鉱石とは?選鉱とは? 鉱石の分析とは? わかりやすく解説!

金属は、そのままの形でとれることはほとんどなくいろいろな物と化合した状態でとりだされます。

そのため、金属を取り出すには、いろいろな物と金属を分けたり不純な金属を純粋なものにしたりしなければなりません。

ここでは、金属のとりだし方について、調べてみましょう。


鉱石

鉱物が集まっていて、それを掘り出して製練した場合、採算がとれる物ならば、その鉱物の集まりを鉱石といいます。

したがって鉱物が集まっていてもそれを掘り出して製練するとそんになるような場合はその鉱物の集まりは鉱石とはいえないわけです。

つまり、金属の鉱物のなかに私たちにとって役に立つ金属の鉱石があるわけです。

選鉱

金属をとりだすには、まず鉱石を掘り出しわけですが掘り出した鉱石を、すぐ製練するのではなくそのまえによい鉱石と必要でない物とに選び分けます。

これを選鉱といいます。

選鉱には、鉱物の重さの違いを利用する方法、磁力を利用する方法必要な鉱物だけを、水銀と化合させてアマルガムにする方法などいろいろな方法があります。

たとえば、砂金の選鉱では、おもに流れる水の中で比重の違いを利用して選別する比重選鉱法が使われます。

また砂鉄は、砂金と同じ方法でも選鉱されますが磁石を使って砂鉄を選別する方法も使われます。

これを磁力選鉱法といいます。

また、銅の選鉱には、比重選鉱・浮遊選鉱などの方法が使われています。



鉱石の分析

鉱石にどのような鉱物がふくまれているかを調べる方法はいろいろありますが
鉱物試料を熱して変化を調べる方法として、開管分析と閉管分析とがあります。

開菅分析

内径が7~8ミリ、長さが8~10センチぐらいの良質の硬質ガラス管をよく洗い
右の写真のように、いっぽうのはしを、はしから約3センチのところで折り曲げます。

この曲がったところに試料を入れ、空気の通りをよくしておいてゆっくり熱すると、試料は酸化をうけます。

このとき、試料の色のかわり方、水分やガスの出方昇華物があるかどうかなどを調べます。

この結果から、この試料にどのような成分がふくまれているかをおおよそ知ることができますがよく注意しないと試料が酸化されないで揮発して出てしまうことがあります。

閉管分析

閉管分析は、開管分析より確かな方法です。
開管分析に使った硬質ガラス管と同じ大きさのものを使いそのいっぽうのはしを、細くして封じこんだものを使います。

この中に試料を入れ、管の底をゆっくり熱します。

そして、開管分析のときと同じように試料の色のかわり方、水分ので方と酸性・塩基性、ガスので方と性質、昇華物があるかどうかなどを調べます。

この結果から、試料にふくまれている成分が、だいたいわかります。



合金とは? 合金にするわけとは? わかりやすく解説!

いろいろな合金

2種以上の金属を溶かし合わせたものを、合金といいます。
合金のなかには、炭素・ケイ素などの非金属をふくむものもあります。


合金をつくっている金属の状態は、いろいろあって固溶体・共融混合物・化合物およびこれらのまざりあったものの4つに分けられます。

固溶体は、合金のどの部分も均一な物質になっているものです。
共融混合物は、合金をつくっている各金属がそれぞれ、同じ温度で溶けるような状態になっている合金です。

たとえば、銅と二ッケルの場合や、金と白金の場合などはどんな割合でまぜても、溶けると均一な合金になります。

また、アルミニウムと銅の場合や、銅とスズの場合などはまざる割合により、固溶体になったり、共融混合物になったり、化合物になったりします。

いろいろな金属の合金については、その金属の性質を調べるときにいっしょにくわしく調べることにします。

合金にするわけ

これまで調べてきたように、合金をつくる金属の溶けあっている状態にはいろいろあって合金の性質は、その状態によって、いろいろと違ってきます。

したがって、いろいろな金属を適当な割合にまぜて合金をつくると合金にするまえの金属とは、違った性質をもった物ができます。

そして、そのうちの都合のよい性質の物を選ぶことができます。
たとえば、溶ける温度の低い合金・硬い合金・軽い合金・鋳物にしやすい合金などができます。

このように、合金にすると、利用に適した性質をもった物ができるので金属をそのまま使うよりも便利なのです。

私たちがよく見かけるる合金にはハンダ・ヒユーズ・ジュラルミンなどがあります。



トタンとブリキとは? わかりやすく解説!

