消化器の衛生とは? 消化器の病気とは? わかりやすく解説!

消化器は、私たちが成長していくとき毎日をおくっていくときに必要な栄養素を取り入れる大切な器官です。

ですから、消化器を大事にすることが健康を守るために、ぜひ必要なこととなります。

ごはんを食べる前には、必ず手を洗いましょう。伝染病や寄生虫病をふせぐには、大切なことです。

胃や腸での消化を助けるためには、食べ物をよく噛むことです。

食事は正しい姿勢で、ゆっくりと、楽しくとるようにしましょう。
これは、胃液の分泌と胃腸の運動をさかんにし、消化をよくします。

食べ過ぎ・飲みすぎ・寝冷えなどは胃や腸を傷め、いろいろな病気のもとになります。


寄生虫

消化器は、いろいろな寄生虫におかされることが多いのです。

寄生虫には、カイチュウ・ベンチュウ・ギョウチュウ・コウチュウ(ジュウニシチョウチョウ)などがあり消化器以外の寄生虫には、ニホンジュウケツキュウチュウ・ハイキュウチュウ(ハイジストマ)など、いろいろな種類があります。

寄生虫は、いろいろな害を人体にあたえ、ときには重い病気の原因になったり、人の命をとることさえあります。

しかし、ふつうは寄生虫が体の中にいることを知らないでいることが多いのです。

ですから、ときどき寄生虫を駆除することが必要です。
また、ふつうの寄生虫は、たまごが口から入ることが多いので寄生虫のたまごがついている食品に気をつけ、野菜はよく洗って食べるようにします。

口内炎

口の中の粘膜が赤くはれ、舌もざらざらしてきます。ぴりぴり痛むため、食べ物が食べられなくなります。

また口の中が臭くなってきます。
そのために食欲がなくなったり、高い熱がでたりします。

この病気は、口の中を汚くしておくと起こりやすく主にビールスや刺激の強い食べ物によって起こります。

胃カタル

胸やけがして、すっぱい汁が口の中まで逆もどりしたり、胃が傷んだりします。
この病気から、胃潰瘍や胃がんになることがあります。

ことに、甘いものを食べ過ぎるのはよくありません。

胃潰瘍

胃の壁の粘膜がただれて、傷のできる病気です。
病状が重くなると、胃の筋肉が破れて、腹膜にまで穴があくことがあります。

みぞおちが痛み、出血して、大便に血が混じることもあります。
食事に関係しておこる病気といわれています。

胃がん

胃に、がんができる病気です。
がんというのは、体の一部分にできる、とくにたちの悪いはれもののことをいいます。

がんの中でも、胃にできるものがいちばん多いのです。
胃がんができる原因は、まだはっきりわかっていません。

がんが大きくなって、胃の出口を塞いだり胃だけではなくリンパ節や、肝臓などにうつることもあります。

レントゲンで調べると、がんのあるところは胃の形が変化して見えます。
さらに、詳しく調べるときは、胃の中に胃カメラを入れて中の様子を見ることもできます。



十二指腸潰瘍

胃潰瘍と同じ症状が十二指腸に起こる病気です。
十二指腸の胃に近いところによく起こります。
若い男性がよくこの病気にかかります。

お腹が空いたときに、お腹の右上の部分が痛むことが多く出血して血を吐いたり、大使に血が混じったりします。

腹膜炎をいっしょに起こすことがあり治療には手術をして、潰瘍の部分を取り除きます。

黄疸

肝臓が悪くなると、たいてい黄疸になります。

これは、胆液が、いろいろな原因で、血管やリンパ管に入りそのために、体中の皮膚が黄色になる病気です。たいてい、肝臓がはれます。

脱腸

腹部の壁に非常に弱い場所があってそこから腸などの腹部の内臓が皮下に飛出してくる病気です。

ヘルニアともいわれます。

よく見られるものは、太もものつけ根の近くで腸が飛び出す鼠径ヘルニアで
赤ちゃんや老人がよくかかります。

そのままにしておくと、飛出した部分が腐り(壊死)危険なことがあります。早く手術をして治療することが必要です。

虫垂炎

ふつうには、盲腸炎といわれていますが、虫垂炎というのが正しい呼び方です。

盲腸の部分にある虫垂に起こる炎症で、急にお腹が痛みだして熱がでます。吐き気をもよおすこともあります。

原因は、はっきりわかっていませんが、腸の中の細菌によって感染し炎症を起こすともいわれています。

家族がつぎつぎと虫垂炎になることもあります。
ほうっておくと、虫垂が化膿しさらに、虫垂が破れたりすると腹膜炎をお越し非常に危険なことがありますから早く医者に診せて治療しなければなりません。

よく、スイカの種を飲み込むと虫垂炎になるといいますがそんなことは、ほとんどありません。




小腸・大腸のはたらきとは? わかりやすく解説!

