一年草・多年草とは? 常緑樹・落葉樹・広葉樹と針葉樹とは?

生活する姿

私たちが、いちばんよく見かける植物は、木と草です。
木と草の違いは形と生活のしかたの違いで仲間わけの違いではありません。

たとえば、同じマメ科のなかにニセアカシアやネムノキのような木もあればエンドウやシロツメクサのような草もあります。

同じ祖先から生まれてきても、いろいろな環境で長いあいだ暮らすうちに、それぞれの形が決まってきたのです。


草の姿

草は、木と違って、茎が毎年かわるか、生き残っても木のように年輪ができません。
草にも、4、5メートルにもなる大きなものがあります。

けれども、いっぱんに丈は低く、しかも、1~2年から4~5年で最大の大きさに生長してしまいます。

形でわけると、ヒマワリ・ソバなどのように長さのわりに幅の広い葉が、だいたい平らにつく広葉型とイネ・シュンランのように細長い葉がななめにでる長草型とがあります。

また、生育期間の長さから見ると、つぎのようにわけられます。

一年草

アサガオ・メヒシバのような春に種から芽を出して、その年のうちに花を咲かせ、実をむすんで、枯れてしまうものです。

越年草

秋に種から芽を出し冬を越して、翌年の春から夏に花を咲かせ実をむすんで、枯れるものです。
麦類・アブラナ・エンドウ・ダイコンなどが越年草と言われるものです。

二年草

春に、種から芽を出して生長しますが、その年には花が咲きません。
つぎの年になって、花を咲かせ、実をむすぶと枯れてしまいます。

リンドウ・センブリなどがこれにあたります。

多年草

茎の一部、地下茎。
根などが、枯れずに残っていて、毎年、茎や葉を伸ばすものでキク・キキョウ・ススキなどがこの例です。

また、冬になっても、葉が枯れず、1年中緑色をしているものもありランやオモトなどが、これにあたります。

たいていは、大きくなると、毎年、花を咲かせますが、なかには、アオノリュウゼツランなどのように何年も花をつけずにいて、いちど花をつけると枯れてしまうものもあります。

いっぱんに、草は、木が生育できないような水分の少ないところでも生活できるので、降水量の少ない地方や高山・川原・海岸などでも草原ができています。

木の姿

幹という、年々太くなる茎をもった植物が木です。
日本のような温帯地方では、幹に年輪ができます。

木は、草にくらべると、生活するすがたが、ずっと変化しています。
それで、いろいろなにわけかたができます。

① 高木と低木

高木というのは、中心になる幹がはっきりしていて丈の高くなる木です。
むかしは喬木と言いました。

低木は、丈の低い木で根もとから同じような幹が何本も出ている木です。
むかしは灌木と言いました。



② 常緑樹と落葉樹

常緑樹と言うのは、1年中、緑色の葉のついている木です。
葉は、春に新しくできると、1年から3年ぐらい長いもので8年ぐらいも枝についています。

落葉樹というのは、冬に葉を落とす木です。

③ 広葉樹と針葉樹

広葉樹というのは、長さのわりに、幅の広い葉をもった木です。
これに対して、針葉樹は細長い針のような葉をもっている木です。

以上のようなわけかたを組み合わせて、つぎのように木をわけています。

常緑広葉樹

葉は厚くて、幅が広く、葉の表面につやがあります。
関東地方から南のほうに多い木で高木では、カシ・シイ・クスノキなど低木ではヤツデ・アオキなどがあります。

落葉広葉樹

葉のは幅広いが常緑のものより肉がうすく葉の表面につやもありません。

これは、関東・東北地方に多く見られる木で高木ではブナ・クヌギ・ナラなど、また、低木ではヤマブキ・ドウダンツツジなどが、これにあたります。

常緑針葉樹

北海道や東北地方の寒い地方に多い木です。
あたたかいところでも、山の高いところには見られます。

高木では、エゾマツ・シラビソ・モミなどがあり低木では、ハイマツ・ハイネズなどがあります。

また、アカマツ・クロマツ・スギなどはあたたかい地方の平地にも、見られます。

落葉針葉樹

種類が少なく、日本には、カラマツしかありません。
これは、本州中部の山地などでよく見られる高木です。

スギの育たないような高い山に、よく植林されます。

このほか、公園の池のふちなどによく植えられている。ラクウショウというものも、外国産の落葉樹です。




土壌と植物の特徴・性質とは? 土壌微生物とは?

土壌と植物

私たちが、ふつう土といっているものは植物の生活を考えあわせるときには土壌と言われています。

すべての陸上の植物は、土壌に根をはって生活しています。
たとえ岩山でも、そこに植物がはえているからには岩石の上に土壌があるのです。



土壌のできかたと植物

岩石は、風化作用を受けて、表面から崩れおちます。

こうしてできた、岩石くずの上には、はじめは、コケ類や地衣類のような下等な植物しかはえません。
というのは、岩石くずだけでは、水分や栄養分をよく保てないからです。

この岩石くずも長い年月のあいだには下等な植物の体の腐ったものがたまると岩石くずの粒と粒とをつなぎとめ水分や栄養分をよく保つようになります。

そうなると、植物が腐ってできた栄養分のたまりかたに応じてはじめはやせ地にはえる植物がはえ、それが枯れて腐ると、それよりも、もう少し肥えた土地にはえる植物がはえるというように、だんだん肥えた土地にはえる植物が、はえてくるようになります。

土壌は、このようにしてできてくるのです。

ですから、ひと口に土壌といっても岩石くずから土壌になったばかりのものから腐ったものが充分にまざった、黒っぽい発達した土壌まで、いろいろな程度のものがあるわけです。

土壌の性質

土壌の成分である岩石くずには、いろいろな大きさのものが混ざっています。

そのなかには、石ころや砂粒のように、はっきり目で見える大きな粒もあり、目で見えないような粘土や顕微鏡でも見えないような細かい粒まで、いろいろあります。

土壌に粗い砂粒が多いと、水はけがよく、空気もよく入ります。
ですから、植物の呼吸には都合がよいのですが乾きやすいという恐れもあります。

海岸に多いハマエンドウ・ハマボウフウ・ハマゴウなどは、こういう土壌によくはえます。

栽培植物でも、サツマイモ・ラッカセイなどは、どちらかと言えば、このような土壌を好みます。

土壌に細かい粒が多いと、よく水分や栄養分を保ちますが土壌の中に空気が入りにくく根の呼吸は充分できません。
しかし、イネ・ダイズ・ハクサイなどは、こういう土壌によくできます。

