飛行機の用途
飛行機には、いろいろの使い道があります。
民闘機には、旅客や貨物や郵便物を遠くまで運ぶ輸送機、空の旅行をしたり空のドライブを楽しむ自家用機、空から写真をとって地図をつくる測量機、種まきや虫をとる薬をまく農業機などがあります。
また、教官といっしょに乗って操縦の練習をする練習機や新聞社などがよく使う、空中から写真を撮ったり無線電話で本社へ急ぎの原稿を送ったりする飛行機もあります。
そのほか、軍用機としては、戦闘機・爆撃機・偵察機・しょうかい機・軍用輸送機などがあります。
輪送機
輸送機にはジェッ卜機とプロペラ機があります。
ジェッ卜輸送機は大勢の乗客を載せて長い距離を飛ぶのに主に使われプロペラ輸送機は、小型で、近い距離を飛ぶのがふつうです。
なかでも、ボーイング707や、ダグラスDC-8などという大型ジェッ卜輸送機は100人から140人くらいの旅客を乗せて、太平洋や大西洋をいっきに飛ぶことができます。
しかも、1時間に900キロメートル以上の速さを出すことができます。
飛行機の重さは140トンもあり、よくもこんなに重いものが空を飛べるものだと思わずにはいられません。
このごろの輸送機の座席は、たいへんすわり心地がよくできています。
また、ジェッ卜輸送機では1万メートルの高いところをターボプロップ機でも、4000から6000メートルの高いところを飛びますから、こういう空気のうすい、酸素の少ないところを飛んでいても旅客の体に差支えないように、客室の中の気圧を高くする装置がついています。
温度も、ちょうどよく調節され、旅客はゆっくりした気分で空の旅を楽しむことができます。
輸送機の中には、胴体のまえやうしろに大きな扉がついていて貨物を楽に積み込めるようになっている、貨物輸送機もあります。
また、まえが貨物室、うしろが客室になっていてお客が自分の自動車をもって、旅行できるようになっている飛行機もあります。
自家用機
我が国でも、このごろ自家用車をもつ人が増えてきましたがアメリカでは、自家用機が10万機もあって空のドライブを楽しむ人がたくさんいます。
自家用機に使われるのは、100馬力から3000馬力くらいまでの単発機で軽飛行機と呼ばれています。
自家用機は、安全で操縦しやすく、値段も安く、燃料費もあまりかからないという点がすぐれています。
グライダー
グライダーは、発動機もプロペラもない航空機で、滑空機とも言います。
自分で離陸できませんが、いったん空中に上がれば
主翼にはたらく揚力によって大空を滑るように飛べます。
グライダーは、その性能によって初級機(プライマリー)
中級機(セコンダリー)・高級機(ソアラー)の3つにわけられます。
このうち初級機は練習用で、胴体は骨組みがむきだしですが、取扱いがやさしくなっています。
中級機は初級をおおったものが、さらに高級な技術を練習するもので
高級機になると機体も流線形になり性能はいっそうすぐれています。
グライダーには、ひとり乗りの単座機のほか、ふたり乗りの複座機もあります。
グライダーが飛べるのは、機体にはたらく重力の一部が推力としてはたらくからです。
空に浮かんだグライダーは、機体自身の重さで、下に滑り落ちようとします。
このとき、図のように、重力の分力が推力になって、機体をまえに進めます。
すると、翼に揚力ができて、機体の重さを支えるようになるのです。
このため、グライダーは必ず水平方向より下向きに飛びます。
しかし、途中で上昇気流にのれば、上に上がることができます。
また、図のように同じ高さから滑空したとき、滑空角が小さいほど遠くまで飛ぶことができます。
高級機ほど、翼が細長くなります。
このような形にすると、抗力に対して揚力の割合が大きくなり滑空角を小さくして遠くまで飛ぶことができるからです。
グライダーを離陸させるには、いろいろな方法かありますがその1つは、太いゴムのつなを機体の先端にかけて、つなをひっぱります。
ゴムがはりつめたところで機体から外すと、ゴムの縮む力でグライダーが飛び上がります。
また、ワイヤーロープを機体にかけ、このロープをウィンチでまきとる方法や飛行機にロープをつけ、これでグライダーをひいて飛び上がり適当な高さでロープを外す方法もあります。
これだと、充分な高さまで上がれます。