渡り鳥の不思議な性質と災難とは?渡り鳥の通り道とは?

渡り鳥の通り道

渡り鳥のなかでいちばん大旅行をするのは、ホッキョクアジサシです。

この鳥は北極に近い地方で繁殖し、冬が近づくと、アフリカ、または南アメリカを通り、南氷洋にまで渡ります。
この道のりは、片道だけでも、1万7000キロメートルにもなります。

渡り鳥の往復の道すじは、これらの鳥たちの足に、アルミニウムの輪をはめて、調べるようになってから、少しずつわかってきました。

しかし、渡り鳥が、どんなしくみで、いく先を含めるのかは、まだはっきりわかっていません。


渡りの方向の決めかた

日本では、まだ渡りの研究は進んでいませんが、ヨーロッパやアメリカでは、いろいろな実験や観察が繰り返されています。

伝書鳩は、見知らぬところではなされても、しばらく空をぐるぐるまわり、なにか目印になるものを見つけると、方向がわかって、迷わずに、そのほうに飛んでいきます。
1つの決まった方向に進むようにならすと、その方向に進むことを覚え、間違わずに飛んでいきます。

渡り鳥では、1年に1回きりですが、その渡りの道すじを忘れずに覚えていて、親子代々同じ道すじを飛びますから、それが決まった方向に進むようになったのだとも考えられます。

渡り鳥で昼間飛ぶのは体の大きい鳥が多く、必要なときに、えさをとりながら、渡りを続けています。

このように、昼間飛ぶ鳥では、太陽の位置で方向を決めるのかも知れません。

いっぽう、小さな鳥たちは、昼はえさをもとめたり、体を休めたりして夜飛んでいきます。
夜になってから飛べば、ワシやタカなどに襲われる心配がないわけです。

ところが夜飛んだのでは、太陽の位置によって、方向を決めることができません。
このような夜飛ぶ鳥は、星空を頼りに、方向を決めるのではないかと言われています。
夜飛ぶ鳥の場合、くもった夜でも、方向を間違わずに進んでいくところから、これらの鳥たちは、私たち人間には見えない赤外線を感じることができるのだろうという人もあります。
赤外線を感じることができれば、夜でも、まわりの様子が、はっきりわかるわけです。

渡り鳥の不思議な性質

近年になって、ドイツの学者が、夜間に渡りをする鳥は、星空を頼りに方向を含めるという説明を裏付ける、おもしろい実験をしました。

ある種類の小鳥を、渡りをする時期にだけ、星空の見えるかごに入れておいたのです。
すると、その小鳥は、自分の渡っていく方向に体を向けました。

そこで、こんどは、プラネタリウムを使って実験してみました。
この実験に使った小鳥は、ドイツから東南に飛び、アフリカのナイル川にそって渡りをする性質をもったものです。

この鳥の入ったかごを、プラネタリウムのそばにおいて、丸天井のスクリーンに星空をうつしてやりました。
すると、この鳥は、自分の渡りをする方向に、体を向けたのです。

この実験に使った鳥たちは、ひなのころから外を見せないようにして育てたので、星空を見て覚えているわけではありません。

ですから、この鳥たちは、渡りの時期になると、星空によって、自分の渡っていく方向を決める性質が、生まれつき、備わっているとしか考えられないのです。



渡り鳥の災難

渡り鳥は、いろいろな災難にあっています。

気候がいつも平均してかわってくるのならいいのですが、そうはいかないことが、よくあるのです。

せっかく繁殖地(ツバメでは日本など)まで飛んできたのに気候が急に冬に逆戻りして、雪に閉じ込められ、えさもとれずに、凍え死にすることがあります。
また、秋になって、あたたかいところへ飛び立とうとするときに、急に寒さがやってきて凍えたりすることもあります。

渡りの途中に、ワシやタカのような、大きい強い鳥が待ち構えていて、それらに襲われることもあります。

また、雨風が激しくなり、海に叩きつけられて、溺れ死んだり、台風に吹き飛ばされて、仲間にはぐれたり、深い霧のために、進む方向がわからなくなったりすることもあります。

そのほか、灯台や野球場のナイターの強い光にまどわされ、灯台の厚いガラスや野球場のバックネットに、激しくぶっかって、命を落とすこともあります。

また、鉄砲をもったり、網をはったりして待ち構えている人間に、やられることもあります。

このような災難のため、つぎの年に、また生まれ故郷にもどる鳥の数は、出発したときにくらべると、ずっと少なくなっています。




渡り鳥・留鳥・漂鳥とは?鳥が渡りをするわけとは?

鳥の渡り

ツバメ・ガン・カモ・ツグミなどは毎年決まった季節になると群れをつくって日本にやってきます。

そして何か月か過ぎると、また、いっせいに姿を消します。

このような鳥の旅を渡りと言い、渡りをする鳥を渡り鳥と呼んでいます。


渡りをするわけ

鳥がなぜ渡りをするのかは、まだよくわかっていませんが、ふつう、つぎのように考えられています。

寒帯や冷帯地方は、冬が長く、春と夏がほとんど同時にやってきます。
昆虫なども、たくさんの種類がいっせいに増え花も咲き実もたくさんなります。

鳥たちが食物をとり繁殖するのに、こんな都合のよいことはありません。

しかし、秋の訪れが早いので、すぐにえさも少なくなり急に温度が下がって雪が降りはじめます。

それで、鳥たちは、また南のほうのあたたかい、えさもたくさんある地方に移っていくのです。

この鳥たちも春から夏のはじめには、また、同じところにもどってきます。
渡り鳥は、もとの繁殖地にもどる性質があるからです。

1年が、雨期と乾期とにはっきりわかれている熱帯地方では乾期は植物が育たず、えさも少なくなるので、ほかの土地に移る鳥がたくさんいます。

マダガスカル島で繁殖する鳥のなかには、乾期になると中央アフリカの雨の多い地方にうつるものがあります。

熱帯地方でも、雨期や乾期がないところでは、いつもえさが豊かなので、そこに住む鳥は、たいてい渡りをしません。

渡り鳥は、このようにして、毎年渡りを繰り返しているうちに渡りをする性質が、だんだん身についてしまったのです。

そしてとうとう、えさが乏しくなるとか寒さが厳しいということがなくても、ある決まった時期がくると必ず渡りをするようになったのだと考えられています。

留鳥

1年中、だいたい同じところに住んでいて渡りをしない鳥を留鳥と言います。

日本にいる留鳥はスズメ・カラス・キジ・ゴイサギ・ヤマドリ・コジュケイなどで、あまり種類は多くありません。

これらの鳥のなかでも季節によっては、いくらか住む場所をかえるものがあります。

漂鳥

漂鳥というのは、冬をあたたかい平地で過ごし夏は近くの山の中に入る鳥のことです。
季節によって留鳥よりも、ずっと広い範囲を移動します。

おもな漂鳥には、ムクドリ・セキレイ・ヒバリ・ウグイスなどがあります。

ウズラは冬になると本州の北から東海地方や、もっと西のほうまでうつります。
このように、季節によって旅をする範囲が広くなると原鳥ではなく、もう渡り鳥の仲間です。



渡り鳥

渡り鳥は、候鳥とも言いますが冬鳥・夏鳥・旅鳥・迷鳥などにわけて考えることができます。

冬鳥

日本で冬を越す渡り鳥のことです。
日本より、もっと北のほうで繁殖し秋に日本にやってきて冬を過ごします。

そして、翌年の春に、またもとの繁殖地にもどっていきます。
ツル・カモ・ガン・ハクチョウ・ツグミ・アトリ・ジョウビタキなどは、みな冬鳥です。

夏鳥

春から夏のあいだに日本で繁殖し、夏の終わりごろから秋にかけて南の国へかえっていく鳥を、夏鳥と言います。

ツバメ・ホトトギス・ブッポウソウ・サンコウチョウ・カッコウ・アオバズク・オオヨシキリなどは、夏鳥です。

旅鳥

渡り鳥のなかには、夏に日本よりもっと北のほうで繁殖し冬を日本より南方で過ごす鳥たちがあります。

これらの鳥の旅は、たいへん長いので、とても続けて飛ぶことはできません。
それで、1年に1回か2回、通り道にあたる日本のどこかで、しばらく羽根を休め、また旅を続けます。こういう鳥を、旅鳥と言います。

ですから、日本は旅鳥にとっては冬越しの場所でも繁殖地でもなく、ただの休憩所なのです。
シギやチドリの仲間は、ほとんど旅鳥です。

迷鳥

渡りの途中で、仲間にはぐれた鳥が、1、2羽、ひょっこり日本にやってくることがあります。

こういう鳥を迷鳥と言います。
ヒゲガラ・ヤマショウビンなどが、よく迷鳥としてやってきます。






獣・鳥・魚・昆虫の縄張りとは? わかりやすく解説!