小腸のはたらき

小腸は、消化吸収には、たいへん大切なところです。
長さは6メートルくらいで、身長の4倍くらいある長い管です。
管の直径は、3~6センチあります。

小腸は、十二指腸・空腸・回腸とよばれる3つの部分に分けられます。

十二指腸という名は、その長さが指を12本並べたくらいであることから、つけられたのです。

小腸には、胆液のほかに、すい液・腸液が流れでて食べ物の消化をします。
また小腸は、うごめき運動・分節運動をおこない、食べ物の消化を助けたり食べ物を大腸におくったりします。

こうして消化された食べ物は、ほとんど小腸の壁から吸収されますが消化されなかったものは、大腸へおくられます。


腸液

腸液は、腸腺から分泌されます。
この腸液によって、炭水化物・脂肪・たんぱく質は腸の壁から吸収できるまでに、消化されます。

腸液にふくまれている酵素は、いろいろあります。
アミラーゼやリパーゼもふくまれていますが大切なのは、エレプシンやマルターゼ・ラクターゼ・インベルクーゼなどです。

エレプシンは、胃液やすい液で、途中まで消化されたたんぱく質にはたらきアミノ酸にまで消化します。

マルターゼは、小腸でいちばん強い酵素で麦芽糖を消化して、ぶどう糖にかえます。

ラクターゼは、乳をのむ赤ちゃんに大切な酵素です。乳糖を消化して、ぶどう糖をつくります。

小腸の動き

小腸は、うごめき運動と分節運動をおこない、消化をすすめます。

食べ物は、小腸のうごめき運動で少し先へすすむとしばらく止まり、分節運動が起こります。

分節運動とは、つぎのような運動です。
小腸が5センチほどの間をおいてくびれ、たくさんの節にわかれます。

このくびれは、小腸を輪のように取り巻く筋肉が縮むためにできるのです。

5、6秒経つと、縮んでいた筋肉が緩み、緩んでいた間の部分の筋肉が縮みます。こうして、新しい節ができます。

このような運動が、1分間に10回ぐらいの速さで30分あまりも繰り返されます。
この間に食べ物は消化液とよく混ざり消化がよくなるばかりでなく、吸収もよくなります。

こうして、つぎのうごめき運動が起こり、食べ物は少し先へすすみます。

小腸で行われる吸収

口から胃へ胃から小腸へと運ばれる間にだんだん消化された食べ物は、小腸の壁から吸収されます。

小腸の内側には、1ミリぐらい飛出したじゅう毛が、数えきれないほどあります。

その様子は、ちょうどビロードのように見えます。
これを平らに伸ばすと、その面積は、10平方メートルにもなります。

消化によってできたアミノ酸・ぶどう糖・脂肪酸・グリセリン・灰分・水分などの栄養素は、じゅう毛の表面から吸収されます。

じゅう毛の表面積が非常に大きいことが、栄養素の吸収を促すことに役立っているのです。



大腸のはたらき

大腸は、小腸より太く、長さは1.5メートルあまりあります。
大腸は、盲腸・結腸・直腸の3つの部分に分けられ、肛門で外に開いています。

盲腸

回腸を通った食べ物は、少しずつ、盲腸に運ばれてきます。
人間の盲腸はたいへん短く、食べ物は、そのまま結腸におくられます。

盲腸には、虫垂というミミズのようなものがぶら下がっています。
長さは6~8センチ、直径は6ミリほどです。

結腸と直腸

盲腸に続いて、結腸があります。盲腸を除けば、結腸と直腸が大腸の大部分です。

大腸の壁には、余計に吸収したカルシウム・マグネシウム・鉄などを排出するはたらきがあります。

それらの排出される量は、尿よりも多いのです。
結腸は、うごめき運動をおこない、食べ物の残りかすを直腸へおくりこみます。
直腸の周りには、血管がたくさん集まっていて、水分がさかんに吸収されます。

