水の三態の性質とは?臨界温度・液体空気とは?

水の三態

水は、冷えれば氷になり、熱すれば蒸気になります。
ふつう、水という言葉は、液体の状態を指しています。

しかし、水が氷になるときには、液体を固体にするために必要な熱(凝固熱)を水からとらなければなりません。

このとき、ほかの物質の出入りはありません。

水が氷になっても、水蒸気になっても、出入りしたのは熱だけなのでふつうの水を液体の水、氷を固体の水、水蒸気を気体の水、ということがあります。

これを、水の三態といいます。


三態の性質

私たちの身のまわりにある、形をもった硬い物が、固体です。

気体や液体には形がなく、入れ物にいれておかなければなりません。
そして、入れ物の形の通りになります。

気体と液体の違いは、液体には、表面がありますが、気体には表面というものがなく入れ物のどこかがあいていれば、いくらでも、広がることです。

ふつう、同じ体債では固体がもっとも重く液体がつぎに重く気体がもっとも軽いのですが、水は凍って氷になると、かえって軽くなります。

臨界温度

イギリスの物理学者ファラデーによって、気体を液化する研究がおこなわれ寒剤で冷やし、圧力を加えて、いろいろな気体を液化することができました。

しかし、空気や酸素・水素・窒素などは、どうしても液化することができませんでした。
これらの気体に、3000気圧という高い圧力をくわえた人もありましたがそれでも液化しませんでした。

それで、ファラデーはこれらの気体はどんなことをしても液体や固体にはならない気体であると考えこれを永久気体と名付けました。

ところが、アンドリウスという人が、二酸化炭素の性質をくわしく調べて二酸化炭素は31℃以上の温度では、どんなに圧力を加えても液体にはならずそれ以下の温度では、圧力さえ加えれば液体になるということを発見しました。

このことから、気体を液体にするためにはそれぞれの物質で決まっているある温度以下に気体を冷やしておかなければならないことがわかりました。

この温度を、臨界温度と言います。

空気や水素は臨界温度がとても低く、空気の臨界温度は零下141℃。水素の臨界温度は零下240℃です。

それで、寒剤を使っても気体をこんなに低い温度に冷やすことができないので液化することができなかったのです。

水蒸気でも、374℃以上では、どんなに圧縮しても液体の水にならないのです。
ふつうの水蒸気の温度は、これよりずっと低いので、かんたんに水になるのです。

液体空気

空気を液化するのには、まず、空気の温度を零下141℃以下に下げなければなりません。
なかなか、このような低い温度にできませんが気体を圧縮しておいて急に圧力の低いところに噴き出させると温度が下がる性質が発見されたので液体空気がつくれるようになりました。

空気を圧縮して水で冷やした物を弁から吹き出させると、いくらか温度が下がります。
この冷えた空気を、また圧縮して弁から噴き出さると、さらに温度が下がります。

これを繰り返しているうちに、空気の温度はだんだん下がり零下141℃以下になって、液体空気ができます。

液体空気は、魔法瓶にたくわえられています。
液体空気は、低温の実験にも使われていますが、液体空気からは肥料として大切な硫安の原料になる窒素やいろいろな役に立つ物がとれるので大量につくられています。

液体空気は、ほとんど液体酸素と液体窒素の混合物なので液体空気をつくってこれを蒸発させると、窒素と酸素とでは沸点が違うので窒素と酸素を、別々に取り出せます。



物質の三態と分子運動

酸素や水素などは、分子という、目に見えない、非常に小さな粒が集まっている物です。
水は、酸素と水素がくっついてできた物です。

気体は、液体や固体にくらべると、たいへん体積が増えているので気体の分子は、お互いに遠く離れて、飛び回っていると考えられます。

気体を液化すると液体になるので、液体も分子が集まってできているはずです。

液体は、体積が小さくなり、分子と分子のあいだの距離は短く分子は、互いにひっぱりあっています。
 
液体には、形はありませんか、表面があります。
分子が互いにひっぱりあっていなければ、分子は飛んでいってしまい表面はできないはずです。

しかし、形は、自由にかわるのですから、分子のお互いの位置は、決まっていません。
固体も分子からできていますが、分子の位置が決まっているので形も決まっています。

固体では、みなさんが敦室できちんと机の前に座っているように、分子がならんでいます。

液体の中の分子の様子は、教室の中の机をだしてしまい何人かずつ手をつないで遊戯をしていてだれかが出口から外へでようとしても手をつないでいるので自由には外へでられないのに似ています。

気体の分子の様子は、みなさんが運動場で散らばってそれぞれ自由に遊びまわっているのに似ています。

外へ出ようとする人がいても、ひっぱっている人がいないので自由に外へ出られるように、気体の分子も、あいているところがあればそこから外に出てしまいます。

気体を、ある大きさの入れ物にいれて熱すると圧力が増えます。
これは温度が上がると、分子の運動がさかんになり分子が入れ物の壁に強くぶつかるようになるためだと考えられます。

液体が、どんな温度でも蒸発するのは、液体中にほかの分子より速く飛び回る分子があって、それが表面から飛び出すためだと考えられます。

液体が蒸発して、気化熱がうばわれて冷えるのは速く動き回っていた分子が外へ飛び出してしまい、ゆっくり動く分子があとに残るからだと考えられます。

むかしの人は熱を熱素という物質だと考えていましたが物質の三態と分子運動などのことを考えると熱は、分子がたくさんあるかないかによって違いますが温度は、分子数の多少には関係なく分子の運動の激しさをあらわすものだということがわかってきました。

ガスの炎は、分子数は少なくても分子の運動が非常にさかんなので、温度が高く、ボンベに詰めたプロパンなどのガスは、たくさん詰めてあるので分子数は多くても、分子の運動がさかんでないので、温度が低いのです。

液体空気は、うす青色をしていて、その温度はとても低く、零下141℃です。
液体空気の中に、生きた金魚をいれると、たちまちかちかちに凍ってしまいます。

またゴムボールを入れると、ぜんぜん弾力がなくなってしまい金槌で叩くと割れてしまいます。




蒸気の利用方とは?つゆのでき方とは?露点とは?

蒸気の利用

液体が蒸気になると、体積が非常に増えます。
それで、その力を利用したり、熱を利用したりして蒸気は、いろいろのものに使われています。


蒸気機関

石炭や重油を燃やして水を蒸発させ、蒸気が100℃以上になると圧力が非常に大きくなります。

蒸気機関は、この力を利用した機械です。
そのしくみは、ボイラで蒸気を発生させ、それをシリンダに導きます。

そこで蒸気を膨張させ、ピストンを往復運動させて、動力を取り出します。
蒸気機関車は、このようなしくみの蒸気機関で動きます。

自然界にも、大きな蒸気機関があります。
海水が太陽熱で熱せられて蒸発し、水蒸気は上昇して雲になります。

雲は、また雨を降らせ、その水が流れて、岩を転がし谷を削り土砂を流して平野をつくっていく、大きな土木工事が大むかしから続いているのです。

これは、石炭などのかわりに、太陽の熱を使って、蒸気をつくりそれが大きな工事をする、大きな蒸気機関であると言えるでしょう。

実験

ゴム栓に、縦にいくつも切れ目をつくり、ブリキの羽根をつけて、細いガラス管を通します。

ガラス管に細い針金を通して、くるくるまわるようにしておきます。
つぎに先を細くしたガラス管を横に曲げて、フラスコの栓に通します。
フラスコに水を入れ、このガラス管を通した線でふたをします。

フラスコの水を熱すると、蒸気が、細いガラス管の口から勢いよくふきでます。
この蒸気を、ゴム栓についているブリキの羽根にあてると、このゴム栓は勢いよく回ります。

このような、羽根をつけた車を、蒸気で回すしくみを、蒸気タービンと言います。

蒸気暖房

冬、大きなビルなどでは、水蒸気を使って、部屋をあたためているところがあります。
かまで水蒸気をつくり、パイプで各部屋に送り、放熱器(ラジエータ)に入れて部屋をあたためるようになっています。

湯を送るよりも、水蒸気を送ったほうが、気化熱だけ、余計に熱を送ることができます。
石炭を燃やしてできた熱は、水蒸気の中に、おもに気化熱としてたくわえられ部屋に運ばれて、その熱で部屋をあたためるわけです。



つゆのでき方

鏡やガラス窓に息をふきかけると、ガラスが、白くくもります。
これを、指でよせ集めてみると、水であることがわかるでしょう。

このくもりをレンズで見ると、小さな水滴が見えます。
これは、息の中の水蒸気が冷やされて、水(つゆ)になったものです。

冬になると、吐き出した息が白くなりますがこれも、息の中の水蒸気が、小さな水滴になったものです。
風呂のガラス窓にも、水蒸気が冷えてできた、水滴がついています。

草の葉や屋根につくつゆも、夜になって気温が下がり空気中にふくまれている水蒸気が、水になってできたものです。
また、霧も、空気中の水蒸気が冷えて小さな水滴になったものです。

水滴は何か小さな粒があると、それを中心にしてできやすいものです。
やかんから湯気がでているとき、煙草の煙りをふきかけると、湯気がもっと増えます。

飛行機雲も、飛行機の排気ガスの中にふくまれている小さな粒のまわりにできる水滴によるものです。

また、いろいろ実験されている人工降雨は、よう化銀の小さな粒を高空の空気中にまきちらして、これを種にして水滴をつくり、雨を降らそうとするものです。

露点

空気の圧力を一定にしておいて、その温度をしだいに下げていくとある温度になると、空気中にふくまれている水蒸気は飽和状態になり、水蒸気が、水滴になりはじめます。

このときの温度を、露点と言います。

露点よりさらに温度を下げていくと飽和蒸気の量以上の水蒸気は、どんどん水滴となっていきます。

露点は、空気中の水蒸気の量によって違い空気中に水蒸気が多ければ高く、少なければ低いのです。




気化熱とは? わかりやすく解説!