鉄板に、ほかの金属をめっきして、うすい膜をつけ鉄板をさびにくくしたものにトタンとブリキがあります。


トタンは、鉄板の表面にうすい亜鉛の膜をはったものです。
ふつうは、鉄板を塩酸か硫酸で洗って、酸化物を取り除きこれを水で洗ってかわかし、熱して溶かした亜鉛の中に浸してつくります。

このほか、電気めっきでつくる方法もあります。
トタンは、屋根板やいろいろな器物をつくるのに用いられます。

しかし、酸や塩基には非常に弱いので、缶詰用の缶には利用できません。

ブリキは、鉄板の表面にうすいスズの膜をはったものです。
やはり、きれいにした鉄板を、熱してとかしたスズの中に浸し表面にスズの膜がついたら、引きだして、煮たたせた油の中に入れ余分なスズを流し落としてつくったものです。

ブリキはふつう、缶詰用の缶や石油缶に使われていて、トタンよりつやがあります。

トタンの場合は、鉄板のさびは、つぎのようにしてふせぐことができます。

亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいので空気中では鉄よりもはやくさびて白色の塩基性炭酸亜鉛となりますがこのさびは、かえって内部を保護します。

また、トタン板に傷がつき、内部の鉄があらわれてその部分に水がついても亜鉛のほうがイオン化傾向が大きいためにまわりの亜鉛がおかされ、亜鉛のある間は、鉄はおかされません。

ブリキの場合は、スズのほうが、鉄よりもイオン化傾向が小さいので非常にさびにくく、そのために鉄板が保護されているのです。

ところが、ブリキに一度傷がついて、鉄があらわれると鉄のほうがイオン化傾向が大きいためスズよりも先にさびてその結果、このさびが内部にどんどん広がっていきます。



メッキをするわけとは? めっきの種類と方法とは?

めっきをするわけ

めっきは、ある物質に金属のうすい膜をつけることで、その膜の厚さは、ふつう0.01センチ以下です。


めっきをするのは、つぎのような2つの理由からです。
その1つは、金属がさびつくのをふせぐためでその金属よりさびにくい金属をめっきして、内部を保護するのです。

もう1つは、美しく見せるためにするめっきです。
めっきする金属としては、金・銀・クロムなどが使われます。

電気めっき

電解質の溶液の中に、2つの電極を入れ、これに電流を通すと陽極と陰極とで、分解がおこります。

これが電気分解で、これを利用したものが電気めっきです。
電気めっきでは、めっきされる金属を陰極としめっきする金属をふくむ塩をめっき液とする場合とやはり、陰極にめっきされる金属を使い陽極にめっきする金属を使う場合とがあります。

このようにして、両極に電流を通じると、めっきする金属は陽イオンとなって
陰極となっている金属に引きよせられ、その表面について析出するのです。

このように、金属が電気分解によって析出して陰極の物質にくっつくことを、電着といいます。

電気めっきをするときは、まず生地の金属(めっきされる金属)の表面をよくみがき熱した塩基の溶液でよく洗って、油を除いたり、酸で洗って酸化物などを除いたりしてから、きれいな水で洗います。

このようにした金属を、陰極としてめっき液の中に入れるのです。

生地とめっきする金属とが、なじみにくく、めっきがよくかからないときには先に生地とめっきする金属の両方になじみやすい別の金属を、めっきしておいてから目的とする金属をめっきします。