獣の縄張り

イヌをつれて歩くと、よく電柱などに小便をしますが、あれは、自分の縄張りの目印としているのです。

もし、ほかのイヌの小便があると、その上に自分のをかけて臭いを消していきます。

シカは、木の枝に頭の一部からでる汁をつけて臭いを残し縄張りの目印にするそうです。

クマも、木に背中をこすりつけたり爪で幹に傷をつけたりして縄張りの目印にします。


鳥の縄張り

小鳥の類では生殖時期などに縄張りをつくります。
モズやヨシキリ・コマドリなどは縄張りをつくることが知られています。

これらの鳥のおすは、まず自分の縄張りをつくり、そのなかに、ほかのおすが入ってくると鳴き合わせをします。

激しいときには、つつきあいをすることもあり勝ったほうがその場所に住むことになります。

魚の縄張り

魚のうちでアユの縄張り争いは、とくに有名です。

海からあがったアユは、川の上流にのぼって、ミズゴケを食べていますが、によいミズゴケがはえているところに住みついたアユは、そこを自分の領域とします。

そして、あとからきたアユが、そこに入ろうとすると激しく挑んできて、あとからきたアユを追い払ってしまいます。

昆虫の縄張り

池の表面をわたるアメンボは、だいたい同じ場所をまわっていて、ほかのものが入ってくると、追い駆けることがあります。

これは、アメンボが、縄張りをもっているためです。

また、トンボやクマバチのおすなども、一定の場所を飛んでいたり、じっと1か所に止まっていたりしていることがあります。

このようなときに、ほかのおすがくると、それを追い駆けて、追い払ってしまいます。

これも縄張り争いなのです。




いろいろな動物の群れの特徴と仲間どうしの争いとは?

いろいろな動物の群れ

いままでに述べた、昆虫や獣・鳥などの群れのほかにも群れをつくって住んでいる動物が、たくさんあります。


魚の群れ

魚の仲間でも、群れをつくるものがたくさんあります。

まだ小さい時代には、同じ大きさぐらいの小さな魚が群れをつくって泳ぐものですが池の中のコイやキンギョ・メダカなどは、みな行列をつくっています。

また、ゴンズイという海に住む魚はいつも、体がくっつき合うくらいより集まって、群れをつくっています。

どうしてこのようによりかたまっているのかはわかりません。

カイワリという、やはり海に住む魚は、生殖時期に集まって合唱することがあり船の上からも、その合唱を聞くことができるそうです。

フジツボの群れ

引き潮のとき、海岸を歩いていると岩や海岸にたてた杭の上にフジツボがたくさん群がってついているのを見かけます。

フジツボが、このようにたくさんかたまっているのは、こういう場所が生活するの適しているからです。

ヤスデの群れ

また、ヤスデという動物がいちどに発生すると大きな群れをつくり、野菜や若芽を食い荒らします。

ときには、ヤスデの群れが鉄道線路にそって行列することがあります。

こんなときに列車が通ると、この虫の油のために列車が滑って脱線することがあります。

バッタの群れ

アフリカなどの砂漠には、オアシスと言って植物の茂ったところが、ところどころにあります。
このまわりは、ふだんは砂ばかりですが雨が続くと落ちていた植物の種から芽が出て、緑の林となります。

このようなときにバッタのたまごがかえると、たくさんのバッタが出てきます。

これらのバッタは、この植物を食い荒らしますが雨が止んで日照りが続くと、これらの植物は、すっかり枯れてしまいます。

そうすると、バッタは食べるものがなくなるので大きな群れをつくって、ほかの土地にたどりつき穀物などに大きな害をあたえることがあります。

ハアリの群れ

夏の蒸し暑い夜など羽根のはえたアリが、無数に集まることがあります。
これは、いちどに多数のものが出たことと、風向きなどのためです。

ガの群れ

夏の夜、田に行くと誘蛾灯のまわりに、たくさんのガが群がっています。

これは、ガが光に集まる性質をもっているためですが多くの昆虫や昆虫以外の動物でも、光に集まる性質をもつものがたくさんいます。

このような動物の性質を、走光性と言います。

クラゲの群れ

海水浴や、波のりなどをしていると、たくさんのクラゲが群がって浮いていることがあります。

これはクラゲが同じ時期に、いちどに生まれたためにできる群れなのです。



仲間どうしの争い

動物たちは、種類の違うものどうしで争うばかりでなく同じ仲間どうし争うこともあります。

これは、草食物よりも、肉食動物のほうが、激しいようです。

ネズミやオオカミの共食い

ネズミは、えさがあるときは、お互いに仲良く暮らしています。

しかし、えさがなくなって飢えてくると仲間どうしで喧嘩をはじめ弱いネズミは噛み殺され、食べられてしまいます。

このように同じ仲間を食べることを、共食いと言います。
オオカミも、えさがなくなってくると仲間の死骸を食べることがあります。

オットセイのおすどうしの争い

オットセイは、夏になって子を生むころになるとサハリン(樺太)やアリューシャンの近くの島にあがってきて、たくさんのハレムをつくります。

ハレムというのは、一頭のおすのまわりを、たくさんのめすが、取り囲んでいる群れのことです。

真ん中のおすは、おさと言われ、ほかのハレムのおさたちは自分のめすをとられないようにたえず注意しています。

自分のめすが、ほかのハレムに迷いこむと、おさはすぐに連れ戻しにいきます。
このために、二頭のおさどうしが喧嘩をすることもあります。

また、おさになれなかった若いおすたちは、いつもハレムの外からおさの様子を伺っています。
隙を見つけて戦いを挑み、相手を倒して自分が新しいおさになるためです。

群れをつくる獣たちのあいだでは、その頭になるために、ときどき、おすどうしが、このような激しい争いいをします。

動物の縄張り

動物のうちには、縄張りと言って、ある地域を自分の領分としているものがあります。

この縄張りに同じ仲間のものが入ってくると、それを追い退け、逃げないときには、攻撃をします。この争いを縄張り争いと言います。

縄張り争いに負けたほうは、その場所を譲って、ほかに行ってしまうのです。




獣・鳥の群れ、群体をつくる動物の特徴とは?

獣・鳥の群れ

獣には、ゾウやキリン・シマウマ・レイヨウなどのように群れをつくって暮らしているものが、たくさんあります。

鳥でも渡り鳥や海鳥などは、たくさんの群れをつくってくらしています。

これらの群れは、身をまもるための群れ、えさを襲うための群れ子どもを増やすための群れなどにわけて考えることができます。


身をまもるための群れ

群れをつくってくらしている獣は、たいてい草食のものです。
この動物たちは、ふだんは、たいへん大人しく、ほかの獣を襲うことはありません。

しかし、肉食の獣たちに、たえず狙われているので、いつも群れをつくって互いに助け合い、身をまもっているのです。

群れのなかには、たいてい、頭がいます。
頭は、群れのなかでもいちばん力が強く勇気もあります。

敵が襲ってくると、この頭がふせぎ、そのあいだに、めすや子どもたちを逃がしてやります。

また、群れのなかに見張りをするものがいて危険を感じるとすぐ仲間に知らせて、みんなが逃げ出せるようになっています。

しかし、逃げる暇がないときには、みんなが力を合わせて敵をふせぎます。

バイソン(アメリカヤギェウ)の群れは影に襲われると頭を外側にして円陣をつくり角で敵を突き上げます。

シマウマは、尻を外側にして円陣をつくり、うしろ足で敵を蹴倒します。
ゾウは、太い足で敵を踏み潰したり、鼻で叩いたりします。

また、セイウチなどは波うち際に牙をむけてならび敵の侵入をふせぎます。

えさを襲うための群れ

肉食をする動物になると数匹が協力して獲物を襲ったほうが都合がよいので、そのために群れをつくることがあります。

ライオンなどは、数頭から十数頭で、獲物を襲うことがあります。

オオカミは、夏のあいだは1匹で暮らしていますが冬になって食物が少なくなってくると仲間が集まって群れをつくります。

そして、いく日も痩せた体で獲物をあさり歩きます。

えさを見つけると、それがウシやシカのような自分より大きな動物であっても、みんないっしょになって襲いかかります。

野犬でも同じようなことが見られます。

海では、歯の鋭いシヤチが、十数頭で群れをつくり大きなクジラに襲いかかって、倒すことがあります。

子を育てるための群れ

オットセイが夏になると、子を育てるために北の島にあがってきて大きな群れをつくることは有名な話です。

鳥でも、渡り鳥がつくる渡りの群れのほかに海鳥の仲間は子を育てるときには大きな群れをつくります。

ウミネコは、夏のうちは、青森県の蕪島などで、大きな群れをつくって住み、ここでたまごを生んで、ひなを育てます。

そして夏が過ぎて涼しくなると子どもの鳥をつれて南のほうに飛んでいきます。



サンゴ虫の共同生活

サンゴ虫は、子どもが生まれても、その子は親からはなれないで、親の体についています。

ですから、サンゴ虫は木の芽が出て枝わかれしていくように、だんだんと大きな群れをつくっていきます。

このように、同じ動物が、たくさん集まって、ひとつの体をつくっているものを群体と言います。

サンゴ虫は、石灰質の丈夫な骨格をつくって群体を支えています。

ふつう、サンゴと言っているのは、この骨挌のことです。
そして、お互いの体は、それぞれ1つの管でつながっています。

クダクラゲの共同生活

クダクラゲの群体は、サンゴ虫の群体よりもずっと進んでいて群体をつくっているクラゲの1匹ずつの形が、たいへん違っています。

ちょっと見ると、1匹の動物のようですがやはり群体なのです。

群体のいちばん上にはガスの入ったふくろを持つものがいて群体を海面に浮かすようにしています。

このほか、えさをとったり、たまごを生んだり敵をふせぐための触手をもっていたりそれぞれ役目が違うものが集まっているのです。

このため、それぞれの形も違い、全体で1匹の動物のように見えるのです。

このような群体をつくる動物は海水や、真水に住む動物のうちヒドロ虫類・サンゴ虫類・クダクラゲのような下等なものにかぎります。




サルの社会とは? ボスザルとは? 餌をとる順位とは?

