星座の動きとは? 恒星と惑星の見分け方とは?

一年間の星座の動き

毎日、たとえば午後8時と時刻を決めて星空をながめると見える星空は、季節によって、だんだんとかわります。


春に見えていた、獅子座・乙女座の星が、夏には西空に沈み、天の川を中央にさそり・座・いて座や、七夕の星がならびます。

秋の星座はペガスス座・うお座・やぎ座など、数は少なくなりますが冬には、オリオン座・おうし座・おおいぬ座・こいぬ座などたくさんの星座がならびます。

これは、地球の公転運動と関係があります。

昼間、星が見えないのは、太陽の強い光に消されてしまうからで星そのものが消えてしまうのではありません。

金星がいちばん明るいときには、昼間でも見えることがあります。

ところで、太陽と同じ方向にある星座は昼間は太陽の星で見えませんし日の出まえ、日の入り後も、太陽とともに地平線より下にあるので見えません。

太陽が沈み、空が暗くなると、太陽の東側(左)に続く星空が夕方に見える星座として輝くのです。

ところが、太陽と同じ方向に見えるのは、年中同じ星座ではありません。
地球は、太陽のまわりを軌道を描いて、西から東へ公転しています。

動いている地球上からながめると、太陽は、黄道上の星座のあいだを西から東へ、少しずつ動いて見えます。

太陽は、1年かかって黄道上を360度、つまり、ひとまわりするので、1日では約1度、東にうつるわけになります。

こうして星座は、太陽にたいして、1日に1度ずつずれていきます。

私たちの使っている時間は、太陽が地平線から出入りする時刻をもとにして決めたものです。

この時間ではかると、同じ星の出入りの時刻は、毎日4分ずつ早くなります。

こうして、3か月つまり、一季節がすぎると、太陽は黄道上を90度東へうつり同時に、夕方見える星座も、東のほうへ90度うつります。

季節によって違った星座が見られ1年で一回りするのです。



恒星と惑星

星座をつくっている星を、恒星といいます。
夜空には、このほか太陽系の中の地球の兄弟星である、惑星も輝いています。

惑星を、毎日続けて観察していると、惑星は星座のあいだをぬって、ぐんぐんと動いていることがわかります。

星を研究するには、恒星と惑星を見分けることが大切です。

恒星と惑星の見分け方

① 恒星はまたたきますが、惑星はまたたきません。

天体の光は、私たちの目に届くまえに、地球をとりまく空気の層を通り抜けてきます。

この空気の層は、風とか対流とかで、いつもゆらゆらと動いています。
恒星は、見かけの大きさが小さく、その細い光はこの層によってみだされて、途中で千切れてしまい、ちかちか、またたくのです。

けれども、惑星は、その光も太い束で、少しぐらいみだされても全体としては、またたきません。

春の野に見えるかげろうの向こうにある山のように大きいものの姿は、あまりちらつきませんが、細いたち木などが、ゆらゆらと形がゆれて見えるのと同じことです。

② 望遠鏡で見て、まるい形が見えれば惑星で恒星は、どんなに大きく見える望遠鏡でも、点にしか見えません。

③ だいたい、惑星の主なものは、明るく見えます。

金星・火星・木星・土星は、どれも、ふつうの星よりはるかに明るいので目につきやすく、夕方「いちばん星見つけた」と歌われるのは惑星の場合が多いのです。

このようにして、見つけた明るい星で、星図にのっていないものは必ず惑星です。

惑星の位置は天体暦や天文年鑑を見ればのっていますからこれで調べておけば、間違いありません。

また、惑星は、太陽の通り道である、黄道の近くを動いています。
そのため、惑星が飛んでもない方角にあらわれることはありません。




恒星の位置の表し方とは? 周極星と出没星とは?

恒星の位置のあらわしかた

地球をとりまく空間を1つの大きな天球と考え地球から遠い星も近い星も距離を考えないで、右下の図のように、すべての星が天球上にくっついているものと考えます。

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そして、この天球上に地球と同じように緯度・経度に相当するものを決めておきます。


北の空を見るとわかるように北極星を中心にしてそのまわりのすべての恒星が、まわっています。
ごれは、地球が自転しているために起こる現象です。

そこで、わかりやすく便利なように地球の自転軸が天球とまじわる点を天の北極としそれと反対側の点を天の南極とします。

さらに、地球の赤道を天球上に延長したものを天の赤道とします。

ここで、天球上の天の赤道を0度とし、天の北極をプラス90度、天の南極をマイナス90度とします。

これは地球上の緯度に相当するもので、赤緯といいます。
また天球上の春分点を0度とし、その点から東まわりに一周を24時としたものを赤経といい、これは経度に相当するものです。

このように、天球を赤経・赤緯であらわしたものを天球座標といいます。

たとえば、シリウスを天球座標であらわすと赤経6時42.9九分、赤緯マイナス16度39分となります。

日周運動の起こるわけ

日周運動に、なぜ起こるのでしょうか。

いままでは、ずっと星空がまわるとかいてきましたし大昔の人も、そのように考えていたのです。

ところが16世紀に、コペルニクスという天文学者があらわれ本当に、星座が動くのではなく、地球が西から東へと自転するためであることを発見しました。

汽車に乗って窓から外を見ていると止まっているはずの外の景色が、後へ後へとと、飛んでいくように見えます。

これと同じように、止まっているはずの星が、東から西へ動くように見えるのです。

天の北極というのは、実はこの地球の自転軸をずっと伸ばし天球に突き当たったところなのです。



周極星と出没星

北極星や北斗七星のように、天の北極の近くにある星は、日周運動をしても
地平線の下に沈むことはありません。

このような星を、周極星といいます。
これにたいして、毎日、東の地平線から昇り西の地平線に沈む星を出没星といいます。

星空の回転の中心は、天の北極と正反対の方向にもう1つあり、これを天の南極といいます。
しかし、天の南極に、日本では、地平線の下にあたるので見えませんし天の南極近くにある南十字星や、マゼラン雲も、日本では見えません。

北極の空・赤道の空・南極の空

北極にいくと、天の北極は頭の真上にあり星はみな、このまわりを右から左へと地平線に平行に動きます。
北極地方では、夜空の星はどれも周極星で、出没星はありません。

また天球の南半分(南天)の星はひとつも見えません。
北極地方の1年は半年が夜ばかりの冬です。

この冬のあいだ天球の北半分(北天)のすべての星が水平に日周運動を繰り返すのがながめられます。

赤道地方では、地軸は水平になり、天の北極は北の地平線、天の南極は南の地平線になります。
空に見えるすべての星は出没星で、東の地平線から垂直に昇り西の地平線に垂直に沈みます。

赤道を越えて、南半球の地方に入ると天の北極は地平線の下に沈み、反対に天の南極が南の地平線の上にあがってきます。

南極地方にいくと天の南極は頭の真上にきます。
北極が半年のあいだ昼ばかりの夏のとき、ここでは、夜ばかりの冬です。

この半年のあいだは南天の星が、こんどは左から右へと日周運動を繰り返すのが見られます。

しかし、北天の星は、ひとつも見ることができません。




星空の動きとは? 星空の動きの観察の仕方とは? わかりやすく解説!

毎日の動き

太陽は、毎日、朝になると東から昇り、夕方は西に沈みます。

月も、出入りの時刻は、毎日だんだんと遅くずれていきますがやはり、毎日東から出て、西に沈む動きを繰り返しています。

夜空の星に、たくさんあるので、なかなか太陽や月のように、はっきりと動きがわかりません。

しかし、毎日、同じような動きをしめしています。


観察

地平線に近いところに、明るい星が見えるときがよいのですがこの星が遠くにある高い木のこずえ、あるいは工場の高い煙突の先に見える場所を探します。

この場所に、チョークで、はっきり印をつけておきます。
そして、このときの時刻を時計ではかります。

1時間経ったら、またこの印の場所にもどり、さっきの星を見てみましょう。
これほど動いたかは、腕をまっすぐ伸ばし親指だけを立てて指の大きさの何倍あったかを目測すると、はっきりわかります。

そして、またつぎに1時間経ったときに、同じ場所にもどって観測します。
この観察を、あくる夜もやってみましょう。

はじめに見た同じ時刻に、同じ場所に立ってみると前日の星は、同じようにに、木のこずえ(煙突の先)に輝いています。

そして前日と同じ動きをしめします。
左の絵のように、ノートに記録して観察すると、さらによくわかります。

このようにして調べてみると、南のほうに見える星は、ゆっくりと大きな円を描いて左から右(東から西)へと動くことがわかります。
北のほうの星は、小さな円の上を、右から左へと動しています。

