光の進み方と光の明るさとは?発光体・光源・光度・照度とは?

発光体

私たちは光が全くないところでは、なにも見ることができません。
物が見えるのは、その物からきた光が、私たちの目に入り、網膜を刺激するからです。

物から目に入ってくる光には、その物が、自分自身で出している光とほかの物からきている光を跳ね返している光とがあります。


発光体

太陽や電灯のように、自分で光を出す物を、発光体と言います。
太陽・恒星・電灯、燃えているろうそくや炭火などは、よく見かける発光体です。

暗体

椅子や月のように、自分で光を出さない物を暗体と言います。
暗体が見えるのは、電灯や太陽からきた光が反射されて、目に入るからです。

光源

発光体の中でも、物を見るためや写真を撮るために使われているものをとくに光源と言います。

炭火や線香の火は物を照らすためには使いませんから、発光体でも光源にとは言いません。

電球にさわってみるとわかるように光を出す物は、ふつう、光といっしょに熱も出します。

点光源

光源が非常に小さくて、点のように見える場合、点光源と言います。

そばで見ると大きい電灯も、遠くのほうから見れば、砂粒のように小さく見えるので、このようなときは点光源と考えることができます。

光源の明るさ

明るい電灯で照らされている物は、ろうそくで照らされているものより明るく見えます。

また、電灯に近づければ明るく見え、離していくと照らされている部分がだんだん暗くなります。

同じように、1本のろうそくで照らすよりも2本つけたときのほうがずっと明るくなることも知っているでしょう。

では、明るさはどのようにして決めるのでしょうか。

光度

光源の強さを測るのには、カンデラ(cd)という単位を使います。

40ワッ卜の電球は、約50カンデラ、100ワッ卜の電球は約130カンデラです。
私たちが部屋の照明に使うのは、数カンデラから数百カンデラです。

まぶしさ

光源が小さくて、点のような物であるとき光源の明るさをあらわすには、光度だけで充分です。

しかし、光源が蛍光灯のように大きなものであるときはその大きさ、つまり面積を考えなくてはなりません。

かがやき

光源の単位面積として、一平方センチをとり、この光度をBとすると全体の光度はBに総面積をかけたものになります。

このように、光源に大きさがある場合は、その光源の一平方センチあたりの光度をその光源の輝き(あるいは輝度)と言います。

この場合、光源が傾いていると、光は横のほうにそれてしまうので全体の光度は減ってしまいます。

もし、光源が完全に横を向いてしまうと、光はまったくでないことになります。
このことは、平らな板を正面から見れば、そのままの大きさに見えますが傾けていけば、だんだん小さくなっていくことでわかるでしょう。

ろうそくをたくさん集めると、電灯と同じ明るさにすることができます。
しかし、ろうそくの炎を見つめてもまぶしくないのに、電球のフィラメントはまぶしくてたまりません。

これは、ろうそくの炎のほうが、輝きが小さいからです。このように、一平方センチあたりからでる

光度、つまり、輝きが大きいほど、私たちの目には、まぶしく感じるのです。

このことは、電球と蛍光灯をくらべてみると、よくわかります。
蛍光灯は、電球にくらべて光っている部分がずっと広いので全体としては明るくても、目にまぶしく感じません。



面の明るさ

電球などで白い紙を照らしてみると、光源からの距離や紙の傾きで、紙の面の明るさは違ってきます。

その明るさは、紙の一平方センチが1秒間に受ける光の量が多ければ明るくなり、少なければ暗くなります。

照度

面の明るさを測るものさしには照度という言葉を使いその単位には、ルクス(lx)を使います。

実験

暗くした部屋か暗室で、机の上に、山形に折った小さな紙をおき左右から同じワット数の電球で照らします。

まず、両面の明るさが等しくなる位置をもとめてみましょう。

つぎに、ワット数の違う電灯で、左右から照らし両面の明るさが等しくなる位置を探してみましょう。

それには、露出計を使えば、正確に確かめることができます。

この実験から、ある点の照度(ルクス)は光源の強さ(カンデラ)と光源からの距離(メートル)によって違うことがわかります。

くわしく調べると、光源からの距離が2倍になると照度は1/4、3倍になると1/9、4倍になると1/16になることがわかります。

つまり、照度は、光源の強さに比例し、光源からの距離の2乗に反比例します。

また、同じところでも、光のあたる面が光源の方向に垂直なときがもっとも明るく、ななめになるほど暗くなります。

ルーメン

光源から、ある範囲にでる光の全量が光量です。この光量を測る単位は、ルーメン(lm)を使います。

1ルーメンというのは、1カンデラの光源を中心とした半径メートルの球面の上の1平方メートルの面積の中に、1秒間にくる光の量を言います。

光の標準

光度には、基準になるものがありません。
しかし、それでは不便なので、光度の標準になるものが決められました。
それが標準電球です。

日本でつくられた標準用の電球が1957年の照明国際委員会で、すぐれたものとして認められました。

蛍光体とりん光体

発光体は、たいてい熱を出します。
けれども、ホタルの光や夜光塗料の出す光は、さわっても熱くありません。
つまり、熱をもっていないわけです。

また、赤インキや石油は、光を外からあてると、緑色や紫色の光を出しあてられた光とは、違った色に光ります。

この光は、外からあてた光を取り去ると、もとのように光らなくなります。
このような発光体を、蛍光体(蛍光体物質)と言います。

たくさん使われている蛍光灯は、ランプの管の中の水銀蒸気から出る紫外線が竹の内側にぬってある蛍光体にあたり、光を出すのです。

また、ほかから光がこなくても、夜光塗料のように光をたす物質があります。このような発光体を、りん光体(りん光物質)と言います。

りん光体は、ほかから光がこなくなっても、しばらくのあいだは光を出します。

夜光塗料は昼間、太陽の光にさらしておくと、夜にたっても5、6時間は光を出します。




超音波と動物の関係とは? わかりやすく解説!

コウモリ

コウモリという動物は、疑問に、暗い洞穴の天井にぶら下がっていて夕方になると外へ飛び出してきて、空を飛んでいる小さな虫をとらえて食べています。

コウモリは飛びながらキッキッーというするどい声で(この声の振動数は、およそ2000~3000ヘルツ)を出します。
実際は、私たちの耳では聞こえない、超音波も出していることが、わかっています。

オシロスコープという器械で録音して調べてみると、その超音波の振動数はコウモリの種類によって違いますが、25~120キロヘルツです。

この超音波は私たちの耳には聞こえませんが、コウモリの耳には聞こえているようです。

そして自分の出した超音波の反射の具合によって洞穴の壁や木などにつきあたらないように、うまく飛ぶことができるのだと思われます。

そのわけは、コウモリは目を傷つけても、平気で飛ぶことができますが耳を傷つけこと、たちまち壁などにつきあたって落ちてしまうことが実験で確かめられたからです。


イルカ

最近、アメリカのパーキングという学者たちが、水族館などで人気者のイルカも超音波を出して泳いでいることを、確かめました。

これは、まずイルカを、いろいろな邪魔ものを入れた大きな水槽に入れて、邪魔ものを避けて泳ぐことを、教えこみました。

つぎに目が見えなくても泳げるかどうかを調べるためにそのイルカに、ゴムの目隠しをつけて、水槽に入れました。

すると、イルカは、まえと同じように邪魔ものを避けてすいすい泳ぐことがわかりました。

このほかにも、いろいろな実験をしたところ、イルカは超音波を出してそれが反射されてくるのを聞きながら、邪魔ものを避けて泳いでいることがわかりました。

動物の中には、コウモリやイルカのほかにも昆虫の仲間などに私たちには聞こえない、超音波を出しているものがあることがわかっています。

これからの研究によっては、まだこれらの動物のほかにも超音波を出す動物のいることが、わかることと思われます。




音と器械との関係とは?レコード・蓄音機とテープレコーダーとは?

レコードの溝

レコードをよく見ると たくさんの細い溝がついているのがわかります。
この溝は、うずまきになっていて、外側からはじまって、だんだん内側に入ってます。

この溝を虫眼鏡で見ると左の写真のように、うねうねと曲がっているのが見られます。

レコードをまわしながら指で針をつまみ、その先を溝の中に、軽く触れてみましょう。

針が左右に震えるのがぴりぴりと指先に感じられます。そして、かすかに音を出しているのがわかります。

つまり、レコードの溝は、音を記録してあるものなのです。


レコードのいろいろ

レコードには、直径が20センチ・25センチ・30センチなどの大きさのものがあります。
SP盤というこれまでのレコードでは、いちばん大きな30センチのものでも
片面が4分間くらいで終わってしまいます。

ですから、長い曲は何舞にもわけて、4分間ごとにかけかえなければなりません。

そこで、1枚のレコードに、長い曲やたくさんの曲を入れられるようにレコードの大きさを大きくしたり、まわり方を遅くすることや溝を細くして、あいだをつめることなどの研究がすすめられました。