サルの社会

私たち人間の社会に、もっともよく似た群れをつくる動物はサルです。

アフリカのヒヒや、マライ地方に住むテナガザルなどは大きな群れをつくっているので有名です。

けれども、それらの群れのしくみが、どうなっているのかは、まだよく調べられていません。


ニホンザルの群れ

サルのうちでも、日本に住むニホンザルは日本の学者によって群れの生活の様子が、くわしく調べられています。

そして、サルの群れにも、順位や役目が決まっていて人間の社会と、よく似たしくみのあることがわかってきました。

サルの仲間は、熱帯地方に多くすんでいますが、そのうちで、ニホンザルは、もっとも北に住んでいる種類です。

南は九州から、北は青森県にまでおよび、山の中に群れをつくっていて、木の実や若葉・昆虫などを食べています。

そして、1つの群れは、含まった土地に住んでいて、そこから、ほかの土地へ動くことはありません。

各地のニホンザルのうち、いちばんよく調べられているのは大分県の高崎山に住むサルの群れです。

高崎山は山が険しく木が多いのでサルが住むには都合のよいところなのです。

ここには、むかしからサルが住みついていて、いまでは約1200匹の大きな群れになっています。

ここに、えさ場をつくり、ときどきリンゴ・ミカン・サツマイモなどのえさをやるので、人に慣れてきて人の手からえさをもらうサルも多くなってきました。

ボスザル

時間を決めて、えさ場にえさをまくと、サルが集まってきます。

集まったサルの群れを注意してみると、ところどころに大きなおすザルがいます。この大きなおすザルが、群れの頭で、ボスと言われます。

ボスの勢力は非常に強く、自分の好きなところに座りえさを好きなだけ食べることができます。
ボスが尾を立てて歩いていくと、ほかのサルは食べかけていたえさを捨てて、逃げてしまいます。

ボスは1つの群れに、1匹いるのがふつうですが高崎山のように大きな群れになると、5、6匹のボスがいます。

ボスの順位

よく観察するとボスたちには勢力の大きなものと勢力のあまりないものとがいることがわかります。

勢力のあるボスが、それより勢力のないボスのそばに近よると勢力のないボスはそこから、はなれてしまいます。

勢力のあるボスは、ほかのボスの前を通るときでも尾を挙げて威張っていきますが勢力のないボスは、そのとき尾を下げてしまいます。

2匹のボスのあいだでどちらが勢力があるのかを調べるときには2匹のボスのあいだに、えさを投げてやるとわかります。

ちょうどまん中に投げてやれば、勢力のある強いほうのボスが、ゆっくり近よってえさをとりますが、弱いほうのボスは動かないで、じっとしています。

しかし、弱いボスの近くにえさを投げてやると弱いほうのボスが急いでえさをとり、少し遠くへ逃げていって食べます。

ボスの順位は、ときどきかわることがあって弱かったほうのサルが強かったほうのサルを負かして群れの頭になることがあります。

また、年をとると強かったボスも、だんだん順位が下がってしまいます。

めすザルと子ザル

ボスの近くには、いつも子ザルをつれためすザルがいます。
めすザルと子ザルは、このボスにまもられていて、ほかのサルからいじめられません。

成長したおすザル

ボスやめすザルのいる周りには、成長したおすザルがいます。

このおすザルは、ボスになるほど強くなく、もっと強くなったらボスになろうとしているサルたちです。

成長したおすザルは、ボスがいるうちはえさ場に入って、えさをとることができません。
えさをとろうとすると、ボスに追い払われてしまいます。

若いおすザル

成長したおすザルたちのさらに外側には若いおすザルが数匹ずつ、かたまっています。

これは子どもから、若者になったばかりのサルです。



えさをとる順位

サルの群れでは、えさ場でえさをとる順位が決まっています。

まず、最初はボス、つぎに成長したおすザル、それから若いおすザルの順になっています。

めすザルと子ザルは、特別で、ボスの近くにいてボスザルといっしょに、えさを食べることができます。

ボスザルは、充分えさを食べると山の中へ入っていきます。
それについてめすザルや子ザルも山の中に入っていきます。

こうして、ボスの姿が見えなくなると、まわりにいた成長したおすザルが、えさ場に入ってきます。

そして、まだいくらか残っていためすザルや子ザルも姿を消して少なくなると、それまでいちばん外側にいた若いおすザルもえさ場に入ってきて、いちばん最後に残ったえさを食べます。

見張りザル

ニホンザルの群れには、必ず、見張りのサルがいます。
これはたいてい、群れのいちばん外側にいる若いおすザルです。

見張りのサルは、木の上に昇っていて何か群れに危険が迫ると木を揺すったり、声を上げたりして仲間に知らせます。

ひとリザル

サルの群れの近くには、群れからはなれて1匹だけで生活しているおすザルがいることがあります。

このようなサルをひとりザルと言います。

どうして、1匹だけ、除け者にされているのかわかりませんが群れに近づこうとすると、ボスザルやおすザルが追い払ってしまいます。

サルの群れの階級

えさをとる様子から、ニホンザルの群れにはボスザル、成長したおすザル、若いおすザルなどの階級が決まっていることがわかります。

また、見張りザルのような役目をもったものもいます。
ボスザルは、この決まりを仲間にまもらせるようにしています。

もし、この決まりを乱そうとするものがあると攻撃して懲らしめるのです。

また、群れに危険が迫ったようなとき、まず、めすザルや子ザルを逃がし、群れが無事に逃げのびてから最後にボスザルが逃げていきます。

ボスは、威張っているばかりでなく、いざというときには群れをまもろうとするのです。

サルのものまね

動物園のサルは、人のあたえたものをよく食べますが野生のサルは、見慣れないものは、なかなか食べようとしません。

たとえば、野生のサルにキャラメルなどをやっても、見向きもしません。
しかし、子ザルや若いサルは人に慣れやすく、すぐに食べるよりになります。

こうして、1匹が食べはじめると、ほかのサルたちも、まねをして食べるようになります。

あるとき、たまごをたべることを知らなかった群れに、ほかの群れから、たまごを食べることを知っているサルをつれてきて仲間に入れてやりました。

すると、その群れのサルも、たまごを食べるようになったということです。

このように、まねをするのは、食べ物を食べるときだけではありません。

1つの群れで、あるサルがサツマイモを洗って食べたところ、ほかのサルもまねをしてサッマイモを洗って食べるサルが多くなったということです。

このものまねをするということは、たいへん大切なことで、
これによって二ホンザルの群れは新しいことを覚えていくのです。




アリの世界とは?女王アリとはたらきアリの関係と特徴とは?

アリの世界

アリにはたくさんの種類があり、それぞれ少しずつ習性が違っています。


女王アリとはたらきアリ

ひとつの単には数匹、ときには、数十匹の女王アリがいます。
女王アリは、たまごを生むことができ体が大きくて、とくに腹の大きいのが目立ちます。

そのほかのアリは、はたらきアリです。

ミツバチのはたらきバチと同じように、たまごを生むことはできませんが、たまごや幼虫の世話をし食物を運び、巣を広げたり、敵をふせいだりします。

種類によっては、はたらきアリのほかに、もっと体の大きな兵アリがまじっていることもあります。
兵アリのしごとは、はたらきアリとかわりません。

おすアリとめすアリ

ふつう、アリには、羽根がありません。

しかし、1年のある季節には、それぞれのアリの巣には羽根のはえた、おすアリとめすアリが生まれてきます。
よく、ハアリといっているのは、このアリたちのことです。

ときがくると、このおすアリとめすアリは巣を飛び立って結婚飛行にでかけます。

結婚飛行の時期はアリの種類によって違いますが、ふつう春から秋のあいだです。

結婚の終わっためすアリは地面にまいおり、自分で羽根をもぎとります。
そして、自分の体の入るぐらいの小さい穴を掘り、たまごを生みます。
こうして、このアリは女王アリになるのです。

結婚をすませたおすアリは地面に降りると、まもなく死んでしまいます。

アリの単

アリは、ふつう土の中に単をつくります。
しかし、トビイロシリアゲアリ・ムネアカオオアリ・ヨツボシオオアリ・トゲアリなどは、木の幹に巣をつくります。

アリの巣はたくさんのろうかと、いくつかの出入り口からできていますがミツバチやアシナガバチの巣のように、規則正しくありません。

アミメアリは、かわったアリで、女王アリがいません。
はたらきアリが少しずつたまごを生むのです。

ちょっとした隙間でもあると巣に利用するくせがあるので幼虫やさなぎをくわえて別な場所に引っ越しているのをよく見かけます。

アリの食物

下等なオオハリアリは、昆虫の死骸だけを食べます。
もっと高等なふつうのアリたちは昆虫やミミズの死骸を巣に運んで食べます。

また、巣の中にアリマキを飼って、その尻からでる、甘い汁を吸っているアリもあります。
クロナガアリは、秋になると雑草の種を集めて巣の中にたくわえ、これを食べて暮らします。