こうして吸収された残りかすが、ちょうどよい硬さになります。これが大便です。

また、おならが出ることがあります。
これは、腸の中に住んでいる細菌(主に、大腸菌)が食べ物を腐らせたり、発酵させたりするときに出るガスです。

おならは、このガスがひとまとめに出たものですがいつも私たちが気づかないうちに、少しずつ肛門から出ているのです。

大便

大便は、食べ物のうち、消化吸収されなかったかす腸の中で繁殖した細菌(大部分は死んでいます)、余ったカルシウムや鉄が排出されたものなどの集まったものです。

大便の量は、取り入れた食べ物の量によって違います。
また、直腸での水分の吸収されかたによっても違います。

しかし、だいたい、大人で1日100~300グラム排出されます。

大便は、こげ茶色か緑色に近い色をしています。
これは主に、胆汁色素によるものです。




肝臓とすい臓のはたらきとは? 胆液・すい液とは? わかりやすく解説!

食べ物の栄養素は、ほとんど小腸で消化されて、吸収されます。
大腸は、小腸に続く管で、消化の残りものから水分を吸収します。

胃からおくられた食べ物は、小腸のはじめの部分にある、十二指腸に入ります。

十二指腸には、肝臓からと、すい臓からの管が開いていてそれぞれ、たん液とすい液がだされます。


肝臓のはたらき

肝臓は、内臓の中で、いちばん大きいものです。
その重さは、おとなで1300~1500グラムもあります。
肝臓は、お腹の上部の右よりにあって、横隔膜のすぐ下にあります。

肝臓は大きいだけに、いろいろと、たくさんのはたらきをします。
たん液をつくって、消化を助けること、吸収した栄養をたくわえること毒のあるものが入ってきたときには、その毒を消すことなどです。

胆液

胆液は、肝臓でつくられ、胆のうにためられています。
ここから総胆管を通って十二指腸におくられるのです。

たん液には、いろいろなものがふくまれていますが、主なものは胆汁酸と胆汁色素です。

酵素はふくんでいません。ですから、胆液は消化液ではありません。

しかし、胆液は、食べ物の消化や吸収を助けます。
胆汁酸は、脂肪を、とても小さな粒に分けるはたらきがあります。
このために、胃液や腸液のリパーゼが、脂肪にたいへんはたらきやすくなります。

また、胆液は、腸の壁が、脂肪の消化された食べ物を吸収するはたらきを強めます。

栄養分をためるはたらき

腸から吸収された栄養分のうち、ぶどう糖やアミノ酸などは、肝臓に運ばれさらに血液で、体中に配られます。

余ったぶどう糖は、グリコーゲンとなって肝臓にたくわえられます。
ぶどう糖が足りなくなると、このグリコーゲンが再び糖にかわり、血液に溶けて運ばれます。

このため、血液の中には、いつも同じ量のぶどう糖がふくまれています。

毒を消すはたらき

食べ物のたんぱく質は、酵素のはたらきで壊されていくときアミンという毒になるものができます。

肝臓は、このアミンをあまり毒にならない尿素や、尿酸というものにつくりかえます。
これらは、尿にふくまれて、体の外へ捨てられます。

そのほか、いろいろな毒になるものが、体に入ってきた場合毒を消してしまうのは、肝臓の役目です。



すい臓のはたらき

すい臓は、十二指腸に囲まれて、胃の後ろにあり、すい液をつくっています。

また、すい臓では、インシュリンというホルモンがつくられます。

すい液

すい液は、すい臓から管を通って、十二指腸に流れこみます。
すい液にふくまれている酵素は、トリプシン・すいアミラーゼ・すいリパーゼなどです。

これらは、たんぱく質・炭水化物・脂肪を消化します。

トリプシンは、たんぱく質やペプトンをアミノ酸にまで消化します。
すいアミラーゼは、でんぷんや麦芽糖を、ぶどう糖にまで消化します。

すいリパーゼは、ステアプシンともよばれます。
胆液によって、細かな粒に分かれた脂肪はすいリパーゼのはたらきを受け、脂肪酸とグリセリンになります。




食道と胃のはたらきとは? わかりやすく解説!

