈夫で見かけも美しいものがつくられます。

最近は、荷造り用の丈夫なひも、またこれを編んでつくった袋や敷物などにも
たくさんのポリプロピレンが使われています。



フッ素樹脂

フッ素原子が結合したエチレンやプロピレンを重合させてつくった樹脂で、みかけばポリエチレンによく似ています。

性質と用途

あらゆる薬品におかされず、低温から高温まで性質かかわらず電気を通さず、まったく水を吸わないというすばらしい性質をもっていますが残念なことに、値段が高く成形しにくいという欠点があります。

使い道としては、電気の高度絶縁材料として宇宙科学の発展に大きな役目を果たしているほか化学工場のパイプやタンクの内ばり、機器のパッキングなどにまた家庭用品には、この樹脂をぬりつけた「油のいらないフライパン」などがあります。

ポリアミド

石炭または石油と空気と水を原料にして合成されますが原料の種類によって、いろいろな性質のポリアミドをつくることができます。

合成繊維ナイロンは、ポリアミドの一種です。

性質と用途

ポリアミドは、丈夫で摩擦に強いのがいちばんの特徴で繊維にして丈夫な靴下や織物がつくられていることは、みなさんも知っているでしょう。

また、滑りやすい性質を利用して油のいらない歯車・戸車・かっ車などがつくられていて金属材料のかわりに使える合成樹脂の1つです。



塩化ビニル樹脂・酢酸ビニル樹脂・スチレン樹脂の性質と用途とは?

塩化ビニル樹脂

アセチレンと塩酸を反応させてできる塩化ビニルを重合したもので、もっとも安いプラスチックの1つです。

くわえる可塑剤(合成樹脂を柔らかくする薬品)の量により、性質や見かけがかわります。


性質と用途

可塑剤をいれたものを、軟質塩化ビニル樹脂、いれないものを硬質塩化ビニル樹脂とよびます。

軟質塩化ビニル樹脂からは、フィルム、ふろしき、テーブルかけホース、電線のおおいなどがつくられ、硬質塩化ビニル樹脂は丈夫で薬品にも強いので、水道や工場用のパイプ、波板、雨どい透明な瓶、容器などがつくられます。

塩化ビニリデン樹脂

塩化ビュル樹脂に、塩素がさらに結合した形の樹脂です。

性質と用途

油や薬品に強く、燃えにくく水蒸気などの気体を通しにくい性質をもっています。
また、低温でも柔らかいので、ほとんど繊維やフィルムとして使われています。

緑色の防虫網、美しい色のテントや日やけ、ビーチパラソルなどはこの繊維を織ってつくります。
また、フィルムは、冷蔵庫に食べ物などを入れるときに家庭でも使いますし、ソーセージなどの包装にも使われています。

酢酸ビニル樹脂

アセチレンと酢酸から合成される酢酸ビュルを重合させてつくります。
夏の温度(30℃くらい)で柔らかくなってしまいますのでこれで形のある品物をつくることはできません。

性質と用途

日本でつくられているチューインガムのほとんどは酢酸ビュル樹脂に砂糖や香料をねりこんだものです。
この樹脂の、ほかの大切な使い道は、接着剤や塗料です。

学校の工作で使う接着剤は、でんぷんのり以外はほとんど酢酸ビニル樹脂が主原料です。
しかし、日本でつくられる酢酸ビニル樹脂の大部分はつぎに説明するポリビニルアルコールの原料になっています。



ポリビニルアルコール

酢酸ビニル樹脂をメチルアルコールに溶かし水酸化ナトリウムをはたらかせてつくります。

性質と用途

温水に溶けるという、合成樹脂の中では珍しい性質をもっていますので、水溶性接着剤などにも使われます。

油には強いので、食品や機械部品の包装材料に使われていますが大部分は合成繊維ビニロンの製造原料にむけられます。

スチレン樹脂

ベンゼンとエチレンから合成されるスチレンを重合させてつくります。
スチロール樹脂ともいいます。

性質と用途

無色透明で、成形しやすく薬品に強く電気を通さないなどの性質をもっていますが、ややもろいのが欠点です。

合成ゴムやアクリロニトリルを共重合させて性質を改良した耐衝撃性スチレン樹脂、すなわちAS樹脂・ABS樹脂などもつくられています。

スチレン樹脂は、テレビやラジオの前部の文字板、いろいろな台所用品、おもちゃ、文房具、アイスクリームなどの食品カップなどに使われます。

また、この樹脂をスポンジのように膨らませたものは割れ物の包装材料や断熱材などの用途があります。
ABS樹脂に、丈夫で割れにくいので今まで金属が使われていたもののかわりに美しいめっきをつけた成形品にして使われています。



ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂・ウレタン樹脂・ケイ素樹脂の性質と用途とは?

ポリエステル樹脂

フタル酸とマレイン酸をまぜ、これにエチレングリコールをくわえて縮合させ
できた樹脂をスチレンに溶かすのが代表的なつくり方です。

原料の種類、組みあわせをかえるといろいろ性質のかわったポリエステル樹脂になります。(ポリエステル繊維とは別のものです)

この樹脂に、重合触媒や促進剤などを少しくわえると熱や圧力をあまりくわえなくても成形できます。

性質と用途

ポリエ不テル樹脂は、化学薬品や熱にかなり強くとくにガラス繊維といっしょに成形すると強化ポリエステルとよばれる丈夫な製品になります。

住宅や工場で使われる、半透明の波板・薬品タンク、ボートやヨッ卜航空機の部品、保安帽など、いろいろなところに使われています。


エポキシ樹脂

エポキシ樹脂は、エピクロルヒドリンとビスフェノールとからつくられるものが代表的です。
これを固めるには、硬化剤(アミンまたは酸無水物)をまぜなければなりません。

性質と用途

エボキシ樹脂は、何にでもよくつくので、万能接着剤として有名です。
とくに軽金属にたいして、すぐれた接着力をしめすので航空機の組み立てなどにも使われています。

接着性がよいばかりでなく、電気を通さず、薬品にも耐えるので電子機器をはじめ、いろいろの工業で、大切な使い道があります。

ウレタン樹脂

座布団やマットレスのクッションなどによく使われているスポンジはウレタン樹脂からつくったものです。
これは、ジイソシアネートとポリエーテルまたはポリエステルとを反応させてつくります。

ゴム状のものや、塗料などに使う液状樹脂もつくられています。

性質と用途

ウレタン樹脂は、ゴムのような弾性があるので、クッション用スポンジに適した材料です。
また、すり減りにくいのでタイヤに使うのに具合がよいのですが今はまだ値段が高いのでそれほど広く使われていません。

しかし、木工品の塗料や、ケミカルシューズの接着剤としては重要なものです。


ケイ素樹脂

ケイ素と塩化メチルなどからつくられるケイ素樹脂(シリコーンともいう)は分子の本体が無機化合物なので、ほかの合成樹脂よりも高い温度によく耐えます。

油状からゴム状まで、いろいろありますが電気を通さず、水をはじき泡を消すなどのおもしろい性質をもっています。

性質と用途

ケイ素樹脂のいちばん大きな特徴は、高温(250℃)から低温(零下65℃)まで柔らかさや強さなどの性質がかわらないことです。

使い道は、電気の絶縁材料が第一でこれを利用したモーターは、非常に小型になり水に浸かっても平気です。

そのほか、防水剤・潤滑油・パッキングなど非常に広い用途がありますが、値段の高い樹脂です。



フェノール樹脂・ユリア樹脂・メラミン樹脂の性質と用途とは?