気化熱

ぬるま湯を手の甲につけ息をふきかけてみると、とても冷たく感じます。
濡れているだけでは、とくに冷たくはありません。

熱い茶を飲むときに、フウフウ吹いて冷まして飲みます。
また、ごはんが熱いとき、うちわであおぐと、早く冷えます。

息をふきかけたり、うちわであおぐのは、蒸発をさかんにしているのです。
水が蒸発するとき、熱をうばうので、冷えるのです。

1グラムの液体が、同じ温度の気体になるときに吸収する熱を気化熱(または蒸発熱)と言います。

夏、熱い日に、庭や道路に水をまくと涼しくなります。
これは、水が地面を冷やすことにもよりますがおもに、水が蒸発するときに、気化熱をうばって、地面を冷やすからです。


実験

水を入れたフラスコに、ガラス管を通したゴム栓をします。
ガラス管にはゴム管をつけ、このフラスコを沸騰させます。

すると、水蒸気がゴム管の先から出てきますが、しばらくは出しておきます。
つぎに、決まった量の水をビーカーに入れて、水温を測っておきます。

ゴム管の先をビーカーの底まで入れて、水の中に水蒸気を通し温度計で水をかきまぜながら、温度の変化を見ていきます。

水の温度は、どんどん上がっていきますが水の温度が少し上がったら、ゴ厶管を取り出し、水がどれだけ増したかを測ります。

8℃の水200グラムに水蒸気気を通して水が17℃になったときに、水は約3グラム増えているでしょう。
しかし、100℃の水3グラムを、8℃の水200グラムに加えても水の温度は一度と少ししか上がりません。

それで100℃の水蒸気が水になるときにはとてもたくさんの熱を、水にあたえていることがわかります。

100℃の水1グラムが水蒸気になるときには、539カロリーの熱を吸収します。これが水の気化熱です。

反対に、100℃の水蒸気が、100℃の水になるときには同じ量の熱をはきださなければなりません。




蒸気圧とは?低温沸騰・飽和蒸気圧とは? わかりやすく解説!

蒸気圧

液体は、蒸気になると、体積が非常に増えますが、その圧力を蒸気圧と言います。
そして、温度が上がれば、蒸発もさかんになり、蒸気圧は大きくなります。
 
水が100℃で沸騰するのは泡の中にできる水蒸気が一気圧になる温度が、100℃だからです。

それ以下の温度では、泡ができてきても泡の圧力が一気圧以下なので、大気の圧力に押し潰されてしまいます。

温度が高くなると水から蒸発する蒸気の圧力は大きくなり200℃では15.3気圧、300℃では85気圧にもなります。

魔法瓶に、湯が少ししか入ってないとき栓を抜こうとすると硬くなってとりにくいことがあります。そして、栓を抜くと、ポンと音がします。

これは、温度が下がってくると、水蒸気の圧力が小さくなるからです。


実験

ふたがしっかりできて、空気がもれない容器を用意します。
ふたを外しておいて水を少し入れ、火にかけて充分沸騰させます。

沸騰したら、ふたをしっかりして火からおろし、空気がもれないようにふたのほうを底にして、ワセリンなどをぬっておきます。

この容器に水をかけて冷やすと、容器は、ぐさっと潰れます。

これは、温度が低くなって、水蒸気の圧力が小さくなったためです。
ブリキ製のゆたんぽも、湯を少し入れておくと、冷えてきたとき潰れることがあります。

低温沸騰

フラスコに半分ぐらい水を入れて、よく沸騰させ、栓をして、逆さまにします。
このフラスコに、上から水をかけて冷やすと、また、さかんに沸騰しはじめます。

これは、蒸気が水で冷やされ、圧力が下がったので水の中で、それまで押し潰されていた泡がふくらんで浮き上がったのです。

このように、水は100℃より低い温度でも、圧力が低くなると、沸騰します。
これを低温沸騰と言います。

飽和蒸気圧

長さ1メートル、中の直径5ミリぐらいで、いっぽうのはしを閉じてあるガラス管に水銀をいっぱい入れて、水銀を入れた入れ物に、この管を逆さまに立てます。

すると、ガラス管の中の水銀の表面は、水銀入れの水銀面から約76センチの高さまで下がり、その上が、真空になります。

この真空を、“トリチェリの真空”と言います。

つぎに、先を少し曲げた、スポイトなどでエーテルを吸い込んで水銀柱の下からエーテルを、ガラス管の中に少し入れます。

するとエーテルは、水銀柱の中をブクブクとあがっていって管の上部の真空のところにくると、全部蒸発してしまいます。

そして、水銀は少し下がります。

このようにして、少しずつエーテルを入れていくとはじめのうちは入れたエーテルは全部蒸発して、水銀柱は少しずつ下がりますがしまいには、入れただけのエーテルが水銀柱の上にたまり、水銀柱は下がらなくなります。

そこで、真空の部分を手で握ったりしてあたためると水銀柱の上にたまっていたエーテルは、また、蒸発して、水銀柱は下がります。

反対に、真空の部分を冷やすとエーテルの蒸気が液体のエーテルにもどり水銀柱は上がってきます。

このように、液体の蒸発は、できた蒸気の圧力がある大きさになるまで続きます。

蒸発できるだけ蒸発してできた蒸気のことを飽和蒸気と言い、その蒸気の圧力を、飽和蒸気圧と言います。

飽和蒸気圧は、温度が低ければ小さく温度が高ければ大きくなります。
同じ温度でくらべてみると、エーテルの飽和蒸気圧は水よりずっと大きく、アルコールは、その2つの中間です。




蒸発と沸騰とは?沸点と気圧の関係とは?水が蒸気になるときの体積の変化とは?

蒸発と沸騰

洗濯物を干しておくと、冬でも乾きます。
また、やかんに水を入れて火にかけておくと、しまいには水が全部なくなってしまいます。

これは、水が水蒸気になって、空中に逃げていくからです。

冬、風呂場は湯気がもうもうとしていますが湯気は水蒸気ではなく水蒸気が冷えて、小さな水滴になったものです。

水蒸気は、空気などと同じように、無色透明の気体なのです。
空気と違うのは、水蒸気は少し冷えると、すぐに水にもどることです。


蒸発

液体がその表面から気体になることを蒸発と言います。
冬でも洗濯物が乾くように、水は低い温度でも蒸発します。

しかし、日光をあてたり、火であぶると早く乾くように温度が高いほど蒸発はさかんです。

また、風のある日には、風が水蒸気を吹き飛ばし、蒸発がさかんになります。
また、空気中の水蒸気の量(湿度)によっても、蒸発のしかたがかわります。

沸騰

水が、ぐらぐら煮えたっているときは、水の表面からの蒸発だけでなく水の中に水蒸気の泡ができて浮き上がっていきます。

この現象を、沸騰と言います。

水の中には、目に見えない小さな空気の泡がふくまれていますが水が熱せられると、蒸発がさかんになって、小さな空気の泡の中にも蒸気が増え泡をふくらませるので泡が浮き上がるのです。

実験

ビーカーに水を入れ、ガスの炎で熱して、沸騰の様子を見てみましょう。
はじめのうちは、底から小さな泡がのぼってきますが表面までこないうちに消えてしまうものもあります。

消えたのは、のぼる途中で冷やされて、泡の中の蒸気が水にもどったからです。

水の温度が上がると泡も大きくなり、底だけでなく水の内部からも泡ができるようになります。
底から泡がたくさんでるのは、底の温度がもっとも高いからです。

沸騰核

つぎに、小さなガラス玉やガラスのかけらを水の中に入れるとますますさかんに沸騰するようになります。

このガラスの玉やかけらなどのことを沸騰核と言います。

沸点

水の表面からの蒸発はどんな温度でも起こりますが、沸騰が起こる温度は決まっています。
沸騰しているあいだは、強く熱しても沸騰がさかんになるだけで、温度はかわりません。

この温度のことを、沸点といいます。
水の沸点は100℃です。水が沸騰しているあいだ、温度がかわらないのは熱が水を水蒸気にかえるために使われているからです。

この熱を気化熱と言います。



沸点と気圧

水の沸点は、水の面に一気圧の圧力が加わっているときに、100℃なのです。

沸騰が起こるのは、水中に水蒸気がたくさんでき、大きな泡をつくるためですが泡の水蒸気の圧力が小さければ、水の表面の圧力のために、泡は押し潰されてしまいます。

それで、ある温度にならないと、沸騰は起こらないのです。

ところが富士山のような高い山の上には水の表面に加わる気圧が小さいので水中の泡をつぶす力が小さくなるので低い温度でも沸騰が起こります。

そのため、それ以上温度が上がらないので、米がよく炊けなかったりします。
エベレストの頂上(884メートル)は、約71℃で沸騰が起き3000メートルでは、約90℃で沸騰が起きます。

反対に、水の表面に圧力をくわえれば沸点は高くなります。
圧力なべや圧力がまを使うと、100℃以上の温度でものを煮ることができます。
これは、ふたがしっかりしていて蒸気が逃げないようにしてあります。

熱すると、水蒸気が逃げないので水の表面に蒸気の圧力が加わり100℃になっても、沸騰が起こらないのです。
こうすると、ふつうではやわらかく煮えない物でも高い温度で煮るので、やわらかくなります。

圧力がまや圧力なべには、安全弁というものがついています。
中の蒸気の圧力があまり高くなると、爆発するので蒸気の圧力がある程度高くなると安全弁から蒸気が噴き出るようになっています。

水が蒸気になるときの体積の変化

水を水蒸気にすると、とても大きな体積になります。
1グラムの水の体積は、100℃のとき、1.03立方センチですがこれが水蒸気になると、1気圧のとき、1650立方センチになります。

空気1グラムの体積は、100℃1気圧で約1000立方センチなので、同じ体積の水蒸気は空気よりも軽く、水蒸気は、空中へどんどんのぼっていきます。

このように液体が気体になると、体積が非常に増えます。

実験

注射器に、メチルアルコールを少し吸い込み、空気を追い出します。
アルコールがでないように赤く焼いて根本から曲げ、あまりを切り取った注射針をつけます。

注射器の底を水につけ、水の温度を上げていくと注射器の中のアルコールが蒸発して、ピストンは、ぐんぐん押し出されます。

ピストンが飛び出さないうちに取り出して冷たい水で冷やすとピストンは中に入っていき、もとにもどります。




水の凍り方とは?氷点とは?融解熱とは? わかりやすく解説!