昆虫の帰り道

アリやハチなどの昆虫は食物を集めにでかけていっても道を間違えることなく必ず、自分の巣にかえってきます。

巣にかえるしくみは、つぎのように考えられます。

① 巣から出た若いハチやアリは巣のまわりをぐるぐるまわって巣の近くの木や草の形、色やにおいをよく覚えます。

それから、だんだん遠くまでの道を覚えます。

このようにして、覚えておいた道をたどれば遠く巣からはなれたところからでも迷わずに巣にかえることができるわけです。

② アリは、巣から近いところにでかけるときは太陽の差す方角を覚えておいて、かえりにはきたときと体の反対側に、光を受けながら巣にかえります。

このように、昆虫でも親虫になってから日数が経っているものは、なれているので、上手に帰ることができます。

しかし巣からあまり出たことのない若いものは遠くからはなしてやると自分の巣に帰ることができなくなり迷子になってしまいます。

ヤマトシロアリの生活

シロアリは、アリの仲間ではなく、ゴキブリの親戚です。

ヤマトシロアリは、腐った木や古い柱などの中に巣をつくりますが、にわ木を食い荒らすことは、まずありません。

ふつうのアリでは、結婚がすむと、おすアリは死んでしまいますがヤマトシロアリでは結婚がすんだおすとめすは羽根を落として走りまわり腐った木などを探して新しい巣をつくり、王と女王になります。

はたらきアリは、頭が小さくて、体全体が白っぽい色をしています。

また、兵アリはミカン色の大きな頭と大あごをもっていて外から巣に入ろうとする敵をふせぎます。




ミツバチの生活とは?女王バチとはたらきバチの関係と特徴とは?

ミツバチの生活

ミツバチは、ハナバチ類のなかでも、いちばん高等な仲間です。

それで、その社会生活もたいへん進んでいて、ほかのハチやアリの社会生活では見られないことが、いくつかあります。


女王バチ

ミツバチは、アリと違って1つの巣には女王バチが1匹しかいません。
もし、2匹目があらわれると女声、ハチどうしで、ひどい喧嘩をして片ほうを刺し殺してしまいます。

また、ミツバチの女王には、はたらきバチのように、うしろ足に花粉かごがなく、胸部にロイヤルゼリー(王様のゼリー)という蜂乳を出すところもありませんから花粉集めや子どもを育てることはできません。

女王バチのしごとは、たまごを生むだけなのです。
ところが、アシナガバチ・マルハナバチ・アリなどの女王は巣をつくったり食物を集めたり子どもを育てたりしてはたらくこともあります。

はたらきバチ

ミツバチの巣に女王バチを中心に、4、5万のはたらきバチが住んでいます。

これは、もともとめすなのですが幼虫のとき食物が充分でなかったため、たまごを生むことができない体になってしまったのです。

それで、女王バチの腹が大きいのにくらべて、はたらきバチの腹はずっと小型です。

しかし、脳のつくりをみると、はたらきバチのほうが発達していて脳のはたらきでは女王バチよりも、勝っているようです。

また、尻の針は、女王バチでは、たまごを生むための道具ですが、はたらきバチでは敵を倒す武器になっています。

はたらきバチは、巣をつくったり、食物を運んだり、子どもを育てたり、いろいろのしごとをして、はたらきます。

ドイツのフォン=フリッシュ教授の研究によって、このはたらきバチは、親になった日から、年をとって死んでしまうまで、決まった順序で、しごとの受け持ちを、かえていることがわかりました。

おすバチ

おすバチは気候がよくて食物がたくさんあるとき1つの巣に数百匹育てられます。

体は太っていて大きく、女王バチやはたらきバチにくらべて、ずっと大きな複眼をもっています。

結婚式のときには、1匹の女王バチが飛んでいくと、そのあとを何百というおすバチが追い駆けます。

しかし、このおすバチのうち、女王バチと結婚できるのは、いちばん目の発達した、そして羽根の丈夫な、たった1匹のおすバチなのです。

このおす、バチは、結婚式がすむとすぐ死んでしまいます。

ミツバチのおすたちは、ほかのハチのおすたちと同じように食物が豊かなときには、大切にされます。

しかし、結婚式がすみ、冬も近づいて、食物が少なくなってくると、はたらきバチに追い払われるか、ひどいときには刺し殺されてしまいます。

ミツバチの子どもたち

ミツバチの巣には、女王バチ・おすバチ・はたらきバチのほかに、たまご・幼虫・さなぎなども、たくさんいます。

たまごは小さく、お菓子のゼリービンズのような形をしています。
幼虫は足がなくて、ウジのような形をしていますがハエのウジと違って頭がはっきりしています。

さなぎは、親虫によく似ていますが足やひげが体にぴったりとつき、羽根が下側に曲がっています。

チョウのさなぎのように厚い殻をかぶっていないのでハダカサナギと言います。(チョウのさなぎはカブリサナギ、または、メンカブリと言われます)

これらのさなぎの世話は、みなはたらきバチがします。



たまごのいろいろ

女王バチが巣に生みつけたたまごのうち王台に生みつけられたたまごからは、つぎの女王バチが生まれます。

王台というのは、形も大きさも、はたらきバチの部屋とは、まるで違った立派な部屋です。
たまごからかえった女王バチの幼虫はロイヤルゼリーだけで育てられます。

はたらきバチのたまごは、ふつうのせまい部屋に生みつけられます。
かえった幼虫には、3日目までロイヤルゼリーがあたえられますが、そのあとは蜜でねった花粉があたえられます。

おすになるたまごは、はたらきバチと同じ形ですが、もう少し広い部屋に生みつけられます。

王台がたくさんつくられて2匹目の新しい女王が生まれそうになると古い女王バチは、はたらきバチの一部をつれて巣から飛出します。

そして新しい群れをつくります。これを巣わかれと言います。

女王バチの雇い入れ

ひとつの巣にいるミツバチたちが、女王バチを失い、そのうえ、女王バチになるたまごを巣にもっていないときには子孫をつくれなくなります。

こうなると、やがて滅びなければなりません。

ミツバチを飼っている養蜂場では、こういうときには女王バチがいなくなった巣に新しい女王を雇い入れ、その群れの滅びるのをふせぎます。

新しくきた女王バチは、いきなりいっしょにされると、はたらきバチと喧嘩します。

そこで、金網をはった小箱に女王バチを入れて、しばらく巣の中に入れておきます。

そのうちに、巣のにおいが女王バチにうつるので出してやっても喧嘩をしないようになります。

アリの巣などでは、女王アリがいなくなると、ひとりでに女王アリの雇い入れがおこなわれます。




昆虫の社会生活とは? 昆虫のいろいろな集まりとは?

昆虫のいろいろな集まり

昆虫は、たいてい1匹ずつで暮らしていますが種類によっては同じ仲間のものが、たくさん集まって暮らしていることもあります。

同じ昆虫が同じ場所に集まるときには、いろいろな場合があります。
同じえさのまわりに集まるものや、ある時期になると群れをつくるものもあります。

親子の集まりや、社会生活を営むための集まりもあります。


食物のための集まり

ごみためを探すと、オオヒラタシデムシの親虫や子虫がたくさん集まっているのを見ることがあります。

この虫は腐ったものだけを食べるので自然とごみために集まってくるのです。

しかし、えさがなくなれば、また、ばらばらに散ってしまいます。
ですから、同じ場所にいるといっても食物のためだけの集まりで、とくに助けあったりするわけではありません。

冬越しや、引っ越しのための集まり

食物のために集まる昆虫のほか、寒い冬を越すために同じところに集まっているものがあります。

たとえば、ウリハムシやテントウムシなどが、よく草の根もとに群がっているのを見ることがあるのは、この例です。

また、アキアカネやモンシロチョウなどのように住みかをかえるときになると群れをつくるものもあります。

家族生活を営む集まり

昆虫のなかには、家族生活をしていて母虫が子どもの世話をするものがあります。

ときにはコオイムシのように父虫がたまごを背中に乗せて、手伝うものもいます。

母虫が、たまごや、かえりたての幼虫をまもるものにはケラ・ハサミムシ・モンキツノガメなどがあります。

また、アナバチやハナバチの仲間のうちにに母バチが幼虫のために巣をつくるものがあります。
このハチたちは、幼虫のために狩りにでかけて昆虫か、またはクモをつかまえてくるので、狩人バチと言います。

あるハナバチの仲間では昆虫のかわりに花粉と蜜を集めて幼虫のえさにします。

これらのハチでは母バチは幼虫がさなぎになるまでえさをあたえ、そのあとは、子虫の世話をしないのがふつうです。



社会生活を営む集まり

ハチやアリの仲間で、ある種類のものは幼虫のどれかが親虫になっても、巣を去らないで妹や弟の世話をします。

この暮らしかたは家族生活よりも進んでいて親虫たちの毎日のしごとには、受け持ちが決まっています。

そのために、この集まりでは、同じ種類の動物でありながら体つきや習性などが、違うようになったものもまじっています。

このような暮らしかたを昆虫の社会生活と言います。

社会生活をする昆虫たち

昆虫で社会生活を営むものの、おもなものにはシロアリ類とハチ・アリ類があります。

シロアリ類はアリと言っても、ふつうのアリとは体の形や性質がたいへん違います。

羽根のあるものと羽根のないものと2種類ありますが羽根のあるものは、前羽根とうしろ羽根とが、ほとんど同じ形で、同じ大きさをしています。

シロアリ類には、たくさんの種類がありますが熱帯地方に多くの種類がいます。
日本に住むおもなものに、ヤマトシロアリとイエシロアリがいます。

アリ類は、世界で600種、日本でも100種ぐらいいますが、たいていは土の中に巣をつくります。

ハチ類は、全部が社会生活をするわけではありません。
社会生活をするものは、スズメバチ類ではスズメバチの仲間とアシナガバチの仲間です。

ハナバチ類ではマルハナバチの仲間とミツバチの仲間が社会生活をします。




木の上に巣をつくる鳥とは?崖や水面に巣をつくる鳥とは?