土壌微生物

土壌の発達にはミミズやバクテリアなど土中に住む生物も大きな役割りを果たしています。
とくに徹生物のはたらきは大きなものです。

土壌微生物の種類や数はものすごく多く、茶さじ1杯の土壌の中に、たとえばバクテリアは数百万、カビは数千から数万、放線菌は数十万、原生動物は数千もいるのです。

植物の葉・茎・根や動物の死骸は、はじめに、1種類の微生物がある程度分解すると、そのさきを別の種類の微生物が分解するという具合にして、ついには形も残らないようにされ大部分の有機物は二酸化炭素と水にされ、一部の有機物と無機物は土壌の中に混じってしまいます。

もし地球上に、こうしたはたらきをする土壌微生物がいなかったとしたら大むかしからの動物や植物の死骸が腐らずに地上にうずたかくたまっていたことでしょう。



植物のはたらきかけ

植物や動物は、環境の影響を受けて生活していますが同時に、それぞれの生活を通じて環境にはたらきかけて環境をかえるはたらきもしています。

「土壌のできかた」のところで調べたように土壌そのものも、植物や動物のはたらきによって岩石くずからつくられたものです。

もっと大きなものを例にとると、むかしの地球上には、植物の大群落や大森林が発達しました。

これらの植物はさかんに光合成をおこなって空気中から二酸化炭素をとって酸素を出しました。
そのため、空気中の酸素が多くなり現在のように動物が住めるようになったのです。

また、地球には、ところどころに砂漠がありますが、その中には、むかしは森林や草原であったものを人間が木を切ったり焼き払ったりしたため、植物は枯れ、気候までもかわってしまい雨の降らない土地になったところもあります。

落葉樹の林では、春に木の葉が広がると林の中はうす暗くなり、温度や湿り気もかわります。

これも植物のはたらきかけの1つの例です。




温度と植物の関係とは?春化現象とは? わかりやすく解説!

水のつりあい

生きている植物の体に、いちばん多くふくまれているものは水です。

そのうえ、植物はたえず根から水を取り入れ葉の気孔から空気中に送り出しています。


植物は、水が多すぎて、生活できなくなるというようなことは、あまりありません。
むしろ水不足になりがちです。水不足は1つの原因で起こります。

1つは、土の中の水が少なくなったり、凍ったりして植物が充分に水を吸いあげることができないために起こります。

もう1つは、気温が高く、空気が乾いたり風が吹いて葉から水が失われすぎたために起こります。
夏の日でりのときなど、これらのことが重なって起こり植物がしおれかかっていることが、よくあります。

こんなありさまが、もし長く続けば、植物は、枯れてしまいます。

植物は、たえず、水を取り入れたり送り出したりしていますが体の中の水分は、ほぼ一定に保たれています。

降水量

植物が吸いあげる土の中の水は、もとを正せば、雨や雪として地上に降ったものです。

雨や雪など地上に降るの水の量を降水量と言います。
この降水量は、場所によってたいへん違います。

日本は、世界でも雨の多いところで、1年間に降る雨の量は1000ミリから2500ミリくらいあり、また、地方によっては4000ミリも降るようなところがあります。

降水量が1年に500ミリ以上あると森林ができます。

降水量が、これより少なくて200ミリから500ミリのあいだでは草原ができます。

さらに、200ミリ以下のところでは特別な植物がまばらにはえる砂漠になってしまいます。

乾きやすいところの植物

砂漠・砂丘・海岸・川原のように乾きやすいところの植物は水のつりあいを、うまく保つような体のつくりをしています。

まず、地上に出ている部分は小さいのにたいそう長い根や太い根をもっています。
そして、この根で土の深いところにある水を吸い上げます。

またサボテンのように、茎が太って、貯水タンクの役目をし葉は、ごく小さくなったり、とげなどにかわってしまったりして植物の体から水分の出ることを、できるだけふせいでいます。

夏の日でりに強いスベリヒユやマツバボタンも、このような体のつくりになっています。

温度と植物

植物の生活は、温度が違うと、たいそう違ってきます。
生活のもとになっている生長は温度が低いと、止まってしまいます。

温度が高くなると、生長もそれだけ早くなります。
しかし、そうかといって、ある温度以上に高くなると、こんどはかえって、生長が衰えてきます。

花が咲くのにも、温度が関係しています。

気候帯

地球は、赤道を中心にして北と南に行くにしたがって温度は低くなります。
場所によっても、違いがありますがだいたい赤道に平行に6つの帯にわけることができます。

それは、赤道から南北にむかって熱帯・亜熱帯・暖帯・温帯・冷帯(亜寒帯)・寒帯となっています。

それぞれの帯(これを気候帯と言います)では植物が、それぞれ特徴のある生活をしています。

それは、植物の生活が、温度の影響を強く受けているからです。



春化現象

ダイコンやハクサイは秋に種をまき、冬の寒さにあうと春になって花を咲かせます。

しかし、あたたかい春になってからまくと葉や茎は、ずいぶん大きくなりますが花が咲きません。

つまり秋まきのものは、いちど寒さにあわないと花が咲かないのです。

ところが、ダイコンやハクサイの種を、水を吸わせて芽をださせ発芽したばかりのものを零下五度ぐらいの低い温度に1週間から1か月ぐらいのあいだ保っておいて、これを畑にまくと春にまいたものでも秋まきと同じように花を咲かせ、実をむすびます。

このように、秋まきの植物のごく若いころに低い温度にあわせると春にまいても花が咲き、実をむすぶという現象を、春化現象と言います。

この春化現象は、秋に発芽して苗で冬を越し春に花を咲かせる越年生植物によくみられます。

また、これらの植物は、たいてい長日施物なので低い温度にあわせたあとで、日が長くならないと花を咲かせないものもあります。




日向の植物と日陰の植物の特徴とは? 植物を育てる光とは?

植物を育てる光

緑色をした植物は光合成によって、自分の体をつくります。
この場合の光は、もちろん、太陽の光です。

その強さは、地球上どこでも、だいたい同じです。


しかし、くわしくみると赤道では、1年中光の強さにそれほどの変化はありませんが、赤道より北や南へいくと、夏は光が強く、冬は弱くなります。

日本では、夏のいちばん強い光が、およそ10万ルクス。冬は、その半分の五万ルクスです。

ところで、植物の光合成は、光が5万ルクスもあれば、充分ですから、光だけについてみると、地球上のたいていのところなら、植物は生活できることになります。

しかし、光が1枚の葉を通ると、大部分は葉に吸収されるので、葉の下では、光の強さは、ほぼ10分の1になってしまいます。

植物の葉は、光がよくあたるようにならんではいますが、森林の植物を見ればわかるように、葉の数は途方もなく多いのです。

ついていた全部の葉を、その林地に隙間のないように敷き詰めたとすると、少ないものでも、5、6層、多いものでは10層にも重なってしまいます。

これでは、上のほうの葉は、充分光があたって光合成ができても、下のほうの葉は、光が弱くて充分な光合成ができるとはかぎりません。

森林の木を注意してみると、下のほうの枝には、葉がついていません。
畑のトウモロコシも、下のほうの葉は黄色に枯れています。

これらの木や作物の葉も、以前には元気に光合成をし、植物の生活を支えていたのですが、あとから、若い茎や葉が上にできて広がったため、日かげになって充分な光合成ができず、できた養分を自分の呼吸に使うほうが多くなり、枯れてしまったのです。