空の星は、まる1日かかると、そらを一回りして、おなじところにもどてきます。
太陽や月と同じように、1日1回、東から西に向かって空をまわっているのです。

これを天体の日周運動といいます。

天の北極

この動きを、もっとくわしく観察しましょう。カメラを使うとはっきりわかります。

カメラは正しく北に向け、分度器などを使って、地平線から35度くらい上に向けて動かないようにしっかり止め、シャッターを開いておきます。

そして、30分、あるいは1時間と時間を決め、開いたままにしておきます。
できあがった写真には、いくつもの星が、大小さまざまの円か描いています。

日周運動によってまわる星の動きが、きれいにフィルムの上に記録されたのです。

星の描く円の中心は日周運動の回転の中心で、これを天の北極といいます。

北後星に、天の北極のすくそばにある星で、ほかの星と同じように円を描いてまわっています。

この円の半径は、角度でいえば約1度で、満月を2つならべたほどの大きさです。



日周運動で星座の形はかわらない

北の空にある北斗七星は、7個の星がちょうどひしゃく形に並んでいることでよく知られています。
春のはじめ(3月ごろ)には、夕方、北斗七星はますを上にして北東の空に昇ってきます。

真夜中になると、こんどは北の空高く、ますの口を下にして横になります。
明け方には、北西の空に、えを上にして逆立ちをします。

このように、時間が経つにつれて、北斗七星の見える方向や、姿勢がかわりますがひしゃくの形が崩れるということはありません。

また、夏に見えるさそり座の大きなSの字形、あるいは冬のオリオン座にある3つ星もやはりいつまでもSの字、あるいは一直線の3つ星で、形はかわりません。

これは、大きな空のまる天井に、たくさんの星をはりつけてまる天井全体が、1本の軸のまわりをまわると考えればよいのです。

まる天井の回転と北斗七星の動きは、地球が自転しているために起こる見かけの運動なのです。




星座の起こり、起源とは? わかりやすく解説!

夜空には、たくさんの星が輝いています。

どの星もぴかりと光る、小さい光の点に見えますが明るい星、暗い星、赤い星、青白い星などさまざまでまたその並びかたも、とくに、規則正しくなっているわけではありません。


ただ、ぼんやりと星空を眺めているだけではそれがなんの星か、なかなか見分けがつかないものです。

そこで、星を区別し覚えやすいようにいくつかの星をまとめて星座というものが考えだされました。

世界で古くから文化がひらけたのはアジア西部のチグリス川・ユーフラテス川流域、エジプトのナイル川流域、インドのインダス川・ガンジス川流域、中国の黄河流域の4地方です。

これらの地方では、いずれも大きな川の下流にある平野を中心にして人々はよく肥えた土地と豊かな川の水を利用して、農業にはげんで生活していたのです。

昔の人にとって、穀物の種は、いつまいたらよいかまた、いつとり入れをするかを決めることは、なかなか難しいことでした。

このためには、さまざまな方法で、「暦」というものが決められました。

これには、月の満ち欠けとか、星空の動きなど規則正しく起こるできごとが利用され、そして、かなり古くからはじめられていました。

私たちが、いま使っている星座は、いまから数千年まえチグリス川・ユーフラテス川地方にいた羊飼いたちによってはじめられたといわれます。

羊飼いたちは、夜ごとの羊の番に、空を見上げ明るい星をつないでつくった図形に、家畜や家具の姿をなぞらえました。

そしてまた、惑星の動きをもとにした星占いで、自分の未来を占いました。

惑星の通り道である、黄道付近には、12個の星座が定められ暗い星の配置も、くわしく観察していました。

バビロニア人の星の知識は、のちにこの地方に王国を築いたカルデア人の手に受け継がれました。

バビロニアでは、日食・月食・彗星のあらわれ惑星の動きなどの天体の様子をもとに、星占いで予言しました。

そして、この予言は、国の政治に取り入れられるようになり王国には多くの星占いをする人が雇われて、天体観測をしました。

いま、この地方で発掘されている、くさび形文字を刻んだ粘土板にはそのころの観測記録で星占いの予言が書いてあります。

紀元前7世紀には36個の星座ができ、獅子・乙女などいま使われているものもあらわれています。



バビロニアの天文学は、ほかの文化と同じように貿易を仕事としたフェニキア人の手でギリシアに伝えられました。

バビロニア人が星の描く図形にあてはめた人物もギリシア神話に出てくるかみや英雄にかわっています。

またギリシア人の使う器具にかたどった星座もあります。

ギリシア時代のおわりごろ、アレキサンドリアの天文学者ブトレマイオスはこれを48個の星座にまとめました。

大熊・小熊・オリオン・ヘラクレス・ペルセウス・アンドロメダなど私たちの使う星座の大部分に、このギリシア時代のものを、そのままに取り入れています。

近世に入り15世紀末になると、ヨーロッパから南アフリカをまわるインド航路アメリカ大陸の発見といったように、遠洋航海が発達しました。

それまでは、岸づたいに地図を頼りにに船をすすめましが大洋に乗り出すようになってからは、星空に頼って方角を決めていました。

こうして、航海術がすすむとともに、天文学も発達しました。
いままでヨーロッパ人の知らなかった南半球に船をすすめ新しい星があることを発見しました。

17世紀に、バイエルは、南の空に12個の星座を、新しくつくりました。
クジャク・カジキ・トビウオ・カメレオンなど珍しい熱帯動物の名前がつけられています。

また、望遠鏡が発達するにつれて、しだいに暗い星まで観測されるようになりました。
いままでの明るい星座のあいだの部分にも、小さい新しい星座が、つくられました。

ヘベリウスはキリン・トカゲ、猟犬などと動物の名をラカイユは望遠鏡・顕微鏡・時計・ポンプなどと器械の名をそのほかたくさんの天文学者が、めいめい勝手な星座をつくりました。

このため、同じ星座が、人によって違った名前で、よばれることがありました。

そこで、1922年、天文学の国際会議で、全天を線で区切りたくさんの星座を88個の星座(黄道星座12・北天星座28・南天星座48)に正式に整理されました。

これが、いま世界中で、広く使われている星座です。

星の名前

星座は、星の描く図形に、物の姿をあてはめたもので、星を覚えるのに、なによりの手がかりになります。

また日本全体をたくさんの県にわけたように、全天を88個にわけた小区分で
天体の見える位置が、どの方向かをしめすのに役立ちます。

星の名前も、この星座を使ってよばれることがあります。

とくに明るい星は、昔から多くの人に見られシリウス・アンタレス・ペガ・アルタイルなどという名前でよばれています。

それもギリシア・ローマ時代や、イスラム教がさかえた時代につけられた名前が、そのままに使われています。

これは、長い天文学の歴史をしめしているのです。

いちばんふつうに使われるのは、1つの星座の中で明るいほうからアルファ・べータ・ガンマ……とギリシア文字のアルファベットを使ってしめす方法です。

たとえばシリウスはおおいぬ座アルファ星、アルタイル(けん牛星)は、わし座アルファ星とよばれます。

光をかえる変光星、急に明るさがます新星も、その星の見える星座によって名前をつけます。

星団・星雲も、有名なものは、オリオン星雲・ヘルクレス星団などと星座名でよばれることがあります。




潮の満ち干とは? 干潮・満潮とは? 潮汐摩擦とは?

干潮と満潮

海岸で、海面の高さに気をつけて見ると海面は1日に2回、高くなったり、低くなったりします。
この様子は、ところによってかなり違い、あまり目立たないところもあります。

低くなるときには海水がずっと沖のほうにひいてしまい、広い砂浜(干潟)があらわれます。

海面の高さが高くなることを満潮、低くなることを干潮といいます。
また、潮がみちる、潮がひくともいいます。

この潮の満ち干を月や太陽の引力で起こると説明したのはニュートンです。


月と潮の満ち干

月と地球のあいだには、引力がはたらいて、互いに引っ張り合いながら運動しています。
この引力は、近いところのものほど強いのです。

また、地球は月と地球の共通重心のまわりをまわっています。

この地球の回転によって生じる遠心力は、地球上どこでも同じ方角で、同じ大きさです。
この遠心力と月の引力の合力が、潮の満ち干を起こす力となっているのです。

したがって、地球の月に向かった部分と、月に反対側の部分の海水が高くなるのです。
地球に1日に1回転自転するので、満潮と干潮がそれぞれ2回あります。

太陽と潮の満ち干

太陽も月と同じように、潮の満ち干を起こしています。

しかし、太陽は大きいけれども、月にくらべてずっと遠くにあるために潮の満ち干を起こす力は、月の半分ぐらいしかありません。

大潮と小潮

地球には、月と太陽の両方の引力がいっしょにはたらいでいます。
ふたつの潮の満ち干を起こす力が重なれば、潮の満ち干は、激しくなります。

新月のころと、満月のころには、月と太陽と地球が一直線に並ぶので潮の満ち干を起こす力が重なり、海面の上がり下がりが激しくなります。

このときを大潮といいます。

また、上弦のときと、下弦ときは、月と太陽との潮の満ち干を起こす力が互いに消し合うので、海面の上がり下がりが小さくなります。

このときを小潮といいます。



潮汐予報

潮の満ち干を起こすおもな原因は、月と太陽の引力ですが実際の地球の海は、大陸や大きな島などのために、非常に複雑な形をしていて、

深さもところによって違います。

このため、まえに述べたように、潮の満ち干は、かんたんに説明できません。
まえの説明では、月が真南にきたときに満潮が起こらなければなりませんが、実際には、そうなってはいません。

