物質は、常に純粋な形で存在しているとは限りません。
むしろ、混合物となっている場合のほうが多いものです。
そこで混合物から、必要とする物を純粋な形で取り出したり混合物が何種類の物質からできているかを調べることが必要になってきます。
これらの混合物から純粋な物質を分離するにはどんな方法があるかを調べてみましょう。
ふるいによる分離
粒の大きさの違う2種類の個体が混合しているような場合はふるいによってふるいわけます。
比重の違いによる分離
水よりも比重の大きなものと小さなものが混合しているような場合は混合物を水に入れてかきまわすと2つの物質が分離できます。
また、水の代わりに、濃い食塩水の中に入れて浮くものと沈むものとに分離する方法もあります。
さらに、金属の選鉱などのように水の泡の表面に物質をつけて浮かばせる方法もあります。
ろ過による分離
水などの液体の中に、砂や粘土などの溶けない物質が混合している場合があります。
このような場合は混じっている粒の大きさによって布を使って分離したり、ろ紙を使ってろ過したりさらにもっと目の小さいろ過装置を使ったりして分離することができます。
①ろ紙によるろ過の方法
②吸引ろ過による方法
普通のろ過では大変ろ過しにくいものろ過の速度をできるだけ早くしたいときなどに用いられます。
③保温した状態でろ過する方法
常温では、すぐ固体となってしまうような物質をろ過する場合に利用されます。
普通、保温ろうとを使いますが下の図のような方法でも、保温ろ過することができます。
抽出による分離
固体の混合物に、溶媒を加えて溶媒にとける成分だけを溶かし出しろ過して分離する方法があります。
落花生や大豆を小さく砕いて試験管に入れます。
これにエーテルを加えて栓をし(コルク栓をビニル布で包んでで使う)よく振ります。
すると、落花生や大豆に含まれていた脂肪はエーテルに溶けますから溶媒の部分だけを、時計皿に移し、風通しのよいところに置くとエーテルは蒸発し、あとに脂肪が残ります。
このような方法を、抽出といい、これを、自動的に行うにはソックスレーの抽出器というものを使うと便利です。
フラスコの中に、エーテルなどの溶媒を入れ円筒ろ紙の中には、大豆などを細かく砕いたものを入れます。
フラスコを、ウォーターバスで温めると蒸気になったエーテルは図のAの管を通って冷却器に行きます。
ここで蒸気は冷やされ、液体となって円筒ろ紙の中に落ちます。
このとき、エーテルは脂肪を溶かしサイホンの高さ(図のB)まで溜まると自動的にフラスコの中に流れこむようになっています。
このことが、何回もくり返されると脂肪は、大部分がフラスコの中に移りますからエーテルを蒸留して、脂肪を分離することができます。