発光体
私たちは光が全くないところでは、なにも見ることができません。
物が見えるのは、その物からきた光が、私たちの目に入り、網膜を刺激するからです。
物から目に入ってくる光には、その物が、自分自身で出している光とほかの物からきている光を跳ね返している光とがあります。
発光体
太陽や電灯のように、自分で光を出す物を、発光体と言います。
太陽・恒星・電灯、燃えているろうそくや炭火などは、よく見かける発光体です。
暗体
椅子や月のように、自分で光を出さない物を暗体と言います。
暗体が見えるのは、電灯や太陽からきた光が反射されて、目に入るからです。
光源
発光体の中でも、物を見るためや写真を撮るために使われているものをとくに光源と言います。
炭火や線香の火は物を照らすためには使いませんから、発光体でも光源にとは言いません。
電球にさわってみるとわかるように光を出す物は、ふつう、光といっしょに熱も出します。
点光源
光源が非常に小さくて、点のように見える場合、点光源と言います。
そばで見ると大きい電灯も、遠くのほうから見れば、砂粒のように小さく見えるので、このようなときは点光源と考えることができます。
光源の明るさ
明るい電灯で照らされている物は、ろうそくで照らされているものより明るく見えます。
また、電灯に近づければ明るく見え、離していくと照らされている部分がだんだん暗くなります。
同じように、1本のろうそくで照らすよりも2本つけたときのほうがずっと明るくなることも知っているでしょう。
では、明るさはどのようにして決めるのでしょうか。
光度
光源の強さを測るのには、カンデラ(cd)という単位を使います。
40ワッ卜の電球は、約50カンデラ、100ワッ卜の電球は約130カンデラです。
私たちが部屋の照明に使うのは、数カンデラから数百カンデラです。
まぶしさ
光源が小さくて、点のような物であるとき光源の明るさをあらわすには、光度だけで充分です。
しかし、光源が蛍光灯のように大きなものであるときはその大きさ、つまり面積を考えなくてはなりません。
かがやき
光源の単位面積として、一平方センチをとり、この光度をBとすると全体の光度はBに総面積をかけたものになります。
このように、光源に大きさがある場合は、その光源の一平方センチあたりの光度をその光源の輝き(あるいは輝度)と言います。
この場合、光源が傾いていると、光は横のほうにそれてしまうので全体の光度は減ってしまいます。
もし、光源が完全に横を向いてしまうと、光はまったくでないことになります。
このことは、平らな板を正面から見れば、そのままの大きさに見えますが傾けていけば、だんだん小さくなっていくことでわかるでしょう。
ろうそくをたくさん集めると、電灯と同じ明るさにすることができます。
しかし、ろうそくの炎を見つめてもまぶしくないのに、電球のフィラメントはまぶしくてたまりません。
これは、ろうそくの炎のほうが、輝きが小さいからです。このように、一平方センチあたりからでる
光度、つまり、輝きが大きいほど、私たちの目には、まぶしく感じるのです。
このことは、電球と蛍光灯をくらべてみると、よくわかります。
蛍光灯は、電球にくらべて光っている部分がずっと広いので全体としては明るくても、目にまぶしく感じません。
面の明るさ
電球などで白い紙を照らしてみると、光源からの距離や紙の傾きで、紙の面の明るさは違ってきます。
その明るさは、紙の一平方センチが1秒間に受ける光の量が多ければ明るくなり、少なければ暗くなります。
照度
面の明るさを測るものさしには照度という言葉を使いその単位には、ルクス(lx)を使います。
実験
暗くした部屋か暗室で、机の上に、山形に折った小さな紙をおき左右から同じワット数の電球で照らします。
まず、両面の明るさが等しくなる位置をもとめてみましょう。
つぎに、ワット数の違う電灯で、左右から照らし両面の明るさが等しくなる位置を探してみましょう。
それには、露出計を使えば、正確に確かめることができます。
この実験から、ある点の照度(ルクス)は光源の強さ(カンデラ)と光源からの距離(メートル)によって違うことがわかります。
くわしく調べると、光源からの距離が2倍になると照度は1/4、3倍になると1/9、4倍になると1/16になることがわかります。
つまり、照度は、光源の強さに比例し、光源からの距離の2乗に反比例します。
また、同じところでも、光のあたる面が光源の方向に垂直なときがもっとも明るく、ななめになるほど暗くなります。
ルーメン
光源から、ある範囲にでる光の全量が光量です。この光量を測る単位は、ルーメン(lm)を使います。
1ルーメンというのは、1カンデラの光源を中心とした半径メートルの球面の上の1平方メートルの面積の中に、1秒間にくる光の量を言います。
光の標準
光度には、基準になるものがありません。
しかし、それでは不便なので、光度の標準になるものが決められました。
それが標準電球です。
日本でつくられた標準用の電球が1957年の照明国際委員会で、すぐれたものとして認められました。
蛍光体とりん光体
発光体は、たいてい熱を出します。
けれども、ホタルの光や夜光塗料の出す光は、さわっても熱くありません。
つまり、熱をもっていないわけです。
また、赤インキや石油は、光を外からあてると、緑色や紫色の光を出しあてられた光とは、違った色に光ります。
この光は、外からあてた光を取り去ると、もとのように光らなくなります。
このような発光体を、蛍光体(蛍光体物質)と言います。
たくさん使われている蛍光灯は、ランプの管の中の水銀蒸気から出る紫外線が竹の内側にぬってある蛍光体にあたり、光を出すのです。
また、ほかから光がこなくても、夜光塗料のように光をたす物質があります。このような発光体を、りん光体(りん光物質)と言います。
りん光体は、ほかから光がこなくなっても、しばらくのあいだは光を出します。
夜光塗料は昼間、太陽の光にさらしておくと、夜にたっても5、6時間は光を出します。