食道のはたらき

食べ物を飲み込むとき、のどから鼻に通じるところや喉頭の入口は、その壁の筋肉のはたらきで塞がれて食べ物は、間違いなく食道に入っていきます。

食道は、気管と大動脈にそっていて、その下のはしが少し左に曲がり、胃の噴門に続いています。

食道の長さは、大人で25センチほどあります。


食道の動き

食べ物が、食道を通って胃のほうに送られる様子はくつ下にボールを入れて、ゆっくり、しごきおろすときと似ています。

食道の壁を、輪のように取り囲んでいる筋肉が上から順々に縮んだり緩んだりして、その運動が下のほうへ進みます。

この運動が、波のように食道を通って胃の噴門まで伝わり中の食べ物は胃までしごきおくられるのです。

このような運動を、うごめき運動(ぜん動運動)といいます。

胃のはたらき

胃は、腹の上部の少し左よりに、ななめに横たわっています。
消化器の中で、いちばん大きくふくらんだところで大人では1.5~2リットルぐらいの食べ物が入ります。

食道からの入口を噴門とよび、十二指腸への出口を、ゆう門とよびます。

胃では、うごめき運動と胃液とで、消化がおこなわれます。
吸収のはたらきは弱く水とアルコールが、わずかに吸収される程度です。

胃のしくみ

胃の外側は、丈夫な筋肉が、何層も重なっていて伸びたり縮んだりして、胃の運動を起こさせ、食べ物を混ぜるはたらきがあります。

胃の内側は、粘膜からできていて、大きなひだが、縦にたくさん並んでいます。
胃液を出す胃液腺は、この粘膜にあります。

噴門は、いつもは閉じていますが食べ物が、食道からおくられてくると、これが緩んで胃の中に流れこみます。



胃液のはたらき

胃液は、ペプシン・ラブ酵素・胃リパーゼの3種類の酵素と弱い塩酸とをふくんでいます。

胃液は、食べ物が胃の中に入ったときのほか、食べ物を見たり
においをかいだり、味見をしたりしただけでも、さかんにでてきます。

胃液の中にふくまれている塩酸には、つぎのような役目があります。

①ペプシンのはたらきを強める。
②たんぱく質をふくらませ、酵素がはたらきやすいようにする。
③食べ物といっしょに入ってきた最近を殺して
伝染病にかからないように、また、胃の中の食べ物が腐らないようにする。

ペプシンは、たんぱく質を途中まで消化しペプトンとよばれるものなどをつくります。
ラブ酵素は、乳の中のたんぱく質(カゼインといわれる)を固まらせるはたらきがあります。

胃リパーゼは食べ物の中にある脂肪をグリセリンと、脂肪酸というものに消化します。

しかし、脂肪の消化は、胃ではあまりよくおこなわれません。

胃のうごき

胃に食べ物が入ってくると、胃液が出てきます。
それといっしょに、噴門からゆう門へと、うごめき運動が起こります。

胃の前半部では、中の食べ物を押し付けるくらいでごく弱く、ゆう門に近づくにつれて強くなります。

うごめき運動で押し進められた食べ物は、ゆう門が閉じているとまた送り替えされて、同じ運動が繰り返されます。

こうしたうごめき運動が続く間、食べ物はよくこねられ胃液とよく混ぜ合わされ、どろどろしたのりのようなものになります。

胃に入った食べ物は、こうして、しばらく胃の中にたまっています。
その時間は、食べ物の種類や、有様によって長がったり短かったりしますが、だいたい1~5時間ぐらいです。

ごはんのような固まったものはおかゆのようなどろどろしたものより、長くたまっています。

また、脂肪・炭水化物・たんぱく質の3つを調べると脂肪がいちばん長く、つぎがたんぱく質で、いちばん短いのは炭水化物です。

最後に、ゆう門の近くで、食べ物がどろどろしたのりのようなものになるとゆう門の周りを取り巻く筋肉が、ときどき緩んで少しずつ十二指腸のほうへ流れだします。




つばきのはたらきとは? 舌のはたらきとは? わかりやすく解説!

つばきのはたらき

食べ物は、歯で噛み砕かれている間に、つばきと混じります。
つばきは、だ液腺から出される消化液のことで、だ液ともいわれます。

だ液は、プチアリンという酵素をふくんでいて、食べ物を消化するはたらきがあります。
またそのほかに、食べ物を潤して、やわらかくしたり滑りをよくしたりして、飲み込みやすくするはたらきもあります。