水の凍り方

純粋な水は、1気圧のとき、0℃になると、凍ります。

冬、水たまりや水おけにできている氷をみると大きな針のような形の模様がついていることがあります。

また、水を入れたビーカーを、電気冷蔵庫などに入れて氷ができはじめるところを見ると、水の表面に、細長い氷が小さな枝を出して浮いているのが見られます。

この針のような氷がつながりあって、表面が全部氷になっていきます。

氷は、水の表面からできていきますが、それは水が4℃のとき、もっとも重くなるためです。

気温が下がって、湖水などの表面の水温がしだいに下がっていくと表面の水は4℃になるまでは底に沈んでいくので、表面の水はいつも入れ替わっています。

しかし、4℃より下がると、水はかえって軽くなるので、沈まなくなります。
そのため、同じ水が冷やされるようになり、水は、表面から凍っていきます。

しかし、いつも、水は表面から凍るとはかぎりません。
寒剤を入れたビーカーを水につけると冷やされたガラスのところの水が、先に凍りつきます。


氷点

水は、だんだん温度が下がって、0℃になると、氷になりはじめます。
氷ができかかっているあいだは、温度はこれ以上下がりません。
純粋な水が、一気圧のとき凍る温度を、氷点といいます。

水が、全部氷になってしまってから、温度は0℃より低く下がっていくのがみられます。

純粋な水は0℃になると凍りますが水に何かが溶けこんでいると0℃になっても凍りません。
たとえば海水は零下2.5℃までは凍りません。

また、純粋な水でも、一気圧より圧力が大きいと、0℃以下になっても凍りません。

実験1

大きな入れ物に寒剤を入れ、その中に、水を入れたビーカー、または缶を入れます。
静かにかきまぜながら、水に温度計を入れて温度を測ります。

少し経つと温度は0℃ぐらいまで下がりますが、それ以下には下がりません。
しばらくすると、ビーカーの底や壁に、氷がはりついてきます。
このとき、寒剤の中に、0℃以下に下がっています。

実験2

下の図のように氷に針金をかけて、その両はしに重いおもりをつけます。
すると、針金は、だんだん氷の中にめりこんでいきます。

針金の通ったあとは、また氷になって針金が氷を通り抜けてしまっても、氷は割れません。

これは、氷は圧力が大きくなると、0℃では凍らないためです。
細い針金に重いおもりをかけたので、針金の下の氷には大きな圧力がくわわります。
すると氷点が下がり、氷が溶けて、針金は下に下がります。

溶けた氷は針金の上にまわり、そこでは針金の圧力をうけていないので、ふたたび凍ります。
この実験は、気温が0℃以下ででもできます。

スケートで氷の上をよくすべれるのも、スケートの下の氷が大きな圧力をうけて溶けスケートと氷のあいだにうすい水の膜ができるからです。

水が凍るときの体積の変化

冬の寒い朝、水道竹が破れたり、瓶の水が凍って、瓶が壊れたりするのを見かけます。
これは、水が、凍って氷になるとき、体積が増えるからです。

水が凍るときには、体積が約9パーセント増えます。
100立方センチの水が凍れば、109立方センチの氷になるのです。

しかし、水が凍って体積は増えても、重さはかわりません。それで、氷は水に浮くのです。



実験

ふたのしっかりした錠剤などの空き瓶に、水を口までいっぱいに入れふたをしっかりしめて寒い冬の夜に、外へ出しておきます。

すると、よく朝には、水が凍って瓶が割れているでしょう。
寒剤を使ったり、電気冷蔵庫で水を凍らせても、瓶が割れるでしょう。

融解熱

氷が溶けるときに、温度を測ってみると温度計のめもりは氷が全部溶けてしまうまでは、0℃ぐらいでとまっています。

そして、溶けて水になってしまうと、温度が上がっていくのがわかります。
これは熱が温度を上げるために使われたのではなく、氷を溶かすために使われたからです。

0℃の氷1グラムを、0℃の水にするために必要な熱を、氷の融解熱と言います。氷の融解熱は、約80カロリーです。

反対に、0℃の水を0℃の氷にするときは水から融解熱だけの熱をとらなければなりません。

実験

0℃の水15グラムを60℃の水100立方センチの中に入れてかきまぜ温度を測ると、約51.2℃になります。

つぎに、氷15グラムを、60℃の水100立方センチの中に入れると氷はどんどん溶けて、溶け切ってしまうと約40℃になるでしょう。

つまり、同じ温度で同じ重さの水と氷とでは、温度を下げる働きがたいへん違うことがわかるでしょう。

この温度の違いは氷を溶かして水にするために熱がたくさん使われて、温度を下げたためです。

風邪をひいて熱のあるとき、冷たい水で頭を冷やしても水がすぐあたたまってしまいますが氷を使って冷やすと、長いあいだ冷やしていられます。

これは、氷を溶かすのに熱が使われ、氷が溶けきるまでは、温度がかわらないからです。




いろいろな温度計の種類をまとめてみた! わかりやすく解説!

水銀温度計

水銀は、純粋な物がつくりやすいこと膨張のしかたが温度によってあまりかわらないこと、比熱が小さいこと熱が伝わりやすいこと、あまり蒸発しないことなど温度計に使うのにたいへん都合のよい性質をたくさんもっています。

水銀は、零下39℃で凍るので、それ以下の温度は測れません。

また、150℃以上になると、中を真空にしたふつうの水銀温度計では水銀の蒸発がさかんになるので、これ以上の温度では使えなくなります。

しかし、水銀の上部に窒素などを高い圧力で閉じ込めて水銀の蒸発や沸騰をさまたげると、700℃ぐらいまで測れるものがつくれます。

このような温度計には、石英ガラスのような丈夫なガラスを使わなければなりません。


アルコール温度計

アルコール温度計は、低い温度を測るときに便利です。
アルコールは、零下117℃までは凍りませんから、水銀温度計よりずっと低い温度が測れます。

しかし、アルコールはそのままでは、60℃以上の温度は測れません。
しかしアルコールの上に気体を閉じ込めておくと、100℃ぐらいまで測れるものがつくれます。

アルコールは、水銀よりも10倍以上も膨張率が大きいので管球の大きさとめもりの長さを水銀温度計と同じにしておけば毛管を太くして見やすくなります。

そのかわり、管球だけを熱すると正しい温度がわかりません。

アルコール温度計よりも低い温度を測るのにはアルコールのかわりにペンタンという液体を使った温度計がつくられています。

これは、零下200℃ぐらいまで使えます。

体温計

私たちの体温を測るのに便利なようにつくられた水銀温度計が体温計です。

体温計は、ふつう脇の下にはさんで使いますが、外にとりだして見るとき体温で膨張していた水銀が、冷えて下がってしまわないようになっています。

そのため、体温計の水銀だめのすぐ上の毛管が、特別に細くしてあります。

体温計を体にあてると水銀は膨張して細くなったところを通り抜けて毛管をのぼっていきます。
しかし、体から離すと、水銀だめの水銀が冷えて縮み、毛管の中の水銀は下がろうとします。

ところが、縮むときには、下の水銀が上の水銀をひっぱる力は弱いので管の細いところが通れなくなり、管の中の水銀は切れてしまいます。

それで体温をしめしたままで、止まってしまいます。この細いところを留点と言います。

体温計には、1分計・5分計とか、測る時間がわけてありますが体温を測るときには、1分計でも5分以上かけて測ったほうがよいでしょう。
また、体温を測っているあいだは、物を食べたり、動きまわったりしてはいけません。

最高温度計

1日の気温のうち、いちばん高い温度を知りたいときなどに最高温度をわかるようにした温度計が、最高温度計です。

体温計も最高温度計の1つで、気温を測る最高温度計にも同じしくみのものがあります。

ふつうの最高温度計は、下の図のようになっています。

毛管の中に、小さな鉄片(指標)と水銀が入っています。
この鉄片を、水銀の先につけておくと、温度が上がるときに水銀が膨張して鉄片を押し動かします。

温度が下がるときは水銀だけが縮んで鉄片は取り残されるので鉄片のはしのめもりを見れば、最高温度がわかります。

また、あらたに最高温度を測るときには磁石で鉄片を動かして水銀の先につけておきます。



最低温度計

最低温度を測るにはアルコール温度計を使います。
最低温度計には、両はしをまるくした細いガラス棒(指標)が毛管のアルコールの中に入っています。

ガラス棒のいっぽうのはしを、アルコールの表面にくっつけておき、水平にして使います。
温度が下がってアルコールが縮むとガラス棒はアルコールの表面にひっぱられて動きます。

温度が上がるときは、ガラス棒を、そのままおいてアルコールだけが膨張するので、ガラス棒のはしのめもりを見れば最低温度がわかります。

あらたに最低温度を測るときには温度計を傾けてガラス棒のはしをアルコールの表面にくっつけます。

気体温度計

気体は、圧力が、一定ならば、温度が上がると体積が増えるので体積を測ってその気体の温度をもとめることができます。

このようなしくみの温度計を、定圧気体温度計と言います。

また、気体は体積を一定にしておくと、温度が上がれば圧力が増えるので圧力を測って温度を知ることができます。

このしくみの温度計を定積気体温度計と言います。
しくみも定圧気体温度計よりかんたんで、気体の温度が一度上がったときの体積や圧力の増え方は、液体よりも大きくしかも、膨張の割合が一定なので、正確に温度を測ることができます。

定積気体温度計は直径3センチ、長さ8センチぐらいのガラスなどでつくった円筒に細い管をつけて中に気体を入れ、

それに、圧力を測るための水銀が入ったゴム管とガラス管をつけたものです。
気体温度計では温度計に使っている入れ物が溶けてしまわないかぎり高い温度を測ることができます。
高い温度を測るときには、白金とか磁器を使ってつくります。

また、中に入れた気体が温度が下がって液体にならないかぎり低い温度を測ることができます。

ガリレオの温度計

温度計をはじめてつくったのは、ガリレオ・ガリレイです。

よく乾いた、小さなフラスコに、25センチぐらいの長さのガラス管を通したコルクかゴム栓をつけます。

これを、逆さまにして、水を入れたビーカーの中にガラス管の先を入れます。
フラスコを手で握ってあたためると、ガラス管の先から泡が出てきます。
手を離してしばらくすると、ガラス管の中を水がのぼってきます。

気温が上がると、ガラス管の中の水柱は上にのぼります。
それでガラス管の中の水柱の高さの変化で、温度の変化を知ることができます。

これを、ガリレオの温度計、または空気温度計と言います。

この温度計は、かんたんにつくることができそのうえ、たいへん敏感で、いろいろ役に立ちます。

しかしこの温度計は、温度がかわらなくても気圧がかわると水柱の高さがかわってしまいます。

この欠点をなくしたのが、ガラス管の中に水銀やアルコールを閉じ込めてつくった温度計で気圧の影響を受けません。




面積の膨張とは?体積の膨張とは? わかりやすく解説!