この中間に使う金属としては、銅や黄銅などが、よく使われます。
たとえば、亜鉛に二ッケルめっきをするときはまず亜鉛に銅めっきをかけ、つぎに二ッケルめっきをします。

電気めっきには、金めっき・銀めっき・銅めっき・二ッケルめっき・クロムめっきなどがあります。


金めっき

塩化金の溶液と、シアン化カリウム溶液をまぜるとシアン化金カリウム溶液ができます。

この溶液をめっき液とし純金を陽極として、めっきします。

金めっきは、装飾品など、表面を美しく見せるためにほどこされます。

銀めっき

銀めっきには、いろいろな方法があります。

その1つとして使われている方法は、シアン化銀・シアン化カリウム・炭酸カリウムをまぜてめっき液とし、陽極に純銀を使います。

銀めっきは、装飾品・食器などにほどこされます。

銅めっき

銅めっきはたいてい鉄や亜鉛にほかの金属をめっきするときに中間めっきとしてほどこされます。

方法にはいろいろありますが、その1つは硫酸をふくむ硫酸銅溶液をめっき液とし純銅を陽極として電気を通じると陰極にした金属に銅が電着し、めっきされます。

ニッケルめっき

硫酸二ッケル・塩化アソモニウム・ホウ酸の溶液をめっき液とし二ッケルを陽極にして、電流を通じます。

ニッケルめっきは、さびどめや、装飾の目的でほどこされます。
またクロムめっきをするための中間めっきにもされます。

クロムめっき

無水グロム酸と硫酸をめっき液とし、鉛を陽極にしておこないます。

クロムめっきは、装飾をかねて、すり減らないようにするためにかけられるもの自動車・自転車などの部品のほか、機械部品々計器などにほどこされます。



金属の種類とは? 金属とさびの関係とは?錆の防ぎ方とは!

重金属と軽金属

比重が四より小さい金属を軽金属といい、比重が四より大きい金属を重金属といいます。

軽金属のうちでも、とくに比重が小さいものとしてはリチウム(0.534)・カリウム(0.86)・ナトリウム(0.97)などがあります。


また、カルシウム(1.54)・マグネシウム(1.74)・アルミニウム(2.69)なども軽金属です。

重金属のうち、とくに比重が大きいものとしてオスミウム (22.5)・イリジウム(22.5)・白金(21.37)・レニウム(21.2)・タングステン(19.1)・金(19.3)などがあります。

また、銅(8.93)・銀(10.5)・亜鉛(7.12)・カドミウム(8.64)・水銀(13.55)なども重金属にはいります。(かっこ内は比重)

貴金属

貴金属とは、金・銀や白金族金属(白金・イリジウムでオスミウム・パラジウムなど)のような金属をさします。

貴金属は、空気中で熱しても酸化されません。
また、化学変化をうけず、きわめて美しい金属のつやと色とをもっています。

また、貴金属は世界中どこでも、非常に産出量が少なくしたがって、値段も高くなります。
貴金属にたいして、貴金属以外の金属を卑金属といって区別することがあります。

さびのでき方

鉄・銅・アルミニウムなどの金属は、空気中の酸素や水分のはたらきをうけて
表面に、その金属の酸化物や水酸化物などの膜ができます。

この膜をさびといいます。

さびのでき方は、その金属によって多少違います。
それぞれの金属のさびについては、そこ金属の性質を調べる時にいっしょにくわしく調べます。



さびの利用

金属のさびは、悪いもののように思われていますがさびでも使い方によっては、役に立つものがあります。

たとえば、鉄を空気中で熱すると、表面に黒いさびができます。
これは、黒さびとよばれるもので、黒色の四三酸化鉄です。

四三酸化鉄は、うすい酸に溶けにくく、また塩素のような激しい反応性をもった気体とも反応しにくい性質があります。

したがって、あらかじめ黒さびをつくっておくとそれ以上鉄がさびるのを防ぐことができます。

いっぽう、鉄の赤さびにふくまれている酸化第二鉄はベンガラとよばれ顔料(白または色のついた細かい粉で、水や油に溶けずペンキや絵具の原科になる)として使われたり、宝石をみがくために使われます。

また、銅の緑色のさびは、ロクショウといわれて有毒なものですが緑色顔料の一種として利用されています。

さびの防ぎ方

金属のさびは空気中や水中などで金属の表面が変化して酸化物や水酸化物・炭酸化物などが膜になってできたものです。

したがって、これをふせぐためには、さびのできるもとをなくせばよいわけです。
つまり、金属の表面を空気や水や酸などに、直接触れないようにすればよいのです。

そのためには、金属の表面にほかの物質の膜をはるのがよい方法です。
たとえば、メッキをしたり、塗料をぬったり、油類をぬったりして、さびを防いでいます。

また、ホウロウびきの器具も、鉄の下地にうわぐすりをつけたものでさびを防ぐのに役立っています。

さらに、金属の表面に、まえに調べたようにあらかじめ、さびをふせぐためのさびをつくっておくのもよい方法です。

このように大がかりな方法でなくとも金属の表面から湿気をよくふきとっておいたり、油紙につつんで湿気をふせいだりするだけでもある程度さびをふせぐことができます。



金属の展性・延性と磁性とは? わかりやすく解説!