しかし、シェラックや松やになどでつくった昔のレコードではなかなかうまくいきませんでした。

ところが、ビニル系合成樹脂が発明されてレコードの材料にたいへん都合のよいことがわかりLPとよばれる長時間レコードがつくられるようになりました。

LPレコードは、摩擦電気を帯びやすいので、ほこりがつきやすいことやかるいピックアップを使わないとレコードの溝が傷みやすいことなどの欠点があります。

しかし、ほこりのつかないLPレコードも発明されいまでは、SPレコードに、すっかりとってかわっています。

このほかに、ドーナツ盤とよばれている、EPレコードがあります。
これもビニル系合成樹脂でできていて溝も細かく、まわり方も遅い長時間レコードです。

しかし、取扱いをかんたんにするために直径を小さくしてあるのでLPレコードほど長い時間はかかりません。

また音の出る雑誌などに使われているソノシート(フォノシート)はビニルびきの紙やビニルに、音の出る溝をつけたものです。

これは、出版物という形をとっていますが実際はレコ-ドと同じことで最近では、音の質もよくなって、非常に増えてきています。

サウンドボックス式蓄音機

レコードから音を出すには、蓄音機を使います。

いちばんはじめにつくられたのは、エジソンの発明がもとになってだんだん改良されてできた、サウンドボックス式(ぜんまい式)蓄音機です。

この蓄音機では、レコードをぜんまいモーターでまわる円盤の上にのせサウンドボックスにつけた針の先を、溝にあてます。

レコードがまわると、針が揺れて、その振動が図のようなてこのしくみで大きくなって、軽金属でできた振動板に伝わります。

振動版が揺れてできた音は、だんだんに広がっている音道を通ってしだいに強められていき、大きな音になって外へでます。

電気蓄音機

蓄音機は、サウンドボックス式にかわって最近では、ほとんど電蓄とよばれる、電気蓄音機が使われています。

これは、レコードをまわすのに電動機(モーター)を使いサウンドボックスのかわりにピックアップを使ったものです。

ピックアップは、クリスタルマイクロホンと同じしくみで針の振動を、電流の強弱にかえるはたらきをします。

その電流を、増幅器で強め、スピ-カーヘおくり、音にかえます。

レコードプレーヤーは、モーターとピッタアップでできていてラジオにつないで電気蓄音機にすることができます。

LPレコードやEPレコードでは、針が溝を強くこすると溝の形がくずれてしまうので、針の先にかかる重さを、軽くしなければなりません。

また、溝が細いので、SPレコードに使っている針より、先の細いものが必要です。
そのため、ダイヤモンドやサファイアなどの硬い鉱物を使った針が使われ針をとりかえる回数も、ずっと少なくなりました。



ステレオレコード

ステレオレコードでは、1本の溝の左右の面に、それぞれ音が記録されています。

このレコードから、音を再生するためのピックアップとして45-45方式カートリッジというものがあります。

ふつう使われているクリスタルカートリッジでは、下の図のようにレコードの盤にたいして45度傾いている2つの結晶板に共通な1本の針をつけて、その針をレコードの溝にあてるようにできています。

この結晶は、クリスタルマイクロホンに使われているのと同じ、ロッシェル塩です。

レコードがまわると針の先を押す力が、溝の左側と右側では、つぎつぎにかわります。
すると2つの結晶板にあらわれる電気が、それにしたがってかわります。

この電気を増幅器で強めて左右に2つのスピーカーヘおくると2つのスピーカーの音の強さが、それぞれ違ってきます。
そのため、実際の音楽会で聞くような立体的な感じがでてくるのです。

ステレオレコードでは、録音のときに音のもとが動いていると再生したときの音も動いているように聞こえます。

テープレコーダー

テープレコーダーは、レコードのかわりに細長い録音テープに音を記録する機械です。
録音テープは、合成樹脂のテープに酸化鉄の粉をぬった物でつぎのようなしくみで、録音されます。

録音のしかた

録音テープは、録音ヘッドという、10分の1ミリくらいの細いすきまのある
電磁石の前を、決まった速さで動くようになっています。

この電磁石のコイルには、マイクロホンから、増幅器を通ってきた電流を通します。
すると、電磁石は、この電流がかわるにつれて強くなったり弱くなったりします。

そのため、磁石のはたらきも強くなったり弱くなったりするのでそこを通るテープの表面の酸化鉄も強い磁石になったり、弱い磁石になったりします。

このような録音のしかたを、磁気録音と言います。

再生のしかた

録音されたテープから、音を出すことを、再生と言います。
録音がすんだテープは巻き戻して、録音のときと同じ速さで、再生ヘッドを通します。

再生ヘッドは録音ヘッドと同じ物で、スイッチの切り替えで二通りに使えるものがほとんどです。

再生ヘッドを通ると、テープの酸化鉄の磁石の強さにしたがってヘッドの電磁石に電流がおこります。
この電流を、増幅器を通してスピーカーへ送り、音にかえます。

テープレコーダーは、持ち運びできる大きさですし長いテープをリールにまいて、長い時間の録音にすることができるのでたいへん便利です。

また、録音してからいらないところを切り取ったり順序をかえてつぎあわせたりすることもできます。

再生の必要がなくなったテープは、消去ヘッドを通してテープの磁石をただの酘化鉄にもどし、ふたたび新しく録音することもできます。

このように、テープレコーダーには、いろいろと便利な点があるので討論会や座談会の録音、街頭録音などのほか個人で英語の発音練習や歌の練習をするときなどに利用されています。

またヘッドの2つあるステレオ式のテープレコーダーでは1本のテープに2つの音が記録され再生のとき立方的な音を聞くことができます。




楽器と音の関係とは?打楽器・管楽器・弦楽器の特徴とは?

楽器と音

楽器は、音楽をたのしむ道具としてむかしから多くの人々の工夫によって発達してきたものです。

楽器には、ふつう、振動して音のもとをつくりだす部分と音を大きくしておくり出すための部分とがあります。

楽器は、音をだすしくみによって、打楽器・管楽器・弦楽器にわけられます。


打楽器

打楽器というのは、膜や棒や板を打って、それらの振動で音をだす楽器です。

打楽器は、おもに音楽のリズムをはっきさせたりおもしろさを加えたりするのに使われます。

それで、リズム楽器ともよばれています。

発音体に膜を使っているものには、大太鼓・小太鼓・ティンパニーなどがあります。
しめがねで膜を強くはったり緩めたりして音の高さを整えます。

そして、膜が振動すると、胴の中の空気も振動して、音が強められます。
発音体に、板や棒を使っているものにはシンバル・カスタネッ卜・トライアングルなどがあります。

これらは太鼓の胴にあたるしくみがないので、小さくても、するどい作用を出します。

多くの打楽器では、1つの高さの音しか出ませんが発音体をたくさんならべたシロホンなどでは、メロディーもひけます。

管楽器

管楽器というのは、笛やラッパなどのように管の中の空気の振動によって音を出す楽器のことです。

管楽器が音を出すしくみには、つぎの3つがあります。

①フルートや尺八では、吹く人の息が穴のふちにつきあたるとかわるがわる中へ入ったり、外へ出たりして中の空気を振動させるので、音がでます。

②トランペットやトロンボーンなどではラッパのうた口が、小さなお椀のような形になっています。

くちびるを軽く閉じてうた口にあて、くちびるをふるわせるように息を吹きだします。
くちびるを細かく開いたり閉じたりすると、それにつれてふきだされる息の圧力がかわってラッパの中の空気が振動して音がでます。

③クラリネット・オーボー・ファゴッ卜などではうた口にリードという振動片をとりつけて息をふきこむとリードが振動して、息の流れをさまたげたり、通したりします。

これによって、管の中の空気が振動して音がでます。

管楽器の音の高さ

管楽器には、フルートやクラリネッ卜のように管がまっすぐなものや、ホルンのように、ぐるぐるとまいた形のものもあります。

まっすぐでも、まいてあっても、管が太くて長いほど、低い音になります。

1つの楽器で、高い音や低い音を出すには、息の吹き方をかえたり管の中の気柱の長さをかえたりして、気柱の振動数をかえます。

トランペットでは、ピストンの押し方をかえると、気柱の長さがかわります。

フルートでは、穴をふさいだり、あけたりして、振動する気柱の長さをかえています。

実験

試験管を5~6本用意して、水の量を少しずつかえて入れます。
これらの試験管の口に、くちびるをあて音を出させると水の量の少ない試験管ほど、低い音がでます。

試験管の中の水の入っていない部分を、空気の柱と考えて、気柱と言います。
長い気柱の振動数は小さく、低い音がでて短い気柱の振動故に大きく高い音がでます。



弦楽器

弦楽器には、バイオリン・チェロ・琴などがあります。

弦楽器の音のもとは、弓のつるのように、ぴんと張った、糸や針金の振動です。この糸や針金を弦と言います。

弦を振動させるには、弾いたり、こすったり、叩いたりします。
ハープ・ギター・琴・三味線などで、弦を爪やバチで弾いて音をださせます。

バイオリン・チェロなどは、弓で弦をこすります。ピアノでは、弦を叩いて音を出させます。

このようにして生じた弦の振動は、胴や響板などに伝わって、大きな音になります。
バイオリン・チェロ・琴などでは、弦を、こま(ブリッジ)で支えて中が空の胴の上にはります。

胴の板は、うすくて弾力があるので、弦といっしょに振動して中の空気に共鳴をおこさせて、音を大きく美しくします。

ピアノでは、弦は響板という板の上にはられていて弦の振動は、響板に伝わり大きな、美しい音になります。

弦楽器の音の高さ

弦楽器のつくりだす音の高さは、弦の振動数が大きいほど高くなりますがこれは、弦の太さ、はった強さ、弦の長さなどに関係します。

ピアノでは、必要な音の数だけ、弦があります。
そのほかの弦楽器では、たいてい、指で弦をおさえて音の高さをかえます。

弦の振動数は、弦が長くなれば小さくなり、短くなれば大きくなります。
たとえば、弦のちょうど真ん中をおさえて半分の長さで振動させると振動数は2倍になって、1オクターブ上の音がでます。

また、音の範囲を広げるために、いろいろな太さの弦がいろいろな強さではられています。

バイオリンの弦は4本、ギターの弦は6本です。

弦楽器の音色

弦楽器の種類が違えば、弦の太さや材料が違うものです。

また、弦を弾いたり、弓でこすったりするというように弦に振動をおこさせる方法が違うため、弦におこる振動は弦楽器の種類によってずいぶん違います。

すなわち、基本振動のほかに、どの倍振動が、どんな強さでおこるかが違うのです。
バイオリンとギターで、同じ高さの音をだしても、音色が違うのは、このためです。

弦楽器の胴や、ピアノ響板は、この音色の違いを、いっそう大きくするはたらきをします。




うなりとは?うなりの起こるわけとは? わかりやすく解説!