面積の膨張

金属の板を熱すると、上下左右に伸びますから、面積も大きくなります。
面積の膨張率は、線膨張率の約2倍です。

指輪や穴のあいた円板などを熱すると、穴の中のほうへ膨張して穴が小さくなるのではないかと考えるかもしれませんが実際にはそうではなく、あなも大きくなります。

下の図のような黄銅(銅と亜鉛の合金)の球と、まるい穴があいている黄銅の板とがあります。

ふつうの温度では、球は穴を通らないように立ってていますが穴のあいた板を熱すると、球が穴を通るようになります。

ガラス瓶の線が硬くなってとれないとき、瓶の栓の外側に湯をかけると栓がうまくとれることがあります。

また、注射器の針が抜けないときなど、針の根元に湯をかけるとすぐとれます。
 
荷車の車には鉄の輪がはめてありますがこれをはめるときには鉄の輪を焼き、膨張させて、車にはめます。
この鉄の輪が冷めると、縮んで、硬くしっかりとつきます。

電車や機関車などの車輪にはめてある鉄のタイヤもタイヤを焼いて膨張させてから、車輪にはめています。


体積の膨張

気体や液体は堆積の膨張だけを考えて、長さや面積の膨張は考えません。
気体や液体は、それだけでは形がなく温度が上がって長さが大きくなったように見えても、それは堆積の膨張のためです。

たとえば、液体をいっぽうを閉じたガラス管に入れてあたためると液体の表面の高さがかわります。

この液体の長さの伸びは、液体が上下膨張しただけでなく左右・前後にも膨張したものが、液体全体を上に押し上げたためでず。

つまり、液体や気体では体積がどれだけ膨張したかということだけがわかるのです。

固体は、形があるので、長さや面積の膨張を考えることができたのです。
固体も、前後・左右・上下に膨張するので、体積も増えます。

体積の膨張率は温度が1℃上がったときに0℃のときの体積の何分の1膨張するかをあらわしたものです。

体膨張率は、線膨張率の約3倍です。
熱のために起こる体積の膨張は自然界にも見られます。
たとえば、岩石の表向か風化されていく原因の1つにもなっています。




固体の膨張、固体の線膨張とは?バイメタルとは?

固体の膨張

固体が膨張する割合は、気体や液体などにくらべると小さいのですが、膨張する力は強いです。

針金の長さの伸び

針金を熱すると、その長さが伸びることがわかります。

つり橋は、たくさんの針金をよりあわせて作ったケ-ブルで、橋をつっています。
針金が膨張するので、夏と冬とでは、ケーブルの長さがかわり、それで橋の高さもかわります。

アメリカのハドソソ川にかかっているワシントン橘という橋はケーブルの長さが約1.5キロメートルもあって夏と冬とでは、橋の高さが2.5メートルも違います。


実験

10センチメートルぐらい離して、板に長い釘を2本打ちつけます。

つぎに、ラジオの組みたてなどに使うビニル線のビニルをむきとって中の細い線を1本とりだし、2本の釘にむすびつけてピーンとはっておきます。

この針金を、マッチの火で熱してみましょう。すると、針金にたるんできます。火を取り去ると、また、もとにもどるでしょう。

固体の線膨張

金属や岩石・木材などの固体を熱すると、みな膨張します。
全体として膨張するのですが、固体を棒の形にしたときに膨張して棒の長さが伸びることを、線膨張と言います。

棒の形になっていないものでも、たくさんの棒が集まっていると考えれば
やはり、線膨張を考えることができます。

牛乳瓶など、厚いガラスの瓶に、急に熱い湯を入れると、ひびができます。
また、肉の厚いガラスのコップを、急に炎で熱すると、やはりひびができます。

これは、熱せられたところだけが、急に膨張するからです。

また鉄橋や鉄道のレールは、夏に膨張して伸び、冬は縮みます。
そこで、鉄橋のはしの台に、転がるまくらをおいて鉄橋が伸び縮みしてもよいようになっています。

鉄道のレールは、夏に膨張しても壊れないようにレールのつぎめに、隙間ができています。

実験

図のように、使い古した鉄製のスタンドを横にして、台のほうを動かないようにしておき、鉄棒の先を木の台の上にのせて、細い針金を直角に曲げたものを下におきます。

針金のかわりに、針を下において、針に麦わらを直角にさしておいてもよいでしょう。鉄棒を強く熱すると、棒の下においた針金がまわるのがわかるでしょう。

線膨張率

液体の膨張率を考えたのと同じように、固体の長さが、温度が1℃上がったときに0℃のときの長さにくらべてどのくらい伸びるかを、線膨張率と言います。

石英ガラスは膨張率がとても小さいので、なべやコーヒー沸かしに使われています。
また、インバール(アンバー)という鉄とニッケルの合金も膨張率がとても小さいので、正確なものさしなどに使われています。

バイメタル

膨張率が違った2枚の金属の板を張り合わせたものをバイメタルといいます。
バイメタルは温度が上がると曲がるのでサーモスタッ卜や自記温度計などに使われています。

バイメタルは温度が上がると、膨張率の大きいほうが余計に伸びるので、膨張率の大きいほうが外側になって、そり曲がるのです。

実験

幅1センチメート、長さ20センチメートルぐらいの細長くてうすい木の板と下じきなどに使うエボナイト板に(または電気の絶縁に使うベークライト板)とを接着剤で張り合わせます。

これを火でそっと熱すると、エボナイト板を外側にして木の板のほうに曲がってきます。
これは、木の板よりもエボナイト板のほうが、膨張しやすいからです。




サーモスタット

電源のスイッチを自動的に開閉して、ある一定の温度に保つ装置がサーモスタッ卜(自動温度調節器)です。

電気こたつや電気がまなどについています。

炭火を使ったこたつだと炭をつぎたしたり、灰をかけたりしていつも、温度の上げ下げに、気をつけなければなりません。

しかし、サーモスタッ卜がついている電気こたつならその働きで自動的に、温度が上がり過ぎれば電気がきれ、冷たくなれば電気がついて好きな温度で、気持ちよくあたたまることができます。

サーモスタッ卜には、しくみが精密で大がかりなものからとてもかんたんなものまでいろいろあります。

家庭用電気器具に使われているのは、バイメタルというかんたんなしくみです。

バイメタル

バイメタルは熱によって伸び縮みの違う2枚の金属阪を重ねてしっかり張り合わせたものです。

バイメタルはスイッチのかわりに使います。
スイッチを入れておくと、電気が流れて、バイメタルの温度が上がります。

すると、膨張のしかたが大きいほうの金属板が長くなるので長いほうを外側にして、バイメタルがそりかえります。

そのため、接点が離れるので、電気が流れなくなります。

ところが、しばらくして冷えてくると、そりがなおりまた接点がくっついて電気が流れるようになります。

このスイッチが入る位置を、適当なところに決めておけばいつも同じ温度にしておけます。

バイメタルには、伸びの悪いほうの金属としてはインバールとよばれる、鉄とニッケルの合金が使われています。
伸びのよいほうの金属としては、鉄・クロム・ニッケルの合金や鉄・マンガン・ニッケルの合金などが使われています。

溶鉱炉のような高い温度を調節したり冷蔵庫のように低い温度をいつもかわらないようにしておくものにも

サーモスタットが使われています。

そのほか、サーモスタッ卜は温度を一定にする働きだけでなく温度が上がりすぎて火事になるのをふせぐためにも使われています。




液体の膨張と膨張率とは?容器の膨張とは? わかりやすく解説!