展性と延性

金属のかたさが小さい場合、この金属を強くたたいたり大きな圧力をくわえたりすると、だんだんうすくなって広がります。


金属のこのような性質を展性といい、うすく広がったものを金属箔といいます。

金・銀・スズなどは、金属のなかでもとくに展性が大きく金は厚さ1万分の1ミリまでの厚さにたたきのばすことができます。

同じように、かたさの小さい金属は、引きのばして細いはりがね状にすることができます。

金属のこのような性質を、延性といいます。

銅・銀・金・白金などは、とくに延性の大きい金属で白金は直代が1万分の1ミリという細いはりがねにすることができます。

金属の展性や延性は、そのときの温度などの条件によってかわります。

金属の磁性

磁石のもっているような性質を磁性といいますが金属のもっている磁性は、つぎの3つに分けることができます。

1つは、その金属が磁界の方向に引きよせられる性質で、これを常磁性といいます。

もう1つは、磁界からおしだされる性質で、反磁性といわれます。

常磁性の金属も、反磁性の金属も磁界の中では磁性をしめしますが磁界からとりのぞくと、磁性は消えます。

あとの1つは、常磁性のさらに強い場合で磁界の中におくと強い磁性をおびて磁界からとりだしても磁性が残っている性質で、強磁性といわれます。

常磁性の金属には白金・アルミニウムなどがあり反磁性の金属には金・ビスマス・アンチモンなどがあります。

また、強磁性の金属には、鉄・二ッケル・コバルトなどがあります。


金属と酸・塩基

金属と酸を作用させると、塩ができます。
また、金属と塩基が作用すると、ふつう水酸化物ができますがこれは水に溶けにくく水和酸化物といわれる形になっています。

イオン化傾向

金属は、ふつう、その金属を電解質溶液につけておくとイオンになって、溶液中に溶けこむ性質があります。

これを金属のイオン化傾向といいます。
イオン化傾向は、金属の種類によって違います。

たとえば、鉄と銅のイオン化傾向をくらべると鉄つのほうが大きいのです。
それで銅イオンをふくむ溶液中に鉄を入れると鉄がイオンになり逆に銅イオンは鉄がだした電子を受け取って、銅原子となって析出します。

実際に、よくみがいた鉄のくぎを硫酸銅溶液中につるすと銅が析出して、くぎの表面につくのが見られます。

また、イオン化列で水素よりイオン化傾向の大きい金属はうすい酸を作用すると、溶けて水素を発生します。

たとえば、亜鉛を希硫酸に入れると、水素を発生して溶けます。

ふつう、酸化と還元とは、電子のやりとりであらわします。
したがって、イオン化傾向の大きい金属は電子をだしやすいので酸化されやすい金属といえます。

これを別ないい方であらわせば、還元する力の強い金属であるともいえるわけです。



金属の融点と重さ・かたちとは? わかりやすく解説!