日なたの植物と日かげの植物

植物には、たとえばマツ・ダリア・ヒマワリ・イネなどのように、日なたでよく生長する日なた植物と、アオキ・オサバグサ・ラン・シダなどのように、日かげでよく生長する日かげ植物があります。

日なた植物の葉は、厚さが厚く、緑色が濃く、丈夫そうです。
この葉は、光が強ければ強いほど、さかんに光合成を行います。

ですから、天気がよければどんどん有機物をつくります。
しかし、光が弱いと光合成も弱まり、つくられる有機物も少なくなり、ときには呼吸で使ってしまうほうが多くなります。

日なた植物を日かげにうえると、まず、葉が落ち、ついには枯れてしまいます。
これは、光合成によってつくられる有機物が、呼吸によって使われる量においつかず、それまでにたくわえておいた有機物を使いつくして、枯れていくのです。

日かげ植物の葉は、うすく、色もうす緑で、弱弱しそうです。
この葉は、光が弱いときには、日なた植物の葉よりも、光合成をするはたらきはずっと強いのです。

しかし、数千ルクス(曇った日の明るさ)以上に光が強くなると、光合成はそれ以上に増えません。

日かげ植物の呼吸は、日なた植物よりずっと低いので日かげで少しの有機物をつくり、少なく使って、つつましく生活しています。

森林の下のような日かげは、光こそ充分ではありませんが、強い風もふかず、空気も土も、ほどよく湿っていて、いろいろな種類の日かげ植物がはえています。

植物によってはスギ・シイなどのように、日なたでもよく生長するし、日かげでもよく育つものがあります。

日なただけを好む植物が大きくなるとその下には、日かげができ、その植物の子や孫の植物は、大きくなれないうちに、かれてしまいます。

しかし、日かげにもたえられる植物は、まわりが日かげになっても、生長できますから、だんだん増えていきます。



光のあたる時間と花の咲く時期

植物は、1日に何時間ずつ光があたるか、ということによっても生長の様子や、花の咲く時期などが違ってきます。

この場合には、光の強さは関係がなく、明るい時間と暗い時間つまり、昼と夜の長さが関係するのです。

花が咲くのに、昼の長さが、どのくらいあればよいかは植物の種類によって、違いますが大きく3つにわけることができます。

短日植物

昼の長さが、ある決まった時間より短くなると花の芽をつくり、花を咲かせる植物を短日植物と言います。

イネ・ダイズ・トウモロコシ・キク・コスモスなどは短日植物です。
短日植物の多くは、亜熱帯の原産です。

この亜熱帯は、夏に乾きすぎて花が咲くのに適さないところが多くしかも秋が長いので植物は夏から秋にかけて日が短くなりだすと花芽をつくり、秋に花を咲かせ、実をむすぶのです。

長日植物

昼の長さがある決まった時間より長くなると花芽をつくり、花を咲かせる植物を、長日植物と言います。

レングソウなど、春から夏にかけて花の咲く越年生植物の多くは長日植物です。

長日植物は、冷帯地方の原産です。
そこは夏の期間が短いので、種をつくってしまわなければ、じきに、霜と氷の冬がやってきて、熟していない種は死んでしまいます。

そのため、春がきて氷が溶け、昼が長くなりだすと、はやばやと花をつけるのです。

日の長さに関係のない植物

植物のなかには、昼の長さに関わりなく、花をつける植物があります。
四季咲きの植物がそれで冬のごく寒い時期をのぞいて1年中花をつけます。

このような、日の長さに関係しないで花をつける植物は北から南まで広く分布してはえています。

いっぱんに、花が咲くのには昼の長さのほかに植物の若いころの温度も関係しています。




植物をとりまくものとは? 植物の生活と生長とは?

植物をとりまくもの

植物がはえているということは、ごくあたりまえのことです。
しかし、植物がはえるためには、光・水・温度・土などの具合が適当でなければなりません。

植物や動物をとりまいているまわりの世界を、環境と言います。
植物や動物は、具合のよい環境か、悪くてもどうやら我慢ができる環境に生活しているのです。

生活するのに都合の悪い環境では植物は枯れ動物は死んだり逃げ出したりしてしまいます。

けれども、植物はなかなか我慢強いので線路の砂利の中、屋根や石垣の割れ目などにも、よくはえています。

このように、植物がはえることができたり、はえることができなかったりするわけを知ったり植物のいろいろな生活を理解するために環境が植物にどのようにはたらくかを調べてみましょう。

また、綰物が環境にはたらきかけて、環境をかえることもあります。
このように植物と環境は、なかなか複雑な関係にあります。

それでは、環境を形づくっている、光・水・温度・土などと植物の生活のあいだには、どんな関係があるか調べてみましょう。


植物の生活と生長

植物の生活のいろいろなできごとは植物の生長がうまくいっているかどうかがもとになっています。

植物は光合成によって、炭水化物をつくり、さらにアミノ酸・たんぱく質・脂肪などをつくります。

これらの有機物は、植物の体をつくるもととなって新しい細胞をつくりだします。

いっぽう、植物は、いろいろの生活作用を営むためにエネルギーを必要とします。

このエネルギーは、呼吸によって、さきの有機物を分解することによって取り出されます。

つまり、光合成は、体の有機物の量を増やし、呼吸は反対に有機物の量を減らします。
そして、光合成と呼吸による有機物の差が生長する量ということになります。

植物が、どんどん生活するためにはエネルギーもたくさん必要ですから、たくさんの有機物を使います。

しかし、それ以上に、光合成によって、たくさんの有機物がつくられれば植物は、どんどん生長するわけです。




広告色とは?動物の身のまもりかたとは? わかりやすく解説!