液体の膨張

液体が熱せられると、やはり膨張します。
ゆたんぽに、水を口まで入れて、ガスコンロで熱すると水が膨張して、あふれでることがあります。

また風呂を沸かすとき、上のほうの水は熱くなっているのに底のほうはまだ冷たいままですがこれは熱せられてあたたかくなった水が膨張して軽くなり、浮き上がったためです。

水銀温度計やアルコール温度計で、水銀やアルコールか上がったり下がったりして温度が測れるのも、液体の膨張を利用しているのです。


実験2

試験管に、水を半分ぐらい入れます。

試験管をまっすぐ立てて、水の表面りところをみるとくぼみができていますから、このくぼみの底のところを糸でまいて目印をしておきます。

これをガスかアルコールランプの炎にかざして静かに水をあたためます。
ときどき、水の表面のくぼみの底を見ると目印の糸よりこの底が上がっていることがわかるでしょう。

実験2

比量瓶という、液体の比重を測る50立方センチ入りの瓶があります。
これには、中が管になった細長いガラスの栓がついています。

この比重瓶に水を入れ、ガラスの内側に空気の泡がついていたら、瓶をふって泡をとります。

水は、ガラス栓の中の管の底ぐらいまで入れておきます。
この比重瓶を50℃から60℃の水の中に入れて、あたためてみましょう。

すると、ガラス栓の管の中を水が、どんどん上がっていってしまいには、口からあふれでてしまいます。

容器の膨張

試験管や比重瓶を使うと、液体が、膨張することがわかります。

しかし、ガラスの瓶に液体を入れてあたためたときガラスの瓶も膨張して少し大きな瓶になりますから膨張した液は、少し大きくなった瓶に入っているわけです。

ですから、目印をつけておいてあたためたとき目印を越えた液体の量は膨張した量全部でなく、見かけの膨張なのです。

正確に液体が膨張した量を知るには容器の膨張も知らなければなりません。
容器の膨張は、水銀を使って調べられています。

実験

直径3センチメートルぐらいの、小さなフラスコを用意します。
コルク栓に穴をあけて、中に直径1ミリメートルぐらいの管がおいている長いガラス棒をさしこみ、フラスコに水を口まで入れ、このコルク栓をさしこみます。

すると、ガラス棒の管の中に水がのぼってきますからそのいちばん上のところを糸でむすんで、目印にしておきます。

この目印を見ながら、フラスコを急にアルコールランプの炎の上にかざすと水は目印のところから少しのあいだ、すっと下がります。

火にかざしたままでいると、水は目印の上まで、どんどん上がっていってしまいます。

この実験で、はじめ水が下がったのは熱が水に伝わらないうちにガラスの容器だけが膨張したためです。



液体の膨張率

膨張して、体積が増えることを、体膨張と言います。液体の体膨張のしかたは、体膨張率であらわします。

液体の体膨張率は、液体の温度が1℃上がったときその液体の体積が0℃のときの体積の何分の1膨張するかをしめすもので小数であらわします。

くわしく調べてみると、膨張率は、温度によって少し違っています。
20℃から21℃まで熱したときと、50℃から51℃まで熱したときとでは膨張のしかたが違います。

液体は、みな温度を上げれば膨張します。
ところが、水だけは0℃から4℃までは、温度が上がると反対に体積が小さくなるという性質をもっています。

それで、水は40℃のとき、体積がもっとも小さくなります。

実験

細長い筒型の容器に水を入れ、水の表面と底の温度が測れるようにしておきます。
この容器の中央部を、寒剤かドライアイスで冷やします。

はじめのうちは、冷やされて縮んだ水が底のほうに沈んでくるので底の温度がだんだん下がってきますが、表面の温度は、ほとんどかわりません。

ところが、底の温度が4℃になると、それ以上冷やされた水はこんどは軽くなるので、底へ沈まなくなります。

それで、底の温度はほとんどかわらなくなり表面の温度がだんだん下がってきて、4℃以下になっていきます。




気体の膨張とは?シャルルの法則とは? わかりやすく解説!

空気の膨張

物をあたためると多くの物はふくらみ、体積が大きくなります。
あたためられて体積が大きくなることを、熱によって体積が膨張したと言います。

空気もあたためると、膨張します。

万年筆のインキが少なくなったとき万年筆を使っているとインキが出過ぎて困ることがあります。

これは、インキ入れの中の空気が多くなりその空気が手であたためられて膨張し、インキを押し出すからです。

また、ピンポンの玉が少しへこんだときこれをあつい湯の中に入れると、また、もと通りにふくらみます。
これも、ピンポン玉の中の空気が膨張して、ピンポンエをもと通りにするからです。

むかし、まだ飛行機もなく、空気より軽い水素なども知られていなかったころヨーロッパで、祭りなどのとき、火気風船というものを飛ばしました。

これは、風船の下で火をたいて、熱せられ膨張して軽くなった空気を風船の中に入れて飛ばしたのです。

また、夏、地面が熱せられると、地面のそばの空気の温度も上がり膨張するので、軽くなって上昇します。
この空気は、上空で冷えて、空気中にふくまれていた水蒸気が雲になります。

空気は、熱しなくても、圧力が小さくなると、膨張します。
また圧力をくわえると、縮みます。

気球に水素を詰めて何千メートルも高いところへ上げるとき地上で気球に水素をたくさん詰めこんでおくと、上空にのぼったときまわりの空気の圧力が小さくなるので、水素が膨張して気球は破れっしてしまいます。

それで地上では少ししぼんだ気球にしておきます。


実験

ゴム風船に空気をすこしだけふきこみまだしぼんだままの風船を湯の中に入れてあたためてみましょう。
すると、風船はだんだんとふくらんでいきます。

つぎに、ふくらんだ風船を冷たい水の中に入れてみましょう。すると風船はしぼんでしまいます。

これは、湯の中に風船を入れると風船の中の空気があたためられて膨張しふくらんだ風船を水に入れるとしぼむのは、中の空気が冷やされて収縮するからです。

温度と気体の体積

気体の体積は、温度によって変化しますが、また、圧力によっても変化します。
それで、温度をかえたとき、気体の体積がどのように変化するかを調べるには圧力がかわらないようにしておいて、調べなければなりません。

シャルルの法則

気体は、圧力をかえないで温度を1℃上げるとその気体の0℃のときの体積の1/273だけ膨張します。
これは、シャルルという人が見つけたのでシャルルの法則と言います。

また、その後、ゲイ=リュサックと言う人がくわしく確かめたので、ゲイ=リュサックの法則とも言われます。

液体や固体も、温度を上げると、膨張しますが、気体はもっともよく膨張します。
また、液体や固体の膨張の大きさは、その種類によって違いますが気体は種類が違っても、膨張の大きさがほとんど違いません。

これは、気体の膨張のしかたの特色です。



実験1

20立方センチ用の注射器を用意します。

まず注射針をガスの炎で赤く焼いて根元のところで折り曲げ空気が通らないようにして、いらないところは、切り捨てます。

つぎに、注射器の中をよく乾かし、ピストンを10立方センチのところに押し込んで曲げた針をしっかりつけます。

この注射器の空気の入っているところを室温と同じにしたビーカーの水の中につけて、だんだん温度を上げていきます。

すると、注射器の中の空気が膨張して、ピストンを押し上げるので水の温度と注射器のめもりを調べていきます。

はじめの水の温度が8℃ぐらいのとき、水心温度が50℃ぐらいになると空気は、約1.5立方センチほど膨張するでしょう。

また、水が沸騰して100℃になると、空気は約3立方センチぐらい膨張するでしょう。注射器を冷ますと、空気はもとの体積にもどります。

この実験では、ピストンは、だいたい自由に動けるようになっていますから注射器の中の空気の圧力は、いつも外の空気の圧力と同じと考えられます。
空気の温度は約90℃上がって体積は3立方センチ膨張しました。

ですから、1℃あたり、3/90立方センチ、つまり、1/30立方センチ膨張したわけです。
もとの体積が10立方センチですから、堆積は1℃あたりもとの体積の約1/300だけ膨張したことがわかります。

自動車のエンジンや、ディーゼル機関などはガソリンや重油を燃やし空気を熱して空気の圧力を急に高くし、その力でピストンを押し下げて、車をまわしています。

実験2

小さなフラスコを用意して、中をよく乾かしておきます。
ゴム栓にワセリンなどをぬって抜けやすいようにして空気がもれないようにをしておきます。

フラスコの口のところを、試験管ばさみではさみ、弱い火で中の空気を熱してみましょう。しばらくすると、ポンと音を立てて、栓が飛び上がります。

この実験で、体積をかえないようにして気体を熱すると気体の圧力が大きくなることがわかるでしょう。




温度の変化と熱の出入りとは? わかりやすく解説!

温度の変化と熱の出入り

熱というのは、物の温度をかえるはたらきをするもので熱が物に入ればその物の温度が上がり、熱が物から出ればその物の温度は下がります。

温度の異なる2つの物をくっつけて外の熱が逃げないようにしておくと水が高いところから低いところに移るように、温度の高いほうから熱が出ていき温度の低いほうへ熱が入っていき、やがて両方が同じ温度になります。

同じ温度の物は、まぜあわせても、そのあいだに熱の移動はなくしたがって、温度の変化はありません。


実験1

80℃の水50立方センチを入れたビーカーと20℃の水100立方センチを入れたビーカーを用意します。

両方の水をまぜあわせてから温度を測ってみますと、40℃になりました。
これは水にかぎらず、温度の高い物と温度の低い物とをまぜるとある温度で2つの物の温度は等しくなります。

このとき、低い温度の物が得た熱量と高い温度の物が失った熱量と等しくなります。

この実験で、80℃の水が40℃になりましたから、この水が失った熱量は50×(80一40)= 2000(カロリー)となります。

また、20℃の水が80℃の水から得た熱量は、100×(40-20)=2000 (カロリー)となります。

このような熱の移動の実験は、下のような図であらわすとはっきりわかります。

縦軸に温度差、横軸に水の体積をとった図であらわしてみるとそれぞれの物の持つ熱量は、長方形の面積であらわすことができます。

いま、80℃の水と20℃の水が、0℃の水のときより余分にもっている熱量を図であらわすと、①図のようになります。

また、80℃の水と40℃の水とをまぜたとき移動した熱量を図であらわすと、②図のようになります。

この図からわかるように、80℃の水50立方センチは同じ重さの20℃の水より3000カロリーだけ余分に熱量をもっていることになります。

この実験では20℃の水150立方センチに3000カロリーの熱量をあたえたのと同じことになります。

150立方センチの水の温度を1℃だけ上げるには150カロリーの熱量が必要ですので3000カロリーでは20度だけ高くなります。

そして、はじめの温度が20℃ですから、まぜあわせたあとの温度は40℃になります。



実験2

200グラムの金属球と、水を入れたビーカー、20℃の水100立方センチを入れたビーカー、アルコールランプ、温度計などを用意しておきます。

アルコールランプで金属球を入れたビーカーを80℃になるまで熱していきます。このとき、水の温度が80℃になれば、金属球の温度も80℃になっています。

つぎに、金属球を急いで20℃の水100立力センチが入ったビーカーに入れ、よくかきまぜます。

熱が外に逃げないように、ビーカーのまわりを乾いた布で包んでおきしばらく経ってから水の温度を測ってみると、およそ30℃になってします。

この実験から、金属球の比熱について調べてみましょう。
温度の高い物が失った熱量は、温度の低い物が得た熱量に等しくなります。

金属球の温度は80℃から30℃になったのですから、50度だけ温度が下がったことになります。
20℃の水100立方センチは20℃から30℃になり、10度だけ温度が上がったことになります。

そこで、100立方センチの水が得た熱量は、水の比熱に水の体積と
水が得た温度(温度差)とをかけた値になります。

そのため、この熱量は1000カロリーになります。

水が得た熱量(カロリー)
=1(水の比熱) × 100(cm3) × 10(温度差)=1000(カロリー)

また、金属球が失った熱量も、金属球の比熱に金属球の重さと、金属球の下がった況度(温度差)とをかけた値になります。

そのため、金属球が失った熱量は、つぎのような式であらわされます。

金属球が失った熱量(カロリー)=金属球の比熱 × 200(g) × 50(温度差)

ところで、水が得た熱量と金属球が失った熱量とは等しいので金属球の比熱は、つぎの式からもとめられます。

金属球の比熱=1000 ÷ 10000=0.1(カロリー/g℃)

この式から、金属球の比熱は、0.1となります。




いろいろな物の比熱と実験による調べ方とは? わかりやすく解説!

