金属は、そのままの形でとれることはほとんどなくいろいろな物と化合した状態でとりだされます。
そのため、金属を取り出すには、いろいろな物と金属を分けたり不純な金属を純粋なものにしたりしなければなりません。
ここでは、金属のとりだし方について、調べてみましょう。
鉱石
鉱物が集まっていて、それを掘り出して製練した場合、採算がとれる物ならば、その鉱物の集まりを鉱石といいます。
したがって鉱物が集まっていてもそれを掘り出して製練するとそんになるような場合はその鉱物の集まりは鉱石とはいえないわけです。
つまり、金属の鉱物のなかに私たちにとって役に立つ金属の鉱石があるわけです。
選鉱
金属をとりだすには、まず鉱石を掘り出しわけですが掘り出した鉱石を、すぐ製練するのではなくそのまえによい鉱石と必要でない物とに選び分けます。
これを選鉱といいます。
選鉱には、鉱物の重さの違いを利用する方法、磁力を利用する方法必要な鉱物だけを、水銀と化合させてアマルガムにする方法などいろいろな方法があります。
たとえば、砂金の選鉱では、おもに流れる水の中で比重の違いを利用して選別する比重選鉱法が使われます。
また砂鉄は、砂金と同じ方法でも選鉱されますが磁石を使って砂鉄を選別する方法も使われます。
これを磁力選鉱法といいます。
また、銅の選鉱には、比重選鉱・浮遊選鉱などの方法が使われています。
鉱石の分析
鉱石にどのような鉱物がふくまれているかを調べる方法はいろいろありますが
鉱物試料を熱して変化を調べる方法として、開管分析と閉管分析とがあります。
開菅分析
内径が7~8ミリ、長さが8~10センチぐらいの良質の硬質ガラス管をよく洗い
右の写真のように、いっぽうのはしを、はしから約3センチのところで折り曲げます。
この曲がったところに試料を入れ、空気の通りをよくしておいてゆっくり熱すると、試料は酸化をうけます。
このとき、試料の色のかわり方、水分やガスの出方昇華物があるかどうかなどを調べます。
この結果から、この試料にどのような成分がふくまれているかをおおよそ知ることができますがよく注意しないと試料が酸化されないで揮発して出てしまうことがあります。
閉管分析
閉管分析は、開管分析より確かな方法です。
開管分析に使った硬質ガラス管と同じ大きさのものを使いそのいっぽうのはしを、細くして封じこんだものを使います。
この中に試料を入れ、管の底をゆっくり熱します。
そして、開管分析のときと同じように試料の色のかわり方、水分ので方と酸性・塩基性、ガスので方と性質、昇華物があるかどうかなどを調べます。
この結果から、試料にふくまれている成分が、だいたいわかります。