昔から日本ではたくさんの米がとれます。
これはちょうど田植えのころに、雨が充分に降ってくれるからです。
また、電気がたくさん起こされるのも、やはり山地に雨や雪がたくさん降るからです。
このように、雨はたいへんありがたいものですがときには大雨となり、大水を起こして大きな損害を与えることもあります。
そして、私たちの暮らしに、雨とたいへん深いつながりをもっているので雨の観測は、昔から熱心に続けられてきました。
雨粒の大きさの調べかた
雨の降っているときに、窓ガラスにあたる雨粒の大きさを調べてみましょう。
きれいに拭いたガラス板を用意して、雨粒を受けてみると雨粒の大きさがもっとよくわかります。
雨粒はガラス板の上で潰れて、まるい形になります。
この雨粒のあとを見ると、大きい雨粒は、潰れた跡が大きく小さい雨粒は、跡が小さくつきます。
この雨の跡を見ると、雨粒は、いろいろの大きさのものがあることがわかりました。
また、ガラス板の裏に方限紙を張りつけておくと、潰れた雨粒の大きさを測ることができます。
また、吸い取り紙かろ紙を出して、雨を受けてみましょう。
雨粒は、吸い取り紙にあたると、大きいしみ跡をつくります。
しみ跡の外側を、鉛筆でなぞっておきます。
食紅の粉を、紙の上にむらのないようにすりつけておくとしみ跡が赤く残り、よくわかるようになります。
吸い取り紙やろ紙の種類によって、いくらか違いがありますがだいたい、しみ跡の大きさから、雨粒の直径を知ることができます。
雨粒の大きさ
いままでの観察によると雨粒の大きさは、だいたい直径が0.5~5ミリくらいでふつうは1~2ミリくらいです。
春に降る雨は、どちらかといえば、小さい雨粒が多く夏の雷雨のときに降る雨は、大粒の雨が多いのです。
いままで、雨粒のいちばん大きかったのは、直径10ミリですが雨粒にあまり大きくなると、落ちてくる途中で割れてしまいます。
また、大粒の雨は、早く落ち、小粒の雨にゆっくり落ちるので落ちかたからも、雨粒の大きさの見分けをつけることもできます。
直径が0.5ミリより小さい雨粒は落ちかたも遅く、霧のように空に浮かんでいるように見えます。
このような小粒の雨を、霧雨ともよんでいます。
雨の降りかた
雷のときには、大粒の雨が急に降ってきてちょうどバケツの水がひっくり返したように、強い雨を降らせます。
春から初夏にかけて糸のような細い雨が、しとしとと、降ることがあります。
このように雨の降りかたは、そのときによって、強く降ったり、弱く降ったりします。
降りかたによって、弱い雨、ふつうの雨、強い雨にわけて、観察することができます。
パラパラと降る雨で、地面が湿るくらいの雨を弱い雨とします。
地面に水たまりができ、家の中にいても雨の降る音が聞こえるくらいの雨をふつうの雨とします。
地面に一面に水たまりができ、激しい雨の音が聞こえるくらいの雨を、強い雨とします。
弱い雨は、雨量にすると、1時間に3ミリ以下くらいです。
ふつうの雨は、1時間に15ミリ程度以下の雨量に相当します。
雷のときには、1時間に15ミリ以上の強い雨が降ることは、めずらしくありません。
東京のいままでの最大記録を見ると、かなりのときに1時間に約90ミリも降ったことがあります。