現在、製造されているおもな合成樹脂は30種類ぐらい(細かく分けると100種類以上)もありそれぞれすぐれた性質をもっているので、その用途は近年どんどん増えています。

1967年に日本でつくれた合成樹脂の量を合計すると267万5000トンになりこれは世界で2番目の生産量で、各種の化学工業製品の中では一番です。

なお、合成樹脂の原料は石油化学工業によってつくられるものが多くなりました。


フェノール樹脂

フェノール樹脂は、もっとも古くから使われだした合成樹脂ですがいろいろな合成樹脂がつくられるようになった現在でも、いろいろな用途に使われています。

フェノール樹脂は、フェノール(石炭酸)とホルマリンを酸や塩基を触媒として縮合させてつくります。
酸を触媒としたものは、木粉や硬化剤をくわえて熱ロールでねり細かく砕いて成形材料にします。

塩基を触媒としたときは、できた樹脂液を紙や布に染みこませて積層素材にします。

積層素材は何枚も重ねて金属板のあいだにはさみ熱と圧力をくわえて硬化させると板状の製品ができあがります。

成形材料は、金型で熱と圧力をかけて仕上げます。

性質と用途

フェノール樹脂は、丈夫で酸や油におかされず熱に強く、電気を通しにくい特徴があります。
欠点は、塩基に弱く明るい色をつけにくいことです。

電気絶縁材として、電気・通信機器にたくさん使われますが軽くて丈夫で、さびないということで歯車・軸受・ハンドルなどの機械部品、酸に強い器具や事務用品食器にもつくられています。

そのほか、塗科や接着剤としても大切な樹脂です。


ユリア樹脂

ユリア(尿素)とホルマリンを縮合させるとユリア樹脂ができます。原料のユリアは肥料としても使われるたいへん安い工業原料ですから、

ユリア樹脂は安価な樹脂の1つです。

ユリア樹脂に、パルプの粉をまぜて成形材料をつくりますがこれを金型に入れ、成形機で加熱・加圧すれば製品ができます。

性質と用途

性質は、フェノール樹脂に似ていますが、水・熱に耐える性質や長もちという点では劣るので成形品は、工業的なものには、あまり利用されません。

しかし、樹脂は、無色透明で、鮮やかな色を自由につけられつやもよいので化粧品・医薬品の容器や瓶のキャップ、電気器具の部品、コップや子ども用食器、ボタンなどの雑貨類に使われます。

そのほか、樹脂液は合板の接着剤としてまた織物にしわがよりにくくする処理剤として用いられています。

メラミン樹脂

メラミンとホルマリンとがらつくられ見かけはユリア樹脂とよく似ていますが、いろいろな点ですぐれています。

性質と用途

ユリア樹脂と同じように、無色透明ですから自由に色をつけられるほか、熱や水にたいして、はるかに強く煙草の火ぐらいではすぐにはこげません。

また、表面が硬いので傷がつきにくいのですが、値段は少し高くなります。

最近、机や家具などの表面に木目や美しい模様をつけた化粧板がたくさん使われていますがこれはフェノール樹脂を染みこませた紙を重ねその上に、メラミン樹脂を染みこませた模様紙をおいて成形したものでデコラというのは、この商品名の1つです。

メラミン樹脂の成形品は、電気器具の部品にも使われ陶器と見間違えるような食器類もつくられています。

そのほか、塗料原料としても大切で自動車・電気冷蔵庫・電気洗濯器などの美しいつやや硬さは、この樹脂のおかげです。

また、接着剤・繊維処理剤としても高級品として使われています。



合成樹脂のつくりとは? 合成樹脂の性質とは? わかりやすく解説!

合成樹脂は、縮合(縮重合)とか重合(付加重合)といわれる化学反応によってつくられます。

分子には、ほかの分子と化学的に結合できる手を何本かもっているものがいろいろあります。


合成樹脂、つまり高分子物質をつくるにはこの手を2本以上もった分子を原料としなければなりません。

下の図は、分子の結合する有様を模型でしめしたものです。
結合する手が2本以上ですから、分子どうしが互いに手をつないでいけば、高分子物質ができあがります。

このように手をつなぐときに、図(a)の(イ)のようにただつながっていく場合(付加重合)と(ロ)のように手の先についている原子が離れると同時につながっていく場合(縮重合)とがあります。

そしてこのとき、手離された原子どうしが1つの分子(水・二酸化炭素・アンモニアなど)になって放出されます。

手が3本以上ある分子の場合には、図の(b)のように上下にもつながり、網目のようなつくりになります。

そしてこの網目は平面的ではなく運動場のジャングルジムのように立体的なしくみの巨大分子になるのです。



熱可塑性と熱硬化性

合成樹脂は、その特徴によって大きく2種類に分けられます。
その1つは、チョコレートのように熱をくわえると柔らかくなりついには溶けますが冷やすと、またもとの固体になる樹脂でこれを、熱可塑性樹脂といいます。