広告色

動物のうちには、たいへん鮮やか色をしていて、よく目につくものがいます。

このような動物たちは、たいてい毒があったり悪臭を出したりしますから、保護色をしている動物とは反対に自分のありかを敵に知らせれば、敵はかえってよりつかないのです。

動物たちが、このような色をもっていることを広告色または警戒色と言います。


テントウムシ

テントウムシの仲間は、目につきやすい水玉模様の甲を背負っています。
しかし、この仲間は、触るとくさい汁を出します。

それで、ほかの動物たちは、テントウムシの姿をみると、すぐ臭いにおいを思い浮かべるのでテントウムシには、あまり近づかないと考えられています。

ハチ

ハチの仲間には黒と黄のしま模様の目につきやすい体をしているものがあります。

この仲間は、尻にある毒針で敵を刺すので、ほかの動物たちは、逃げてしまいます。

死んだまねをするもの

昆虫やクモなどには、触られると死んだまねをしてじっと動かなくなるものがあります。

小鳥やカエルなどは動いているものを襲う習性があるので昆虫やクモが死んだようにじっとしていると、これを食べないでいってしまいます。

体の一部分を切り離して、逃げるもの

潮干狩りなどでカニをつかまえたとき足をもつとカニが自分で足をもいで下に落ち、そのまま逃げてしまうことがあります。

また、トカゲをつかまえるとき、尾をおさえると尾が途中から切れてトカゲが逃げてしまうことがあります。

残された尾のはしは、激しく動くので小鳥などが、その尾を食べているあいだに、トカゲは草むらに逃げこんでしまいます。

このカニの足やトカゲの尾には、特別な仕掛けがあって自分から切り離せるようになっています。

そして、足や尾は切れても、しばらくすると、またはえてきて、もと通りになるのです。

毒液や悪臭を出すもの

イタチは、大きい獣に襲われると肛門のまわりから強い嫌な臭いを出して、相手を困らせます。

スカンクはアメリカの平原や森林に住んでいますが背中から尾にかけて、黒池に白いすじの入った、美しい獣です。

これがやはり、嫌な臭いの液を出すので有名です。

しかし、美しい毛なみをもっているので、いまでは臭いを出す部分だけを切り取って家の中で飼うことがあるそうです。

また、海に住んでいるアメフラシは、ほかの動物が体に触ると紫色の臭い液を出して、その動物を追い払います。

ガラガラヘビ

ガラガラヘビは、毒ヘビで、アメリカやメキシコなどに住んでいます。

尾の先には、硬い輪が10以上もつながっていて、この部分だけを持ち上げて空中で激しく振り、カラカラとかシューシューという音を出します。

ほかの動物たちは、この音を聞くと、恐れて近づきません。



殻をかぶっているもの

貝の仲間は、硬い石灰質の殻をかぶって身をまもっています。

ヤドカリは、丈夫な巻貝の殻を背負って暮らしていますが敵に襲われると、殻の中にもぐって身を隠してしまいます。

また、ミノムシは、ミノガの幼虫ですが細い枝や葉を噛み切ってみのをつくり、その中に入って暮らします。

体から電気を出すもの

デンキエイやデンキウナギは、体の中に電気を起こす仕掛けがあります。
敵に襲われると、この電気で相手を感電させてしまいます。

これは身をまもるのに役立つだけでなく小さい魚などを殺して、えさにするのにも役立ちます。

墨を出すもの

だれでも知っているように、タコやイカは敵に襲われるとまっ黒な墨を出して煙幕をはり、敵の目をくらまして、そのあいだに、逃げてしまいます。

恐ろしい体つきのもの

シャチホコガの幼虫は、たいへん恐ろしい形をしていますが、そのうえ、長いとげのある尾を、上のほうにあげて木にとまっています。

その姿を見ると、いかにも激しい毒でもありそうですが、ほんとうは、毒はもっていないのです。

しかし、この恐ろしい格好が、動物の世界で、どれだけ身をまもるのに役立っているのかは、まだはっきりわかっていません。




保護色とは?擬態とは? わかりやすく解説!

保護色

幹に止まったガ、葉にいる青虫、砂原にいるバッタ、これらはまわりの色や模様とよく似ていて、なかなか見つけにくいものです。

このように、動物の体が住んでいる場所とよく似た色や模様をしていることを保護色と言います。

保護色をした動物にはコオロギやバッタなどのように一生体の色がかわらないものとカメレオンのように住む場所によって体の色をかえるものなどかあります。

エチゴノウサギやライチョウが冬になると毛や羽根が白くはえかわるのも保護色と考えてよいでしょう。


保護色の役目

私たちの目から見れば、動物の保護色は、たしかに身をまもるのに役立っているようです。

しかし、ほかの動物の目にも身をまもるのに役立っているかどうかは疑問です。

ここに、つぎのような実験があります。
バッタの仲間には、かっ色のものと、緑色のものとがあります。

この、色の違ったバッタを同じ数ずつ緑の草むらに糸でつないでおいたところ緑色のバッタのほうが、たくさん生き残りました。

これは、緑色のバッタは鳥などに見つけられることが少なく、これらの天敵に食べられなかったためと思われます。

カメレオンの色

カメレオンは、まわりの色によって体の色をかえることで知られています。

そのために、ほかの動物に見つけられにくいので強い動物から襲われることが少ないばかりでなく昆虫をつかまえるときにも、たいへん都合がよいわけです。

まわりの色によって、体の色をかえる動物にはカメレオンのほかアマガエル・ヒラメ・カレイ・イカ・タコなどがあります。

擬態

動物のうちには、色だけでなく形までも、まわりの草や木に似せているものがあります。

また、自分の体を毒や臭い臭いをもつ動物の特徴に似せて敵から身をまもっているものもあります。

動物たちが、このような色や形をもっていることを擬態と言います。



木の枝に似た昆虫

シャクトリムシは、シャクガの幼虫で、木の葉を食べて育ちます。

体の色が木の枝に似ているばかりでなく休んでいるときは小枝のような形をして枝についているので木の小枝と区別しにくいことがあります。

また、ナナフシという昆虫は緑色かかっ色の体をしていますが形が木の枝に似ています。

これらの昆虫たちは、敵から発見されにくいので危険から逃れることが多いと考えられています。

攻撃するための擬態

木の葉などに、まっ黒な、アリのような形をしたクモ(アリグモ)が歩いていることがあります。

クモは四対の足をもち、アリは、三対の足をもっているので、ふつうなら、すぐ見分けがつきます。

しかし、このアリグモは、いちばん前の足を、いつも上にあげているので、それが触角のような形になっておりアリと見間違うのです。

アリは、仲間どうしが出あうとよりあう性質があるので間違えてアリグモのそばへよっていきます。

アリグモは、それを捕えて食べるのです。




魚の回遊とは? 水温の変化にしたがう回遊とは?