うなり

寺院などにあるつり鐘の音は、ゴーンとなってからウォーン、ウォーンと続いて鳴ります。

これが、うなりです。

うなりは、音の大きさが周期的にかわるために起こります。


実験

振動数の同じ音叉を、2つ用意します。1つの音叉には、針金をまきつけます。

これは、その音叉に重りをつけて振動数をもう1つの音叉より少しだけ小さくするためです。

これらの音叉を、1つずつ鳴らしてみるとほとんど同じ高さの音がでて、時間が経つと、しだいに音が小さくなります。

しかし、2つの音叉を同時に鳴らしてみると音の高さは、1つの音叉を鳴らしたときとあまりかわりませんが音の大きさが、周期的に大きくなったり小さくなったりします。

すなわち、うなりが聞こえます。

音が1秒間に何回大きくなるか、または何回小さくなるかを、うなりの回数と言います。
針金を音叉のえの近くにまくと、うなりの回数は小さく、音叉の先のほうにまくとうなりの回数は大きくなります。

このことから、音叉の振動数のちがいが大きいほどうなりの回数が大きいことがわかります。

うなりの起こるわけ

腕時計を耳に近づけるとチックタックと規則正しい時を刻む音が聞こえます。
2つの違った腕時計のだす、このような音をいっしょに聞くと時間が経つにつれて2つの音は重なって、やがてずれてふたたび重なるということをくりかえします。

これは、2つの腕時計の、時間を刻む振動の振動数が少し違うことによって起こっているのです。

これと同じように、振動数のわずかにちがう2つの音を同時に聞くと2つの音の疎密が重なって、やがてずれて、また重なるということをくりかえすのです。

2つの音の疎密が重なるときは互いに強めあって大きな音になり疎密がずれているときは、互いに弱めあって小さい音になります。

こうして音の大きさが周期的にかわるようになります。

寺院などのつり鐘の音のように、発音体が1つなのにうなりを生じるのはつり鐘の厚さが、ところによっていくらか違うため振動数の違ういくつかの音が、同時に出るからだと考えられます。

うなりの回数

1秒間に聞こえるうなりの回数は同時に聞こえる音の振動数の違いと同じになります。

たとえば、振動数が440ヘルツの音叉と、435ヘルツの音叉を鳴らせば1秒間に5回のうなりが聞こえます。




共鳴とは?共振とは? わかりやすく解説!

共振

人が乗っているブランコをふらせるとき、ブランコが前に揺れるたびに押してやると、ブランコは、しだいに大きく揺れるようになります。

つまり、ブランコの振動数と、ブランコを押す回数が同じになったときにブランコは大きく揺れるようになります。

また、谷川にかかっているつり橋をわたるときつり橋のゆれに歩調をあわせるとつり橋のゆれが大きくなって、危険になります。

これも、ブランコを押して、ゆれを大きくしたのと同じことです。

このように、ブランコやつり橋のゆれが大きくなるときブランコやつり橋が、動かす力と共振したと言います。


実験

糸に重りをつるした、2つのふりこを用意します。
そのふりこを水平にはった糸に、少しはなしてかけます。

ふりこの糸の長さをいろいろかえて、いっぽうのふりこを振動させるともういっぽうのふりこがどうなるかを調べてみましょう。

ふりこの糸の長さが同じときは、いっぽうのふりこを振動させるとやがて、もういっぽうのふりこが振動をはじめ、しだいにふれが大きくなります。

しかし、ふりこの糸の長さが違うときには、いっぽうのふりこだけが振動を続けます。

このような2つのふりこの動きは、つぎのようにして起こります。

ふりこの振動数は、ふりこの糸の長さできまるので糸の長さが同じときは、2つのふりこの振動数は同じです。

そこで、振動しているいっぽうのふりこは、水平にはった糸を通してもういっぽうのふりこを、同じ振動数の力でゆらせるので、共振が起こります。

また、糸の長さが違えば、振動数も違うので、共振は起こりません。

共鳴

共振は共鳴とも言いますが、音のときには、とくに共鳴と言います。

たとえば浴室のようなせまい部屋で歌を歌うと、たいへんよい声に聞こえます。

このとき、よく注意して聞くと声がある高さになると急に大きな声になって聞こえることがあります。

このとき、共鳴が起こっていると言います。



実験1

図のように、ビーカー・メスシリンダー・ゴム管・音叉を用意します。

ゴム管をサイホンにして、ビーカーの水をメスシリンダーに少しずつ入れながら音叉をならし、メスシリンダーに近づけます。

メスシリンダーの中の水が、ある深さになったとき、音が大きくなることがわかります。
これは、メスシリンダーの中の空気が、音叉からでる音に共鳴したために起こります。

メスシリンダーの中の気柱は、1つの振動体になっていて長さにより決まった振動数をもっています。

そのため、水を入れると、気柱の長さがかわるので、その振動数もかわります。

また、音叉からは、決まった振動数の音がでているのでメスシリンダーの中の気柱の振動数が、音叉の振動数と等しくなったとき共鳴が起こります。

実験2

振動数の等しい、2つの音叉を用意します。

共鳴箱の口を向い合せておき、いっぽうの音叉を鳴らして少し経ってからその音叉を手で抑えてみるともういっぽうの音叉が鳴っているのがわかります。

これは、もういっぽうの音叉が、共鳴して鳴りだしたために起こります。




音の屈折・音の回折・音の干渉とは? わかりやすく解説!

音の屈折

海辺で、岸に打ち寄せてくる波を見るとどの波も、波の山をつらねた線が、岸に平行になっています。

ところが、沖のほうでは、必ずしも平行ではありません。
したがって、波が曲がって進んできたことになります。

これは、波が深いところでは速く、浅いところでは遅く伝わることによって起こります。

このように、波の伝わる速さが場所によって異なるため波の進行方向が曲がることを、波の屈折と言います。

水面の波と同じように、音も屈折します。
夜は、遠くのほうからの音がよく聞こえますが、昼間は、あまり聞こえません。

この違いには、いろいろな原因がありますが、1つには、音が屈折するからです。

昼間は、日光が地面にあたって、地面をあたためます。
続いて、あたたまった地面がその上の空気をあたためます。
そのため、気温は上空ほど低く、地面に近いほど高くなっています。

音は、温度が高いほど速く進みますから、発音体からでた音は下にふくれた球の面のように広がっていきます。

音の進む方向は、この面に垂直ですから、図のように地面からそれて、上に曲がることになります。

そのため、音は遠くに届きません。

反対に夜には、地面が先に冷えるため上空ほど気温が高く地面に近いほど気温が低くなっています。

そのため、発音体からでた音は、上にふくれた球面のように広がり音は地面にむかって進むので、遠くまで届きます。

水面の波や音は、少しずつ連続的な屈折をするだけでなく球に不連続な屈折もします。


音の回折

つい立の後ろにいる人の姿は見えませんが、その人の話す声はよく聞こえます。
また、学佼の音楽室のようなところで、戸やまどが少しあいているとピアノの音が大きく聞こえます。

これは、音が波であるため、音の通り道に物体があってもその後ろにまわりこんで伝わるためです。

この現象を、音の回折といいます。水面に起こる波も、回折します。

実験

図のように、底の平らな水槽に、少し水を入れます。
ものさしを水に入れて、水平方向に往復運動させると、平行にならんだ波ができます。

この波の中に、木片を入れて波をさえぎっても木片のうしろに波がきていることがわかります。

往復運動の速さをかえると、生じる波の波長がかわります。
波長が長いと波は木片のうしろへよくまわりますが波長が短いと、あまりまわりません。



音の干渉

右の図のように、2つの同じスピーカーから大きさと高さの等しい音がでているときスピーカーのまえで、位置をかえながら音を聞いてみます。

すると、音が大きくなる位置と、小さくなる位置があります。

音が大きくなる位置(図のP点)ではスピーカーか2つにすると、音は小さくなります。
音が小さくなる位置(図のQ点)ではスピーカーを1つにすると、音は大きくなります。

このことから、2つのスピーカーからでる音が、互いに強めあうような位置では音が大きく聞こえ互いに弱めあうような位置では音が小さく聞こえるということになります。

また、音が強めあう位置では、2つの音の疎密は一致していますが弱めあう位置では、いっぽうの音が疎ならもういっぽうの音は密になっているというふうに、疎・密がずれています。

このように、2つの音が、互いに強めあったり弱めあったりする現象を、音の干渉といいます。

実験

音叉を鳴らして、耳の近くでえのまわりにまわすと音が大きくなったり、小さくなったりします。

1回まわすあいだに、4回音が小さくなります。

これは、音叉の振動する鉄片をむすぶ方向と、それに内角な方向とでは音叉から出ていく音の疎・密がずれているため2つの方向に伝わる音が重なるところで、互いに弱めあうためです。

音は互いに強めあったり、弱めあったりするので性質の等しい2つの音を同時に聞くと1つの音を聞くときより大きく聞こえることもあり、小さく聞こえることもあります。

ところで、音の干渉が起こっているときは発音体からでる音は空気中をどんな方向に伝わるのでしょうか。

発音体が1つのときは、音は周囲にいちように伝わりますが2つのときは、干渉が起こるので方向によって、違った強さで伝わります。

右の図は、2つの発音体から出る音の、干渉の一例を、平面的にあらわしたものです。

図の左右の方向では、音が強めあっています。音は、この方向に伝わっていきます。




音の伝わり方と音の反射とは? わかりやすく解説!

