元素の周期律
19世紀に入って、次々に新しい元素が発見されました。
これらの元素には性質のよく似たものもありました。
ところが、元素を重さの順にならべるとだいたい決まった数ごとに性質のよく似た元素が並ぶことがわかりました。
例えば、フッ素から8番めの塩素塩素から18番めの臭素、臭素から18番めのヨウ素の4つの元素はどれもほかの元素と化合物をつくりやすく硝酸銀と作用させると、銀との化合物をつくります。
このように、元素を並べていってよく似た性質の元素が周期的にあらわれることを元素の周期律といいます。
元素の周期律を最初にまとめたのはロシアのメンデレーエフとドイツのマイヤーです。
元素の予言
メンデレーエフが元素の周期律について発表したのは1869年です。
そのころ知られていた元素は63種でした。
彼は元素を並べるときに、適当な元素がないところは空けておきそこに入るはずの元素の性質を予言しました。
後になって、その元素が発見されるとメンデレーエフの予言がよく当たっていたので元素の周期律の価値が人々に認められるようになりました。
予言した元素 → 発見された元素
エ力ホウ素 → スカンジウム Sc
エカケイ素 → ゲルマニウム Ge
エカアルミニウム → ガリウム Ga
エカマンガン → テクネチウム Te
ドビーマンガン → レニウム Re
元素の周期律表
元素の周期律をまとめて表にしたものを周期律表といいます。
表にあらわす方法はいくつも考えられていますが長周期型とよばれるものがよく使われています。
メンデレーエフのころは元素を重さの順に並べましたが今では、原子番号の順に並べることになっています。
周期律表の元素の名前のところにしめしてある数字が原子番号をあらわしています。
また、アルファベットの文字はその元素をあらわす記号で、元素記号とよばれるものです。
フッ素・塩素・臭素・ヨウ素はどれも銀と化合物をつくりやすいだけでなく水素と化合すると、強い酸性をしめす化合物をつくるしこれらの元素だけでできているものはどれも刺激の強い臭いをもっています。
それで、これらの元素をまとめて、ハロゲン族とよんでいます。
また、周期律表の左に並んでいるリチウム・ナトリウム・カリウムなどの金属は水をよく分解して水素を発生させますし塩素と化合すると、食塩によくにた化合物をつくります。
これらの元素は、アルカリ金属とよばれます。
そのほか、ヘリウム・ネオン・アルゴンなどは産出量が少なく、なかなか化合物をつくりにくい性質があって希ガスとよばれます。
このように、周期律表の縦に並んでいる元素はみんな共通の性質をもっています。
また、周期律表の中で、左下にある元素ほど金属としての化学的な性置が強く、右上にある元素ほど、非金属としての化学的な性質が強くたっています。
元素の名前
水素・酸素・同・金などの名前はよく聞くことがありますが中には、アルゴン・ラドン・テクネチウムなどのように怪獣の名前のような元素もあります。
これらの元素の名前は、主にラテン語からとったものです。
元素の名前は、地名をとったものもありますし星の名前、元素の性質、科学者の名前、神様の名前などいろいろの呼び名がもとになっています。
元素記号
元素をあらわすには、記号をつかうと便利ですから昔からいろいろな元素記号が考えられました。
古い時代には、そのころ知られていた金属に太陽系の遊星をあらわす神様をあてはめて図のような形でそれをあらわしたこともあります。
その後、長いあいだに、新しい元素がつぎつぎと発見され18世紀の終わりごろには、その数も数十に達しました。
1803年に、イギリスの科学者ドールトンは元素にはその元素に特有な原子があることをはじめて説明しそれは球形をしているとして、上の図のような記号を考えました。
しかし、水・二酸化炭素・アンモニアなども元素と考えていたようです。
スウエーデンの化学者ベルセリウスは、元素をアルファベットであらわす方法を考えます。
彼の方法では、元素のラテン語の頭文字を、活字体の大文字で書いて元素記号とするものです。
もし、同じ頭文字の元素が2つ以上ある場合にはそれらの元素の名前から、他の一字をとり、それを小文字で書きそえます。
例えば、Cの字のつく元素記号とそのラテン語名は、上の図のようになります。