いろいろな物の比熱

比熱がもっとも大きいのは水で、なによりもあたたまりにくく、冷めにくいものです。
そのため、海岸地方の気候は温暖で、1日のあいだの気温の変化はわりあい少ないのです。


実験

100立方センチの水と100グラムの食用油をそれぞれビーカーに入れこれを20℃にしておきます。

このビーカーを大きな入れ物に入れた湯につけ、水と食用油の温度が上がっていく様子を、縦軸に温度、横軸に時間をとったグラフにしてみましょう。

このとき、10分後には水は40℃に、食用油は62℃になりました。
このことから、水と食月油には同じ熱量をあたえたのに食用油のほうが早くあたたまることがわかります。

また、水のあたたまり方を示すグラフの傾きは食用油のそれの、およそ2分の1になっていることもわかります。

このように、同じ熱量を2つの物にあたえてもその温度の上がり方が違ってくるのは2つの物の比熱が違うためです。

また、この実験から。食用油の比熱を計算でもとめることができます。
20℃の水100立方センチが40℃になりましたから10分間に水が得た熱量は水の比熱が1ですから、2000カロリーになります。

いっぽう、食用油は62℃になりましたから20℃の食用油100グラムが10分間に得た熱量は、食川油の比熱に食用油の重さと、食用油が得た温度(温度差)をかけた値になります。

これを式であらわすと、つぎのようになります。

食用油が得た熱量(カロリー)=食用油の比熱 × 100(g) × 42(温度差)

この熱量と水が得た熱量は等しいので、食用油の比熱は、つぎのような式からもとめられます。

水が得た熱量=食用油が得た熱量2000(カロリー)=食用油の比熱 × 100(g) × 42(温度差)食用油の比熱=2000 ÷ 4200≒0.476(カロリー/g℃)

したがって。この実験に使った食用油の比熱は、およそ0.476となります。




熱量とは?熱量の単位とは?比熱・熱容量とは? わかりやすく解説!

熱量

熱は、物を熱したり、冷やしたりす働きをするものです。

温度は、50グラムの水の温度も100グラムの水の温度も15℃なら15℃で、水の量には関係ありません。

しかし熱は50グラムの水を15℃から100℃まで熱するのと100グラムの水を同じだけ温度を上げるのとでは、必要な熱の量が違います。

コップと試験管に入れた水は、高さが同じでも、かさが違います。
水の高さにあたるものが温度で、水のかさにあたるのが熱の量と言えます。

ですから、温度が多い少ないということはありませんが熱では、多い少ないということが大切なのです。

それで熱の多さを、ただ熱と言わないで、熱量と言います。


熱量の単位

熱量を測る単位にはカロリーを使います。
1グラムの水の温度を1℃だけ上げるのに必要な熱量を1カロリーまたは1グラムカロリーといいます。

大カロリー(キログラムカロリー)

1カロリーの1000倍、つまり、1キログラムの水の温度を1℃だけ上げるのに必要な熱量を、1キログラムカロリー、または大カロリーと言います。

大カロリーに対して、ふつうのカロリーのことを、小カロリーと呼ぶこともあります。
食物のカロリーを2800カロリーと言ったりしますが、これは大カロリーを意味しています。

比熱

急にものごとに熱心になったかと思うと、またすぐに飽きて止めてしまう人のことを熱しやすく冷めやすい人と言いますが物にも、あたたまりやすいものとあたたまりにくいものとがあります。

また、同じ水とか油というものでも、同じ温度になるまで熱するのには分量が多ければ熱もたくさん必要です。

それで、いろいろな物のあたたまりやすさを比べるには同じ重さの物で、比べなければなりません。

同じ重さの物を、同じ温度になるまで熱するのに必要な然の量を比べればあたたまりやすいか、あたたまりにくいかがわかります。

それで、1グラムの物の温度を1℃高めるのに必要な熱量を、比熱と言います。
たとえば、1グラムの水の温度を1℃上げるのに必要な熱量は1カロリーですから、水の比熱は1です。



実験

10円銅貨は、11枚で約50グラム、1円アルミ貨は、50まいで約50グラムあります。
これらを室内にしばらくおいて室温と同じにしておきます。

また水をビーカーに50立方センチ入れて、これも室温と同じにしておきます。つぎに、やはり50立方センチの水を40℃にしておきます。

これは、大きなビーカーに湯を入れ、水をついで40℃の水をつくります。
冷めてきたら湯をたして40℃にします。

この40℃の水を、温度を確かめてから、小さなビーカーなどに50立方センチだけ測って入れます。

はじめに室温になっている50立方センチの水に40℃の水50立方センチをくわえ、温度計で温度をはかります。
室温が22℃ぐらいのとき、この温度は、30℃ぐらいになるでしょう。

つぎに、小さなビーカーに、室温になっている10円銅貨11枚(約50グラム)を入れこれに40℃の水50立方センチをついで、すこしふりまわしてから温度計で水の温度を測ります。

するとこんどは、温度は前よりずっと高く室温が22℃ぐらいのときは、温度が38℃ぐらいになるでしょう。

つぎに、50枚のアルミ貨(約50グラム)をビーカーに入れて40℃の水50立方センチをついで、少しふりまわして、水の温度を測ります。

すると、室温が22℃ぐらいのときはアルミ貨と40℃の水50立方センチをまぜたものの温度は36℃ぐらいになるでしょう。

この実験で、だいたい室内と同じ温度の50グラムの水と銅貨とアルミ貨を40℃の水50立方センチで熱したのですが室温の水より銅貨やアルミ貨をまぜたときのほうが、ずっと高い温度になることがわかるでしょう。

また室温の水を使ったときより、銅貨やアルミ貨を使ったときのほうが40℃の水の冷め方は少ないのですから銅貨やアルミ貨は、少ない熱で温度を上げることができるということがわかります。

また、銅貨がいちばんあたたまりやすくアルミ貨は銅貨よりは少しあたたまりにくく水は、ずっとあたたまりにくいことがわかるでしょう。

熱容量

物の温度を全体として1℃上げるのに必要なカロリーを、その物の熱容量と言います。
熱容量は、その物をつくっている物質の比熱にその物のグラム数をかけた数に等しくなります。

ですから、同じ比熱の物質なら、その量が多いほど、熱容量は大きくなります。




高い温度と低い温度の特徴と種類とは? わかりやすく解説!

炎の温度

気体が燃えて光と熱とを出しているところを炎といいます。

ろうそくの炎は、ろうが蒸発して気体になったものが燃えているのです。
アルコールランプの炎も、ア儿コ一の蒸気が燃えているのです。

炎の温度はたいへん高く、1000℃以上ありますから高い温度がほしいときには、ガスとかアルコールランプなどの炎を使うと便利です。

炎の温度は、炎の部分によって違っています。
空気をよく入れて燃やすと内炎と外炎という2つの部分からできていることがわかります。

内側の青く透き通っている部分を内炎と言い、この部分の温度は500℃くらいです。
また、外側の少し赤い部分が外炎で、この少し上の温度は、ふつう1500℃くらいあります。

また、実験室で使うブンゼンバーナーで充分空気を吹き込むと1800℃くらいになります。

電気炉

電気を使うと、わりあいたやすく高い温度をつくることができます。
電気を使う炉を、電気炉と言います。

かんたんな電気炉は、ニクロム線を使ったもので1000℃くらいの温度が出せます。もっと高い温度を出すには、アークを使います。

炭素棒を1本くっつけて電流を流し、2本の棒のあいだを少し離すと炭素棒のはしとはしとのあいだは高い温度になりまぶしく輝きます。

これをアークと言い、4000℃くらいにもなります。

太陽炉

虫眼鏡を使うと、黒い物を焼くことができます。これをもっと大がかりにしたのが太陽炉です。

凹面鏡を使い長陽光線か2点に集めると、3000℃くらいの高温を得ることができます。


氷の温度

夏暑いとき、私たちは、氷水を飲んで、暑さを我慢します。
また、氷のように冷たいという言葉があるように私たちの日常生活では氷が冷たいものの代表になっています。

氷は外から熱しても、溶けて水になっていくだけで0℃以上にはならず同じ冷たさを保っています。

氷の温度は、氷が溶けてしまうまでかわらないのでこのことを利用して温度計の1つ基準としています。

0℃以下の氷

氷の温度はいつも0℃とはかぎりません。0℃以下になることもあります。

たとえば、気温が零下9℃ならその空気にさらされている氷の温度もやはり零下9℃になっています。

寒剤

氷よりも冷たい温度が必要なときたとえば、アイスクリームをつくるときなどには寒剤というものを使います。

氷で物を冷やしたのでは0℃以下には下がりませんが氷に寒剤をまぜて使うと温度は、0℃よりずっと低くなります。

ふつう使われる寒剤は、氷と塩をまぜたもので氷が溶けて塩水をつくるときに温度が下がります。



実験1

15グラム・30グラム・50グラムの塩とそれぞれに、細かく砕いた氷100グラムを入れた大きめのビーカー3つを用意します。

それぞれのビーカーに、用意した塩を別々に入れよくかきまぜておいてから、温度計をさしこみ、温度を測ります。

  1. 15グラムの塩をまぜたビーカーの温度は、零下17℃くらい
  2. 30グラムの塩をまぜたビーカーの温度は、零下20℃くらい
  3. 50グラムの塩をまぜたビーカーの温度は、零下20でくらいになるでしょう。