しかし、ある決まった地点では、月か真南にきてから何時間あとに満潮になるかはわかります。

また大潮や小潮のときに、海面の高さのかわりかたはどのくらいかということもわかっています。

ですから、ある決まった地点で、いく日か潮の満ち干を観測すればそれをもとにして、海面の高さがどのくらいになるかわかります。

そして、満潮や干潮は、いつ起こるかを予報することができます。

これを潮汐予報といいます。

高潮

潮の満ち干は、月や太陽の引力のほか風や気圧、池水の温度などによっても、起こることがあります。

とくに台風が海から海水を吹き寄せると、海面はとても高くなります。
これが高潮です。

このときには、海岸は水浸しになって、大きな損害を受けることがあります。

1959年9月26日の伊勢湾台風のときにはこの高潮が満潮のときと重なったため、大きな被害をあたえました。

潮汐摩擦

地球は1日に1回ずつ回転していますが、地球上の海水が月や太陽に引っ張られて動き、海底とのあいだに摩擦(これを潮汐摩擦という)を起こすので、地球の回転する速さが、少しずつ遅くなっています。

その割り合いは、100年間に、1日の長さが1000分の1秒くらい短くなる程度です。

月が地球に裏側を見せないわけ

月が地球に引力をおよぼして、月の方向と反対側で海の水がふくれあがるように地球も月に同じような力をおよぼしています。

このため、月の真ん中は、ややふくらんでいます。

月が地球のまわりを公転する周期は約27.32日で月はこの公転とまったく同じ周期で回転しているのでいつも同じ側を地球に向けているのです。




月食とは? 月食が起こるわけと種類とは? わかりやすく解説!

月食の起こるわけ

地球も太陽に照らされているので、その反対側に影ができています。
月食は、太陽と月のあいだに地球がきて、月が地球の影の中に入るために起こります。


月に、太陽の光をうけて光っているのですから、地球の影の中に入って、太陽の光がさえぎられると、暗くなるのです。

また、このときは、月に太陽の反対側にあるので、必ず満月です。

しかし、月の軌道が地球の軌道にたいして少し傾いているので日食と同じように、満月のたびに起こるとはかぎりません。

つぎの表は、1970年代に起こる月食の表です。
日食は地球の上の、ある場所で起こっても、ほかのところでは見えないことがあります。

月食はいちど起これば、月の見えているかぎり、地球上のどんなところからでも見えます。

月食の種類と様子

月が、地球の影の中に全部入るか、一部しか入らないかによって皆既食と部分食の2つにわけられます。

地球の影は、その境がぼやけているので月食は日食と違って、はじまりや終わりの時刻をはっきりと、はかることができません。

しかし、地球は月にくらべて、4倍くらい大きいのでその影も大きく、皆既月食は、長いときには2時間ちかくも続きます。

月食の観察

月食のあいだに、月が暗くなっていく様子や色の変化などを、何分かおきに写生してみましょう。

また、地球の影が、まるく大きいこともわかるでしょう。




皆既食の様子とは? 日食を観測するには? わかりやすく解説!

食の季節

日食は、月や太陽の動きによって起こります。

この月や太陽の動く規則は、天文学者によってよく研究されているのでずっと遠い昔や、これから先に起こる日食の様子を正しく計算することができます。

日食も月食も1年のうち、ある決まった季節に起こりやすいものです。

たとえば日食では、1964年の6月と12月、1965年には、5月と11月に起こっています。

このように、1年のうちに、半年へだてて食の起こりやすい季節があり、これを食の季節といっています。

この食の季節は、毎年少しずつ早くなり1968年には、1月と9月、1971年には、2月と8月、1972年には1月と7月というようにわかっています。

月食も同じように、早くなっています。

日食は、部分食だけしか起こらない場合もいれると食の季節ごとに、1回は起こり、多い年には、5回も起こります。

上の表は、1970年代の金環食と皆既食をしめしたものです。


皆既食の様子

太陽のまるいふちの一部が、月に隠されはじめる瞬間から、日食がはじまります。

それから、太陽はだんだん月に隠されていってしだいに細い三日月形になり、ついに月にすっぽりと隠されて皆既食になります。

この月に隠された太陽のまわりに、真珠色のコロナが見えまた、太陽のふちに赤い炎のようなプロミネンスが見えます。

地上は、ちょうど、満月の夜くらいの明るさになりますが遠くの地平線のあたりは、夜明けのときのように明るく見えます。

この皆既食は長くても、わずか数分間でそれが過ぎると太陽は月のふちから、また姿をあらわしまえとは反対に、三日月形がだんだん大きくなって、もとにもどります。

太陽が完全にまるくなった瞬間が、日食の終わりです。

日食の観測

コロナは、ふつうのときに、太陽があまり明るいので、よく見えません。

したがって、コロナの研究をするには、太陽が完全に隠れる皆既食のあいだに、観測しなければなりません。

また、皆既食は、見える場所が秘奥にかぎられているので皆既食を観測するには、その場所にいかなければなりません。

皆既食の起こる場所では、コロナだけでなくふつうでは観測しにくい月に隠されたときの太陽のふちの部分やコロナからずっと離れた黄道光や、太陽から出てくる電波などの観測もします。

また、日食のはじめや、おわりの時刻を正しくはかることもおこないます。

私たちが日食の観測をするときはラジオなどに正しく合わせた時計を用意しそれで、日食のはじめやおわりの時刻をはかります。

また、あたりの景色や空の明るさの変化も調べて見ましょう。

日食のときの太陽を見る時には太陽が月に完全に隠れているときのほかは目で直接見てはいけません。

必ず、ガラス版にろうそくの炎で、すすをつけたものかフィルムを現像して、まっ黒になったものとかまた、濃い色ガラスを通して見ましょう。




日食とは? 日食の起こるわけと種類とは? わかりやすく解説!

日食の起こるわけ

月が地球と太陽のあいだに入って一直線に並ぶとき地球から見ると太陽は、月の後ろに隠れてしまいます。

これが日食です。


月は太陽の光に照らされていますから、いつも太陽と反対側に、その影をつくっています。
そして、月も地球もたえず動いているので地球の上にいる私たちが、ちょうど、月の影の中に入ることがあります。

そのときは私たちから見ると太陽は月の向こうに隠されて姿が見えなくなります。

言いかえると、日食は、月の影が地球にあたって地球の上にいる私たちが、その影の中に入るために起こるのです。

そして、このとき月は地球から見て必ず太陽と同じ方向にあるので日食の起こるのは必ず新月のときです。

月は、地球のまわりをだいたい1か月でひとまわりするので新月も1か月に1回ずつあります。

それで、日食も1か月に1回ずつ起こるように思われますが月が地球のまわりをまわる道は、少しななめになっているのでふつうのときは、地球から見て太陽の上か下を通り、日食は起こりません。

