二酸化炭素の性質とは? わかりやすく解説!

二酸化炭素の製法

二酸化炭素は炭素や炭素の化合物を燃やす以外の方法でもつくれます。

石灰石に希塩酸をかける

石灰石のかけらをビー力に入れ希塩酸を注ぐと、二酸化炭素が泡になって発生します。 

石灰石の主な成分は、炭酸カルシウムでこれが塩酸と反心して、二駿化炭素ができるのです。

ですから、石灰石のかわりに、炭酸カルシウムを主成分とす貝殻を使っても二酸化炭素ができます。

炭酸水素ナトリウムに塩酸をかける

炭酸水素ナトリウムは、重曹といわれているものです。
ここに塩酸を注ぐと、二酸化炭素が発生します。

炭酸ナトリウムに塩酸をかける

炭酸ナトリウムは、ソーダ灰とよばれる白色の粉です。
これに塩酸をかけると、二酸化炭素ができます。
塩酸のかわりに酢(酢酸がふくまれている)を使ってもできます。


二酸化炭素の性質

二酸化炭素は、においも色もなく空気の約1.5倍も重い気体です。

この気体は燃えもせずまた、物が燃えるのを助けるはたらきもありません。

これは、水槽に高さの違うロウソクを入れて火をともし、二酸化炭素を入れると下から順に火が消えていくことでもわかります。

また、二酸化炭素は、圧力をかけると容易く液体になります。
ところが、ふつうの圧力のまま、零下78.5℃まで冷やすと液体にならずに白い固体になってしまいます。

これがドライアイスです。

このドライアイスを空中においておくとすぐに気体の二酸化炭素にもどります。

このように、気体からすぐに固体になったり固体から気体になったりすることを昇華といいます。

二酸化炭素が炭素と酸素との化合物であることは二酸化炭素の中に燃えているマグネシウムを入れてみるとわかります。

このとき、マグネシウムは、二酸化炭素の中でも燃え続け黒い粉ができますが同時に白い煙を出します。

この白い煙は酸化マグネシウムですが黒い粉は炭素がまじっているのです。

マグネシウムは、酸素とむすびつく力が非常に強く二酸化炭素をつくっている酸素と化合して酸化マグネシウムとなり炭素がススとして残るのです。



二酸化炭素の水溶液

二酸化炭素は、水に割りあいよく溶けます。
二酸化炭素を水に溶かしてみるには下の図のような装置で、二酸化炭素を丸底フラスコに集め蒸留水を20立方センチほど入れて管のついた栓をします。

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これを逆さまにして水の上に立てフラスコを振ると、フラスコの中の二酸化炭素が水に溶けるので、水が上がってきます。

ところが。フラスコに、水のかわりに水酸化ナトリウムの水溶液を入れておくとフラスコに上がってくる水の勢いがかなり強くなります。

これは、二酸化炭素が酸のはたらきをし水酸化ナトリウムと化合して炭酸ナトリウムができ急に体積が減るからです。

二酸化炭素は、このように酸のはたらきをするため、炭酸ガスともよばれます。

二酸化炭素の水溶液は、弱い酸性をしめします。
しかし、これを調べる場合つぎのページの図にあるように炭酸ナトリウムに塩酸をまぜて直に水に溶かした水溶液を使うのはよくありません。

それは、この場合、できた水溶液に塩酸のしぶきが飛び込んでその塩酸のために酸性になっていることがあるからです。

塩酸のあることは、硝酸銀を加えてみると白くにごることからわかります。

塩酸のしぶきが飛び込まないようにするには水を染み込ませた綿を管につめ、この中に二酸化炭素を通せばよいのです。

二酸化炭素の利用

二酸化炭素を多量に水に溶かしたものは口に入れるとさわやかな感じがします。

それで、これに甘味や酸味をつけてラムネやサイダーのような清涼飲料水をつくるのに使われます。

また、二酸化炭素を凍らせたドライアイスは冷たい物を保存するのに利用されます。

そのほか、空気より重いこと火を消すはたらきがあることなどを利用して消火器に応用されています。




水の成り立ちとは? 水の分解とは? わかりやすく解説!

海の水や川の水などは、天然水ですが海の水は、塩分が溶け込んでいて塩辛く、川の水でも少量の塩分を含んでいます。


いちばん混じりけの少ない雨や雪でさえ1リットルに1グラムの100分の1ぐらいの塩分が含まれています。

天然水に含まれている不純物のうち細かい泥の粒や植物の切れ端などのように、にごりとなっているものはろ過という方法で取り除くことができます。

にごった水をろ紙や砂の層や素焼きなどの目の細かいものに通すとにごりのもとがこし取られます。

しかし、砂糖や塩のように水に溶け込んでいるものはろ過の方法ではこし分けることができません。

このような液から、純粋な水をつくるには水を熱して沸騰させ出てくる水蒸気をほかのところに導いて冷やし、純粋な水にします。

こうしてできた水が、蒸留水です。

ここでは、水が何からできているか、調べてみましょう。

水の電気分解

純粋な水は、ほとんど電気を通しませんが
少量の硫酸か水酸化ナトリウムを加えてやると電流をよく通すようになります。

この液を次の図のような装置に入れて電流を流すと陰極に水素、陽極に酸素が体積の比で2対1の割合で出てきます。

この場合、水に溶かした硫酸や水酸化ナトリウムは残った液に全部含まれていることが実験で確かめられます。

このことから、出てきた水素や酸素は、硫酸や水酸化ナトリウムが変化してできたのではなく水だけが分けられてできたのだと考えられます。

そして、この水素や酸素はもとの水とは全く性質の違ったものです。

このように、もとの物から全く性質の違う2つ以上の物ができることを分解といい電流を使って分解することを電気分解といいます。

  
水の電気分解のときに使う電極は、硫酸を加える場合には白金か鉛を水酸化ナトリウムを加える場合には、ニッケルを使います。
 
工業的に水を電気分解するときには鉄の電解槽の中に水酸化ナトリウムの溶液を入れ鉄板を陰極、ニッケルメッキした鉄板を陽極として大量の水素と酸素をつくっています。

電気分解は、水の分解に使われるだけでなく銅・アルミニウムなどの金属の精錬や水酸化ナトリウム・過酸化水素などの薬品をつくるとき、また、塩素・水素などの気体をつくるとき、などにも使われます。

つまり、電気分解は、物を分解して新しい物をつくるときだけでなく不純な物を純粋な物に変えるときにも使われる大切な方法なのです。

金属による水の分解

水を入れた水槽に、水を満たした試験管を逆さに立てこの試験管の口から、柔らかい紙に包んだナトリウムの小さな粒を1つ入れると、盛んに泡が出て試験管に気体がたまります。

この気体に火をつけると、小さい爆発音を出して燃えます。
この燃える気体は水素で、ナトリウムが水を分解したためにできたものです。

また、水槽の中の水をリトマス紙で調べると塩基性をしめすことがわかります。
これは、ナトリウムが水と結びついて水酸化ナトリウムになったからです。

水はナトリウムのほか、カリウム・カルシウムなどによっても分解されて水素をだします。

また、高温ではマグネシウム・亜鉛などによっても分解されます。




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