金属の融点

金属は、ある決まった圧力のもとではその金属に特有な温度で溶けて、液状になります。

この温度を、その金属の融点といいます。融点は、金属の種類によって、高さが違います。


このうち周期律表のIa族は、アルカリ金属とよばれ原子の大きさもわりあいに大きく原子どうしのむすびつきが弱いので融点が低いという特徴があります。

またIb族の銅族などのように原子の小さい金属は原子どうしのむすびつきが強く、融点はわりあいに高くなります。

水銀は例外で原子の大きさが小さいわりに、融点が低く零下38.8℃です。

このように金属の融点は、その金属の原子の大きさと深いつながりがあります。

金属の重さ

金属には、わりあいに軽いものと非常に重いものとがあります。
重さのあらわし方には、いろいろな方法かありますがふつうは比重であらわします。

比重四を基準にして、それ以下の軽い金属を軽金属それ以上の重い金属を重金属とよんでいます。

金属のなかで、もっとも比重の大きいものは22.5のオスミウムでもっとも小さいものは、0.534のリチウムです。

軽金属のなかで重要なものにはアルミニウム・ナトリウム・マグネシウムなどがあります。

いっぽう重金属は、軽金属にくらべてその数も多く鉄・銅・金・銀をはじめ、重要なものがたくさんあります。


金属のかたさ

金属のかたさも、金属の種類によって、いろいろと違います。

金属のかたさをあらわす方法には、いろいろありますがそのどれも、なにか基準になるものを含めてそれにくらべた値であらわしています。

いっぱんに.ナトリウム・カリウムなど、アルカリ金属には柔らかいものが多く鉄・コバルト・ニッケルなどの周期律表のⅧ族の元素にはかたいものが多くなっています。

また、タングステンをふくむ合金には非常にかたいものが、たくさんあります。

金属の色とつや

金属には、その金属に特有のつやがあってこれを金属のつや(金属光沢)といいます。

金属のつやは、金属が光を反射するためにあらわれるもので金属の表面の、反射する力が大きければ大きいほど、強く輝いたつやがみられます。

いっぽう、金属はその種類によって反射のしかたが違うのでそれぞれ特有の色が見られます。

たいていの金属は、白っぽい色に見えますがその光り方は種類によって、いくらか感じが違っています。

色がついている金属は、金・銅ぐらいでこれらを着色金属、白っぽい金属を白色金属といって区別することもあります。

金属は光を通しませんが、うすい箔にして、ふつうの光を通すと多くの金属は、灰色がかった茶色に見えます。

また、着色金属は反射する色と通り抜ける色とが補色の関係になります。
たとえば、金の箔では反射する光は金色ですが通り抜ける色は、青緑色に見えます。



金属と非金属とは? 金属の結晶のつくりとは?

私たもの身のまわりを見まわすと、金属が生活に獲得のできない物であることがよくわかります。

汽車・電車・自動車・飛行機などの交通機関、ビルの鉄骨、いろいろな台所用品や電化製品など金属はいたるところに使われています。

ここでは、金属の性質や特徴について、くわしく調べてみましょう。


金属の非金属

100種類以上もある元素を大きく分けると金属元素と非金属元素元素とになります。
周期律表で左下の元素が主に金属元素で右上の元素がおもに非金属元素です。

金属は、ふっうつぎのような共通した性質をもっています。

① 金属光沢とよばれる、金属に特有なつやがある。
② 電気をよく伝える。
③ 熱をよく伝える。
④ 強度が大きく、まげても折れにくい。
また、展性(うすく広がる性質)・延性(細くのびる性質)も大きい。

⑤ 低い温度ではなかなか溶けず常温度では固体となっている。

もちろん、これには例外もあります。
また、金属元素と非金属元素とをくらべてみると金属元素の原子は大きくて、陽イオンになりやすく、またこの陽イオンは水酸イオンとむすびついて水酸化物になりやすい性質をもっています。

これにたいして非金属元素の原子は小さく、陰イオンになりやすい性質をもっています。


金属の結晶のつくり

金属の原子は、きれいにならんで、結晶をつくっています。
この結晶のつくりかたには、図のように、3つの種類かおりますがふつう、金属はこの結晶のどれかがたくさん集まって形づくられているのです。

ところがどの場合にも、格子状にきちんとならんでいるのはそれをつくっている金属の陽イオンだけなのです。

原子は原子核とそれをとりまいている電子とからできていますが陽イオンは、この原子からいくつかの電子(原子価を決める電子)が飛出してなくなったものです。

つまり金属の結晶の中では、この陽イオンだけが集まって格子状にならび飛出した電子がそれら陽イオンの隙間を自由に動き回っていると考えられているのです。

この電子を自由電子といいます。

陽イオンどうしが集まって、どうしてお互いに反発しあわないでくっついているのかというと、自由電子のためにそれらが固く集められているからなのです。

このような金属原子どうしのむすびつき方を、金属結合といいます。

金属のいろいろな特徴はみなこのような原子の結合の仕方にもとづくものだと説明されています。

たとえば、金属がよく電気を伝えるのは金属に電圧をかけたときその電圧におされて、自由電子が流れ、電流となるためです。

また、熱をよく伝えるのも、金属を熱したときにこの自由電子が動くからだと考えられるのです。



モバイルバージョンを終了