木の上に巣をつくる鳥

木の上に巣をつくるものには、ハト・カラス・クカなどがいます。
これらの巣は、枯れ枝を重ねただけの粗末な巣です。


コウノトリは、おもにマツの木のこずえ近くにつくりますが、むかしはツルの巣と間違えられていました。

しかし、ツルは木の上には巣をつくりません。
湿地に枯れ枝や草を集めて、粗末な巣をつくるだけです。

ウグイス・メジロ・ホオジロなどの小鳥は、みな上手に巣をつくりますが、なかでも、エナガの巣は見事です。

木のまたについていることもあれば、枝から垂れ下がっていることもあります。

巣のまわりにはコケをクモの糸でつけてあるので木の幹と見分けがつきません。

巣の中には、ほかの鳥の羽根毛がいっぱい敷いてあって、とてもあたたかです。

カイツブリの巣

むかしの人が「ニオ(鳰)の浮き巣」と呼んだのがカイツブリの巣で、水の上に浮いているので有名です。

巣は沼に水草を集めてつくりますが、この水草はおすが水の中にもぐってとってきて、めすにプレゼントしたものです。

沼の水は雨が降ると増え、日照りが続けば減りますが、この巣は浮いているので水のかさが増えても水浸しにならず、たいへん都合よくできています。

また、水草のかたまりでできているため敵に見つかる恐れもあまりありません。

怪しいものが巣に近づいてきたときには親鳥はたまごの上に水草をかぶせて、たまごが見えないようにします。

そして、自分は水にもぐって隠れます。



アマツバメの巣

アマツバメやハリオアマツバメは険しい岩のがけなどに、さら型の巣をつくります。

巣の材料は小枝やわらなどですが、それを飛びながら集めます。
こうして集めた材料を、ねばねばしたつばで岩にくっつけて巣をつくります。

このねばねばしたつばは乾くと半透明の合成樹脂のようになりますから、とても美しい巣ができあがります。

中華料理で食べるツバメの巣はアマツバメの仲間のアナツバメの巣です。
これらは、ツバメという名がついていますがツバメの仲間ではなく、ハチドリの親戚です。

アナツバメは、マライ地方の洞穴にたくさん集まって巣をつくりますが、その巣は、ねばねばしたつばだけでつくり、わらや小枝などは少しも使いません。

また、ふつうのツバメやイワツバメは泥とわらで茶碗型の巣をつくりますがコシアカツバメの巣は、とっくりを横に倒したような形です。

それで、コシアカツバメを、トックリツバメと呼ぶこともあります。




特徴的な動物の巣とは?ミナミトミヨ・トックリバチの巣の特徴とは? 

ミナミトミヨの巣

ダーラミイの巣も日本のトゲウオ類の巣には、とても適いません。

日本に住むトゲウオ類の一種、ミナミトミヨの巣のつくりかたを、のぞいてみましょう。


この魚は京都付近のきれいな流れに住んでいて3月ごろから7月にかけて巣をつくります。

はじめ、おすは巣をつくるのによい場所を探します。
場所の取り合いで、おすどうしが、激しく戦うときもあります。

よい場所をとったおすは、そこにはえている水草のごみを払落し草の中に隠れている、小さい動物が追い払います。

そして、水草のしげみに体で穴をあけて、その穴の中に草の根や茎などを口で運んで、細長いかごあみます。

これを土台にして、しだいに、かごを丈夫にしていきます。

このとき、腎臓から、ねばっこい液を出して巣の材料にこすりつけ、しっかりと、つけあわせます。

こうして、ついに直径3.5センチぐらいの球形の巣をつくりあげます。
巣のいっぽうには、1センチぐらいの入り口があります。

巣ができあがるとおすは、めすを誘って巣の中にたまごを生ませますが、中がたまごでいっぱいになるまで、何匹も、めすを呼び入れます。

産卵がおわると、おすは入口を直径5ミリぐらいに小さくし巣のそばでばんをしています。
そして子がかえると、えさを運んできて巣の中に吐き出、子にあたえます。
おすは、子魚が巣からでるまで、このしごとを続けます。



トックリバチの巣

昆虫には、巣をつくるものがたくさんありますが、トックリバチなどは、つくりかたや観察するには、いちばんよいものでしょう。

トックリバチは、草原の小さい木や、へいなどに泥でとっくりのような形の小さい巣をつくります。

まず小さな土のかたまりを口にくわえ、つばとこねまぜて木につけます。
それから、この上に泥を積み重ねて、しだいに球をつくっていきます。

ほぼ巣ができあがると、青虫を数匹つかまえてきて、中に引き入れます。
そして巣の中にたまごを1つ生むと、とっくりの口の部分をつくり、ふたをしてしまいます。

中の青虫には、麻酔薬のような毒液を注射してありますから青虫は、ずっと眠っていて腐りません。

そこで、たまごからハチの幼虫がかえると青虫を食べて成長し成虫になると巣を食い破って外に出てくるのです。

地面や木の穴に巣をつくる鳥

巣と言えば、まず鳥の巣を思い浮かべるほど、たいていの鳥は、立派な巣をつくりますが、なかには、ダチョウやキウイなどのように巣をつくらないで地面のくぼみにたまごを生むものもいます。

また、キジ・ウズラ・カモメなども地面に少しばかり枯れ草を集めるだけです。

これより少しましなのはブッポウソウ・シジュウカラ・ヤマガラなどで枯れ木にある洞穴を利用し、その中に枯れ草やコケなどを集めて巣にします。

木の穴に巣をつくる鳥のなかでもキツツキの巣穴は、くちばしを使って自分であけたものです。

オオミズナギドリ・ウトウなどの海鳥やカワセミは食べた魚の骨だけを、だんごにして吐き出し、それを巣の中に敷いています。




特徴的な動物の巣とは?カヤネズミやヒメネズミ、スゴモリアマガエル・グーラミィの巣とは?

育児用の巣

これまで述べた巣は、もちろん育児用にも使われますが、ここで述べるのは、育児用にだけ使われる巣です。

このような巣は非常に多くの動物がつくるので、ここでは、そのうちの代表的なものだけを説明することにしましょう。



カヤネズミやヒメネズミの巣

獣で、育児用の巣をつくるのはカヤネズミやヒメネズミぐらいたものでしょう。

カヤネズミは、日本のあたたかい地方のカヤや、カヤツリグサなどがたくさんはえたところにいます。

小さなキツネ色のかわいいネズミで、ふだんは、ほかのネズミのように地下に穴を掘って住んでいます。

しかし、子を育てるころになるとカヤなどの茎の地上1メートルぐらいのところにウグイスの巣によく似た巣をつくります。

巣はカヤの葉を縦に細かく裂き、それをまとめて直径8センチぐらいの球形にしたものです。

入り口は横に開いています。そして、その中に5~9匹ぐらい子を生みます。
こんなところに巣をつくるのはたぶん、ヘビなどの恐ろしい敵を避けるためでしょう。

ヒメネズミは、日本の森林にたくさんいるクリ色のネズミで巣はカヤネズミの巣によく似ていますがクヌギやクリなどの葉でつくってあります。

アリゲーターの巣

トカゲやヘビ・カエル・サソショウウオなどは、あまり巣らしい巣をつくりません。

カメは、土に穴を掘ってたまごを生み、土をかけておくだけです。
トカゲやヘビなどは枯れ葉の下などに直にたまごを生みます。(ただし、マムシは卵胎生で、子を生みます)

しかし、これらのものでも、まれには、かなり、立派な巣をつくるものがあります。

たとえば、アメリカのアリゲーターというワニは枯れ葉や草を集めて、直径2.5メートル、高さ1メートルの山をつくり上から20センチぐらいのところに20~30個のたまごを生みます。

そして、めすはそばにいて、たまごをまもっています。



モリアオガエルの巣

モリアオガニルは、日本の山地に住むカエルで白い泡て包まれたたまごを水辺の木の上に生みます。

そして、その泡の中でオタマジャクシがかえり、しばらく中で泳いでいますが、やがて泡が破れてオタマジャクシは下に落ち、水の中に入ります。

スゴモリアマガエルの巣

南アフリカに住むスゴモリアマガエルは浅い池に泥で噴火口のような巣をつくります。

おすガエルは、池の底の泥を前足で掘って輸のような形にし水面の上に10センチぐらいでるまで積み上げます。

輪の直径は30センチぐらいです。
これができあがると、鳴いてめすをよび、たまごを生ませます。

たまごからオタマジャクシがかえると、この輪の中で大きくなり小さなカエルになってからはじめて外に出るのです。

このような輪の中には、オタマジャクシを食べる水生昆虫や、そのほかの小さい動物が入れないのでオタマジャクシは安全に成長することができます。

グーラミィの巣

魚は、ふつう巣をつくりませんが、なかには例外もあります。
ダーラミィは、マライ地方に住む熱帯魚で泡の浮き巣をつくるので有名です。

おすが、口の中からねばっこい泡を出し、これをたくさん集めて巣をつくります。この巣は、水面に浮かんでいます。

めすがたまごを生むとおすは、このたまごを口にくわえて巣の中に入れ、巣のそばにがんばって、たまごをまもります。




動物の巣の役割りとは? わかりやすく解説!

