生活する姿
私たちが、いちばんよく見かける植物は、木と草です。
木と草の違いは形と生活のしかたの違いで仲間わけの違いではありません。
たとえば、同じマメ科のなかにニセアカシアやネムノキのような木もあればエンドウやシロツメクサのような草もあります。
同じ祖先から生まれてきても、いろいろな環境で長いあいだ暮らすうちに、それぞれの形が決まってきたのです。
草の姿
草は、木と違って、茎が毎年かわるか、生き残っても木のように年輪ができません。
草にも、4、5メートルにもなる大きなものがあります。
けれども、いっぱんに丈は低く、しかも、1~2年から4~5年で最大の大きさに生長してしまいます。
形でわけると、ヒマワリ・ソバなどのように長さのわりに幅の広い葉が、だいたい平らにつく広葉型とイネ・シュンランのように細長い葉がななめにでる長草型とがあります。
また、生育期間の長さから見ると、つぎのようにわけられます。
一年草
アサガオ・メヒシバのような春に種から芽を出して、その年のうちに花を咲かせ、実をむすんで、枯れてしまうものです。
越年草
秋に種から芽を出し冬を越して、翌年の春から夏に花を咲かせ実をむすんで、枯れるものです。
麦類・アブラナ・エンドウ・ダイコンなどが越年草と言われるものです。
二年草
春に、種から芽を出して生長しますが、その年には花が咲きません。
つぎの年になって、花を咲かせ、実をむすぶと枯れてしまいます。
リンドウ・センブリなどがこれにあたります。
多年草
茎の一部、地下茎。
根などが、枯れずに残っていて、毎年、茎や葉を伸ばすものでキク・キキョウ・ススキなどがこの例です。
また、冬になっても、葉が枯れず、1年中緑色をしているものもありランやオモトなどが、これにあたります。
たいていは、大きくなると、毎年、花を咲かせますが、なかには、アオノリュウゼツランなどのように何年も花をつけずにいて、いちど花をつけると枯れてしまうものもあります。
いっぱんに、草は、木が生育できないような水分の少ないところでも生活できるので、降水量の少ない地方や高山・川原・海岸などでも草原ができています。
木の姿
幹という、年々太くなる茎をもった植物が木です。
日本のような温帯地方では、幹に年輪ができます。
木は、草にくらべると、生活するすがたが、ずっと変化しています。
それで、いろいろなにわけかたができます。
① 高木と低木
高木というのは、中心になる幹がはっきりしていて丈の高くなる木です。
むかしは喬木と言いました。
低木は、丈の低い木で根もとから同じような幹が何本も出ている木です。
むかしは灌木と言いました。
② 常緑樹と落葉樹
常緑樹と言うのは、1年中、緑色の葉のついている木です。
葉は、春に新しくできると、1年から3年ぐらい長いもので8年ぐらいも枝についています。
落葉樹というのは、冬に葉を落とす木です。
③ 広葉樹と針葉樹
広葉樹というのは、長さのわりに、幅の広い葉をもった木です。
これに対して、針葉樹は細長い針のような葉をもっている木です。
以上のようなわけかたを組み合わせて、つぎのように木をわけています。
常緑広葉樹
葉は厚くて、幅が広く、葉の表面につやがあります。
関東地方から南のほうに多い木で高木では、カシ・シイ・クスノキなど低木ではヤツデ・アオキなどがあります。
落葉広葉樹
葉のは幅広いが常緑のものより肉がうすく葉の表面につやもありません。
これは、関東・東北地方に多く見られる木で高木ではブナ・クヌギ・ナラなど、また、低木ではヤマブキ・ドウダンツツジなどが、これにあたります。
常緑針葉樹
北海道や東北地方の寒い地方に多い木です。
あたたかいところでも、山の高いところには見られます。
高木では、エゾマツ・シラビソ・モミなどがあり低木では、ハイマツ・ハイネズなどがあります。
また、アカマツ・クロマツ・スギなどはあたたかい地方の平地にも、見られます。
落葉針葉樹
種類が少なく、日本には、カラマツしかありません。
これは、本州中部の山地などでよく見られる高木です。
スギの育たないような高い山に、よく植林されます。
このほか、公園の池のふちなどによく植えられている。ラクウショウというものも、外国産の落葉樹です。