しかし、地球が太陽のまわりをまわっているあいだにちょうど太陽と月と地球が一直線に並び、月の影が地球にあたることがあります。

地球から入ると、太陽が月に隠されて、日食が起こることになるのです。
月は地球にくらべて小さいので、その影も小さく、地球上の一部分にしかあたりません。

そのため、日食が見えるのは地球上でもその影の中に入った、ごくかぎられた場所だけです。

そのうえ、月も地球も動いているので、月の影は時間が経つにつれて地球の表面をなでるように動いていきます。

それにつれて、日食の見える場所も、しだいにうつっていきます。

また、影のあたる場所は日食のたびに違いますから同じ場所では、そうたびたび日食を見ることはできません。



日食の種類

日食には、皆既食・金環食、および部分食があります。

太陽の本当の直径は、月の約400倍ぐらいありますが月よりも、ちょうど400倍も遠いところにあります。

そのため、地球から見ると、ほとんど月と同じくらいの大きさにしか見えません。

また、月は地球のまわりを、円に近い楕円軌道を描いてまわっていますから月と地球との距離に、遠くなったり、近くなったりします。

そのため、地球から見る月の大きさも太陽にくらべて小さくなったり、大きくなったりします。

また地球と太陽との距離も、ときによって、少しかわります。

月が地球に近く、太陽よりも大きく見えるときに日食が起こると月が太陽をすっぽり隠してしまいます。

このような日食を皆既食といいます。

これと反対に、月が地球から遠くはなれ月が太陽より小さく見えるときに、日食が起こったとします。

月は太陽全体を隠すことができないので、地球のある場所から見ると月は太陽の中に入ってしまいます。

月のまわりに太陽がはみ出して、金の指輪のように見えます。
このような日食を金環食といいます。

皆既食や、金環食の見える場所以外で、その場所に近いところでは月が太陽を完全に隠すことができず、その一部だけを隠します。

このような日食を部分食といいます。

部分食は、月が、ほとんど太陽を隠すほどのものからほんの少しだけしか、隠さないものまで、いろいろあります。

また、地球の上のどんなところでも皆既食や金環食は起こらず、ただ部分食が見えるだけのこともあります。

日食の欠け具合をしめすのには、食分という言葉を使います。

これは、見かけの太陽の中心と月の中心を通る太陽の直径が月によって隠されたわりあいをしめすものです。

したがって、日食がはじまるとき、食分は0で、皆既食になったときは1になります。

金環食のときは食分は1より少し小さくなります。




月の表面にあるクレーターとは?月の裏側はどうなっているの?

クレーター

月面の明るい部分は、海のように平らでなく大きなくぼみがたくさん集まっています。

南半球にあるクラビウスは、大きなくぼみで直径がなんと230キロメートルもあります。

月の裏側には直径500キロメートルもあるクレーターが知られています。

このような地形は、地下からガスが逃げ出して陥没してできたくぼみであるという火山説と大きな隕石が落ちてきて開けた穴だという隕石説がありどちらが正しいかまだはっきりしていません。


しかし、くぼみの形や様子などから、火山説の方が現在は広く受け入れられているようです。

このくぼみのことを、火口とかあばたとか、クレーターとかよんでいます。
クレーターとは、もともとは杯という意味です。

月面の真ん中付近に大きなクレーターが3つ、南北方向にならんでいます。

南からアルザッヘル・アルフォンスス・トレミーの3つのクレーターです。

いちばん大きいトレミーは、直径140キロメートル、アルフォンススは110キロメートル、、アルザッヘルは96キロメートルです。

大きいトレミーの形はまるいというよりクラビウスと同じように多角形になっています。
しかも多角形の確変は、クレーターの外へ遠くまで伸び丘陵となったり小さいクレーターの列になったりして連なっています。

いちばん小さいアルザッヘルは、まるく整った形をしています。

アルフォンススには中央に山があり1958年の秋、このあたりからガスの吹き出るのが発見されました。

月には大気がないため、山の影がくっきりとしていかにもとげとげしく見えますが、実際にはなだらかです。

このことは、ルナ=オービター2号の撮った写真をみればよくわかります。

「雨の海」の南岸にあるコペルニクスは、満月のとき見るととでも明るいクレーターで、ここを中心にした四方に光の矢のような模様が伸びています。

これを光条といいます。

南半球にあるチコ山から伸びる光条は赤道を越え、北半球にまで伸びています。
隕石説によると大隕石が落ちてクレーターができたとき飛び散った破片が光条となったと考えています。

火山説では、もちろん火山灰の積もった物としています。
コペルニクスやチコは、月の歴史でいちばん新しい時代にできた若いクレータ―でしょう。

ルナ=オービター2号はコペルニクスの内部を大きくうつしだしました。
地球の火口とよく似ていますが、月には空気や水がないため浸食作用によって刻まれた谷やがけ崩れは見られません。



山脈と谷

月にも山脈がありますが、それは月の海とよばれる海岸にそって伸びる海岸山脈です。
とりわけ「雨の海」の南東岸にあるアペニン山脈、北西岸に連なるアルプス山脈などはよく知られています。

また、月面の明るい部分には、無数のクレーターのほかに谷も見られます。

月面の中央近くにあるヒギヌスの谷は、望遠鏡でもよく見えますがルナ=オービター3号は、そのくわしい写真をとりました。

この谷は、ただのひび割れというものではなく、谷の底が平たくなっています。
また、谷そのものも対象のクレーターの列からできているようにも見えます。

月の裏側

1959年、ソ連のルナ3号は、月の裏側の写真をとるのに成功しました。
いままでは、だれも見ることができなかった月の裏側がはじめて明らかにされたのです。

それまでは、神秘に包まれていた月裏側のベールが、はじめて外されたのです。
最近では、アメリカのルナ=オービター号がくわしく写真をとりそれをもとにして、裏側の地図もできているほどです。

月の裏側にはm表側のような海がなく、一面が陸地で表側の耀地部分と同じように、多くのクレーターがあります。

いままで、表側の観察だけではわからなかったことが裏側を見ることにより、わかったこともあります。

上の写真は、ルナ=オービター4号が撮影した月の裏側と表側の境界付近のものです。
この写真は、月面から高さ4000キロメートルのところからうつしたものです。
上側の南極付近には、400キロメートルもある大クレーターがありその北側へ長さ320キロメートルもある大きな割れ目がはしっています。

この割れ目は、月面で最も大きいものの1つと考えられます。
写真に向かって左側が、表側で「嵐の大洋」につながっています。
右側は、まったく地球から見ることのできない部分です。

そのほか右ページの写真のように、表側には見られない大きなクレーターや奇妙な形をしたクレーターなども発見されています。




月の表面はどうなっているの? わかりやすく解説!

月の地形は、地球上にある天文台からの観測と月ロケットによる写真撮影によって、詳しい様子がわかってきました。

とくに、月の裏側は、これまで地球から見ることができなかったのですが月のまわりをぐるぐるまわって写真をとる月ロケット「ルナ=オービター」号のおかげで詳しくわかりました。

写真や図を見ながら、月の表面の地形を観察しましょう。
そのまえに、月世界での方角について説明しておきます。


月の東西南北

夕方、三日月が西の空にかかっているときには「危機の海」側が細く光っています。
そこで、天文学者は「危機の海」の方向を月の西側といいます。
反対に「嵐の大洋」の方向が東側ということになります。

ところが、私たちが月世界に行ったとすると朝、太陽の出てくるほうが東だといいたくなるでしょう。

しかし、太陽は「危機の海」の方角から出てくるので「危機の海」のほうが東、つまり天文学者の呼び方と正反対になります。

しかし、天文学者は「嵐の大洋」の方向を東と呼んでいますからここでも「嵐の大洋」のほうを東と呼ぶことにします。

南と北ははっきりしています。
「雲の海」のあるほうが南半球「雨の海」のあるほうが北半球です。

月面の緯度は、地球と同じように、赤道から来たと南へ90度まではかります。

経度のほうは、月の表側(地球に向いている側)の真ん中から東と西へはかっていきます。

ただし、天文学者のつくった月面地図は地球の地図とは違って、難局を上にしています。

これは望遠鏡で見ると像が逆さまになって、南が植えになるからです。
宇宙科学者のつくった地図は、北極を上にしています。



月の表面の暗い模様の部分を海といっています。
水こそありませんが、太平洋の底のように、低くて平らな地形をしています。

「雨の海」は、北半球にある大きくまるい形をした海で直径は約1200キロメートルあります。

「雨の海」のほかに「危機の海」や「晴れの海」など月の海には、まるい形をしたものが多いのですが「雲の海」のようにまるくない不規則な形のものもあります。

海の表面はなだらかですが、ところどころに低い丘陵があります。
高さはわずか200~300メートルですが、長く伸びています。

ルナ=オービター2号のとった「嵐の大洋」には、低い丘陵があります。
まるで、海の波の化石を見ているようです。

月の海は、昔、本当にどろどろの溶岩の海であったのかもしれません。
あちこちに、まるくなだらかなドームといわれる山が見えます。

山の頂上に穴のあいているもの、穴が大きくなって山というよりも、まるいくぼみのような地形も見えます。

この穴は、地下からガスの逃げ出したあとのようです。

レインジャー8号は、もっと近寄って「静かの海」の写真をとっています。
海の表面は一面に浅いくぼみでおおわれ大きいくぼみは、直径が約100メートルもあります。

1967年、月の土を採取する目的であげた、アメリカのサーベイヤー3号は自動土壌採取器でとった土を撮影しました。

いままで、月面は、厚いほこりの層におおわれていると考えられていましたが月の表面はかたまった状態であることがわかりました。

この土が、どうしてできたかは、まだはっきりわかりませんが太陽からの強い放射線などに叩かれて、火成岩である玄武岩のように焼けついたようにかたくなっていると考えられます。

このことは、黒褐色した土の色からも知ることができます。




月の満ち欠けが起こるのはなぜ? わかりやすく解説!