音の伝わり方

音は空気の疎密波なので音の空気中での伝わり方はすべての波の伝わりと同じ性質のものです。


まっすぐ進み音

水面に小石をおかすと、そこを中心として、波紋が同心円となって広がっていきます。
これと同じように、発音体から出た音は、いちような空気中では発音体を中心として球面となって広がっていきます。

この球面に垂直な方向が、音の伝わる方向とよばれるものです。
この方向は、発音体からひいた直線の方向になっているので音は、発音体からまっすぐに進みます。

このような音の伝わり方を、音の直進と言います。

音の反射

音は、いちような空気中では直進しますが物体の表面にあたると、進む方向がかわります。

これを、音の反射と言います。

山彦

山へ行ったとき「ヤッホー」と叫ぶと、しばらくしてからだいぶ小さな音になっていますが「ヤッホー」となんども聞こえてくることがあります。

それが、山びこです。

私たちが叫んだ音が、むこうのいくつかの山で反射されて、聞こえてくるのです。
近くの壁のようなものでも音は反射しますが、山びこにはなりません。

これは、直接耳に入る音と、反射してから耳に入る音とがほとんど同時に聞こえるので、聞きわけることができないためです。

山びこでは、音は発音体の位置へもどってきたことになりますがこのことだけでは、反射によって音の進む方向がどのようにかわったかをくわしく知ることはできません。



実験

太いメスシリンダーの底に腕時計を入れます。
そのメスシリンダーの真上や、横に耳を近づけて、時計の音を聞いてみましょう。

時計の音は、メスシリソダーの真上でいちばん大きく聞こえ、横では、小さく聞こえます。

このことから、音はメスシリンダーの口の方向にいちばん強く出ていることがわかります。

耳を横において、図のように、メスシリンダーの上に板をおくと時計の音がはっきり聞こえます。

板の傾きをいろいろとかえると、時計の音の大きさがかわります。
このとき、板がおよそ45度傾いているときに、いちばん大きく聞こえます。

このとき、図のiとrの角がともに45度くらいで等しくなっています。
角iを入射角、角rを反射角と言い、入射角と反射角は等しくなります。

反響と残響

地下鉄の駅やトンネルの中のようにまわりがコンクリートなどの硬いものでかこまれているところで音を出すとその音が、ワーンと長く響きます。

これは、まわりの壁で反射された音(反響)が、いくえにも重なるからです。
このような現象を、残響といいます。

残響があまり長いと、言葉の区切りがはっきりしなくなり言葉が聞き取りにくくなります。

しかし、適度の残響は、音にうるおいをあたえ、かえってよいはたらきをします。
音楽会などを開くホールでは、適度の残響を残すように壁や天井などに工夫がしてあります。




音の三要素とは?音の高さ・強さ・音色とは? わかりやすく解説!

楽音と非楽音

ピアノやトランペットのような楽器の出す音は決まった調子を持っていて聞いていて快いものです。

このような音を、楽音と言います。

これにたいして、自動車や電車動いているときに出すような音は決まった調子がなく、すんだ音ではありません。

そこで、このような音を非音楽と言います。

楽音には高さ・強さ・音色の違いがあってこの3つの要素が楽音を聞きわける大切な性質になっています。

そこでこれを音の三要素と言います。


音の高さ

高い音と低い音

ピアノやオルガンでは、鍵盤によって、出る音が違います。
右のほうの鍵盤の出す音を高い音、片のほうの鍵盤の出す音を低い音と言います。
このような音の高さの違いかできるわけは、つぎのような実験で調べることかできます。

音の高さと振動数

モーターを使って音を出させる実験から、モーターの回転が速いときははがきの振動数が大きくなり、振動数の大きい音がでます。

この振動数の大きい背が高い音です。
反対に、モーターの回転が遅いときは振動数の小さい、低い音がでます。

ところで、音の速さが一定のとき、音の振動数と波長は反比例するので振動数が大きいと波長は短く、振動数が小さいと波長は長くなります。

そのため、波長の短い音は高い音、波長の長い音は低い音として聞こえると言うこともできます。

これらのことを図にあらわすと、図のようになります。

ただし、この図は、密の部分を山、疎の部分を谷にして音波の形のうえで横波に直して書いてあります。

音の強さ

大きい音と小さい音

ハーモニカを強く吹いたときと、弱く吹いたときとでは、音が違います。
強く吹いたときに出る音を強い音、弱く吹いたときにでる音を弱い音と言います。

ふつうは、大きい音は強い音、小さい音は弱い音とも言いますが厳密に言うと音の大きさと強さとは、同じものではありません。

音の大きさは、耳に感じる感覚をあらわすものですが音の強さとは音波のエネルギーで測られるものです。

同じ発音体から出る音では、強い音は大きい音として聞こえます。
このような、音の強さと大きさの関係は他の場合でもだいたい成り立ちます。

音の強さと振幅

同じ発音体から出る音では、音の強さは音の振幅で決まります。
振幅が大きい音では、密の部分と疎の部分の空気の濃さの違いが、大きくなっています。

振幅が小さい音では、その違いが小さくなっています。

デシベルとホン

音の強さの段階をあらわすには、デシベルが使われます。

音のエネルギーが10倍、100倍、1000倍というふうに大きくなると私たちの耳には音の強さが、2倍、3倍、4倍というふうに段階的に大きくなったように聞こえます。

そこで、耳に聞こえる、もっとも弱い音のエネルギーを基準にして、その10倍、100倍、1000倍のエネルギーの音を、レベル(段階)が10、20、30デシベルであると約束します。

このように、音の強さのレベルをデシベルであらわすとだいたい音の大きさに比例しますが、私たちの聴覚はたいへん複雑なのでこの比例関係が常に成り立つものではありません。

音の大きさの単位には、ホンが使われます。
これは、振動数が1000ヘルツの音を基準にしています。

たとえば、ある音が、振動数が1000ヘルツで強さのレベルが50デシベルの音と等しい大きさに聞こえるならばその音の大きさを50ホンであると約束します



音色

ピアノやオルガン・クラリネット・バイオリンなどの楽器から出る音は高さと大きさをどんなに加減しても、同じ音に聞こえることはありません。

また、私たちの声も、人によってずいぶん違っています。
このように音が違って聞こえるのは、音に音色の違いがあるからです。

音色と波形

音は、空気の疎密波ですから、音の通り道の、ある一部分を考えるとその部分の空気の濃さが、周期的に変化します。
空気が濃いと圧力が高く、空気がうすいと圧力が低くなるから圧力も周期的に変化します。

この圧力の変化を、ブラウン管オシロスコープで観察するとブラウン管に波の形があらわれます。

この波の形は、圧力が時間が経つにつれてどのように変化するかをあらわしていますがまた、空父の振動しているありさまをあらわしているとも言えます。

これを、音の波形といいます。

いろいろな楽器の作目や人の声を、オシロスコープで観察するといろいろな波形が見られます。

これは、多くの場合、大きい波と小さい波が重なりあって複雑な波形をつくっていることがわかります。

私たちの耳では、波形を知ることはできませんがこの波形の違いを、音色の違いとして聞きわけています。

発合体の合色の違い

音色の違いは、波形の違いによって起こりますが波形の違いは発音体の種類によって、その振動のしかたが違うために起こります。

2本の釘の間に弦をはって、弦の中央をもちあげて弾くと全体を1つの区間とする振動が起こります。

この振動を、基本振動と言います(図①)。

つぎに、弦の中央をかるく抑えて、はしから、弦の長さの4分の1の点を弾くと全体を2つの区間とする振動が起こります(図②)。

また、弦のはしから、弦の長さの3分の1の点をかるくおさえてはしから弦の長さの6分の1の点を弾くと全体を3つの区間とする振動が起こります(図③)。

そこで、これらの振動を、倍振動と言います。
倍振動の振動数は、それぞれ基本振動の振動数の、2倍、3倍、4倍……となっています。

基本振動による音を基本音、倍振動による音を倍音と言います。

ところで、弦のある一点を弾いたときには、基本振動と倍振動とが同時に起こります。

したがって、基本音と倍音が同時に生じます。

このことは、他の発音体についても成り立ちます。
しかし、発音体によって、どの倍振動が、どんな強さで起こるかが違います。

したがって、倍音のふくまれかたが違ってきます。
これが、音色の違いになるのです。




音の伝わる速さとは?音の伝わる速さと温度と風の関係とは?