巣の役割り

ひとくちに動物の巣といっても、いろいろと性質の違ったものがあります。

私たちの家のように動物が長いあいだ、または一生を、そこで寝起きして暮らす巣もあります。

また、雨つゆをしのぐだけの一時的な隠れ家もあります。
また、子を育てるための巣もあるでしょう。

いずれにしても、だとは、風・雨・雪など動物にとって都合の悪いものや敵から、自分の身をまもり、あるいはたまごや子をまもるために動物がつくったものを言うのです。

いろいろな動物がつくる巣は、その役割りから見て、だいたい、住まいとしての巣、一時的な隠れ家としての巣、育児用の巣の3つにわけることができます。

よく、クモがつくった網を「クモの巣」と言いますが、あれは、えさを捕まえるためのものですから巣ではありません。

クモの網と言うべきです。
アリジゴクの穴も同じように巣ではありません。

しかし、昆虫が、幼虫から成虫になるときにつくるまゆ、たとえば、カイコやヤママユガのまゆやダイミョウセセリの幼虫がヤマノイモの葉をつづり合わせてつくる隠れ家は身をまもるためのものですから巣の一種と言えましょう。


住まいとしての巣

ハチやアリのような昆虫にも住まいとしての巣をつくるものがあります。

ほかの動物で、このような性質の巣をつくるのは獣ではネズミ類・モグラ類・アナグマ・ビーバーなどが知られています。

モグラの巣

モグラの巣は、土の中に掘ったトンネルです。

中央の深いところに、球形の部屋があり、ここには枯れ草がいっぱい入れてあります。

これが、モグラの寝室で、ここでお産もします。

この部屋から、2、3本の太いトンネルが出ていて、それからいくつもの細いえだ道がわかれ、しだいに地面に近づき、ついには、地面のすぐ下を走っています。

地面近くのトンネルは、えさにするミミズや甲虫の幼虫などを探すところです。

寝室のまわりには、細い道がぐるぐると走っていますが、これは、たぶん逃げ道でしょう。

この巣穴は、ずいぶん広いものですが、ここにモグラはたった1匹で暮らしているのです。
ほかのモグラが入ってくるとたいへん怒って激しく戦い、追い出してしまいます。

畑や草原に住んでいるハタネズミやヤチネズミなどもモグラに似た巣をつくります。

ビーバーの巣

獣の巣のなかで、いちばん大仕掛けなのはカナダなどに住むビーバーの巣でしょう。

ビーバーは、川岸に水中からトンネルを掘り、寝室をつくります。
ところが、このままでは、冬になって水が少なくなるとトンネルの入り口がむきだしになってしまいます。

そこで川にダムをつくって、水が減らないようにするのです。

川岸にはえているハンノキやカワヤナギなどの木をかじって切り倒し、それを川に運び、石を重りにして、流れないようにします。

数匹が力を合わせて工事をするので、大きいダムになると長さが180メートル、厚さが6メートル、高さが3メートルほどのものがあります。

アナグマの巣

アナグマは、ふつう、山の斜面にトンネルを掘って住んでいます。
トンネルには、いくつかのえだ道があり、奥に数個の寝室があります。
アナグマは数匹いっしょに、ここに住みます。

キツネやタヌキは、穴を掘るのがあまりうまくないので、たいてい、自然にできた穴に住みます。

しかし、キツネはアナグマの巣を横取りすることがあります。
アナグマのいないときに、巣の中に入って小便をして汚すと、きれい好きなアナグマは、臭くて我慢ができずに、そこから逃げ出し、別な巣をつくります。

するとキツネは、空き家になったアナグマの巣を横取りして、そこに住みついてしまうのです。



チンパンジーやゴリラの巣

チンパンジーやゴリラなどは、夜、小枝を折って、木の上に積み重ね、
ちょうど、ガラスの巣のようにして眠ります。
ゴリラは毎晩同じところには寝ないで、毎日別の巣をつくるそうです。

また、大きいおすは、重すぎて木にのぼれないので木の根もとに巣をつくり、幹によりかかって眠ります。

リスの巣

リスは鳥に似て、上手に巣をつくります。
そのなかでも、北アメリカのキツネリスの巣は、木の枝の上に球形、または、長円形に枯れ枝を組み合わせてつくったものです。

見たところ、あまりよい巣ではなさそうですが、よく調べてみると、どうしてそうではありません。

枯れ枝でできた外側の囲みの中には、立派な壁があります。
これは、大きな葉を集め、それがまだ、湿っているうちに押し固めたものなので、激しい風や雨も中までは通りません。

巣の中には、やわらかい木の皮を細かく裂いたものや木の葉が敷いてあって寝室になっています。

入り口は横に開いていますが、通ったあとは、ふさがるようになっているので、ここから風が入る恐れもありません。
ですから巣の中はとてもあたたかく、どんな吹雪の夜でも少しも寒くありません。

春になるとリスはここで子を生みますが夏には、別に涼しい巣をつくります。

イエネズミの巣

イエネズミには、おもに天井裏に住むクマネズミ、台所の流しや下水に住むドブネズミ、小さなハツカネズミの3種があります。

クマネズミは、天井のすみに紙や布・わらなどを集めて、さらのような巣をつくります。
しかし、夏になると、たいてい、家から外へ出て、畑などに住みます。

ドブネズミは、ふつう下水やみぞに横穴を掘って、巣にします。
しかし、1年中、そこに住むわけではなさそうです。

ハツカネズミは畑にも住みますがタンスのうしろや物置などに紙などで巣をつくることもあります。




住む場所をかえる動物とは? わかりやすく解説!

住む場所をかえる動物

ガン・カモ・ツバメ・シギなどの鳥は、季節がかわると南から北に、あるいは北から南にわたりをします。

また、クジラやオットセイなどの獣で広い大洋を泳ぎ回る魚も同じような回遊をします。

しかし、これらは、同じ陸上なら陸上、海中なら海中を行き来しているだけで陸から海にうつるというようなことはありません。

ところが、魚のなかには海水から淡水、または淡水から海水に住みかをかえるものがあります。
また、カエルや昆虫の中には水中から陸上に住みかをかえるものがあります。


住む場所をかえる魚

ふつう海に住んでいるサケやマスは、たまごを生むころになると、川を遡ります。
また、ウナギは川に住みますが海に下ってたまごを生みます。

水中から陸上に住みかえる動物

水の中にいるボウフラやヤゴが陸にあがって力やトンボになることは、だれでも知っているでしょう。

力の幼虫は、水中で生活をしていますが実は空気を呼吸しているのです。
ですから、たいした変化ではありません。

トンボの幼虫のヤゴは、肛門から水を腸の中に入れて呼吸していますが、トンボになって空を飛ぶようになると、気管で空気を吸って呼吸します。

カエルは、オタマジャクシのころは頭の両側に突き出ているえらで呼吸をしています。
そして手足はなく、尾びれで泳いでいます。

しかし、だんだんに肺ができて、えらがなくなり手足がはえ、尾がなくなって陸上にあがってくるのです。

つまり、オタマジャクシは、魚とほとんど同じ体つきですがカエルはトカゲなどのような陸上に住む動物とほとんど同じです。

ですから、オタマジャクシがカエルになるありさまは魚から水にも陸にも住むことのできる動物にわかれた大むかしの進化のありさまを、いまでも繰り返しているわけで、たいへん面白いことです。




水に住む動物とは?魚の浮き袋とは? わかりやすく解説!