魚の回遊

鳥に、留鳥や渡り鳥があるように魚にも、海岸に近い岩かげや海藻のしげっているところに住むものと大洋を広く泳ぎ回るものがあります。

魚が、群れをつくって広い範囲を泳ぎ回ることを回遊と言います。
回遊は、その目的によって、つぎのようにわけることができます。


たまごを生むための回遊

サケやマスは、川で生まれます。
サケはすぐにマスは1年経ってから海に下り、海で7、8年過ごします。

海にいるあいだ、これらの魚は、非常に遠くのほうまで泳ぎ回りますが、親になると大群をつくって、たまごを生むために、また自分の生まれた川にかえってきます。

これらの魚は海にいるあいだ、充分に食物をとり、たまごを生むための準備を終えて海から川にのぼりはじめると、まったく食物をとりません。

そして、たまごを生み終わると、たいていは、すぐに死んでしまいます。

ウナギは、サケやマスとは反対に、ふだんは川に住んでいますが、たまごを生むときには、川から海に下ります。
そして、南方の深海にまで回遊して、そこでたまごを生むのです。

たまごを生み終わったウナギはサケやマスと同じく、たいてい死んでしまいます。

ウナギやサケ・マスが、数千キロメートルも旅をするのにくらべると、タイやサンマは、それほど遠くまで、回遊しません。

タイは、たまごを生むために、四国沖から、瀬戸内海に入ってきます。
この時期には体の色が、とりわけ美しくなるのでサクラダイと言われます。

水温の変化にしたがう回遊

陸上の動物と同じように、魚にも、それぞれ適温があります。

たとえば、タラの適温は3度前後、ニシンでは5度前後、サバでは15度前後、カツオでは22度前後です。

海水でも、季節がかわるにつれて、水温がいくらかかわります。
ですから、魚たちも適当な水温のところへ移動しなければなりません。

カツオは春から夏にかけて、南から日本近海にむかって回遊してきます。
秋から冬にかけては、タラが北海から訪れてきます。

これらはみな、水温の変化にしたがう回遊です。
この回遊が、季節回遊と言われるのも、このためです。



えさをとるための回遊

川や海には、どこでも、同じようにえさがあるわけではありません。
もっとも、イワシのえさになるようなプランクトンは、どこにでもいます。

しかし、カツオのえさになるイワシ、カレイやヒラメのえさになる貝やカニなどは、どの海にも、同じように分布しているわけではありません。

したがって、多くの魚は、えさをもとめて広い海を群れをなして泳ぎ回ります。

これが、えさをとるための回遊です。

この回遊には広い範囲にわたって、海の中を平面的に泳ぎ回るものとハダカイワシのように、深いところと浅いところを垂直に行ったり来たりするものとがあります。

これは、えさになる小さな生物(プランクトン)が昼は深いところに、夜になると浅いところへと移動するからです。

成育のための回遊

ニシンは成育しながら北海道をほとんどひとまわりするように移動します。
このような回遊を、成育のための回遊と言います。

この回遊をするものにはニシンのほかに、ボラやスズキなどがあります。




渡り鳥の不思議な性質と災難とは?渡り鳥の通り道とは?

渡り鳥の通り道

渡り鳥のなかでいちばん大旅行をするのは、ホッキョクアジサシです。

この鳥は北極に近い地方で繁殖し、冬が近づくと、アフリカ、または南アメリカを通り、南氷洋にまで渡ります。
この道のりは、片道だけでも、1万7000キロメートルにもなります。

渡り鳥の往復の道すじは、これらの鳥たちの足に、アルミニウムの輪をはめて、調べるようになってから、少しずつわかってきました。

しかし、渡り鳥が、どんなしくみで、いく先を含めるのかは、まだはっきりわかっていません。


渡りの方向の決めかた

日本では、まだ渡りの研究は進んでいませんが、ヨーロッパやアメリカでは、いろいろな実験や観察が繰り返されています。

伝書鳩は、見知らぬところではなされても、しばらく空をぐるぐるまわり、なにか目印になるものを見つけると、方向がわかって、迷わずに、そのほうに飛んでいきます。
1つの決まった方向に進むようにならすと、その方向に進むことを覚え、間違わずに飛んでいきます。

渡り鳥では、1年に1回きりですが、その渡りの道すじを忘れずに覚えていて、親子代々同じ道すじを飛びますから、それが決まった方向に進むようになったのだとも考えられます。

渡り鳥で昼間飛ぶのは体の大きい鳥が多く、必要なときに、えさをとりながら、渡りを続けています。

このように、昼間飛ぶ鳥では、太陽の位置で方向を決めるのかも知れません。

いっぽう、小さな鳥たちは、昼はえさをもとめたり、体を休めたりして夜飛んでいきます。
夜になってから飛べば、ワシやタカなどに襲われる心配がないわけです。

ところが夜飛んだのでは、太陽の位置によって、方向を決めることができません。
このような夜飛ぶ鳥は、星空を頼りに、方向を決めるのではないかと言われています。
夜飛ぶ鳥の場合、くもった夜でも、方向を間違わずに進んでいくところから、これらの鳥たちは、私たち人間には見えない赤外線を感じることができるのだろうという人もあります。
赤外線を感じることができれば、夜でも、まわりの様子が、はっきりわかるわけです。

渡り鳥の不思議な性質

近年になって、ドイツの学者が、夜間に渡りをする鳥は、星空を頼りに方向を含めるという説明を裏付ける、おもしろい実験をしました。

ある種類の小鳥を、渡りをする時期にだけ、星空の見えるかごに入れておいたのです。
すると、その小鳥は、自分の渡っていく方向に体を向けました。

そこで、こんどは、プラネタリウムを使って実験してみました。
この実験に使った小鳥は、ドイツから東南に飛び、アフリカのナイル川にそって渡りをする性質をもったものです。

この鳥の入ったかごを、プラネタリウムのそばにおいて、丸天井のスクリーンに星空をうつしてやりました。
すると、この鳥は、自分の渡りをする方向に、体を向けたのです。

この実験に使った鳥たちは、ひなのころから外を見せないようにして育てたので、星空を見て覚えているわけではありません。

ですから、この鳥たちは、渡りの時期になると、星空によって、自分の渡っていく方向を決める性質が、生まれつき、備わっているとしか考えられないのです。



渡り鳥の災難

渡り鳥は、いろいろな災難にあっています。

気候がいつも平均してかわってくるのならいいのですが、そうはいかないことが、よくあるのです。

せっかく繁殖地(ツバメでは日本など)まで飛んできたのに気候が急に冬に逆戻りして、雪に閉じ込められ、えさもとれずに、凍え死にすることがあります。
また、秋になって、あたたかいところへ飛び立とうとするときに、急に寒さがやってきて凍えたりすることもあります。

渡りの途中に、ワシやタカのような、大きい強い鳥が待ち構えていて、それらに襲われることもあります。

また、雨風が激しくなり、海に叩きつけられて、溺れ死んだり、台風に吹き飛ばされて、仲間にはぐれたり、深い霧のために、進む方向がわからなくなったりすることもあります。

そのほか、灯台や野球場のナイターの強い光にまどわされ、灯台の厚いガラスや野球場のバックネットに、激しくぶっかって、命を落とすこともあります。

また、鉄砲をもったり、網をはったりして待ち構えている人間に、やられることもあります。

このような災難のため、つぎの年に、また生まれ故郷にもどる鳥の数は、出発したときにくらべると、ずっと少なくなっています。




渡り鳥・留鳥・漂鳥とは?鳥が渡りをするわけとは?