音の速さ

音が伝わるのに時間がかかることは、遠くで鉄砲を打ったりするとき発火してからしばらくして音が聞こえることなどから、古くから人びとに知られていました。

しかし、伝わる速さは、どんな音でも同じなのかまた、その速さはどれくらいなのかというようなことはわかっていませんでした。

音の速さの測定は、17世紀の中ごろからおもにフランス・イタリア・イギリスの科学者によっておこなわれました。

その方法は、2つの地点のいっぽうでたまの入っていない大砲を打ちもういっぽうの地点で、大砲から出た火を見たときから大砲の音を聞くまでの時間を測るのです。

そして、この時間で2つの地点間の距離を割ると、音の速さがもとまります。
光も音と同じように、伝わるのに時間がかかりますがその時間は、音の速さとはくらべものにならないくらい速いのです。

その後、たくさんの科学者がいろいろな実験をおこなって0℃で一気圧の空気中では、どんな音の速さでも毎秒331.5メートルであることがわかりました。


音の速さと温度

空気中の音の速さは温度が高くなるほど速くなります。
実験により、温度が1℃高くなるごとに毎秒0.6メートルだけ速くなることがわかりました。

したがって、15℃のときには、つぎのような計算によって、音の速さがもとめられます。

331.5 + (0.6 × 15)= 340.5(メートル/秒)

この計算から、音の速さは、気温15℃で、毎秒340.5メートルとなります。

雷が遠くでなっているときには、稲妻が光ってからしばらく経って、音が聞こえます。

このとき、稲妻が光ってから音が聞こえるまでの時間に音の速さをかけたものが雷の鳴っているところまでの距離になります。

音の速さと風

川をさかのぼる船の速さは、流れのない水での船の速さから水の流れる速さを引いた値になります。

また、川をくだるときには、水の流れる速さを足した値になります。

これと同じように、風上にむかう音の速さは風のない空気中での音の速さから、風の速さを引いた値になります。

これと反対に風下にむかうときは、風の速さを足した値になります。

水中の音の速さ

水中の音の速さをはじめてはかったのは、およそ140年ほどまえでコラドンとシュトルムというふたりの学者によって、スイスの湖でおこなわれました。

ふたりは、2そうのボートを遠くはなして浮かべました。

そして、1そうのボートで、水中につるした鐘を叩いて音を出させもう1そうのボートでは、細長いラッパの大きいほうのはしに膜を張って水中に入れ細いほうのはしに耳をつけて、水中を伝わってくる音を聞きました。

鐘を打つと同時に、火薬に火がつくようにしかけがしてあり音を聞く人は、火を見たときから音が聞こえるまでの時間を測ります。

この時間と、2そうのボートの間の距離から、水中を伝わる音の速さはおよそ毎秒1435メートルであることがわかりました。

その後、海水を伝わる音の速さもたくさんの人たちによって調べられました。
それによると、海水中を伝わる音の速さは、およそ毎秒1500メートルです。

音の速さと振動数

ばねを使った波の発生の実験で、ばねのはしを1回ふると横波なら、山と谷の1組みができ、縦波なら、疎と密の1組みができいずれも波が一波長だけ進むことがわかりました。

このことから、波の速さ・振動数・波長のあいだに、つぎのような式が成り立ちます。

波の速さ=波長×振動数

この式は、音でも成り立ちます。

たとえば、気配が15℃のとき、振動数が1000ヘルツの音の波長は0.34メートルで振動数が200ヘルツの音の波長は1.7メートルとなります。

すなわち、振動数に波長をかけたものは、いつでも毎秒340メートルになり測定された音の速さと等しくなります。

このことから音の速さは、測定された波長と振動数とから計算でもとめることもできます。




音波の発生とは?発音体とは?空気と音の関係とは?

発音体

私たちの耳には、絶えずいろいろな音が聞こえてきますがたいていは、それが何の音で、どんな方向から聞こえてくるかがわかります。

音が聞こえるときは、必ず、音を出すものがあるのです。
この音を出すものを、発音体と言います。

テレビやラジオのスピーカー、太鼓・ラッパ・ピアノなどの楽器あるいは、鳴いている鳥や虫なども発音体です。

太鼓を叩くと音がでます。また、ギターの弦を弾いても音がでます。

そのとき、太鼓の膜やギターの弦に振れてみると、ビリビリと感じます。
これは、膜や弦が振動していることによります。

太鼓やギターだけでなく、発音体はすべて振動して音を出します。


実験

音叉をゴムの槌で打つとすんだきれいな音がでますがこのとき音叉が振動していることを確かめてみましょう。

コルク栓を細い糸でつるします。
音叉を槌で打って音を出させ、コルク栓に軽く振れるとコルク栓は勢いよく弾かれます。
このことから、音がしている音叉は、激しく振動していることがわかります。

振動数と音

発音体は振動していますが、物体が振動していれば必ず音が聞こえるとはかぎりません。

音が聞こえるにめには、激しい振動でなければなりません。

人間の耳に聞こえる発音体の振動数はおよそ20ヘルツから2万ヘルツであることがわかっています。

空気と音

発有体の振動によって、私たちの耳に音が聞こえるのはなぜでしょう。
それは、発音体が振動すると、発音体のまわりの空気に振動が伝えられその振動が耳に伝わるからです。

17世紀の物理学者ガリレイは、音は空気の振動で伝わりそれが耳に届き、音として感じると考えていました。
このことを実験によって確かめようとした最初の人がガリレイの弟子の、トリチェリです。

トリチェリは、いっぽうのはしが閉じている、1メートルくらいのガラス管に水銀を入れ、これを、水銀の入った入れ物に逆さまに立て、上部にできる真空の中に鈴をつるしてその音が聞こえるかどうかを実験しました。

実験

太い梁金のいっぽうのはしを、フラスコのゴム栓にさしもういっぽうのはしに鈴をつるします。

このゴム栓でフラスコにふたをし、耳の近くで振ってみると鈴が鳴っているのが聞こえます。

つぎに、ゴム栓をとって、フラスコの中に少し水を入れ、火にかけて水を沸騰させます。
しばらくすると、水蒸気といっしょに中の空気が出ていきます。

つぎに、フラスコを火からおろして、鈴をつるしたゴム栓ですばやくふたをします。
フラスコに水をかけて冷やすと、中の水蒸気は水になり、空気はだいぶ薄くなっています。

このとき、フラスコを振ってみても、鈴の音はあまり聞こえません。
ゴム栓をあけて空気を入れると、また音が聞こえるようになります。

音は空気中の縦波である

空気があって、はじめて発音体の振動は音を伝えます。
ところで、太鼓の膜のような発音体が、図のように、左右に振動しているとします。

すると、まわりの空気もそれにつれて動きます。
まず、発音体が左へ動いたとすると、左側の空気は発音体におされてふつうのときよりも濃くなります。

濃くなった空気は圧力が高いので、さらに外側の空気を押します。
押された外側の空気は、ふつうのときより濃くなります。

これがさらに外側の空気を押すというようにして空気の濃い部分がつぎつぎに外側に動いていきます。

発音体の右側では、空気がうすくなります。
うすい空気は圧力が低いので、外側から空気か動いてきます。

すると外側の空気はうすくなりさらに外側から空気が動いてきます。
こうして、空気のうすい部分が、つぎつぎに外側に動いていきます。

発音体は、左右になんどでも振動しますから空気の濃い部分とうすい部分が順番に生じて外側に動いていくことになります。

これは縦波が進むようすと同じですから音は、空気中に生じる縦波です。
そのため、音は、音波ともよばれます。

縦波では、音を伝えるものが、波の進行方向に振動するので
音波でも、空気が音波の進行方向に振動します。

その振動数が音波の振動数とよばれ、ふつうは、発音体の振動数と等しくなります。



固体や液体の中を伝わる音

駅のプラットホームで電車を待っているとき電車がまだそうとう遠いところにいるのに、カタン、カタンという音が聞こえます。

これは、音がレール(固体)の中を伝わってくるからです。音は、また、液体の中でも伝わります。

夏、海へいって水の中にもぐると耳をふさいでいても波の音が聞こえてくることがあります。
これは、水の中を伝わってきた音が、頭の骨を通って耳に伝わるからです。

このように、音は、空気のような気体だけでなく水や金属のような液体や固体の中も伝わります。

これは、気体・液体・固体とも圧縮するともとの体積にもどろうとする性質をもっているからです。

また、液体や固体の中を進む音も、気体中を進む音と同じく縦波です。

実験1

金城の棒のいっぽうのはしを手でもって、耳に押しつけます。
もういっぽうのはしを槌で叩いてみると、はっきりした音が聞こえます。

金属の棒がないときには、手すりのようなものを叩いてみでも、同じことができます。

実験2

シャンプーなどの入っていたプラスチックの容器の底を、のこで切り落とします。
切り口をナイロンなどのうすい膜で包み、水が入らないようにビニルテープをまいておきます。

瓶の口には短いガラス管を通したゴム栓をしてガラス管の先に、70~80センチのやわらかいゴム管のはしをさしこみます。

ゴム管のもういっぽうのはしを耳にさしこんでナイロンの膜の近くで音叉を鳴らすと、よく音が聞こえます。

この装置で、水の中の音を聞いてみましょう。

大きな水そうに水をいっぱい入れ、その中に、音を聞く装置をつけます。
音叉を鳴らして水の中につけると、空気中ほど大きな音ではありませんがはっきりと音が聞こえます。

この装置できていた音が、空気中で聞くほど大きくないのは水中では音が伝わりにくいのではなく、水中の音が、この装置の中に入りにくいためです。

また、同じように空気中の音は、水や金属の中に入りにくいものです。




振動と波とは?振動数・振幅と波長とは? わかりやすく解説!