月は、細かい鎌の形をした三日月に見えることもあり半円の形したり、また、まんまるい満月になったりします。

形のかわるわけは、月はまんまるいボールと同じ形をしていて太陽に照らされ、半分だけ光っているからです。


月の満ち欠けの起こるわけ

ボールを手で持って、電灯の光で照らしてごらんなさい。電灯は太陽です。
私たちと電灯とのあいだの近くにボール(月)がくると照らされている部分が細く見えます。

ボールが電灯の反対側にくると、ボールの照らされてる部分が広くなってきます。

月が満ちたり、欠けたりするのも、これと同じことです。
月の光って見えるところは、太陽の光に照らされている部分なのです。
太陽の光に照らされていない影の部分は、私したちから見えません。

ボールを電灯で照らす場合には、電灯から直接ボールにあたる光のほかにまわりから反射してくる光があるためにボールの影の部分も、私たちには見ることができます。

しかし、空では、太陽から直接にくる光のほかにまわりから反射される光がほとんどないので、月の影になった部分は全く見えません。

ですから、本当に月が細くなったり、まるくなったりするように見えるのです。
ただし、月が新月に近いときには、太陽の光が、いちど地球にあたって反射しその光によって、月の影の部分が照らされ、まるくぼんやりと見えることがあります。

これは、月が非常に細い三日月になったときによくわかります。これを地球照といいます。

月の暗い部分が、地球照をうけてうすく光っていることは望遠鏡で月を見ると、なおよくわかります。

上弦・下弦

地球のまわりを月がまわって動くと地球と太陽とのあいだに月が来て地球の上にいる私たちから見て月がいちばん太陽の近くにきたようになるときを、新月といいます。

しかし月は、まぶしい太陽のすぐそばにくるので私たちは月を見ることはできません。

それから7日ぐらい経って、月が地球から見て太陽から東へ90度離れたときを上弦といい、月は半円形に見えます。

それから、また7日ぐらい経って月が太陽と反対の方向にきたときを満月といいます。このときは、月はまんまるに見えます。

また、7日ぐらい経って、ふたたび地球から見て太陽から西へ90度まで近づいたときを下弦といい、月は半円形に見えます。

新月からの日数を月齢といいます。

月齢7のころが、だいたい上弦、月齢15のころが満月、月齢22のころかが下弦になります。

上弦・下弦ということかを正しくいうと、月が地球から見て太陽と直角の方向に見えた瞬間のことをいうのです。

しかし、ふつうには、新月から満月までを上弦、満月から新月までを下弦とも言っています。



月の位置と太陽の位置

満月のとき、月と太陽は、地球から見て、互いに反対の方向にあたります。

夕方、太陽は西の空にあるので、満月は東に見えます。
したがって、明け方の満月は西に見えます。

また、真夜中には、太陽はちょうど地球の裏側にあるわけですから満月は、真南に見えるのです。

夏になると、太陽は高く昇るのでその道筋の反対側にある満月は、反対に低くしか昇りません。
そして、どんよりとにごり、暑苦しい感じで、南の空に低く昇ります。

冬は太陽が低くなりますから満月は反対に高く昇ります。
明るくさえた冬の満月は、夜空を高く通っていくのです。

新月のときには、月は太陽のすぐそばにあるので太陽のまぶしい光にさえぎられて見えません。
新月から3日くらい経った三日月に、太陽から少し東へよった方向にあります。

このころの月は、夕方、西のほうに細い姿を見せやがて太陽の後を追って沈んでいきます。

月が、太腸の後を追って沈む時刻は毎日、だいだい50分くらいずつ遅くなります。
上弦の月は、午後に見えるのがふつうです。
下弦の月は、これと反対に午前に見えるのがふつうです。

月齢26~27ごろの月は、太陽より少し西によった方向にあります。
そのため、月は、日の出より少し先に、東の空に昇ってきます。

そしてまもなく、太腸の強い光と空の青さのためにこの細い月は見えにくくなってしまうのです。

月が光るのは、太陽に照らされているためです。
それで、月の光っている面は、必ず太陽の方向を向いています。

細い三日月を弓にたとえれば、これにつがえた矢の先の方向に、太陽があるのです。

恒星月と朔望月

月が新月から、つぎの新月になるには、29.53日かかります。これを朔望月といいます。

地球から見て、月がある恒星の方向からふたたび同じ恒星の方向へくるには、27.32日かかります。

これを恒星月といいます。恒星月は、月の公転周期のことです。

朔望月が、恒星月よりも長いのは、月が一公転するあいだに地球もわずかながら公転するため、地球が動いた角度だけ月が余計にまわらなければならないからです。




月はどんな世界?月までの距離はどのくらい? わかりやすく解説!

満月の夜、まんまるい月をながめると月の表面に暗い模様が見えます。

日本では、うさぎの餅つきの姿に見立て、西洋でも女の人の横顔とかカニの爪など、いろいろな形に見ています。

満月はよく輝き、肉眼では、その表面が鎧のように見えますが望遠鏡で覗いてみると、いろいろなものが見えます。

うさぎの模様の暗い部分は低く平らなところです。

昔、小さい望遠鏡で月を見た天文学者は、これは月の海に違いないと思いました。

それで暗い部分は「晴れの海」とか「雨の海」とか、海の名前をつけてしまいました。

明るく輝いている部分には山あり谷あり阿蘇火山のような輪のような形をした地形がたくさんあります。

山脈には、地球上の山脈の名前をとってアルプス山脈とかアペニン山脈とかいう名をつけてあります。

また、阿蘇山のような形の山には、コペルニクスとか、ケプラーとか昔の科学者や哲学者の名前がつけられました。


空気のない月世界

月の表面には、空気も水もありません。
したがって、雨が振ったり、風が吹いたりすることもありません。

海といわれる暗い部分は、地球の大洋の底のように低くて平たい土地ですが、水はたまっていません。

雨も振らず風も吹かないので、月世界の山や谷は崩れることもなく、できたときのままの姿たでいまでも見えているのです。

空気がないため、月の表面では夜と昼との温度の違いが非常に大きくなっています。
太陽が頭の真上にあるときには、地面の温度は130度くらいになりますが夜になると零下150度くらいまで下がります。

空気も水もなく、夜と昼で温度が280度も違うような世界に人間はもちろん動物も植物もすすむことはできません。

空気がないと、太陽からくる強い紫外線をまともにうけることになります。
これも生物にとっては危険なことです。

そのほかに、宇宙の彼方からやってくる宇宙線も危険です。
ですから、月世界に旅行するときは、宇宙服をつけなければなりません。

酸素と適度の湿り気を補給し、温度も調節し紫外線や宇宙線から体をまもらなければならないからです。

月世界の光景

月の世界へ行ってみたら、どのような景色が見られるでしょうか。
月の山の高さは、地球からはかることができます。
山は太陽の光をうけて影をひいています。

そこでの太陽の高さがわかっていれば、影の長さをはかって山の高さを計算か作図でもとめることができます。

月の山の高さは、地球の山と同じくらいで3000メートルから4000メートルのものは珍しくありません。

最も高い山は1万メートル近いと言われています。

ただし、ありませんから、海抜いくらというあらわし方はできません。
まわりの地面からの高さをあらわしているわけです。

地球の山でも、たとえばヒマラヤの山をインド洋の底からはかれば1万2千メートル以上になりますから、月の山より高いということになります。

月の山の高さは、だいたいにおいて、地球の山と同じくらいだといえますが山の傾斜がとても緩やかで、すそ野が広くなっています。

アポロ宇宙船に乗って人間がツイへ行く前に、無人の月ロケットが月に着陸して月面の風景を写真に撮り、地球に伝送してきています。

この写真によると、月の表面はなだらかであちこちに浅いくぼみがあり一面に小石が散らばっています。



月までの距離

月までの距離は平均38万キロメートルで、地球の直径のおよそ30倍です。

しかし、この距離はかなりかわるもので月がいちばん地球に近づくときは約36万キロメートルいちばん遠ざかるときは40万キロメートルくらいになります。

このように、月は遠い距離にあるので1秒間に30万キロメートルすすむ光や電波が月から地球に届くまでに約1.3秒かかります。

地球上にいる私たちと、月へ行った宇宙飛行士とラジオで話をする場合にはこちらから「もしもし」といって月に届くのに1.3秒、月から返事がくるのにまた1.3秒、合わせて2.6秒経たないと返事が返ってきません。

ですから、話も間をおいてゆっくりしなければなりません。

月の大きさと引力

月の直径は、3500キロメートルで、地球の直径の約4分の1です。
月の重さは、地球の81分の1しかありません。

そして、月の表面での月の引力は地球の表面での地球の引力にくらべて、およそ6分の1の強さです。

したがって地球の上で、60キログラムの重さの人は月の上では10キログラムの重さしかないことになります。




地球の引力と重力のはたらきとは? わかりやすく解説!

