地球上には、いろいろな物質がありますがこれらの物質は、90種類あまりの元素からできています。
物質を形づくっているもっとも小さい粒を原子といいます。
同一の原子が結合してできたものを単体といいこれにたいして、2種以上の原子が結合したものを化合物といいます。
このような化合物のうちで、炭素原子が中心になってこれに他の原子が結合しているようなものをとくに有機化合物といい、炭素原子をふくまないものを無機化合物といっています。
たとえば、砂糖やアルコールは燃やすと炭ができたり二酸化炭素をだすことからわかるように炭素をふくんだ化合物ですから有機化合物です。
しかし、炭素をふくんでしても二酸化炭素・一酸化炭素・炭酸ナトリウム・二硫化炭素といったようなものはいっぱんに無機化合物として取り扱われています。
有機化合物は、その種類が非常にたくさんあります。
それは、炭素原子の性質として、炭素原子どうしまた酸素・水素・窒素・イオウ・リンその他のいろいろな原子と結合する力が強いことによるのです。
炭素の原子価は4ですが、これは1個の炭素原子が4つの手をだしてこれに他の原子が結合できることを意味しています。
むかし、有機化合物は、すべて動物や植物・微生物などの生き物によってはじめてつくられるものであると考えうれていました。
有機という言葉は、同時に生物という意味をも、もっているのです。
私たちの体をつくっているたんぱく質植物によってつくられるでんぷんなどをはじめ脂肪・ビタミンなどは、すべて有機化合物に入るものなのです。
ところが、1828年ドイツのウェーラーという化学者が尿素という尿の中に見いだされる有機化合物をシアン酸アンモニウムという無機化合物からつくりだすことに成功しました。
それ以来、もともと生物によってつくりだされた物の中からだけ見いだされたいろいろな有機化合物が、実験室で合成されるようになりました。
さらに、天然にも見いだされないような物もつくられるようになって有機化合物の複雑な性質が調べられ私たちの生活に役立つようになりました。
ビタミンやそのほかの医薬品・合成樹脂・合成繊維・香料・染料などはその一例です。