水に住む動物

海・川・湖などの水の温度は、場所や季節によっても陸地の温度ほど激しくかわりません。

そのうえ、これらの水には、生物の生活に必要な栄養分が、たくさんふくまれています。

ですから、陸上にくらべると海や川や湖などは動物にとって、ずっと住みいわけです。


水に住む動物のいろいろ

水に住む動物には、アメーバ・ヤコウチュウなどのような体のしくみのかんたんな動物をはじめクラゲ・イソギンチャク・貝・エビ・カニ・ヒトデ・魚・クジラなど、さまざまな動物がいます。

かわった動物に、カイメン・サンゴ・イソバナ・コケムシ・エボシガイ・ウミシダなどがいます。

これらは、海底の岩の上についていて、動くことができませんし形も植物のように見えますが海水の流れがプランクトンなどの食物をたえず運んでくれるので、じっとしていても生活することができるのです。

水に住み動物の体の形やしくみ

水は、空気にくらべて、ずっと密度が大きいので体が浮きますから体を支える足はいりません。

このため、水に住む昆虫では、ゲンゴロウのように足が体を支えるためでなく、泳ぐための足になっているものもいます。

体の形も、泳ぎやすいように平たい流線形をしています。

ウニやヒトデのように、あまり動かない動物は体が星形か円形、または球形をしていて、左右の区別がありません。

クラゲは、体が浮きやすいように、つりがね形や、ふくろのような形をしています。

ところが、エビ・魚などのように、水中で泳ぐ運動をするものは体の中心を境にして、右側と左側が同じ形をしています。

そして、たいていは、体のうしろはしに尾びれがあって、これで水を押しやって泳ぎます。

魚には、さらに、背・腹・胸などにもひれがあって体が横に揺れるのをふせいだり、急に止まったり方向をかえたりするのに都合よくなっています。

また、どの魚にも、ほとんどみな浮きぶくろがあって体を浮かすのに役立っています。

クジラ・イルカ・アシカなどの獣やウミガメなどは、もとは陸に住んでいたのですが、海の中で生活するようになってから足や尾の形がかわって水中を泳ぐのに都合のよい、ひれにかわりました。

ことに、クジラは、前足が胸びれに、尾が尾びれになってしまいました。
種類によっては背にも、りっぱな背びれができていて魚と間違うほどです。

海に住む動物と波・光

海岸近くの浅いところは、波がひどいので、ここに住む動物は貝類のように、硬い殻で身をつつんだり岩などにしっかりくっついていなければなりません。

海の深いところに行くと、波はなくて静かになってきますが、そのかわり、光が届かなくなり、だんだん暗くなってきます。

ですから、深海魚では目が大きくなったり非常に深いまっ暗なところにいるものでは目があっても、ものを見ることができないので反対に目が退化しているものもあります。

また、深海魚には発光器をもっていて、自分で光を出すものもあります。

チョウチンアンコウは、背中から長い枝が伸びて、その先に提灯のようなものをぶら下げ、それが口の前で光ります。

ほかの魚たちが、その光に誘われて近づくと大きな口で食べてしまいます。



魚の浮きぶくろ

魚が水の中に浮いていられるのは、浮きぶくろがあるためです。

魚の浮きぶくろは、食道の一部がふくらんでふくろになったもので子魚のうちは、浮きぶくろと食道とが細い管でつながっていますが成長するにつれて、細い管がなくなります。

しかし、コイ・フナ・サケ・ウナギなどのように成長して親になっても、細い管が残っているものもあります。

浮きぶくろには、細い血管がたくさん集まってできた赤腺というしくみがあって、ここで血液中の酸素や二酸化炭素を浮きぶくろの中に出します。

水の中に二酸化炭素が多くなると赤腺からたくさんの二酸化炭素が出され、浮きぶくろが大きくふくらみます。

また、浮きぶくろの中のガスは卵円腺というところから吸い取ることができるので魚たちは、この浮きぶくろの大きさをかえて、自由に体を浮き沈みさせることができます。
 
また、深海魚などが住むような深いところでは魚は、たいへん大きな水心圧力を受けます。

そのため、深海魚では、浮きぶくろの中の気体の圧力を大きくして体が水の圧力に押し潰されないようにしています。

浮きぶくろは、このほか音を聞いたり呼吸をするのにも役立つことがあります。

動物の体を住みかとするものかわった動物に、ほかの動物の体を住みかとしてぃるものもあります。




空を飛ぶ動物の特徴とは?モモンガなどの飛ぶしくみとは?

空を飛ぶ動物

空を飛ぶ動物でも、昆虫のように小さなものは体が軽いので、かんたんに飛ぶことができます。

ところが、獣やは虫類などは体が大きく重いので飛ぶことは決してかんたんではありません。


トビトカゲ・モモンガなどの飛ぶしくみ

飛びかたにもいろいろあって、いちばんかんたんなのは、グライダーのように、高いところから、低いところに滑空する方法です。

マライ地方のトビトカゲは体の両側にかさのような膜があり、これを広げて飛びます。

日本にいるムササビやモモンガ、マライ地方にいるヒヨケザルは体のわきの皮膚が、手と足まで伸びていて、これを広げて木から木へ飛びうつります。

しかし、これらは高いところから低いところに飛び降りるだけですから、空を自由に飛ぶとは言えません。
獣のうちで、本当に飛ぶのはコウモリだけです。

コウモリや鳥の体のしくみ

コウモリは前足、ことに指が長くなって指のあいだとうしろ足のあいだに、うすい膜があり、これで空気をうって飛びます。

鳥も、前足が長くなっていますが指は短く、そのかわり、羽毛が大きくなって、翼になっているのです。

コウモリや鳥は大きな翼を強く羽ばたくために胸の筋肉がよく発達しています。
また、この筋肉がついている胸の骨もしっかりしています。

鳥の骨は、中が空で空気が入っていますから見かけよりずっと軽く飛ぶのに便利です。



また、肺からは、いく組かの気のうが出ていて内臓のあいだや骨の中にまで伸び、中に空気を満たしています。

このため、体は軽く、浮かび上がりやすくなります。
また。これは伸び縮みするので肺の中の空気を取り換える助けにもなるようです。

飛んでいるときの呼吸には気のうのはたらきが、ことに大切だと言われています。

また、飛ぶためには、するどい感覚と、たくみな運動が必要です。
そうでなければたちまち何かにぶつかって死んでしまうでしょう。

そのため、鳥は目と小脳がとくに発達しています。

コウモリは、翼の膜の感覚がするどく、また、耳がとくによく発達しています。

飛びながら、人の耳には聞こえない高い音を出していますが、これがものにぶつかって、跳ね返ってくるのを感じて、もののあることを知り、ぶつからないように避けて飛びます。




地中に住む動物の特徴とは? わかりやすく解説!

地中に住む動物

土の中で動物が住めるのは、有機物の多い、ごく浅いところだけです。

土の中だけで生活する動物は、ミミズや細長い糸のような線虫類、ダニ、コガネムシの幼虫(ジムシ)、ハダカヘビ・メクラヘビなど、ごく小さなものだけです。

もう少し大きいものでは、モグラ・ヒミズモグラ・タカチホヘビ・シロマダラ・ジムダリなどがありますが、これらは土の中だけにいるわけではなく、ときどきは土の上にも出てきます。


色素と目

土の中には光が入りません。
そのため目は役に立たず、目の見えないものが多いのです。

ミミズや線虫類には目がありませんし、ハダカヘビやメクラヘビ・ヒミズモグラ・モグラなども目は役に立ちません。

モグラやヒミズモグラの目は直径が1ミリほどで皮膚がかぶさっています。
光のうち、紫外線は体の中に入ると有害です。

私たちが裸でいると皮膚が黒くなるのは体の中に紫外線が入るのをふせぐために皮膚にメラニン色素が増えるからです。

反対に、紫外線のこない土の中で暮らすものは、それをふせぐ必要がなく、したがって皮膚の色素もいりません。

土の中だけに住む動物が、たいてい白いのはこのためです。

ミミズが赤いのは、皮膚に色素があるためではなく血液に赤いヘモグロビンがあるためです。

しかし、土の上にも出てくる動物は皮膚にちゃんと色素をもっています。



体の形

土の中を動きまわるために体は円筒形をしていて、でこぼこがありません。
足はあってもごく短く細いトンネルの中を押し進むのに都合よくできています。

モグラやヒミズモグラは、前足がシャベルのようになっていて、これで土の中に穴を掘って進みます。

モグラと同じようなトンネルをつくるケラの前足もモグラによく似たシャベル形になっています。

また耳たぶや尾はごく小さいか、またはありません。
モグラやヒミズモグラは耳たぶがなく毛もネズミなどにくらべるとずっと短くなっています。

これらでは、体の毛は長さが短くそろっていて、うしろにも前にも、どちらへでも倒れ、細いトンネルの中を前進したり、後ずさりしたりしても、毛が逆立って中に泥が入る心配はありません。

アナグマは、土の中だけに住む動物ではありませんが土の中に長いトンネルを掘って住みかにしているので、体つきはモグラによく似ています。

しかし、小さいながら口も耳たぶもあり前足もモグラほど強く大きなものではありません。

このような、土の中に巣をつくって暮らすものは北アメリカのプレーリードッグやマーモッ卜、アジア・ヨーロッパのハタリス、アフリカのツチブタなどです。

日本にいる動物ではシマリス・ハタネズミ・ヤチネズミ・アカネズミ・ジネズミ・トガリネズミなどがあります。

このうち、いちばん土の中の生活に適しているのはハダネズミで耳たぶと目が小さく、短い尾や滑らかな毛をもっています。

そのため、モダラネズミなどと言われることもあります。




陸に住む動物の特徴とは?体温を保つしくみとは?