引力

地球がまるいボールのような球だとすると、その裏側にいる人たちはどうして下に落ちていかないのでしょうか。

これは、昔から多くの人が不思議になっていたことです。

また、地球が太陽のまわりをまわっているといってもどうしてそんな運動が起こるのかこれも不思議の1つでした。

これらの問題に、はじめて正しく答えたのはイギリスの物理学者ニュートンは、いまから約280年まえのことです。


ニュートンは、すべてのものは、互いに引っ張り合っているのだと考えました。
この引きあう力のことを万有引力といいます。

こういうと、みなさんは、不思議に思われるかもしれません。
たとえば、机の上に鉛筆と消しゴムが乗っていた場合この鉛筆と消しゴムは、引っ張りあっているのです。

ただその力があまりに小さいために、私たちはそれを感じないだけなのです。

このようにして、地球と地球上のものとのあいだには引力がはたらいています。
このため地球の表面にあるものは、地球の中心の方向に引き付けられます。
地球の反対側の人が、地球から飛び去ってしまわないのも、この引力のためです。

私たちが、上の方向と下の方向を知るのは私たちや、私たちのそばのものに、はたらく引力だけによっているのです。

だから、地球の裏側にいる人は私たちから見れば、下から上のほうへ引っ張られていることになりますがやはり、地球の中心の方向が下の方向だと考えているのです。

すべての物のあいだに、はたらく引力は、物が大きければ大きいほどまた2つの物の距離が近ければ近いほど強くはたらきます。

月は地球の引力によって、地球から飛び去らずに地球のまわりをまわっています。
ニュートンは、地球の表面にいる私たちに、はたらきけける引力も地球が月を引き付ける引力も同じ地球の引力であることを計算によって確かめました。

地球が太陽のまわりをまわるのも、やはり地球と太陽のあいだの引力によるものです。
ニュートンは、これによって地球や月だけでなくあらゆる天体の運動を説明する原理を発見しました。

重力

地球上の物体には、引力と同じような重力がはたらいています。
重力というのは、遠心力と引力の合力でもとめられます。

左の図でもわかるように、その大きさは赤道上で最も小さく緯度が高くなるにつれ大きくなります。

しかし、地球の内部をつくっている物質の密度が場所によって異なるため同じ緯度でも、重力は等しいとはかぎりません。




地球の運動とは? 自転と公転、歳差運動とは? わかりやすく解説!

地球が運動していることは、いろいろなことから確かめられます。

たとえば、地軸を中心にまわっていることは北の空を見るとと北極星を中心にまわりの星がまわっていることからまた太陽のまわりをまわっていることは年収視差が観測できることからも知ることができます。


フーコー振り子

地球が、1日に1回転の速さでまわっていることはフーコーの振り子の実験で確かめることができます。

ふつうの振り子は、いちど振っても、すぐに振動がとまりますが10メートルくらいの長い針金に、重いおもりをつけて振ると何日ものあいだ、振動がとまりません。

このような振り子を振ると、だんだん時間がたつにつれて振動の方向が少しずつ、かわっていくのがわかります。

このような実験をする振り子をフーコー振り子といいます。

フーコー振り子の振動の方向は、日本のように赤道より北にある地方では時計の針のまわる方向にかわっていきます。

もし、この実験を赤道の真上でやると、振動の方向は、少しもかわりません。

そのほかの地方では、1日に一回転よりも遅い速さで振動方向がかわってきます。
日本では、1日にだいたい3分の2回転の速さで、振動方向がかわっていきます。

また赤道より南の地方では振動の方向は時計の針がまわるのと反対の向きにまわっていきます。

なぜこのように、振り子の振れる方向がかわっていくのかは難しい計算をしなくては説明できませんが地球はコペルニクスの言ったように回転しているのだと考えなくてはならないことが証明されます。

自転

地球は1日に1回、西から東すなわち北極から見て時計の針の動きと反対向きにまわっています。
この地球の運動を自転といい、1回自転するのにかかる時問を自転周期といいます。

地球が1自転するのに要する時間は、23時間56分4秒で1日よりも約4分速いことになります。

地球が自転しているために地球上の物体は、ある力をうけています。
いま地球上を運動している物体があるとするとその物体は地球の表面にたいして、北半球では右向きに力をうけます。

この力をわかりやすく説明すると、たとえば、下の図のように、時計の針の動きと反対向きにまわっている円板があります。

この円板の中心Oにいる人が、同じ速さで、まっすぐ運動しているとき円板の外にいる人から見れば、右へ曲がった運動をしているように見えます。

これは、円板上の人が、右向きに力をうけているためです。
これと同じように地球上を運動している物体は、みなこの力をうけているのです。

この力を転向力、またはコリオリの力といいます。



遠心力

地球が自転しているため生じる力には転向力のほか遠心力があります。

遠心力というのは私たちが自動車に乗っているとき曲がり角で自動車が曲がる場合、乗っている私たちはまわる外側のほうヘと追いやられます。

こお外側へ追いやられる力が遠心力なのです。

この遠心力は、地球では地軸に垂直にはたらいているため赤道で最も大きく、緯度が高くなるにつれて小さくなります。

それはその緯度における地軸に垂直な半径が赤道で最も大きく、緯度が高くなるにつれて小さくなるからです。

公転

地球は、太陽のまわりを、1年に1回まわっています。
これを公転といい、1回公転するのにかかる時間を公転周期といいます。

地球が1公転するのに要する時間は365.2564日で、1年を365日とすると6時間ほど余計にかかることになります。

地球が公転する道筋を軌道といい、ほぼ円に近い楕円です。

この軌道が正しい円でないため、地球は毎年1月のはじめにいちばん太陽に近づき、その距離は約1億4700万キロメートルとなります。

また、7月のはじめに、いちばん太陽から遠ざかりその距離は約1億5200万キロメートルとなります。

地球が、この軌道の上を動いていく速さは非常に速く1秒間に30キロメートルぐらいになります。

しかし、地球の自転や公転の速さは、私たちの体には、少しも感じられません。
それは、地球を取り巻く大気もいっしょに運動しているからです。

歳差運動

地球は、完全な球でないために、赤道部のややふくらんだ部分に太陽や月の引力が余分にはたらくことになります。

この力が、黄道面(太陽が地球のまわりをまわっていると考えたときその太陽の軌道の面)に垂直になるように、引き起こそうとする力がはたらきます。

このため、地軸は少しづつ向きをかえていきます。
これを歳差運動といいます。

このことは、軸がななめになってまわっているコマを地球にたとえて考えればわかりやすくなります。

すなわち、軸をななめにしてまわっているコマは軸を中心にぐるぐるまわりながらコマの軸の先端は、大きな円を描いてまわります。

このように地球も地軸の先端がこのコマと同じように大きな円を描いているのです。

これが歳差運動なのです。




地球と太陽系の特徴とは? わかりやすく解説!