鳥の渡り

ツバメ・ガン・カモ・ツグミなどは毎年決まった季節になると群れをつくって日本にやってきます。

そして何か月か過ぎると、また、いっせいに姿を消します。

このような鳥の旅を渡りと言い、渡りをする鳥を渡り鳥と呼んでいます。


渡りをするわけ

鳥がなぜ渡りをするのかは、まだよくわかっていませんが、ふつう、つぎのように考えられています。

寒帯や冷帯地方は、冬が長く、春と夏がほとんど同時にやってきます。
昆虫なども、たくさんの種類がいっせいに増え花も咲き実もたくさんなります。

鳥たちが食物をとり繁殖するのに、こんな都合のよいことはありません。

しかし、秋の訪れが早いので、すぐにえさも少なくなり急に温度が下がって雪が降りはじめます。

それで、鳥たちは、また南のほうのあたたかい、えさもたくさんある地方に移っていくのです。

この鳥たちも春から夏のはじめには、また、同じところにもどってきます。
渡り鳥は、もとの繁殖地にもどる性質があるからです。

1年が、雨期と乾期とにはっきりわかれている熱帯地方では乾期は植物が育たず、えさも少なくなるので、ほかの土地に移る鳥がたくさんいます。

マダガスカル島で繁殖する鳥のなかには、乾期になると中央アフリカの雨の多い地方にうつるものがあります。

熱帯地方でも、雨期や乾期がないところでは、いつもえさが豊かなので、そこに住む鳥は、たいてい渡りをしません。

渡り鳥は、このようにして、毎年渡りを繰り返しているうちに渡りをする性質が、だんだん身についてしまったのです。

そしてとうとう、えさが乏しくなるとか寒さが厳しいということがなくても、ある決まった時期がくると必ず渡りをするようになったのだと考えられています。

留鳥

1年中、だいたい同じところに住んでいて渡りをしない鳥を留鳥と言います。

日本にいる留鳥はスズメ・カラス・キジ・ゴイサギ・ヤマドリ・コジュケイなどで、あまり種類は多くありません。

これらの鳥のなかでも季節によっては、いくらか住む場所をかえるものがあります。

漂鳥

漂鳥というのは、冬をあたたかい平地で過ごし夏は近くの山の中に入る鳥のことです。
季節によって留鳥よりも、ずっと広い範囲を移動します。

おもな漂鳥には、ムクドリ・セキレイ・ヒバリ・ウグイスなどがあります。

ウズラは冬になると本州の北から東海地方や、もっと西のほうまでうつります。
このように、季節によって旅をする範囲が広くなると原鳥ではなく、もう渡り鳥の仲間です。



渡り鳥

渡り鳥は、候鳥とも言いますが冬鳥・夏鳥・旅鳥・迷鳥などにわけて考えることができます。

冬鳥

日本で冬を越す渡り鳥のことです。
日本より、もっと北のほうで繁殖し秋に日本にやってきて冬を過ごします。

そして、翌年の春に、またもとの繁殖地にもどっていきます。
ツル・カモ・ガン・ハクチョウ・ツグミ・アトリ・ジョウビタキなどは、みな冬鳥です。

夏鳥

春から夏のあいだに日本で繁殖し、夏の終わりごろから秋にかけて南の国へかえっていく鳥を、夏鳥と言います。

ツバメ・ホトトギス・ブッポウソウ・サンコウチョウ・カッコウ・アオバズク・オオヨシキリなどは、夏鳥です。

旅鳥

渡り鳥のなかには、夏に日本よりもっと北のほうで繁殖し冬を日本より南方で過ごす鳥たちがあります。

これらの鳥の旅は、たいへん長いので、とても続けて飛ぶことはできません。
それで、1年に1回か2回、通り道にあたる日本のどこかで、しばらく羽根を休め、また旅を続けます。こういう鳥を、旅鳥と言います。

ですから、日本は旅鳥にとっては冬越しの場所でも繁殖地でもなく、ただの休憩所なのです。
シギやチドリの仲間は、ほとんど旅鳥です。

迷鳥

渡りの途中で、仲間にはぐれた鳥が、1、2羽、ひょっこり日本にやってくることがあります。

こういう鳥を迷鳥と言います。
ヒゲガラ・ヤマショウビンなどが、よく迷鳥としてやってきます。






獣・鳥・魚・昆虫の縄張りとは? わかりやすく解説!

獣の縄張り

イヌをつれて歩くと、よく電柱などに小便をしますが、あれは、自分の縄張りの目印としているのです。

もし、ほかのイヌの小便があると、その上に自分のをかけて臭いを消していきます。

シカは、木の枝に頭の一部からでる汁をつけて臭いを残し縄張りの目印にするそうです。

クマも、木に背中をこすりつけたり爪で幹に傷をつけたりして縄張りの目印にします。


鳥の縄張り

小鳥の類では生殖時期などに縄張りをつくります。
モズやヨシキリ・コマドリなどは縄張りをつくることが知られています。

これらの鳥のおすは、まず自分の縄張りをつくり、そのなかに、ほかのおすが入ってくると鳴き合わせをします。

激しいときには、つつきあいをすることもあり勝ったほうがその場所に住むことになります。

魚の縄張り

魚のうちでアユの縄張り争いは、とくに有名です。

海からあがったアユは、川の上流にのぼって、ミズゴケを食べていますが、によいミズゴケがはえているところに住みついたアユは、そこを自分の領域とします。

そして、あとからきたアユが、そこに入ろうとすると激しく挑んできて、あとからきたアユを追い払ってしまいます。

昆虫の縄張り

池の表面をわたるアメンボは、だいたい同じ場所をまわっていて、ほかのものが入ってくると、追い駆けることがあります。

これは、アメンボが、縄張りをもっているためです。

また、トンボやクマバチのおすなども、一定の場所を飛んでいたり、じっと1か所に止まっていたりしていることがあります。

このようなときに、ほかのおすがくると、それを追い駆けて、追い払ってしまいます。

これも縄張り争いなのです。




いろいろな動物の群れの特徴と仲間どうしの争いとは?

いろいろな動物の群れ

いままでに述べた、昆虫や獣・鳥などの群れのほかにも群れをつくって住んでいる動物が、たくさんあります。


魚の群れ

魚の仲間でも、群れをつくるものがたくさんあります。

まだ小さい時代には、同じ大きさぐらいの小さな魚が群れをつくって泳ぐものですが池の中のコイやキンギョ・メダカなどは、みな行列をつくっています。

また、ゴンズイという海に住む魚はいつも、体がくっつき合うくらいより集まって、群れをつくっています。

どうしてこのようによりかたまっているのかはわかりません。

カイワリという、やはり海に住む魚は、生殖時期に集まって合唱することがあり船の上からも、その合唱を聞くことができるそうです。

フジツボの群れ

引き潮のとき、海岸を歩いていると岩や海岸にたてた杭の上にフジツボがたくさん群がってついているのを見かけます。

フジツボが、このようにたくさんかたまっているのは、こういう場所が生活するの適しているからです。

ヤスデの群れ

また、ヤスデという動物がいちどに発生すると大きな群れをつくり、野菜や若芽を食い荒らします。

ときには、ヤスデの群れが鉄道線路にそって行列することがあります。

こんなときに列車が通ると、この虫の油のために列車が滑って脱線することがあります。

バッタの群れ

アフリカなどの砂漠には、オアシスと言って植物の茂ったところが、ところどころにあります。
このまわりは、ふだんは砂ばかりですが雨が続くと落ちていた植物の種から芽が出て、緑の林となります。