陸に住む動物

陸上は、水中より酸素が多く、食物になる植物もたくさんはえていて動物には住みよいように思えます。

ところが、そうでもないのです。


陸に住む動物の皮膚

カエルを水のないところで飼っておくとミイラのようになって死んでしまいます。
これは、カエルの皮膚を通して、体の中の水分が出てしまうからです。

ですから、陸に住む動物は、体の水分が蒸発しないような、また、硬いものに触れても傷がつかないような、しっかりした皮膚をもっていなくてはなりません。

獣の厚い皮膚、トカゲのうろこ、昆虫の硬い甲(キチン質でできています)は、このような役目もしているのです。

陸に住む動物の呼吸器

動物は、呼吸をしなければ生きていけません。そのため、たいてい呼吸器をもっています。

水の中に住む動物の呼吸器は、ふつう、えらです。

これは、オタマジャクシのえらのように体の外にむきだしになっていても、乾く心配はありません。

ところが、陸上に住む動物の呼吸器は形はいろいろでも、みな、体の中に入っています。



陸に住む動物の足

陸上の動物たちは食物を探しまわるために体を移動させる足が必要です。

ヘビのように、足のないものでも足のかにわりにうろこを使って動きまわります。

トカゲ・ワニなどは足がので体を引きずってよたよたと歩いていますが、獣では長い足をもっているので体を地につけずに楽に歩くことができます。

ネズミ・クマなどは、足の裏を地面にぴったりつけているので、あまり速くは歩けませんが、イヌやシカなどになると足の指先だけしか地につけないので、速く走ることができます。

陸に住む動物の口と歯

動物の食物は種類によって、いろいろ違います。
そして、口や歯は、それぞれ食物をとりやすいような形をしています。

体温を保つしくみ

陸上は温度の変化が大きいので1年中活動するには体温を自分で調節して、いつも同じ温度にしておかなければなりません。

体温を保つために、獣は、皮膚に毛を、烏は、羽毛をはやしています。

毛や羽毛のあいだには熱を伝えにくい空気があるので体の熱はあまり外に逃げません。

また、体温が高くなりすぎると、獣は汗を出したり口を開いて呼吸器から熱を逃がしたりして調節します。

このように陸の上で生活するには、いろいろの、こみいった体のしくみがいります。

ですから、下等な動物の大部分は、陸上に住むことができないのです。




動物暦と植物暦とは? わかりやすく解説!

動物暦と植物暦

ウグイスは春に、モズは秋にあらわれるというように季節の目安になるような動物が、たくさんいます。

それぞれの動物が、1年を通じて、いつあらわれ、どんな活動をするかなど季節による活動や状態のうつりかわりをもとにしてつくったのが動物暦です。


同じように、ある植物が、花を咲かせたり紅葉したりする時期も1つの地方では、毎年それほどかわりません。

これをもとにしてつくったのが植物ごよみです。

動物暦と植物暦を、いっしょにして、生物ごよみ、あるいは生物季節などとも言います。

この生物暦によって生物の姿から季節のうつりかわりを知ることもできます。

気象庁では、全国の気象台や測候所からくる報告をまとめ生物季節として、いろいろなことに利用しています。

報告することがらは気象庁できめたもので生物の種類は全国どこにでも分布するもの、よく見かけられ種類の見分けが簡単なものを選んであります。

例をあげると、つぎのようなものです。

①力エル・ヘビ・トカゲの冬眠した日、冬眠から冷めた日。

②ツバメ・ガン・カモなどのわたり鳥がわたってきた日
かえっていった日。

③ウグイス・ヒバリ・モズなどがはじめて鳴いた日。

④トンボ・モンシロチョウ・コオロギ・キリギリス・セミの仲間などが
はじめてあらわれた日。

⑤ウメ・サクラ・ツバキ・ツツジ・ハギ・サルスベリなどの開花日。

⑥カエデ(モミジ)・イチョウなどの紅葉日(黄葉日)と落葉日。

このうち、開花日とは、ふつう、一枝に5、6輪咲いた日、紅葉日とは大部分の葉が色づき緑の葉がほとんど見られなくなった日を言います。

動物が冬眠するのは、活動できにくい気候になったからですし、わたり鳥がくるのは、その鳥たちにとって都合のよい気候になったからです。

また、花が咲くのは、その植物にとって開花に適した気候になったからです。

このように、生物の活動する気候は、だいたい決まっています。
いっぽう、各地の平均の気温なども調べられていますから生物季節の報告を見れば、ある地方の気候が、いつもの年より遅れているのか早いのか、ほかの地方にくらべてどう違うかなどがわかるわけです。

季節のうつりかわりは、だいたい決まっていますが年によっては、いくぶん違います。

このことから、農家では、種まきなどの作業を何月何日と決めるよりも、どの木の芽が伸びはじめたら何の種をまき、どの花が咲いたら何を移植するという具合にしたほうが自然の条件にあった作業が進められることになります。

また、あたたかくなるのが遅れている年にはイネなどの作物は、わせの品種を選び凶作を咲けることもできます。




四季の植物とは?季節の移り変わりを感じさせる植物とは?

四季の植物のいろいろ

日本は、南北にわたって、たいへん細長い形をしている国です。
そのため、南の地方と北の地方とでは、季節の訪れる時期や期間が、かなり違います。

また、気温も地方によって、ずいぶん違ってきます。
このため、同じ種類の値物でも、ところによって花の咲く時期などが、かなり違うのです。

ですから、ここでは、東京付近を中心にして四季の花を説明することにします。


春の花

3月になると、日差しは、日増しに強くなってきます。

そして、庭の日だまりなどでは、いろいろな草が伸びはじめます。
野山には、フキノトウやツクシが顔をだし庭ではジンチョウゲの花が強い香りを放ちはじめます。

4月になると、チューリップ・ヒヤシンス・サンシキスミレなどが花壇を色どり、野山には、ソメイヨシノやヤマザクラなどが花ざかりになります。

野原には、スミレやタンポポが咲き、畑にはムギが青々と伸びアブラナの花が黄色に咲き広がりリンゴ・ナシ・モモなども花をつけます。

田には、レンゲソウやタネツケバナが咲き乱れます。

このように、このころは1年のうちでも、いちばん花が咲きそろう美しい季節です。

5月になると、庭では、ツツジ・フジ・ボタン・バラ・アヤメなどが咲き、野山には、ノイバラ・オキナグサ・アマドコロなどの花が見られます。

また、5月は木々の新緑が、ひときわ目にさえる、すがすがしい季節でもあります。

春の七草

日本では、むかしから1月7日に7種類の草を入れたかゆをつくる習わしがあります。

これらの草は、春の七草と言ってセリ・ナズナ(ペンペングサ)・ゴギョウ(ハハコグサ)ハコベラ(ハコベ)・ホトケノザ(コオユタビラコ)・スズナ(カブ)スズシロ(ダイコン)などです。

そして、これらは、たいてい4月ごろに花を咲かせます。

夏の花

6月に入ると、まもなくつゆ(梅雨)になります。
ハナショウブは、このころ花を開きます。

梅雨があけ、太陽がじりじりと照り付ける7~8月になると海岸の砂浜では、ハマヒルガオ・ハマゴウ・ハマオモトなどが、きれいな花を開きます。

また、小川や池の水面にはヒツジグサ・ヒシ・ヒルムシロ・セキショウモ・エビモなどが見られます。

高山では、7月のはじめが平地の春にあたるので7月下旬から8月上旬にかけて、いろいろな高山植物の花が、いっせいに咲きそろいます。

また、庭では、アサガオやマツバボタンなどの花が眺められます。



秋の花

夏の熱さも峠を越し、野山に涼しい風が吹きわたる9月ともなると、まず、シュウカイドウが、日かげで薄紅色の花を開きはじめます。

マンジュシャゲは秋分(秋の彼岸)の前後に咲くのでヒガンバナとも言います。

夏の熱さに少し弱ったダリアは、秋になると元気を取戻し霜がおりるころまで咲き続けます。
コスモスは10月に花ざかりになり野山のリンドウも紫色の花をつけます。

しかし、秋の花のうちで、いちばん人目をひくのはキクです。
キクにはいろいろな種類があり、夏咲きのものもありますが、たいていは秋咲きです。

これは、秋になって、日のだんだん短くなることがキクの花を咲かすもとになるからです。
このような性質をもっている植物を、短日植物といいます。

秋はまた、紅葉の季節でもあり野山は木々の紅葉で美しくかざられます。

秋の七草

春の七草と同じように、秋にも七草があり、やはり古くから言われていたものと思われます。
山上憶良が万葉集で詠んだ歌の中に、つぎの7種が出てきます。

ハギ・オバナ(ススキ)・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・アサガオ(現在のキキョウと言われる)がそれで、いずれも観賞して楽しむ草花です。

冬の花

寒さが厳しくなると、植物は、体のはたらきが衰えてしまいますが、そのあいだに、花を開く植物もないわけではありません。

ビワやヤツデの花は冬のはじめに咲きスイセンは1月前後に花を開きます。
また、ツワブキやサザンカも霜がおりてからも咲いています。

ウメも、2月の寒いころに花を咲かせます。




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