地球と太陽系

大昔の人たちは、地球はかぎりなく平らなものでしかも動かないものを考えていました。

そして、太陽や月・星などが地球のまわりをまわっていると信じて地球がまるい形をしているということはいまから2500年くらいまえからギリシアの学者たちによって唱えられたものです。


はじめて、このことを唱えたのはピタゴラス学派という学者の集まりです。

地球がまるい形をしていることは、信じるようになりましたが地球は宇宙の中心にあって、動かないという学者と太陽が宇宙の中心であって地球はそのまわりをまわっているという学者とがありました。

ところが、いまから1800年くらいまえにプトレマイオスという学者が地球は宇宙の中心にあって動かないと考えた天文の本を出してからはこの考えかたが、広く世の中に信じられるようになりました。

この考えによれば、月や太陽や星が動くのは地球を中心とした天体が月や太陽や星をのせて動くからだというもので、この説を天動説といいます。

しかし、天体の動きについての研究がすすむにつれて地球が動くと考える地動説のほうが正しいのではないかと考えられるようになりました。

そして、1540年ごろ、ポーランドのコペルニクスはギリシア時代にも地動説を唱えた学者がいたことを見つけ太陽や惑星の動きを無理なく説明する地動説のほうが正しいことをはっきり唱えました。

惑星としての地球

いまでは、地球は、惑星の1つでありほかの惑星と同じように太陽のまわりをまわっている星にすぎないことは誰も疑う人はありません。

また、惑星である金星や火星は、自ら光を出して輝いているのではなく太陽の光を反射して輝いていることは誰でも知っています。

ですから、他の惑星から地球を見ることができたら地球も輝いた星に見えることになります。

いまでは、ロケットの発達により、ロケットにカメラを載せ数万キロメートル離れたところから地球をうつすこともできます。

左の写真に人工衛星から見た地球をうつしたものです。

この写真でもわかるように太陽に照らされている部分と照らされていない部分がはっきり区別されてみえます。

地球に、太陽のまわりをまわるだけでなく地球指針と1つの軸を中心にしてまわっています。

この軸を地軸といいます。

地軸が地球の表面をつらぬく点は2つありそのうち北のほうを北極、南のほうを南極といいます。
そして、地軸に垂直に地球を真ん中から切ったときにできる切り口の円を赤道といいます。

このように、地球は、地軸を中心にぐるぐるまわりながら他の惑星と同じように、太陽のまわりをまわっているのです。




流れ星と隕石の正体とは?流星雨・流星群とは?

流れ星

太陽系の中には、惑星や、彗星のほかに、小さい岩やちりが、たくさんあります。
これは宇宙塵といわれ、やはり太陽のまわりをまわっています。

宇宙塵が、地球の大気のなかにものすごい速さで飛び込んできて非常な高温となって光るのが、流れ星の正体です。

流れ星といっても、空に輝いている星が落ちてくるのではありません。

1時間に見ることのできる、流れ星の数は平均10個くらいですが毎年決まったときに、たくさん飛ぶことがあります。

これを流星群といいます。

夏、夕涼みをしていると、よく流れ星が飛びますがこれはペルセウス流星群という流れ星が大部分です。
流星群は、ほうき星の落とした宇宙塵が地球の大気とぶつかっておこるものだと考えれています。


流星雨

流星群の中には、一夜に何千という流れ星を降らせるのが、たまにあります。
これを流星雨とよびます。

1946年10月9日の夜、北アメリカ大陸で見えた流星雨は、1時間に4000個もの流れ星を降らせたそうです。

ジャコビニ彗星というほうき星が落とした、たくさんのかけらが、地球にさしかかったものだといわれています。

火球

流れ星の中で、特別な明るく輝くものを火球といいます。
火球の明るいものに、昼間でも見えることがあります。

また、火球が爆発して、大きな音を出すことがありますがこの音は、爆発してすぐ聞こえるわけではなく、早くて5分も経ってから聞こえます。

このわけは、稲妻が見えて、しばらくしてから、雷が聞こえてくるのと同じです。

隕石と流星塵

流れ星は、たいてい地上100キロメートルあたりで光だし80キロメートルぐらいの上空で消えてしまいます。
しかし、ときには、地上まで落ちてくることがあります。

これを隕石と言います。

隕石は、たいていは岩石ですが、中には鉄やニッケルを多くふくんだものもあります。

これは、隕鉄とよばれています。

空中を漂っている塵を調べると鉄分を多くふくんだ数十分の1ミリぐらいの球が混ざっています。
これは流星のもえかすではないかといわれ、流星塵と名付けられています。

また、大昔の流星塵が深い海の底にたまっている泥の中から、発見されることもあります。



流れ星の電波観測

流れ星が飛ぶと、そこが電波をよく反射するようになりますので電波を使って、いまでは昼間でも流れ星を観測することができます。

こうして、流れ星の性質がよくわかるようになりました。

黄道光

宇宙塵は、流れ星にならないときでも、太陽の光を受けて光っています。
しかし、非常に小さなものなので、とうてい、1粒1粒を見ることはできません。
ところが宇宙塵がたくさん集まって、ぼうっと光って見えることがあります。

これを黄道光といいます。

太陽の通り道(黄道)に沿って光って見えるので、そうよばれるのです。
黄道光は、光が弱いので、町の中では、なかなか見ることができません。




ほうき星の正体とは? ハレー彗星とは? わかりやすく解説!

ほうき星

長い尾をひいて、夜空にあらわれるほうき星(彗星)は、太陽系の人気者です。

昔の比呂は、ほうき星を、縁起の悪い印としてたいへん恐れていました。
いまでは、ほうき星の正体が、わかっているので、昔のように恐れる人はありません。

かえって、その素晴らしい眺めに大きなほうき星のあらわれるのを待っているくらいです。

私たちが、絵や写真で見るような、見事なほうき星は、ごくまれにしかあらわれません。

最近では、1957年に、大きなほうき星が2つ続けてあらわれて人々をびっくりさせました。

望遠鏡でやっとみえるような、小さいほうき星は。毎年10個くらい発見されます。

ほうき星は、彗星ともいいます。


ほうき星の正体

ほうき星の明るい頭の部分の中心を、核といいます核は小さい岩石や氷のかたまりが、たくさん集まったものです。

この核は、非常に細長い楕円を描いて、太陽のまわりをまわっています。
これが、ほうき星の正体です。

ほうき星が、太陽から遠くにいるとき、核は、太陽の光に輝いているだけです。

ところが、太陽の近くにくると、核からガスが出て、ぐっと明るくなります。
このガスは、たくさん出ると、ほうき星の尾になります。

ほうき星の尾は、いつも太陽と反対の方向に流れています。
太陽に近づけば近づくほど、尾は長くなります。

ハレー彗星

ほうき星の中でも、とくに有名なのはハレー彗星です。
1682年、イギリスの天文学者ハレーは、この彗星が1759年1月に見えると予言しました。

ハレーの計算は正しく、予言の通り発見された彗星は、ハレー彗星とよばれています。

ハレー彗星は、76年に1回、太陽の近くにきます。
そのときの尾は、夜空を取り巻く光の帯のように素晴らしいものです。

また、この彗星は、紀元前467年にあらわれたということが、昔の記録に残っています。

それからのち、はっきりわかっているものだけでも、29回もあらわれています。
こんど、私たちに見えるのは、1986年です。




木星・土星とその衛星、天王星・海王星の特徴とは?

木星と土星

木星は直径14万キロメートルで地球の11倍もあり、惑星の中で、いちばん大きい星です。
土星は2番目で、直径12万キロメートル、地球の9倍です。

この大きさから考えると、重さは、地球の1000倍もありすですが案外軽く、木星は地球の318倍、土星は95倍しかありません。

比重はそれぞれ、1.3と0.7で、土星は水に浮くわけです。
太陽からの距離は、木星が約8億キロメートル、土星が約14億キロメートルです。
公転周期はたいへん長く、木星が12年、土星は29もかかります。

これにくらべて自転周期は、地球などによりずっと早く木星も土星も約10時間で1回転します。

このように、早く回っているためか、どちらも赤道の方向がふくらんでいて望遠鏡で見ると、ミカンのような形をしています。

木星や土星の表面には、赤道に平行な縞があって木星では、そのほか、いろいろな模様が見えます。
このような縞模様は、いつも定まっているわけではなき、どんどん形がかわっています。

これは、木星や土星の表面が、固い地面のようなものではなくそうとう厚い雲におおわれていて私たちはその雲は、アンモニアやメタンでできているといわれその下には液体になったアンモニア・氷・ドライアイスなどの層が厚く続いています。

そして中心部には、地球を作っているのと同じような金属や岩石の芯があると考えられます。


木星の衛星

木星には、12個の衛星があります。

このうち、ガリレオの発見した明るい4つの衛星は小さい望遠鏡でも観測することができます。

この4つの衛星は、木星の前を通った、うしろに隠れたり太陽の光がつくる、木星の影の中に入ったりして、おもしろい様子をしめします。

ほかの8つの衛星はどれも暗くて、大きな望遠鏡を使わないと観測できません。

土星の衛星と輪

土星には、11の衛星があります。
どれも暗いのですが、いちばん大きいチタンという名の衛星は割りあい小型の望遠鏡でも、見ることができます。

このチタンは、太陽系の衛星の中で、いちばん大きいものです。
直径が5000キロメートルもあって、惑星である水星よりも、いくらか大きいのです。

また、チタンには、わずかですが、大気のあることがわかりました。
土星を観測して、いちばん、目立つものは、有名な土星の輪です。

これもガリレオが、自分でつくった望遠鏡で最初に見つけました。

ところがガリレオは、これが輪であることに気付かず土星には耳がある、などと言っていました。
輪ということをはっきり確かめたのは、ホイヘンスという人でガリレオが望遠鏡で見てから、40年後のことです。