食べ物の味が感じられるのも、だ液のおかげです。


だ液腺

大きなだ液腺には、耳下腺・舌下腺・顎下腺の3つがあります。
だ液は、この3つの腺から出されて、混じりあったものです。

だ液は、私たちが食べ物をとると出てきます。
しかしその量は、そのときによって、多かったり、少なかったりします。

また、粘液・酵素・水分の割合もそのときによって違います。

たとえば、おいしい食べ物を食べると酵素や粘液の多いた液が出て消化がさかんに行われます。

嫌なもの、ことに、砂などを口にいれた場合には、だ液は出てきません。

だ液の酵素

だ液の中にふくまれているプチアリンは、でんぷんを消化するはたらきがあり
その一部は、麦芽糖にまで分解されます。

ごはんをよく噛んでいるうちに、だんだん甘くなってくるのはでんぷんからできた、麦芽糖の甘味のためです。

このプチアリンのはたらきは、口の中だけでなく食べ物が胃の中に入ってもしばらく続きます。

実験

でんぷんが溶けている水に、ヨウ素をくわえると、青色にかわります。
でんぷんがふくまれていなければ、色はかわりません。

このことから、だ液が、でんぷんを消化するはたらきをみてみましょう。

でんぷんを水で溶かし、熱してのりをつくります。
これを5立方センチずつ、A・B2本の試験管に分けて入れます。
Aには、だ液を少しくわえて、Bには、だ液と同じ量のぬるま湯をくわえます。

2つの試験管を、摂氏37度~40度の湯の中につけておきます。
しばらくしてから取り出し、両方にヨウ素をたらしてみます。

だ液をくわえたAのほうは、うす茶色か無色ですがだ液をくわえないBのほうは、青色になります。

舌のはたらき

舌は、横紋筋からできていて、自分の思い通りに動かすことができます。

舌は、食べ物を噛むとき、ほおとはたらきあって噛んでいる食べ物を、歯から逃げないようにしたりつばきとよく混ぜたりする役目をしています。

よく噛まれた食べ物を、飲み込みやすいようにまるめてのどに送り込むのも舌のはたらきです。

また、言葉を出すときにも、大切な役目をしています。

そのほか、舌には、食べ物の味を感じるはたらきがあります。




歯の衛生とは? 虫歯・歯槽膿漏とは? わかりやすく解説!

歯が悪いと、食べ物をよく噛まずに飲み込むため胃や超を悪くし消化不良を起こしがちです。
そのため栄養がよくとれなくて、いろいろな病気にかかりやすくなります。

奥歯が抜けたりすれば、前歯で食べ物を噛むため下あごがつきだし、顔を醜くすることがあります。

歯を丈夫にするには、なによりも口の中をきれいにし、歯をみがくことが大切です。
汚くしておくと、歯を痛めるばかりでなく吐く息がくさくなり、周りの人に、よい気持をあたえないことになります。

歯の栄養をよくすることも大切なことです。カルシウムは、歯の成分となる大切なものです。

また、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンDなどが足りなくならないように
気をつけなければなりません。


虫歯

虫歯になるのは、歯を汚くしているためだといってよいでしょう。

食べ物は、歯溝や歯と歯の隙間に残ることがあります。
このようなところに残った食べ物はその中にふくまれている炭水化物が発酵して、乳酸ができます。

エナメル質は、乳酸に溶けやすく、おかされて穴があきます。
この穴か、象牙質まですすむと、穴は、どんどん大きくなっていきます。
そして、冷たいものや熱いものに触れると、染みるようになります。

このころになると、細菌がはたらいて、歯髄がはれ、たいへん痛みます。
これをほうっておくと、歯髄が死んで、しばらく痛みが止まります。

しかし、その間に、歯根までおかされています。

乳歯は、やがて永久歯にはえかわるからといって虫歯になった乳歯をほうっておいてはいけません。

あとからはえかおる永久歯の歯並びが悪くなったり永久歯の発育が悪くなったりするからです。

虫歯を防ぐには、歯をきれいにすることが大切です。
ごはんのあとに3分間程度、1日3回歯をみがき、口の中をきれいにすることです。

近頃、フッ素が、虫歯をふせぐのに役立つことがわかりました。
2パーセントのフッ化ナトリウムを歯にぬって、虫歯をふせぐことが考えられています。

歯槽膿漏

歯が植わっている骨の部分を、歯槽といいます。
この歯槽や歯ぐきに膿がたまって、歯がぐらぐらになる病気を歯槽膿漏といいます。

はじめは、歯ブラシを使うときに、歯ぐきから血が出るくらいですが膿が骨まですすむと歯がぐらついて、硬いものを噛むことができなくなります。

虫歯と違って、子どもはあまりかからない病気です。




消化と吸収とは? 歯のはたらきとは? わかりやすく解説!

