結晶の形とは? 再結晶とは? わかりやすく解説!

結晶の形

結晶は、いくつかの平面とその平面が交わるいくつかの辺とで囲まれた立体です。
結晶には大きなものも、小さなものもあります。


また、板状のものや、針状のものなど、その形はさまざまです。

しかし、結晶の形は物質によって必ず決まっています。
結晶が小さくて、粉のように見えるものでも虫眼鏡や顕微鏡で見ると大きい結晶と同じ形であることがわかります。

例えば、塩化ナトリウムの結晶は必ず立方体の形をしています。

また、雪の1粒を虫眼鏡や顕微鏡で見ると六角形の美しい結晶であることがわかります。

氷は水の結晶がたくさん集まったものですがその1つ1つの結晶の形は雪とまったく同じものです。

雲母の結晶も六角形ですが薄くはげる性質があります。
また、水晶(石英の結晶)は結晶として代表的なものです。

これらのはっきりした結晶に比べて寒い日にガラスに凍りついた霜やトタンの表面の亜鉛の模様などは、ちょっと結晶ではないように見えますがこれらも小さい結晶の集まりなのです。

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結晶の形は、このように多いのですが、そのもとになる形はあんがい少なくだいたい図にしめした14種類の形に分けることができます。



再結晶

結晶になっている物質をいちど溶液にしてその溶液からまたもとの物質を結晶として取り出すことを再結晶といいます。

再結晶をすると、結晶に混じっているごみや不純物を取り除くことができ非常に純粋な物質ができます。

実験

ごみや不純物の混じっている硫酸銅を再結晶させるには、つぎのようにします。

まず、不純物などの混じった硫酸銅の結晶を湯に溶かして、飽和溶液をつくり

これを、保温ろうとを使ってろ過します。
このとき、水に溶けないごみなどの不純物は取り除かれます。

ろ液を冷たい水の中につけ、かきまぜながら冷やして小さい結晶を析出させます。

結品が析出してきたら、これをろ過して分けとり大きいろ紙に挟んでかわかします。

このときに、水に溶けやすい不純物はろ液といっしょに取り除かれれます。
こうしてできた硫酸銅の結晶は非常に純粋なものです。

再結晶をするには、飽和溶液を冷やす方法のほか溶媒だけを蒸発させる方法や溶媒の種類をかえる方法などがあります。




溶解と溶液とは? 溶質と溶媒とは? わかりやすく解説!