このようなときにバッタのたまごがかえると、たくさんのバッタが出てきます。

これらのバッタは、この植物を食い荒らしますが雨が止んで日照りが続くと、これらの植物は、すっかり枯れてしまいます。

そうすると、バッタは食べるものがなくなるので大きな群れをつくって、ほかの土地にたどりつき穀物などに大きな害をあたえることがあります。

ハアリの群れ

夏の蒸し暑い夜など羽根のはえたアリが、無数に集まることがあります。
これは、いちどに多数のものが出たことと、風向きなどのためです。

ガの群れ

夏の夜、田に行くと誘蛾灯のまわりに、たくさんのガが群がっています。

これは、ガが光に集まる性質をもっているためですが多くの昆虫や昆虫以外の動物でも、光に集まる性質をもつものがたくさんいます。

このような動物の性質を、走光性と言います。

クラゲの群れ

海水浴や、波のりなどをしていると、たくさんのクラゲが群がって浮いていることがあります。

これはクラゲが同じ時期に、いちどに生まれたためにできる群れなのです。



仲間どうしの争い

動物たちは、種類の違うものどうしで争うばかりでなく同じ仲間どうし争うこともあります。

これは、草食物よりも、肉食動物のほうが、激しいようです。

ネズミやオオカミの共食い

ネズミは、えさがあるときは、お互いに仲良く暮らしています。

しかし、えさがなくなって飢えてくると仲間どうしで喧嘩をはじめ弱いネズミは噛み殺され、食べられてしまいます。

このように同じ仲間を食べることを、共食いと言います。
オオカミも、えさがなくなってくると仲間の死骸を食べることがあります。

オットセイのおすどうしの争い

オットセイは、夏になって子を生むころになるとサハリン(樺太)やアリューシャンの近くの島にあがってきて、たくさんのハレムをつくります。

ハレムというのは、一頭のおすのまわりを、たくさんのめすが、取り囲んでいる群れのことです。

真ん中のおすは、おさと言われ、ほかのハレムのおさたちは自分のめすをとられないようにたえず注意しています。

自分のめすが、ほかのハレムに迷いこむと、おさはすぐに連れ戻しにいきます。
このために、二頭のおさどうしが喧嘩をすることもあります。

また、おさになれなかった若いおすたちは、いつもハレムの外からおさの様子を伺っています。
隙を見つけて戦いを挑み、相手を倒して自分が新しいおさになるためです。

群れをつくる獣たちのあいだでは、その頭になるために、ときどき、おすどうしが、このような激しい争いいをします。

動物の縄張り

動物のうちには、縄張りと言って、ある地域を自分の領分としているものがあります。

この縄張りに同じ仲間のものが入ってくると、それを追い退け、逃げないときには、攻撃をします。この争いを縄張り争いと言います。

縄張り争いに負けたほうは、その場所を譲って、ほかに行ってしまうのです。




獣・鳥の群れ、群体をつくる動物の特徴とは?

獣・鳥の群れ

獣には、ゾウやキリン・シマウマ・レイヨウなどのように群れをつくって暮らしているものが、たくさんあります。

鳥でも渡り鳥や海鳥などは、たくさんの群れをつくってくらしています。

これらの群れは、身をまもるための群れ、えさを襲うための群れ子どもを増やすための群れなどにわけて考えることができます。


身をまもるための群れ

群れをつくってくらしている獣は、たいてい草食のものです。
この動物たちは、ふだんは、たいへん大人しく、ほかの獣を襲うことはありません。

しかし、肉食の獣たちに、たえず狙われているので、いつも群れをつくって互いに助け合い、身をまもっているのです。

群れのなかには、たいてい、頭がいます。
頭は、群れのなかでもいちばん力が強く勇気もあります。

敵が襲ってくると、この頭がふせぎ、そのあいだに、めすや子どもたちを逃がしてやります。

また、群れのなかに見張りをするものがいて危険を感じるとすぐ仲間に知らせて、みんなが逃げ出せるようになっています。

しかし、逃げる暇がないときには、みんなが力を合わせて敵をふせぎます。

バイソン(アメリカヤギェウ)の群れは影に襲われると頭を外側にして円陣をつくり角で敵を突き上げます。

シマウマは、尻を外側にして円陣をつくり、うしろ足で敵を蹴倒します。
ゾウは、太い足で敵を踏み潰したり、鼻で叩いたりします。

また、セイウチなどは波うち際に牙をむけてならび敵の侵入をふせぎます。

えさを襲うための群れ

肉食をする動物になると数匹が協力して獲物を襲ったほうが都合がよいので、そのために群れをつくることがあります。

ライオンなどは、数頭から十数頭で、獲物を襲うことがあります。

オオカミは、夏のあいだは1匹で暮らしていますが冬になって食物が少なくなってくると仲間が集まって群れをつくります。

そして、いく日も痩せた体で獲物をあさり歩きます。

えさを見つけると、それがウシやシカのような自分より大きな動物であっても、みんないっしょになって襲いかかります。

野犬でも同じようなことが見られます。

海では、歯の鋭いシヤチが、十数頭で群れをつくり大きなクジラに襲いかかって、倒すことがあります。

子を育てるための群れ

オットセイが夏になると、子を育てるために北の島にあがってきて大きな群れをつくることは有名な話です。

鳥でも、渡り鳥がつくる渡りの群れのほかに海鳥の仲間は子を育てるときには大きな群れをつくります。

ウミネコは、夏のうちは、青森県の蕪島などで、大きな群れをつくって住み、ここでたまごを生んで、ひなを育てます。

そして夏が過ぎて涼しくなると子どもの鳥をつれて南のほうに飛んでいきます。



サンゴ虫の共同生活

サンゴ虫は、子どもが生まれても、その子は親からはなれないで、親の体についています。

ですから、サンゴ虫は木の芽が出て枝わかれしていくように、だんだんと大きな群れをつくっていきます。

このように、同じ動物が、たくさん集まって、ひとつの体をつくっているものを群体と言います。

サンゴ虫は、石灰質の丈夫な骨格をつくって群体を支えています。

ふつう、サンゴと言っているのは、この骨挌のことです。
そして、お互いの体は、それぞれ1つの管でつながっています。

クダクラゲの共同生活

クダクラゲの群体は、サンゴ虫の群体よりもずっと進んでいて群体をつくっているクラゲの1匹ずつの形が、たいへん違っています。

ちょっと見ると、1匹の動物のようですがやはり群体なのです。

群体のいちばん上にはガスの入ったふくろを持つものがいて群体を海面に浮かすようにしています。

このほか、えさをとったり、たまごを生んだり敵をふせぐための触手をもっていたりそれぞれ役目が違うものが集まっているのです。

このため、それぞれの形も違い、全体で1匹の動物のように見えるのです。

このような群体をつくる動物は海水や、真水に住む動物のうちヒドロ虫類・サンゴ虫類・クダクラゲのような下等なものにかぎります。




サルの社会とは? ボスザルとは? 餌をとる順位とは?