ときどき、ビーカーの中をかきまぜながらそのままにしておくと氷はだんだん溶けていって、ほぼ一時間後には、氷はほとんど溶けてしまいます。

このときの温度は、①は、零下3℃くらい、②と③は零下8でくらいです。

この実験で塩の量が少なすぎると温度はあまり下がりませんが反対に多いほど下がるのでもないことがわかるでしょう。

氷と塩を3対1の割合でまぜると、零下21℃まで温度を下げることができます。

実験2

あまり細かく砕かない氷100グラムをビーカーに入れ塩を30グラムくわえて、よくかきまぜます。

氷が溶けてきて、温度計のもと(球部)が塩水につかるようになってから温度を測ってみましょう。

すると温度は、零下13℃くらいになり塩の一部は氷と別になって、硬く固まっているでしょう。

1時間くらい経つと、氷の7、80パーセントくらいは溶け塩水が増えてきて、温度は、零下10℃くらいになるでしょう。

この塩水を捨てて塩をくわえると、また1、2度くらいは、温度が下がるでしょう。

実験1にくらべて、実験2では温度の下がり方が少ないのは氷のかたまりを使つたので、氷と塩とがふれあう面積が少なかったためです。

つまり、氷が塩によって溶けるために温度が下がるのですから氷と塩とがふれあう面積がせまいと、氷のとけ方が少なくそのため温度があまり下がらなくなるのです。

そのかわりに、かたまりの大きい氷を使うと長い時間、零下10℃くらいの温度を保つことができます。

ドライアイス

二酸化炭素を、長さ1メートを直径20センチくらいの鉄の筒(ボンベ)に高い圧力でつめこむと液体になります。

この液体を、ボンベの口から急に噴き出させると二酸化炭素は冷えて雪のような白い粉になります。

この粉はとても冷たく、零下80℃ぐらいになります。
この粉がドライアイスで、これを硬く固めたものが売られています。

アイスクリームを買うと、このドライアイスのかたまりをはこの中に入れアイスクリームが溶けないようにしてくれます。

氷は、溶けと水になりますが、ドライアイスは気体の二酸化炭素にもどるのでぬらさずに、乾いたままで、物を冷やすことができます。

実験

醤油を入れた小さなビーカーを大きなビーカーに入れドライアイスを詰め、きれで包んででおくと、かちかちに凍った醤油ができます。

氷で凍らない醤油でも、ドライアイスなら凍ることがわかります。




熱と温度の違いとは? 風邪の熱との違いとは? わかりやすく解説!

温度

私たちは「今日暑い」「今日は寒い」などと言います。
また、物に触ったり、食物を食べるとき、あたたかい、ぬるい、冷たいと感じます。

あたたかいとか冷たいということは、私たちが体の全体や一部分で物のあたたかさの程度を感じて、それを言いあらわしているのです。

物のあたたかさや冷たさの程度のことを温度と言います。

そこで、温度は、高い低いといいますが、温度が多いとか少ないとはいいません。
また、物の温度は、物が大きいとか小さいということとは、関係がありません。

たとえば、風呂の湯の温度も、茶碗1杯の湯の温度と同じこともあれば茶腕1杯の湯の温度のほうが高いこともあります。

甘さとか、硬さのように程度のあらわし方にはいろいろのものがありますが温度もこのような程度のあらわし方の1つです。


風邪の熱

風邪をひいたとき、よく熱があると言います。
そして、額に手を当てて、熱があるかなにかを調べたり体温計で体温を測って、熱が38度もあるなどと言います。

しかし、よく考えてみると熱があるというのは体の温度が健康なときの体温(平熱)よりも高いということです。

ここで言っている熱という言葉は、本当は、温度のことを言っているのです。
このように温度と熱がいっしょにされていることがよくありますが正しいこととは言えません。

熱の量

やかん1杯の水を沸き立たせるには長い時間、強い火にかけねばなりませんが試験竹の水を沸き立たせるのにはアルコールランプでも、それほど時問はかかりません。

このように、やかん1杯の水と試験管の水とでは沸き立たせるのに必要な熱の量が違うのです。

温度の変化と熱

コップに水を3/4ほど入れておき沸き立った水が入っている試験管をコップの水につけ、かきまわします。
すると試験管の水は冷えてきて、コップの水の温度は少し上がります。

コップの水の温度が上がったのは、試験管の水の熱で、コップの中の水を熱したのです。
また試験管の湯が冷めたのは湯から熱が外に出てその熱はおもにコップの水をあたためるのに使われたのです。

熱は、物を熱したり、冷やしたりする働きをするので物が多ければ温度を上げるためには、たくさんの熱がいります。

反対に、温度を下げるには、たくさんの熱を取り去らなければなりません。



熱と温度の違い

熱と温度との関係は、砂糖水の砂糖の量と甘さとの関係に似ています。
つまり、甘いということと砂糖の分量とが温度の高さと熱の量という関係に似ているわけです。

温度はあたたかさの程度ですから多いとか少ないということはありませんが熱はたくさんいるとか、少しでよいとかいいます。

熱には分量がありますが、温度には分量がないのです。
熱と温度の違いはコップと試験管に水を入れたときの水の量と水の高さとの違いにも似ています。

つまり同じ量の水をコップに入れたときと試験管に入れたときとでは水の高さが違いますが、同じ量の熱で、やかん1杯の水を熱したときと試験管の水を熱したときとでは、温度の上がり方が違います。

温度の決め方

私たちが手で物に触って、熱いとか冷たいとかいうのも、1つの温度の決め方です。

しかし、このような決め力では手で触れないほど熱いものや冷たいものの温度はわかりません。

また、人によっても、熱い冷たいなどの感じ方は違っています。

冬、着物をたくさん着ていても寒がる人もあれば、あまり着なくても平気な人もいます。
それに、私たちの感じは、あまり正確なものではありません。

たとえば、井戸水は夏は冷たく冬はあたたかく感じますが暑い夏に井戸水が冷えて、寒い冬にあたたかくなるのではありません。

本当は、井戸水の温度は、夏も冬もあまりかわっていないのですが外の温度とくらべて、夏は冷たく、冬はあたたかく感じるだけです。

このような、私たちの感じに頼らないで、同じ温度の物はいつ誰が測っても、同じことがわかるようにしなければなりません。

そして、重さを測りで測ったり、長さをものさしで測ったりするように温度も、測ることができれば便利です。

そして、このような目的でつくられたものが、温度計なのです。




隔離説・純系説・突然変異脱・反復説・定向進化説とは?

そのほかの進化説

ダーウィンの学説が発表されるとイギリスの学会はもちろんのこといっぱんの社会にも、大きな影響をあたえました。

その後、イギリス以外の国では、自然選択説とは違ったいろいろな進化説があらわれてきました。


新ダーウィン説

ドイツのワイズマン(1834~1914)は、生物が生まれてから後にできた新しい体の性質は、子孫には伝わらないと考え、自然選択だけを進化の大事な原因と考えていました。

このような考えかたは、ダーウィンの進化説の一部をみとめ一部を捨てた考えかたであるために、新ダーウィン説とよばれています。

隔離説

ドイツのワグナー(1823~1887)ははじめ「生物が地理的に分け隔てられている(隔離)ことが自然選択を促す原因である」と考えていました。

しかし後には「生物が地理的に分け隔てられて、新しい集団をつくることだけが
進化のおもな原因である」と考えるようになりました。

オーストラリアなどのように、海でへだてられている場所にだけ見られる
カンガルーやフクロウサギなどのような
特別の生物が生まれてきた理由を証明するには、都合のよい説です。

しかし、大陸の複雑な生物については、この考えかただけでは証明することがでません。

純系説

オランダのヨハンセン(1857~1927)はインゲンを使って実験し、つぎのような結果をえました。

インゲンといっても、種の形や性質はいろいろあります。
ですから、ふつうに栽培すると、いろいろな種ができます。

しかし、たとえば重い種だけを選んで栽培を繰り返すとはじめのうちは、だんだん重い種になっていきます。
そのうちに、いくら努力しても、ある程度以上には重くなりません。

そこで彼は、このかわらなくなった性質を生物がもっていたもともとの性質と考え、これを純系とよびました。

そして「生物が、一時的にかわった性質や形をもったりして少しずつかわるということは、進化には関係がない」と考えました。

このようなことから、彼は「純系だけが子孫に伝わり、これが進化のもとになる」と説きました。

これを、ふつう、純系説とよんでいます。

突然変異脱

これは、オランダのド=フリース(1848~1935)によって唱えられました。

彼は、オオマツヨイグサやサトウダイコンなどについて人為選択の実験をしているうちに「生物には、まったく体つきの違うものが突然あらわれ、それが、子孫にまで伝わることがある」ということに気づきました。

そこで彼は「新しい種は、体の小さな変化が積み重なってできたものではない」と考えました。

そして進化は、突然にあらわれた変化(突然変異)のために起こるのだと考えました。
このような考えかたを、突然変異説とよんでいます。

この考えかたによれば、生活に都合のよい突然変異を受けたものは生存競争に打ち勝って生き残り、その変化は子孫に伝えられて新しい種を生み出すというのです。

これは、遺伝学の知識や成果をもとにしているものでこんにちの遺伝学の、大事な基礎になっています。



反復説

ド=フリースと同じころ、ドイツでは、いろいろな学者が進化についての考えかたを、発表しました。

なかでも、ヘッケル(1834~1919)は、ダーウィンの進化説を熱心に支持していろいろな生物の親類関係を、系統樹にあらわす仕事を続けていました。

そのうちに、彼は「生物の1つ1つの個体が成長していく道すじ(個体成長)はその生物の先祖から、現在までにかわってきた道すじ(系統発生)を繰り返してあらわれている」ことに気づきました。

