一年間の星座の動き
毎日、たとえば午後8時と時刻を決めて星空をながめると見える星空は、季節によって、だんだんとかわります。
春に見えていた、獅子座・乙女座の星が、夏には西空に沈み、天の川を中央にさそり・座・いて座や、七夕の星がならびます。
秋の星座はペガスス座・うお座・やぎ座など、数は少なくなりますが冬には、オリオン座・おうし座・おおいぬ座・こいぬ座などたくさんの星座がならびます。
これは、地球の公転運動と関係があります。
昼間、星が見えないのは、太陽の強い光に消されてしまうからで星そのものが消えてしまうのではありません。
金星がいちばん明るいときには、昼間でも見えることがあります。
ところで、太陽と同じ方向にある星座は昼間は太陽の星で見えませんし日の出まえ、日の入り後も、太陽とともに地平線より下にあるので見えません。
太陽が沈み、空が暗くなると、太陽の東側(左)に続く星空が夕方に見える星座として輝くのです。
ところが、太陽と同じ方向に見えるのは、年中同じ星座ではありません。
地球は、太陽のまわりを軌道を描いて、西から東へ公転しています。
動いている地球上からながめると、太陽は、黄道上の星座のあいだを西から東へ、少しずつ動いて見えます。
太陽は、1年かかって黄道上を360度、つまり、ひとまわりするので、1日では約1度、東にうつるわけになります。
こうして星座は、太陽にたいして、1日に1度ずつずれていきます。
私たちの使っている時間は、太陽が地平線から出入りする時刻をもとにして決めたものです。
この時間ではかると、同じ星の出入りの時刻は、毎日4分ずつ早くなります。
こうして、3か月つまり、一季節がすぎると、太陽は黄道上を90度東へうつり同時に、夕方見える星座も、東のほうへ90度うつります。
季節によって違った星座が見られ1年で一回りするのです。
恒星と惑星
星座をつくっている星を、恒星といいます。
夜空には、このほか太陽系の中の地球の兄弟星である、惑星も輝いています。
惑星を、毎日続けて観察していると、惑星は星座のあいだをぬって、ぐんぐんと動いていることがわかります。
星を研究するには、恒星と惑星を見分けることが大切です。
恒星と惑星の見分け方
① 恒星はまたたきますが、惑星はまたたきません。
天体の光は、私たちの目に届くまえに、地球をとりまく空気の層を通り抜けてきます。
この空気の層は、風とか対流とかで、いつもゆらゆらと動いています。
恒星は、見かけの大きさが小さく、その細い光はこの層によってみだされて、途中で千切れてしまい、ちかちか、またたくのです。
けれども、惑星は、その光も太い束で、少しぐらいみだされても全体としては、またたきません。
春の野に見えるかげろうの向こうにある山のように大きいものの姿は、あまりちらつきませんが、細いたち木などが、ゆらゆらと形がゆれて見えるのと同じことです。
② 望遠鏡で見て、まるい形が見えれば惑星で恒星は、どんなに大きく見える望遠鏡でも、点にしか見えません。
③ だいたい、惑星の主なものは、明るく見えます。
金星・火星・木星・土星は、どれも、ふつうの星よりはるかに明るいので目につきやすく、夕方「いちばん星見つけた」と歌われるのは惑星の場合が多いのです。
このようにして、見つけた明るい星で、星図にのっていないものは必ず惑星です。
惑星の位置は天体暦や天文年鑑を見ればのっていますからこれで調べておけば、間違いありません。
また、惑星は、太陽の通り道である、黄道の近くを動いています。
そのため、惑星が飛んでもない方角にあらわれることはありません。