振動

つるまきばねに重りをぶらさげて重りを少し下に引っ張って離すと重りに上下に往復運動します。
このような規則正しい往復運動を振動と言います。

振動は、私たちの周囲でひんぱんに起こっています。
私たちの体もふくめて、物体が動くときは必ずといっていいほど、振動が起こっています。


振動が起こるための条件

振動には中心の位置があり、これを振動の中心といいます。
振動していないときは、物体は、振動の中心に止まっています。

振動しているときは、常に振動の中心に向かう力が物体にはたらいています。
このような力がはたらいていることが振動を起こすために、必要な条件になります。

振動数と振幅

振動には、速い振動と遅い振動とがあります。その区別は、振動数であらわされます。

振動数とは、一定時間内での往復回数のことです。
ふつうは、1秒間の往復回数を使います。

たとえば、1秒間に100往復なら振動数は100ヘルツ(サイクル毎秒)でふるといいます。
また、振動には振動距離の長いものと、短いものとがあります。
その区別は、振幅であらわされます。

振幅とは、物体が振動の中心からもっとも遠ざかる距離のことです。
振動は、これらの振動数と振幅の2つの量であらわされます。
 

長さの等しいつるまきばねに、重りをつけたふりこをいくつか1列にならべてつるしたとき、1つのふりこを振動させると他のふりこが、つぎつぎと同じ振動をはじめます。

これとまったく同じ現象が、水の表面で見られます。
水に小石をおとすと、小石が落ちたところを中心として振動状態が同心円状に伝わっていきます。

これが、水面に起こった波です。
このように一点に起こった振動がつぎつぎに周囲に伝わっていく現象を、波といいます。



横波と縦波

ひもを張ってそのいっぽうのはしを上下にゆり動かすとうねりができて、ひもを伝わっていきます。

これが、ひもに生じた波です。
この波では、ひもはどこでも波の進む方向と直角に振動しています。
このような波を、横波といいます。

横波では、うねりの高いところを山、低いところを谷と言います。
山や、谷の動く速さが、横波の進む速さです。

また長いつるまきばねを床の上において、そのいっぽうのはしをばねと水平にひっぱると、ばねが押し縮められたところとひき伸ばされたところができて、それらが動いていきます。

すなわち、ばねに波が生じたのです。

この波では、ばねはどこでも波の進む力向に振動しています。
そこで、このような波を、縦波といいます。

縦波では、波を伝えるものが圧縮されているところを密の部分膨張しているところを疎の部分といいます。

密の部分や疎の部分が動く速さが縦波の速さになります。

縦波はこのように密や疎の部分からできているので、疎密波とも言います。

波の振動数・振幅・波長

波が伝わっていくとき、波といっしょに波を伝えるものまで動いていくように感じられますが、波をつたえるものは、ただ、振動しているだけです。
この振動の数とゆれる幅が、その波の振動数と振幅です。

また、1つの波では、隣りあっている山から山までの距離、あるいは、隣りあっている密から密までの距離は一定です。

この距離を波長と言います。

実験

つるまきばねを床の上において、いっぽうのはしを動かないようにしておきます。
他のはしを持って、ばねと水平な方向と直角に振ってみます。
すると、横波ができます。

ばねに、紙きれを目印につけると波は進んでいきますがばねは振動しているだけであることがわかります。

また、ばねを1回振ると山と谷が1組みできて進んでいきます。
1回振動すると、波は、一波長だけ進みます。

ばねのはしを、ばねと水平にひっぱると縦波が生じます。
縦波でも、横波と同じようなことが見られます。




保温の工夫、魔法瓶とは?衣服のはたらきとは?

冬と夏の衣服

冬の衣服と夏の衣服とでは衣服を着る目的がたいへん違います。
冬に衣服を着るのは、寒さをふせぐため、つまり保温のためです。

冬には、体のまわりのあたためられた空気を逃がさないようにすることが、まず第一の目的です。
そのために、衣服が熱の良導体ですと、伝導で体温が冷めてしまいますから綿布とか毛織物などの、熱の伝導率が小さい繊維でできた厚い衣服を着ます。

熱の伝導率は、綿布や毛織物より、空気のほうが小さいので、体のまわりにあたためられた空気がたくさんあって、逃げないようにするのが保温にはもっともよいのです。

空気をよくふくんだ衣服を、何枚か重ねて着るとあたたかいのはきれときれとのあいだにも空気がたまるからです。

夏には太陽の放射熱をふせぐため、白い衣服などを着ます。
また、汗を発散させるため、対流がさかんになるように風通しのよいうすい衣服を選びます。


保温の利用

私たちの身のまわりには、魔法瓶などのように保温のために使うものがいろいろあります。

魔法瓶

魔法瓶は、その名の通り、不思議な瓶です。
厚い湯を入れておけば、長いあいだ冷めにくくまた、冷たいものをいれておけば、長いあいだ冷たいままです。

これは、魔法瓶の中にある熱は外へ逃げず外からの熱も入ってこないようになっているからです。
このためには、熱が伝導・対流・放射で伝わるのをさまたげなくてはなりません。

魔法瓶は、二重になったガラスからできています。
そして、ガラスとガラスのあいだの空気をぬいて、真空にしてあります。

また、二重ガラスの内側には、鏡のように銀めっきがしてあります。

ガラスの瓶と、コルクなどの栓は熱の不良導体で伝導によって熱が逃げるのをふせいでいます。

また、ガラスとガラスとのあいだは、空ですから、熱の対流・伝導はありません。
さらに、銀めっきがしてあるので、熱が放射によって逃げだすこともありません。

魔法瓶は、低温のことを研究していたイギリスのジュワーという人が1893年に発明したものです。

そのため魔法瓶のことを、ジュワー瓶ということもあります。




熱の放射とは?放射熱のすすみ方とは? わかりやすく解説!

熱の放射

太陽の光にあたると、あたたかく感じます。
これは、太陽から出た熱が、なにもないところを通って、私たちの体にくるからなのです。

太陽と地球とのあいだには、熱を伝える物はなにもありません。
それで、この熱の伝わり方は、伝導でも、対流でもありません。

太陽の光には、熱線という、目に見えない光があって、これが地球まで届いています。
そして、この光にあたったものは、みな熱くなります。

このように、熱が、ある物からほかの物へうつるとき2つの物のあいだにある物質の働きを借りないでうつることを、熱の放射といいます。

たき火や、ストーブから出た熱も、放射によって、私たちの体に運ばれてきます。
放射によって伝わる熱を、放射熱と言います。

電球には、中を真空にしたものがありますが、電球のガラスは、とても熱くなります。
ガラスは熱の不良導体なので、電球のフィラメントから熱が伝導してきて
熱くなったのではありません。

フィラメントからの熱の放射によって、熱くなったのです。


放射熱のすすみ方

太陽の光にあたると、熱く日陰に入ると、涼しくなります。

ですから、太陽からきている放射熱は光と同じように、まっすぐにすすむことがわかります。
日陰では、すすんできた放射熱がさまたげられるので、すずしくなるのです。

また、放射熱は、反射させることができます。
500ワッ卜くらいの竃球を用意しておき、電球の面から15センチほどはなして二硫化炭素を染み込ませた石綿をおきます。

電球をつけても、このままでは、二硫化炭素は燃えませんが金属でできた球面の反射鏡を、鏡の焦点が、ちょうど石綿にあたる位置において熱を一か所に集めると、二硫化炭素が燃えだします。

このように、放射熱は、光と同じようなすすみ方をします。

熱せられた物からは、光線のような放射熱(つまり放射線)がでています。
その放射熱をほかの物が吸収すると、その物の温度が上がり熱していた物が放射熱を出してしまうと、その物の温度は下がってしまいます。

白い物と黒い物の熱の吸収と放射

物が放射熱をうけたとき、その表面の様子によって、熱の吸収のしかたが違います。
ふつう、物の表面が黒いと熱をよく吸収し、反対に、表面が白かったりよく磨いた金属だと、あまり熱を吸収しないで、反射してしまいます。

新聞紙の上に、レンズで日光を集めると黒いところはすぐこげますが、白いところはなかなかこげません。

また、なべやかまの底を見ると、黒くぬってありますがこれらは、表面が黒いと、熱をよく吸収するからです。



実験1

2本の水銀温度計を用意し1本の温度計の管球は、黒くぬっておきます。
2本の温度計を、同時に、日光にあてます。
すると、黒くぬった温度計のほうが高い温変になるでしょう。

また、黒くした面(熱をよく吸収する面)は、熱をよく放射します。

実験2

小さなフラスコを2つ用意して、黒くぬっておきます。
このフラスコにガラス管をコの字形にまげ、中央に水滴を入れて空気がもれないようにっなぎます。

つぎに、銅板かアルミ板をコの字形にまげていっぽうは、外側を黒くねり、いっぽうは磨いておきます。

この板を1つのフラスコの真ん中におき、ガスの炎で、同じように強く熱します。

少しすると、水滴は黒くぬったほうから、磨いたほうに動きます。

これは、黒くぬったほうから熱がたくさん放射されフラスコ内の空気が膨張して水滴をおしたのです。




熱の対流とは?部屋のあたため方のコツとは?