この樹脂は、図(a)の(イ)または(ロ)のように2本の手で長く糸のようにつながった分子からできています。

もう1つは、卵のように加熱すると固まりいちど固まると、さらに熱をくわえても柔らかくならない樹脂でこれを熱硬化性樹脂といいます。

図(b)のように網目状の分子からできているのがこれですがこのような網目の結合が完成する途中では、加熱すると柔らかくなりますのでこの時期に成形します。

合成樹脂の特徴

合成樹脂には、いろいろな種類があり、それぞれ特徴がありますが一般的につぎのような性質をもっています。

  • ①軽くて、丈夫である
  • ②電気を通しにくい
  • ③酸や塩基などに強いものが多く、さびたり、腐ったりしない
  • ④能率よく成形できる
  • ⑤透明、または半透明なものが多く、明るい色をつけられるので、見かけの美しいものがつくれる
  • ⑥原料がわりあい豊富で、しかも安い




天然樹脂・合成樹脂とプラスチックとは? 高分子物質とは? わかりやすく解説!

天然樹脂と合成樹脂

松の木の幹に傷をつけると、その部分から黄色い水あめのようなねばねはした液がにじみでてきます。
これが松脂ですが、ほかの樹木も同じようなものをだします。

これらは、みな樹脂とよばれますが、これらの樹脂は天然にできたものですから
天然樹脂といわれています。

この天然樹脂にたいして、いろいろな化学薬品を原料として化学反応でつくられる、天然樹脂のような見かけと性質をもったものを合成樹脂とよんでいます。


合成樹脂とプラスチック

最近は、合成樹脂というかわりに、プラスチックという言葉がよく使われます。
合成樹脂がはじめてつくられたころは、天然樹脂に似たものがその後いろいろな種類の合成樹脂がつくりだされその中には、松脂などと見かけも性質も違ったものが、たくさんあります。

そのため、最近は、合成樹脂のことを「プラスチック」という名前でもよぶようになってきました。
しかし、今までの習慣で合成樹脂という言葉も広く使われていますからプラスチックとは、合成樹脂でつくったものの総称であると考えてよいでしょう。

プラスチックという言葉のもとの意味は「あるものに熱や力をくわえると、自由に形をかえることができそのあとは、もとの形にもどらない性質」のことです。

このような性質は粘土などももっていますが合成樹脂にとっていちばん大切な性質なのです。
合成樹脂の製品をつくるときには、この性質を利用して熱や圧力をくわえ目的の形のものに作り上げるわけです。

これを成形といいます。

合成樹脂が、このような便利な性質をもっているのはこれがいずれも高分子物質であるからなのです。



高分子物質

ほとんどの有機化合物(炭素を中心とした化合物)は、分子からできています。
分子は、たいそう小さいものですから、直接に目で見たり重さをはかったりすることはできませんが、物質の性質は分子の大きさによって、大きくかわってきます。

ですから、分子の大きさをくらべることは大切なことです。

ふつう、分子の重さ(分子量という数)が、このために使われます。
分子量というのは、炭素12の原子の重さを12としてほかのいろいろの分子の重さを、これとくらべた値です。

たとえば、水の分子量は18、エチルアルコールは46、砂糖は342です。
たいていの有機化合物は、分子量が500以下ですが中には何千、何万、いや何百万という大きな分子量をもったものもあります。

このような分子量の大きい物質を、高分子物質といい分子量の小さなもの(低分子物質)とはまったく違った性質をしめします。

つまり、分子量が大きくなると、分子が糸のように長くなりこの長い分子が互いに絡まりあって高分子物質に特有の性質をしまします。

でんぷんやたんぱく質は、天然産の高分子物質のよい例ですが合成樹脂や合成繊維は、高分子になることのできる分子量の小さい化合物を単位原料としてつくったものですから、合成高分子物質ともよばれています。



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