消化と吸収

私たちがとる食べ物は、体をつくる材料になったり、体を動かす燃料になったりします。

食べ物が、このはたらきをするためにはまず、体の中にとりこまれなければなりません。
食べ物が、腸の壁から体の中に取り込まれることを吸収といいます。

また、食べ物は、そのままでは吸収されません。
ですから、吸収されやすいものにこなしてやらなければならないのです。
食べ物を、吸収されやすいものにこなすことを、消化といいます。

消化によって、たんぱく質・炭水化物・脂肪は、吸収されやすいものに分解されます。

これらのはたらきをするものは、酵素(消化酵素)とよばれます。

酵素は、口・胃・腸などの消化腺から出される消化液にふくまれています。
食べ物を、歯で噛み砕いたり、腸のうごめき運動や分節運動などでよく混ぜ合わせると、酵素がはたらきやすくなります。


口の中は、口腔ともよばれています。
ここには、歯と舌があり、だ液腺がつばきを出しています。

口の主な役目は、食べ物を取り入れ細かく砕いて、つばきとよく混ぜ合わせることです。
こうして、食べ物は食道におくられます。

歯のはたらき

歯の主な役目は、食べ物を細かく噛み砕くことです。
食べ物は、細かくなるほど、つばき・胃液・たん液・すい液・腸液などとよく混ざりそれらのはたらきを受けやすくなります。

歯のしくみ

歯は、歯かんと歯根にわけられます。
歯かんは、歯ぐきよりも外に出ていて白く見えるところです。

歯かんの表面はエナメル質で覆われています。
エナメル質は、体の中でも、いちばん硬いところで歯の内部の、いくぶんやわらかい象牙質を守っています。

歯根は、歯ぐきに埋まっているところですが外側は、セメント質でおおわれています。

歯を形作っている大事なところは象牙質です。
この象牙質の中には歯髄があって、神経と血管とがきています。
血管は、歯に栄養を運び、神経は、歯の感覚をつかさどります。

虫歯が痛むのは、この神経が刺激されるからです。



歯のいろいろ

歯は、つぎのように、4つの種類にわけられます。
それぞれ種類によって、形やはたらきが違います。

切歯

切歯は、真ん中にはえている上下4本ずつの歯のことで、ふつう前歯とよばれます。
切歯は、歯の先が刃のような形になっていて食べ物を噛み切るのに、都合よくなっています。

犬歯

犬歯は、切歯の外側、左右上下あわせて4本あって、ふつう糸切り歯とよばれます。
歯の先が、槍のようにとがっています。

犬は、この歯がよく発達しています。そのために、犬歯となづけられています。

小臼歯

犬歯の奥に、うすのような形の歯が、2本ずつ並んでいます。
これが小臼歯で、上下左右あわせて8本あります。

うすのような形をしていますから食べ物を細かくすりつぶすのに、都合がよいのです。

大臼歯

大人では、小臼歯の奥にそれと同じ形をした歯が、左右上下に3本ずつ並んでいます。これが大臼歯です。

大臼歯は、小臼歯と同じように、食べ物を細かくすりつぶすはたらきがあります。大臼歯は永久歯だけにあって、乳歯にはありません。

ふつう、私たちが奥歯といっているのは、大臼歯と小臼歯とをさしているのです。

歯のはえかわり

歯は、うまれてから6、7か月経ったたころに、はえはじめます。これを乳歯といいます。

乳歯がはえそろうのは、だいたい2才半くらいのころです。

乳歯には大臼歯がなく、歯の数は、全部で20本あります。

6才くらいになると、今までそろっていた歯が、つぎつぎとはえかわります。
乳歯のあとに、はえかわってできた歯は永久歯とよばれてはえかわることはありません。

大臼歯のように、はえかわらない歯も永久歯とよばれます。

永久歯は、4才半から6才半のころにあらわれはじめます。
はじめは、小臼歯のすぐ奥の大臼歯からです。
6才から15才までの間に、切歯・犬歯・小臼歯が、ゆっくりはえかわります。

2番目の大臼歯は、13才から16才ごろにはえてきます。
いちばん奥の大臼歯は、18才から25才ごろにはえてきます。
この歯は、はえ方が遅く、「親知らず歯」ともいわれます。

永久歯は、全部で31本になります。




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