熱の対流

熱が物の中を伝導するのではなく、水や空気のあたたまり方のようにあたたまった液体や気体がうつっていくことによって熱が温度の高いところから低いところにうつることを、熱の対流といいます。

煙突は、空気の対流をさかんにして、かまにたくさんの空気を吸い込み燃料をよく燃やすしくみです。

煙突があると、あたためられた空気やガスの通り道があるので外側の空気と混じらず、あたたかいままなのでよくのぼっていきますから、対流がさかんになるのです。

自然におこなわれる対流にまかせておいたのでは水や空気があたたまるのに時間がかかったりあたたまり方が平均しないので、困ることがあります。

そのようなときには、手で水をかきまぜたり、扇風機で空気をかきまぜたりして人工的に対流を起こすと、都合のよいことがあります。

水を使って温度を調べる実験で、水をよくかきまぜるのも人工的に対流を起こしているのです。


強制対流と自然対流

このように、人工的に起こした対流を、強制対流と言います。
これにたいして、自然におこなわれる対流を、自然対流といいます。

冷蔵庫

冷蔵庫の氷をおく場所や冷却部は、冷蔵庫の上のほうにつくってあります。

これは、冷やされた冷たい空気が重くなって下にさがり下の空気が浮き上がって氷のところにいって冷やされるようになっています。

これをくりかえして、冷蔵庫内の空気が、全部冷たくなるようにしてあります。
冷蔵庫も、対流を利用しているのです。

対流式ストーブ

対流を利用して、部屋全体をあたためるためのストーブを、対流式ストーブと言います。

ストーブにはこのほか、人のいるところなどだけに熱がいくようにした反射式ストーブがあります。

対流を利用するのにも、自然対流を利用する場合と扇風機とくみあわせて強制対流で、あたたかい空気を部屋全体に送る温風ストーブがあります。

ストーブの熱によって部屋の中に起こる自然対流はガラス箱の中の線香の煙りの対流と、ほとんど同じようにおこなわれます。

ストーブで熱せられた空気は、上に上がって天井にあたり天井に沿って広がり、壁にそっておりてきます。

おりてくるとき、天井や壁やその付近の空気で冷やされてだいたい、床にそってストーブのところにもどってきます。



部屋のあたため方

ストーブで、自然のままの対流で部屋をあたためる場合天井近くの温度は高くなり、床の温度は低くなります。

自然の対流では、なかなか、部屋全体の温度は同じになりません。
天井と床との温度差が、10度以上になることは、めずらしくありません。

ふつうの住宅などのように、天井の低いところは床との空気の温度差は、5度以下にするのがよいのです。

そうしないと、頭と足のところの空気の温度差が大きくなりこの温度差が3度以上になると、気もちが悪くなります。

部屋をあたためるには、まず、隙間風をなくすこと、天井や壁には熱を伝えにくい物を使い、ガラス窓から、熱が逃げないようにすることなどが大切です。

また、床下から風が入ったりしないようにしたり、熱が逃げないようにすることも大切です。

壁から熱が伝導で逃げやすかったり、隙間風の多い家ではストーブをつけても、なかなか、部屋中同じようにあたたまりません。

壁が厚くて、材料もよく、熱が逃げにくく隙間風も少ない部屋は、部屋の中が同じようにあたたまります。

ストーブをおく場所は、窓際がよいでしょう。
窓から入る冷たい空気が、直接体にあたらず、室内の温度を同じようにすることにもなるからです。

朝鮮には、オンドルというものがありこれは床の下にあたたかい煙りの通り道をつくって、床の下から部屋をあたためます。

また、ソ連にあるペチカというものは、壁の中に煙りを通して、部屋をあたためます。




水や空気のあたたまり方の性質と特徴とは? わかりやすく解説!

水のあたたまり方

試験管に水を半分ほど入れて、底のほうを手で持ち、写莫のように上のほうを熱すると上のほうの水は、沸騰しますが、手で持っている底のほうは、冷たいままです。

これは、水が熱を伝導しにくい物だからで熱の伝導で入れ物の中の水をあたためることは、なかなかできません。

しかし、水をやかんにいれて、下から熱すると、やがて全体があたたまります。
下から水をあたためると、熱は、全体の水にうつるのです。

水を下から熱すると、その部分は膨張して軽くなり、上にあがります。
そのあとへ、まわりの冷たい水が入りこみ、またあたためられます。
そして、また軽くなって、上にあがります。

このようなことが繰り返されて、熱が水全体に行き渡り、水の温度が上がっていくのです。

おけの横のほうにかまがついている風呂では、水の表面のほうが早く熱くなりますが、底のほうは冷たいままです。
10℃の水を入れ、表面の温度が34℃にあたたまったときでも底の温度に16℃ぐらいです。

このようなときには、ときどき混ぜた方が、早くあたたまります。


実験

フラスコに水を入れ、水の中に赤い色をつけるのに使う
酸化されたアニリンを1滴底に落としておきます。

このフラスコを下から熱すると、やがて、図のようにアニリンが水に溶けて
赤いすじがのぼっていき、上のほうの水が、だんだん赤くなっていきます。

赤くなった水は、しばらくのあいだは、上のほうに漂っていますがやがて雲が広がるように、下のほうに広がっていくでしょう。

ビーカーの水の中におがくずを入れて下から熱すると同じように、ふれた水の動きがわかるでしょう。

空気のあたまり方

空気も水などと同じように、熱の不良導体です。
それで、熱の伝導によって、部屋の中などの空気があたたまることは少なく水と同じように、あたためられた空気が浮き上がり冷たい空気が下がってきて、あたためられていきます。

実験

ガラス製の四角な金魚鉢にふたをしたものか人形などを入れておく飾り箱の底に、線香のかけらに火をつけて入れます。

すると、煙りが、一直線にのぼり続けます。
これは、線香が燃えてできたガスとあたためられた空気がのぼっていくのです。
上に上がった煙りは、天井に沿って広がり、まわりの壁に沿って下がっていきます。

底につくまえに、内側に入っていくものも、なかには、見受けられます。




熱の伝導とは?熱の伝導率とは?熱の伝導の利用とは?

熱の伝導

アルミニウムの水のみに、熱い湯を入れると、すぐ熱くなります。
また、コンロにかけておいたやかんやなべなどのとってがとても熱くなって持てなくなることがあります。

熱は、温度の高いところから低いところへ、物を伝わって移っていく性質があります。

熱が、物を伝わっていくことを、熱の伝導といいます。


実験

少し太い鉄の針金を、30センチほど用意します。
いっぽうのはしを、10センチほどあけ、そこから3センチおきぐらいにろうをたらしてつけておきます。

針金を図のように支え、いっぽうのはしを、ガスかアルコールランプの炎で熱します。
すると、少し経ってから、炎に近いほうから、順番にろうが溶けていきます。

炎の熱が針金をあたため、はしから順に伝わっていき、ろうを溶かしていったのです。

熱の良導体

熱の伝わり方の速さは、物によって違います。

伝導の速さは違いますが、鉄や銅などの金属は、たいてい熱をよく伝えます。熱をよく伝える物を、熱の良導体と言います。

なべ・かま・アイロン・こてなどのように、熱を伝えなければならない物にはアルミニウムや鉄などの、熱の良導体が作われています。

熱の不良導体

木材・ゴム・ぬのきれ空気などは、熱を伝えにくい物です。このように、熱を伝えにくい物を、熱の良導体と言います。

アイロンやなべの手でつかむところは熱が伝わらないように熱の不良導体が使ってあります。

熱の不良導体といっても、まったく熱を伝えないのではありません。
熱を伝えるのが非常に遅く、熱を伝えにくいのです。

実験

できるだけ同じ太さの鉄と真鍮の棒(火ばしなど)を用意してろうそくのろうを、1センチおきくらいにたらしてつけておきます。

棒の先を、アルコールランプかガスの炎で熱すると、ろうがつぎつぎに溶けていきます。
真鍮の棒についているろうのほうが、早く溶けていくのがわかるでしょう。

つぎにガラスの棒にろうをつけて、同じ実験をしてみます。
すると、炎のすぐそばのろうは溶けますが少し離れたところのろうは溶けないことがわかるでしょう。

熱の伝導率

金属は熱の良導体で、なかでも、銀がいちばんよく熱を伝えつぎは、銅・金・アルミニウム・真鍮・鉄などの順です。

磁器・木材・ガラス・岩石などは、熱の不良導体です。また、液体や気体も、不良導体です。

だいたい熱の良導体は、電気をよく通す電気の良導体ですし熱の不良導体は、電気の不良導体です。



熱伝導率

棒の長さ1センチのあいだの温度が1度違うとき、棒の断面積1平方センチメートルあたり、1秒間に流れる熱の量(カロリー)を、熱伝導率と言います。

熱の伝導の利用

熱の伝導を利用したものに、電気はんだごてやアイロンがあります。
電気はんだごては、銅の棒のいっぽうのはしを電熱で熱すると、銅は熱をよく伝えるので、もういっぽうのはしも温度が高くなるようになっています。

アイロンも、厚い鉄板の裏側を熱し、それを表側に伝えています。

また、空冷エンジンのシリンダには、ひだ(冷却ひれ)がたくさんついています。
これは、空気に接する面を多くして、エンジンで出来た熱がこのひだに伝わり、冷えやすいようになっています。

安全灯

めの細かい、真鍮の金網を2枚重ねて、ガスの炎の上にかざすと炎は、金網の上にはでません。
これは、金網が熱を伝えてしまい、網を通った炎の温度が下がって、燃えないからです。

安全灯は、このことを利用したものです。
炭鉱の中で、直にランプに火をつけると、石炭の粉やメタンガスなどに火がついて爆発することがあります。

ランプの炎のまわりを金網で覆っておくと、燃える物があっても、外に火が広がらないですみます。




三態と体積の変化とは?物質の三態と熱量の関係とは?