進化について、ヘッケルのような考えかたを、反復説と呼んでいます。
この考えは、化石を古いものから順序正しくならべたとき途中の化石の記録が抜けているような場合、その変化を知ろうとするのにたいへん役立ちます。

また、その繰り返しかたにも、いろいろな例があります。
そのために、このような考えかたを否定している人もあります。

しかし、系統発生が、なんらかの形で個体発生に影響をあたえているという意味では、この考えかたは、充分に生きていると言えます。

定向進化説

ヘッケルに続いて、ドイツでは、コープ (1840~1897)・ワーゲン(1841~1900)、オーストリアではチッテル(1839~1904)などが、化石を材料にして生物の親類関係を明らかにすることにつとめていました。

とくにコープは、化石にある変化があらわれるとその方向にむかって、しだいに変化か強めていく性質があるということに気がつきました。

生物のこのような変化を、定向進化とよびました。

ゾウの牙や鼻が長くなったり、馬の4本の足指が、両はしからしだいに退化してついに1本になるといったような変化はいずれも定向進化によっておこなわれたと考えています。

この性質は、はじめは、生物の環境とは関係なしに生物の体の内部の原因によってだけあらわれる、と考えられていました。

しかし現在では環境とむすびつきながらあらわれると考えられており生物の進化をもたらす原因を考える場合には、大事な考えかたになっています。




ダーウィンとは?自然選択説とは? わかりやすく解説!

進化説の確立

進化説のあらましが、本当に築かれたのは、19世紀の中ごろになってからのことです。
イギリスのチャールズ=ダーウィン(1809~1882)が、1859年にあらわした。

有名な「種の起原」という本の中で、生物の進化のしくみや、理由を説明しています。
これではじめて、キュビエの天変地異説がくつがえされました。

そして、これから後、にわかに、進化についての研究が発展してきたのです。


ダーウィン

チャールズ=ダーウィンは、エジンバラ大学で医学を学んでましたが
まもなく、動物学に興味をもつようになりました。

その後、ケンブリッジ大学にすすんでからはヘソズロー教授の指導を受けて、博物学者としての道を選ぶようになったのです。

ダーウィンは、イギリス海軍のビーグル号に乗って世界各地を旅行し、生物や地質についての知識を深めながらついに「種の起原」の中で述べた進化説をまとめあげたのです。

ダーウィンと同じころ、イギリスには、地質学の元祖と考えられているチャールズ=ライエル(1797~1875)という人がいました。

彼は、たくさんの地層や化石を調べ、1830年に「地質学原理」という本をあらわし地質学の方面からキュビエの考えかたをくつがえした人です。

この「地質学原理」によると、地層の中にある化石は天変地異のためにできたのではなく、氷河や洪水や海水など自然のはたらきによって、たえず変化してできたと説明してあります。

ダーウィンは、このライエルと親しく手紙をやりとりしお互いの知識を交換していたと言われています。



自然選択説

ダーウィンは、生物の進化について、たくさんの証拠を集めました。
そればかりでなく、自分でも実際に、家畜のかけあわせを実験して、調べてみました。

そして、家畜にたくさんの種類があるのは人々が長いあいだに必要とする特徴のあるものを、選び出したためだと考えました。

このように、ある生物が人によって選び出されその生物が子孫を残していくことを、人為選択といいます。

ダーウィンは、たくさんの自然の生物を調べて、自然界の生物のあいだには人の手によらなくても、生物が生きていくための競争(生存競争)が行われその場所の環境に適したものだけが、生き伸びていく、ということに気がつきました。

このように、生物が自然の力によって選びだされることを、自然選択と言います。
この「選び出しによって生物が進化する」というのがダーウィンの進化説の中心になっています。

そのため、彼の進化説、自然選択説と呼ばれています。

たとえば、氷河時代に栄えたマンモスは、地球があたたかくなって環境や食べ物が変わったために、生きのびることができず
にわかに死に絶えてしまいました。

しかし、そのころの地球上に、ほそぼそと暮らしていた大むかしの人間は環境に適していたために、氷河時代が終わると生き残り栄えることができたというわけです。

ダーウィンの進化説には、さらに、つぎのような考えもふくまれています。
つまり生物が、生きているあいだに身につけた新しい特徴(獲得形質)はすべて子孫に伝わり、やがて新しい種をつくると考えていました。

ダーウィンと同じころの、イギリスの動物学者ウォーレス(1823~1913)はダーウィンとは別に、自然選択による、生物の進化に気づいていました。

しかし、彼は、獲得形質が子孫に伝わるとは、考えていませんでした。




ラマルクの進化説とは?ラマルクとキュビエの論争とは?

生物の進化について、まとまった考えを発表したのは、ラマルクがはじめてです。

彼の考えかたには、たくさんの欠点があります。
しかし、いまなお、この学説をもとにした進化説が見られるほど大切な内容をもったものです。


ラマルク

フランスの落ちぶれた貴族の家庭に生まれたラマルクは神学生から軍人になり、30才のころから勉強をはじめて、植物学者になりました。

やがて、無脊椎動物についても、研究をはじめました。
その後、パリ博物館ができたときに、そこの教授としてむかえられフランス学士院の会員にまで選ばれました。

ラマルクは、1809年に「動物哲学」という本をまた1815年には「無脊椎動物誌」という本を書いて、自分の進化説を発表しています。
それによると、生物の進化は、つぎのように説明されています。

「動物に新しい性質が加わるのは、動物がその性質を必要とするためである。動物が、ひとたび新しい性質をもつと、それは子孫に伝わっていく」

キリンの例を挙げてみましょう。

キリンは、草の少ない草原に住んで、高いところにある木の葉を食べます。
そのために、背のびをしたり首をのばしたりしなければなりません。

キリンが、このような生活を繰り返しているうちにその首がだんだん長くなり、いま私たちが見るような長い首になったのだというのです。

つまり、生物の体のしくみは、生物の生活に必要かどうかによってしだいに形や性質がかわっていくと考えています。

この学説を、用不用説(ラマルキズム)と言います。

ラマルクとキュビエの論争

ラマルクが進化説を発表したころ、フランスにはラセペート (1756~1825)やサンチレール(1773~1844)という生物学者がいました。

彼らは、ラマルクの考えかたを支持して、キュビエと激しく論争しました。
しかし、キュビエの考えかたは、覆されませんでした。

それは、サンチレールたちが、生物が進化するという考えかたをまだ充分にかためていなかったためです。

また、そのころの社会では、キリスト教が強い力をもっていて生物は神によってつくられたと説いていたことにもよります。

さらにキュビエが、パリ大学の総長という大事な役をつとめていたためでもあります。

しかし、この大論争を最後にしてキュビエのような考えかたは、しだいに消えていきました。




キュビエの天変地異説とは?リンネとビュツフォンとは?

むかしの人は、生物はすべて、神や自然の力によってつくられたものでいつまでもかわることはないと考えていました。

しかし科学がすすむにつれて生物は、長いあいだに少しずつ形をかえやがて、かんたんなものから複雑なものへと発達したくさんの種類にわかれていくと考えられるようになりました。


進化説のおこリ

物質が変化するということは、かなり古くから考えられていました。
しかし、生物が変化するというような考えかたがおこったのは18世紀中ごろのことです。

リンネの種

スウェーデンの博物学者リンネ(1707~1778)はその一生のあいだに、たくさんの動物や植物を調べこのことを1738年に「博物学」という、有名な書物にまとめました。

彼は、この本の中ではじめて、いろいろな生物の名前のつけかたを決め生物は性質のかわらないたくさんの種にわかれる、ということを述べています。

しかしリンネは、晩年になってから、生物をかけあわせると親とは違ったものができることに気がつきました。

そして、生物は、長いあいだにはかわっていくことがあるといように「博物学」を書き改めました。

ビュツフォン

フランスのパリにある王立植物園の園長をしていたビュツフォン(1707~1788)は化石や生物についておこなった一生の仕事をまとめ「博物誌」という44巻にわたる大きな本を書きました。

彼は、そのころ大きな力をもっていた教会の反対を恐れて生物の種類が違うのは神様の知恵によるものであると述べその力をほめたたえていました。

しかし、同じ種類の動物でも、住む土地によっていくぶん違うという進化説の大事な内容の一部となっていることがらには気がついていました。

そのため、ビュッフォンを、生物の進化説のうみの親とする人もあります。

そのころ、イギリスでも、生物の進化に気づいた学者がおりました。
それはエラスムス=ダーウィンで、チャールズ=ダーウィンのおじいさんにあたる人です。

エラスムス=ダーウィンは、医者でしたがたくさんの動物について調べたことをまとめて「動物誌」という本を書きました。

その本の中で、いろいろな動物の器官をくらべ、ヒトの腕と鳥の翼は相同器官で、どちらも、もとは同じものであったといい進化の考えかたにふれています。

この人たちの進化に対する考えかたは、のちにラマルク(1744~1829)によってはじめて進化説としてまとめあげられました。

しかし、そのころは、まだ「種はかわらない」と考える人々がたくさんあっていつも、激しい論争がおこなわれていました。

キュビエの天変地異説

フランスの学工院会員であったキュビエ(1769~1832)は脊椎動物の化石を研究し、すぐれた仕事を残しました。

しかし、彼は生物の種について「種はかわらない」というリンネのはじめの考えを、かたく信じこんでいました。

ただ、化石に見られる動物たちが、いま住んでいるものとはたいへん違っているとには気がつきました。
しかし、生物が進化してきたとは考えませんでした。

そのためキュビエは、大むかしにいくども神話にあるノアの洪水のような天変地災(自然の様子が急にかわること)が起こりそのたびに地上の生物が死に絶え、新しい生物がつくりかえられたのだと考えました。

これを、キュビニの天変地異説とよんでいます。

この考えによれば「生物の種はかわることがない」ということになり進化という考えは、まったく認められないことになります。




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