輪はごく薄いもので、地球がちょうど真横から輪を見る位置になると世界一の望遠鏡でも輪のあることが、わからなくなるほどです。

また、輪のうしろに星がすけて見えることがあります。
それで、この輪は、無数の細かい氷が集まってできているのだと考えられています。

このうすい平らな輪は、土星からの距離によって3つの部分にわかれ、星のまわりをまわっています。

土星の輪は地球から見ると位置によって、幅が広く見えたり、せまく見えたりします。



天王星・海王星・めい王星

水星から土星までの5つの惑星は、大昔から知られていましたが天王星・海王星・めい王星の3つは、ずっとあとになってから、発見されたものです。

天王星

天上星は1781年、イギリスのハーシェルが発見しました。

この星は、毎夜その位置がかわり、はじめは、ほうか星かとも思われました。
ところが、その軌道を計算してみたところこれは土星より外側をまわる、惑星であることがわかったのです。

天王星は、太陽からの距離が、約29億キロメートルで土星の2倍の遠さです。
公転周期は84年、自転周期は、わずか10時間50分です。
木星のように、ひしゃげた形で、直径は、4万7600キロメートルです。

天王星の表面も、木星と同じように、やはり、厚い雲におおわれています。
衛星は5つ発見されています。

海王星

天王星が発見されてから数十年後のことです。

天文学者たちは、天王星が、いままでの計算通りの道筋を通っていないことを発見しました。

そして天王星は、その外側にある惑星にひっぱられているのだと考えました。
この天王星の動きから考えて、新しい惑星がどこにあるかを計算したのが、フランスのルベリエとイギリスのアダムスです。

1846年、ふたりの計算した通りのところに、惑星が発見されました。
これが海王星です。

この発見は、さきに理屈で考えられて、その理屈通りに発見されたことで有名です。

海王星は、太陽から45億キロメートル離れていて軌道を一回りするのに、166年もかかります.発見されてからいままで、100年あまりしか経っていないので、また一回りがすんでいないわけです。

直法は約4万4600キロメートルで、2つの衛星があります。




小惑星とは?小惑星の変わった軌道とは? わかりやすく解説!

小惑星というのは、おもに火星と木星のあいだをまわっている、小さな天体です。

いちばん大きいもので直径770キロメートル、大部分は数十キロメートル以下の岩のかたまりのような星です。

軌道がはっきりわかっているものだけで、1600個以上もあります。


1801年元日の夜、イタリアのピアッジによってはじめて、小惑星セレスが発見されました。

そのころ知られていた惑星は、水星から天王星までの7つでした。

ところが、この7つの惑星の太陽からの距離を調べると火星と木星のあいだだけが、開き過ぎているのです。

そこで、きっとこのあいだに、まだ発見されない惑星があるに違いないとドイツの天文学者が中心になって探し求めていました。

しかし、いつまで経っても見つからないのです。
人々が諦めかけていたころ、これからの惑星を探していた人でないちピアッジが偶然に見つけたのです。

セレスは、火星と木星の間の隙間を、ぴったり埋める惑星でした。
天文学者たちは、これこそ探し求めていた新惑星だと、大喜びをしました。

ところが、驚いたことに、その後もセレスの近くにつぎつぎと小惑星が発見されました。

そしていまでは、小惑星は、全部で数万個もあるだろうといわれています。

これらの小惑星は、火星と木星のあいだにあった大きな惑星が、砕けて出来たかけらだといわれています。

小惑星の中には、明るさのかわるものが少なくありません。
これは、岩のかけらのような、不規則な形をしているため自転するにつれて、そうなるだろうと言われています。

小惑星の中には、非常にかわった軌道を通るものもあります。

水星よりもっと太陽に近づくものや、地球のすぐ近くを通るものもあります。
小惑星ヘルメスは、地球から78万キロメートルの近くまでくることがあります。

このような小惑星は、太陽の距離をはかるのにも利用されます。




火星とその衛星の特徴とは? わかりやすく解説!

火星というと火星人の住む天体がすぐ頭に浮かびます。
いったいどうして、火星に生物がいるなどといわれるのでしょう。

火星は、太陽から2億3000万キロメートルのところにおり、公転周期は687日です。

火星の1年は地球の1年の約2倍になります。
また火星には、地球と同じように春・夏・秋・冬の季節があります。

火星の1日は24時間37分で、地球の1日とほとんど同じです。
しかし、大きさは、直径が680キロメートルで、地球の半分しかありません。
また、重さも地球のたったの10分の1です。

火星の大気は、地球の大気の濃さの12分の1くらいしかないといわれています。
しかし、このうすい大気の中には、わずかながら水蒸気や酸素がふくまれているだろうといわれています。

このように火星は、地球と似たところがあるため生物が住んでいるかも知れないと、考えられるようになったのです。


火星の表面

大きな望遠鏡で火星の表面を調べると表面の大部分に茶色がかった赤い色で、その中に青黒い模様が見えます。

赤く見えるところは、砂漠と名づけられています。
赤い色はおそらく、鉄さびと同じものがあるためだろうと言われています。

おそらく、鉄さびと同じものがあるためただろうといわれています。

青黒いところは、季節とともに色がかわるのでなにか下等な植物のある地帯ではないかと考えられています。

また、北極と南極にあたる部分には、白く輝いたものが見えます。
これは極冠といって、小さな望遠鏡でも見ることができます。

極冠は、火星の季節のうつりかわりにしたがって大きくなったり小さくなったりします。
それで、これは雪のようなものだといわれていますが火星には大気の中の水分が少ないので、地球のようにたくさん雪が積もるわけではなく、せいぜい、霜ぐらいだろうと考えられます。

火星ロケットによる観測

1964年11月28日に打ち上げられたアメリカの火星ロケット、マリナー4号は予定の1965年7月14日火星から9000キロの距離まで接近し近接写真と、その電送に初の成功をおさめました。

これらの写真からわかったことは月面とよく似た環状山が多数あることで地上観測で想像もされないことでした。

また地上観測で論争のまとであった運河らしいものはうつっていませんし植物帯と考えられるものも確認できません。

マリナー4号が同時におこなった科学観測によれば火星の大気は地球の1~2パーセントで地上観測から考えられていた10パーセントという数字よりずっと薄いことがわかりました。

そして火星は、地球よりもむしろ月に似ています。

大接近

火星の観測に、いちばん都合のいい衝は、2年2か月ごとにやっています。

ところが火星の軌道は、かなり楕円の度合が強いので地球と火星の2つの軌道のあいだは、せまいところと、広いところがあります。

そのため、同じ衝といっても、非常に地球に近づくときとそれほどでないときとがあります。

地球に近づいて衝になるときは大接近とよばれ、15年か17年おきにやってきます。

近頃は、1971年、1988年が大接近のときです。
大接近のころには、世界中の火星観測家たちが、熱心に観測をします。



火星の衛星

火星には、2つの衛星があります。

1877年に、アメリカのホールが見つけたので「フォボス」「ダイモス」という名がつけられています。

みなさんは「ガリバー旅行記」を読んだことがありますか。
この中に、学者の国では、火星に2つの衛星があるのを発見しているということが書いてあります。

「ガリバー旅行記」がかかれたのは火星の衛星が発見されるより、だいぶ前のことです。

「フォボス」「ダイモス」という名前は、このお話の中に出てくる名前をとってそのままつけたのです。

この2つの衛星は、どちらも小さく直径はフォボスは12キロメートル、ダイモスは6キロメートルぐらいしかないだろうといわれています。

火星の上から眺めると、それぞれ地球から見た月の3分の1、10分の1くらいに見えます。

こんなに小さな衛星ですが、たいへんおもしろい動きかたをします。

まず、フォボスのほうは火星をひとまわりするのに、7時間半しかかかりません。ところが、火星の1日は、24時間37分もかかります。

火星の上に立っての衛星を見ると、ふつうの星と違って西から昇り、東に沈みます。

こういうことは、まえには火星にいかなければ見られないことだと思われていましたが、いまでは、私たちもこのような衛星を見ることができます。

人工衛星がそうです。

また、ダイモスのほうは、30時間18分で火星を一回りします。
火星の自転周期より少し遅いわけです。

いちど東の空に昇ったダイモスは、ゆっくりゆっくり西へ進み60時間もかかってやっと沈みます。

しかし、このあいだに、火星の上では、夜になったり、昼になったりします。
それにつれて、ダイモスは空に浮かんだまま、三日月になったり満月になったりして、2回ほど満ち欠けを繰り返します。




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