三態と体積の変化

液体が気体になるときには、体積が非常に大きくなります。
液体が凝固して、固体になるときには、ナフタリンやパラフィンのようにふつう体積か小さくなります。

多くの金属は、凝固するときに体積が減りますが鋳物をつくる鋳鉄が凝固するとき、黒鉛を生じると、体積は増えます。
そのほか、ビスマスやアンチモンなどの金属も凝固するときにわずかですが体積が増えます。

水もまた、凍るときには体積が増えます。
印刷に使う活字をつくる合金は鉛が主成分でこれにアンチモン・すずをまぜあわせてつくったものです。

この合金は、凝固するときに、ほとんど体積が変化しません。


実験

ナフタリンの粉を試験管に入れ、これを、熱い湯につけて溶かします。
試験管をとりだし、まっすぐに立てて液の表面のところを糸でまいて印をしておきます。

この試験管を。空気中におくと、溶けたナフタリンは、だんだん凝固してきます。
全部かたまってから、表面を見ると、中央のところがとてもへこんでいるのがわかるでしょう。

パラフィンを、小さなビーカーに少し入れて溶かし、空気中で静かに冷やすとナフタリンと同じように、溶けているときには平らだった表面が、へこんでかたまります。

物質の三態と熱量の関係

物質が状態をかえるときには、熱が大きなはたらきをします。
水が氷になったり、氷が水になったりするときには、それに必要な熱の出入りがあります。

一気圧のとき、0℃の氷を溶かして、0℃の水にするためには氷1グラムにつき80カロリーの熱量(融解熱)をあたえてやらなければなりません。

また、0℃1グラムの水を0℃の氷にするには水から80カロリーの熱量をうばわなければなりません。

水をどんどん熱していくと、やがて沸騰しはじめます。
水が沸騰する温度(沸点)は、一気圧のとき100℃です。

水が沸騰すると、水は気化して水蒸気になります。

水を気化するのに必要な熱量(気化熱)は、100℃、一気圧で539カロリーです。

実験

零下三での氷50グラムをビーカーの中に入れこれが全部気化するまでどんどん熱していきます。
このとき、氷が水になり、さらに気化していくまでの温度の変化の様子を調べてみましょう。

まず、零下3℃から氷が溶けはじめる0℃までは温度が上がりますが氷が溶け終わるまでは、温度が0℃のままであることがわかります。

氷が全部溶け終わると、水の温度はどんどん上がり、やがて沸騰しはじめます。このときの温度は100℃です。

しかし、沸騰しはじめるといくら熱をくわえても水の温度は上がりません。
氷が溶けるときや、水が気化するときには、熱は融解熱や気化熱として使われるため温度は変化しません。




気化と昇華とは?気化熱とは? わかりやすく解説!

気化

液体が気体にかわることを、気化と言います。
液体の表面から気化することを蒸発、内部からも気化することを沸騰と言います。

揮発油やエーテルはとても気化しやすい液体です。

気化をさかんにするには、温度を上げること、沸騰させること、風をあてることなどや霧にふいたり、液体の中に泡をつくったり、きれなどに染みこませて裏面を広げることなどがあります。

海水から塩をつくるのに、海水を塩田に入れて太陽熱で水分を蒸発させるよりも流下式塩田といって、塩水をそだにふりかけて蒸発をさかんにするとずっと早く塩がとれます。

また、牛乳から粉ミルをつくるときも、牛乳を霧にしてふきだしそこに熱を億って、水分を蒸発させています。


いろいろな物の気化熱

水を手の弓につけてふくと、冷たく感じますがアルコールやエーテルだと
もっと冷たく感じます。

これは液体が気体にかわるときに、熱を吸収するからです。
ある温度で1グラムの液体が、同じ温度の気体になるときに吸収する熱を、気化熱と言います。

アルコールやエーテルの気化熱は水の気化熱よりずっと小さいのですが水より気化しやすいので、熱をたくさん吸収します。

それで、水より冷たく感じるのです。

この気化熱を利用して、低い温度をつくり物を冷やしたり凍らせたりするのに使っています。
電気冷蔵庫・ガス冷蔵庫、アイスキャソデーなどをつくるアンモニア冷凍機などもみな、気化熱を利用したものです。

実験

ビーカーとガラス板を用意します。
このビーカーの底に水をつけて、ガラス板の上におきます。

ビーカーの中にエーテルを少し入れて、エーテルに風を送ってみましょう。
するとエーテルはどんどん蒸発してしまいます。

それからしばらくすると、ビーカーの底の水が凍ってビーカーとガラスの板とが凍りついてしまいます。

これは、エーテルが蒸発するとき、熱をうばって、水の温度を下げたからです。



昇華

固体が液体にならないで、直接、気体になることを、昇華と言います。

虫よけに使うしょうのうやナフタリンは、昇華しやすいものです。
たんすの中に入れておいて、1年くらい経って取り出してみると中身がなくなって、包み紙だけが残っていることがあります。

これは、昇華によるためです。このほか、よう素なども昇華しやすい物です。

また、氷も昇華します。

冬のシベリアなどで、気温が0℃以下になっていても空気に湿り気があるのは
おもに氷の昇華によるものです。

金属でも、高温になると昇華します。
ガス入り電球は電球の中を真空にしておくとフィラメントが昇華しやすいので窒素やアルゴンを入れて、昇華をふせいでいます。

昇華の反対、つまり、気体から直接、固体になることも、やはり昇華といいます。
雪や霜は、水蒸気が燃やして、小さな氷になったものです。

実験

しっかりふたができる瓶に、ナフタリンの粉を少し入れます。
ナフタリンが融解しないように、その瓶を40~50℃の水につけておきます。
温度がさがったら、また、あたたかい水を入れて、しばらくそのままにしておきます。

すると、ふたや瓶の上のほうのガラスにナフタリンの粉が少しついているのが見られるでしょう。

これは、固体のナフタリンが気体のナフタリンに昇華してそれが、上のほうで、冷えて、固体にもどってついたのです。




融解と凝固とは?融解熱・過冷却とは? わかりやすく解説!

融解と凝固

氷やろうは、熱するとだんだん溶けてきます。
このように、固体が液体になることを融解といいます。


融点

融解が起こる温度を融点と言います。
また、水の温度を下げていくと氷になるように液体が固体になることを、凝固と言います。

このときの温度に、だいたい融点と同じです。

鉄や銅も、溶鉱炉では、どろどろに溶けますし、マグマは岩の溶けたものです。

このように、固体は高温に熱すると、融解して液体になります。
木や炭などのように、融解する前に燃えてしまう物は空気が入らないようにして熱しなければなりません。

実験1

ナフタリンの粉を試験管に入れ、水銀温度計をさしこみ管球部をこの粉で包むようにしておきます。
試験管をビーカーの中の水につけて水をゆっくり熱します。

80℃になると、ナフタリンは融解しはじめます。
ナフタリンが溶けてしまうと、温度は80℃以上に上がります。
このように、ナフタリンの融点は、80℃です。

実験2

小さなビーカーに、パラフィンを削って、たくさん入れます。
水を入れたなべにビーカーをつけ、水を熱していくと、パラフィンは融解してきます。
全部溶け終わってから水銀温度計でパラフィンの温度を測ると77℃くらいになるでしょう。

つぎにビーカーを外にとりだして、温度計で静かにかきまわしながら、冷やします。
58℃くらいになると、透き通った液と、白くかたまりだしたパラフィンが混じって温度がだいたい一定します。

55℃ぐらいになると、全体がアイスクリームのようになり54℃ぐらいまでこのままで、しだいに固まってきます。
このようにパラフィンの融点は、4℃ぐらいの幅があります。

いろいろな物の融点

たいていの固体は融解するときの温度が決まっています。
しかし、パラフィンのように熱していくと何度で融解したのかはっきりしなくまた、冷やしていっても、何度で固まったかはっきりしない物もあります。

ガラスなども、こういう性質の物です。

金属の融点は、水銀などの例外はありますが、たいてい100℃以上です。
しかし、すずや鉛などで合金とつくると、100℃以下で融解する物をつくれます。

ビスマス50グラム、鉛24グラム、すず24グラム、カドミウム12グラムの割合でできている合金を、ウッド合金と言いますがこれは70℃ぐらいで、融解します。

ウッド合金は、このような低い温度で溶けるので、自動消火栓などに使われています。
これは、火事になって温度が上がると、水道栓にとりつけてあるウッド合金が溶け水がふきでるようになっています。

また、はんだ付けに使うはんだは鉛2、すず1の割合の合金で、融点は、240℃です。

電気のヒューズも、やはり融点の低い合金です。



いろいろな物の融解熱

氷を融解して水にするためには、融解熱が必要です。
同じように、ナフタリンや鉛などを融解して液体にするためにも、融解熱が必要です。

1グラムの固体を、融点で、同じ温度の液体にするために必要な熱を融解熱と言います。

ベンゼンの融解熱は30.1カロリー、鉛の融解熱は5.5カロリーです。
水銀の融点は、零下38.8℃で融解熱は2.7カロリーです。

氷の融解熱は80カロリーですが、アルミニウムは、融点が660℃でその融解熱は氷より大きく、95カロリーもあります。

凝固

液体が固体になることを、凝固と言います。
凝固する温度を、凝固点と言いますが、この温度は融点と同じです。
それで、凝固点という言葉は、あまり使いません。
液体が凝固するときには、液体から凝固熱をとらなければなりません。

水を凍らせるときに、水から熱をとらなければならないのと同じです。
凝固熱の大きさは、融解熱の大きさと同じです。

それで、凝固熱という言葉は、あまり使いません。

過冷却

液体を静かに冷やしていくと、融点まで冷えてきても固まらず融点以下に下がってから、凝固することがあります。

このことを、過冷却と言います。

たいていの液体は静かに冷やしていくと過冷却になります。
水でも、零下10℃くらいまで、過冷却させることができます。

実験

写真の現像に使うハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を小さなフラスコに入れて熱します。
すると、48℃で溶けますが、全部溶けて60℃くらいになったら火からおろして、中に温度計を入れたまま空気中で静かに冷やします。

すると、48℃になっても凝固しません。

過冷却した液をかきまぜたり、ハイポの粒を1つ入れると急に塊はじめ温度は48℃までのぼるでしょう。




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