溶解

砂糖や塩を水に溶かした液は、もとの水と見分けがつきません。

しかし、粘土を水に人れてかき混ぜた液は、にごりがひどいのでもとの水とすぐ見分けがつきます。


これは、水の中にある砂糖や塩と粘土との様子が、まるで違っているからです。

水の中に溶け込んだ砂糖や塩の粒は非常に小さくて、顕微鏡を使っても見ることができません。

砂糖や塩の粒が、分子の大きさになって水の中に入っているからです。
物質が溶けて、このような状態になることを、溶解するといいます。

砂糖や塩が水に溶解して、砂糖水や塩水になった場合はろ過をしても砂糖や塩と水を分けることはできません。

これに対して、粘土のためにごった水を顕微鏡で見ると粘土の粒が見えます。

粘土の粒は分子にくらべると非常に大きな状態で水と混ざっているからです。

物質が、このような状態になっている場合は溶解とはいいません。

これは、粘土と水のただの混合物ですからろ過をすれば、粘土と水に分けることができます。

溶液

砂糖水や塩水のように液体がある物質を溶解しているものを溶液といいます。

砂糖水や塩水は、固体である砂糖や塩が液体である水に溶解したものですが溶液には、液体が液体を溶解したものや液体が気体を溶解したものなどいろいろな種類があります。

例えば、炭酸水は水に気体の二酸化炭素がとが溶け込んだものですしアルコールを水に溶かしたものは、液体を液体に溶解した溶液です。



溶質と溶媒

溶液をつくっている物質のうち溶けているものを溶質、溶かしているものを溶媒といいます。

例えば、砂糖水では、砂糖が溶質、水が溶媒です。

溶質も溶媒も液体の場合にはどちらが溶けているのかはっきりしませんが溶液の半分以上を占めるほうを溶媒半分以下のほうを溶質といっています。

溶媒が水の溶液を水溶液、溶媒がアルコール溶液をアルコール溶液といいます。
      
例えば、海水は、塩化ナトリウムや硫酸マグネシウムなどの塩分を溶かしこんだ水溶液ですしヨードチンキは、ヨウ素とヨウ化カリウムのアルコール溶液です。

物質は、固体・液体・気体と3つの状態になりますが溶媒や溶質がいろいろな状態の場合をまとめると上の表のようになります。

上の表で、ふつう溶液というのは、サイダーやジュースのように液体の状態にあるものをいいます。

空気のように、2種以上の物質が混ざりあって気体となっているものは、ふつう混合気体といいハンダのように、固体となっているものはふつう固溶体といわれます。
 
溶液・混合気体・固溶体の3つをあわせて溶体といいますが溶液と溶体を同じ意味に使うこともあります。
 

溶質の状態

溶質が水に溶けると、見えなくなります。
しかし、溶質そのものがなくなったのではありません。

砂糖と水とを別々にはかりその合計の重さと、砂糖を水に溶かしたものの重さとをくらべると、まったく同じになっていることがわかります。

つまり、水に溶かした砂糖は見えない状態になりますが、なくなったのではないのです。

砂糖などが水に溶解したときは、分子の大きさになって水の分子の間に入りこんでいます。

それが塩化ナトリウム(食塩)の場合はナトリウムイオンと塩素イオンとにばらばらに分かれて水の分子と混ざります。

溶質は、分子くらいの粒になって水の分子と分子のすき間に入り込むのですから溶液になると、その体積はもとの水の体積と溶質の体積をたしたものより小さくなります。




混合物の分離とは? 分離の方法と種類とは?

物質は、常に純粋な形で存在しているとは限りません。
むしろ、混合物となっている場合のほうが多いものです。

そこで混合物から、必要とする物を純粋な形で取り出したり混合物が何種類の物質からできているかを調べることが必要になってきます。

これらの混合物から純粋な物質を分離するにはどんな方法があるかを調べてみましょう。


ふるいによる分離

粒の大きさの違う2種類の個体が混合しているような場合はふるいによってふるいわけます。

比重の違いによる分離

水よりも比重の大きなものと小さなものが混合しているような場合は混合物を水に入れてかきまわすと2つの物質が分離できます。

また、水の代わりに、濃い食塩水の中に入れて浮くものと沈むものとに分離する方法もあります。

さらに、金属の選鉱などのように水の泡の表面に物質をつけて浮かばせる方法もあります。

ろ過による分離

水などの液体の中に、砂や粘土などの溶けない物質が混合している場合があります。

このような場合は混じっている粒の大きさによって布を使って分離したり、ろ紙を使ってろ過したりさらにもっと目の小さいろ過装置を使ったりして分離することができます。

①ろ紙によるろ過の方法

②吸引ろ過による方法

普通のろ過では大変ろ過しにくいものろ過の速度をできるだけ早くしたいときなどに用いられます。

③保温した状態でろ過する方法

常温では、すぐ固体となってしまうような物質をろ過する場合に利用されます。
普通、保温ろうとを使いますが下の図のような方法でも、保温ろ過することができます。

抽出による分離

固体の混合物に、溶媒を加えて溶媒にとける成分だけを溶かし出しろ過して分離する方法があります。

落花生や大豆を小さく砕いて試験管に入れます。
これにエーテルを加えて栓をし(コルク栓をビニル布で包んでで使う)よく振ります。

すると、落花生や大豆に含まれていた脂肪はエーテルに溶けますから溶媒の部分だけを、時計皿に移し、風通しのよいところに置くとエーテルは蒸発し、あとに脂肪が残ります。

このような方法を、抽出といい、これを、自動的に行うにはソックスレーの抽出器というものを使うと便利です。

フラスコの中に、エーテルなどの溶媒を入れ円筒ろ紙の中には、大豆などを細かく砕いたものを入れます。

フラスコを、ウォーターバスで温めると蒸気になったエーテルは図のAの管を通って冷却器に行きます。

ここで蒸気は冷やされ、液体となって円筒ろ紙の中に落ちます。

このとき、エーテルは脂肪を溶かしサイホンの高さ(図のB)まで溜まると自動的にフラスコの中に流れこむようになっています。

このことが、何回もくり返されると脂肪は、大部分がフラスコの中に移りますからエーテルを蒸留して、脂肪を分離することができます。




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