サルの社会

私たち人間の社会に、もっともよく似た群れをつくる動物はサルです。

アフリカのヒヒや、マライ地方に住むテナガザルなどは大きな群れをつくっているので有名です。

けれども、それらの群れのしくみが、どうなっているのかは、まだよく調べられていません。


ニホンザルの群れ

サルのうちでも、日本に住むニホンザルは日本の学者によって群れの生活の様子が、くわしく調べられています。

そして、サルの群れにも、順位や役目が決まっていて人間の社会と、よく似たしくみのあることがわかってきました。

サルの仲間は、熱帯地方に多くすんでいますが、そのうちで、ニホンザルは、もっとも北に住んでいる種類です。

南は九州から、北は青森県にまでおよび、山の中に群れをつくっていて、木の実や若葉・昆虫などを食べています。

そして、1つの群れは、含まった土地に住んでいて、そこから、ほかの土地へ動くことはありません。

各地のニホンザルのうち、いちばんよく調べられているのは大分県の高崎山に住むサルの群れです。

高崎山は山が険しく木が多いのでサルが住むには都合のよいところなのです。

ここには、むかしからサルが住みついていて、いまでは約1200匹の大きな群れになっています。

ここに、えさ場をつくり、ときどきリンゴ・ミカン・サツマイモなどのえさをやるので、人に慣れてきて人の手からえさをもらうサルも多くなってきました。

ボスザル

時間を決めて、えさ場にえさをまくと、サルが集まってきます。

集まったサルの群れを注意してみると、ところどころに大きなおすザルがいます。この大きなおすザルが、群れの頭で、ボスと言われます。

ボスの勢力は非常に強く、自分の好きなところに座りえさを好きなだけ食べることができます。
ボスが尾を立てて歩いていくと、ほかのサルは食べかけていたえさを捨てて、逃げてしまいます。

ボスは1つの群れに、1匹いるのがふつうですが高崎山のように大きな群れになると、5、6匹のボスがいます。

ボスの順位

よく観察するとボスたちには勢力の大きなものと勢力のあまりないものとがいることがわかります。

勢力のあるボスが、それより勢力のないボスのそばに近よると勢力のないボスはそこから、はなれてしまいます。

勢力のあるボスは、ほかのボスの前を通るときでも尾を挙げて威張っていきますが勢力のないボスは、そのとき尾を下げてしまいます。

2匹のボスのあいだでどちらが勢力があるのかを調べるときには2匹のボスのあいだに、えさを投げてやるとわかります。

ちょうどまん中に投げてやれば、勢力のある強いほうのボスが、ゆっくり近よってえさをとりますが、弱いほうのボスは動かないで、じっとしています。

しかし、弱いボスの近くにえさを投げてやると弱いほうのボスが急いでえさをとり、少し遠くへ逃げていって食べます。

ボスの順位は、ときどきかわることがあって弱かったほうのサルが強かったほうのサルを負かして群れの頭になることがあります。

また、年をとると強かったボスも、だんだん順位が下がってしまいます。

めすザルと子ザル

ボスの近くには、いつも子ザルをつれためすザルがいます。
めすザルと子ザルは、このボスにまもられていて、ほかのサルからいじめられません。

成長したおすザル

ボスやめすザルのいる周りには、成長したおすザルがいます。

このおすザルは、ボスになるほど強くなく、もっと強くなったらボスになろうとしているサルたちです。

成長したおすザルは、ボスがいるうちはえさ場に入って、えさをとることができません。
えさをとろうとすると、ボスに追い払われてしまいます。

若いおすザル

成長したおすザルたちのさらに外側には若いおすザルが数匹ずつ、かたまっています。

これは子どもから、若者になったばかりのサルです。



えさをとる順位

サルの群れでは、えさ場でえさをとる順位が決まっています。

まず、最初はボス、つぎに成長したおすザル、それから若いおすザルの順になっています。

めすザルと子ザルは、特別で、ボスの近くにいてボスザルといっしょに、えさを食べることができます。

ボスザルは、充分えさを食べると山の中へ入っていきます。
それについてめすザルや子ザルも山の中に入っていきます。

こうして、ボスの姿が見えなくなると、まわりにいた成長したおすザルが、えさ場に入ってきます。

そして、まだいくらか残っていためすザルや子ザルも姿を消して少なくなると、それまでいちばん外側にいた若いおすザルもえさ場に入ってきて、いちばん最後に残ったえさを食べます。

見張りザル

ニホンザルの群れには、必ず、見張りのサルがいます。
これはたいてい、群れのいちばん外側にいる若いおすザルです。

見張りのサルは、木の上に昇っていて何か群れに危険が迫ると木を揺すったり、声を上げたりして仲間に知らせます。

ひとリザル

サルの群れの近くには、群れからはなれて1匹だけで生活しているおすザルがいることがあります。

このようなサルをひとりザルと言います。

どうして、1匹だけ、除け者にされているのかわかりませんが群れに近づこうとすると、ボスザルやおすザルが追い払ってしまいます。

サルの群れの階級

えさをとる様子から、ニホンザルの群れにはボスザル、成長したおすザル、若いおすザルなどの階級が決まっていることがわかります。

また、見張りザルのような役目をもったものもいます。
ボスザルは、この決まりを仲間にまもらせるようにしています。

もし、この決まりを乱そうとするものがあると攻撃して懲らしめるのです。

また、群れに危険が迫ったようなとき、まず、めすザルや子ザルを逃がし、群れが無事に逃げのびてから最後にボスザルが逃げていきます。

ボスは、威張っているばかりでなく、いざというときには群れをまもろうとするのです。

サルのものまね

動物園のサルは、人のあたえたものをよく食べますが野生のサルは、見慣れないものは、なかなか食べようとしません。

たとえば、野生のサルにキャラメルなどをやっても、見向きもしません。
しかし、子ザルや若いサルは人に慣れやすく、すぐに食べるよりになります。

こうして、1匹が食べはじめると、ほかのサルたちも、まねをして食べるようになります。

あるとき、たまごをたべることを知らなかった群れに、ほかの群れから、たまごを食べることを知っているサルをつれてきて仲間に入れてやりました。

すると、その群れのサルも、たまごを食べるようになったということです。

このように、まねをするのは、食べ物を食べるときだけではありません。

1つの群れで、あるサルがサツマイモを洗って食べたところ、ほかのサルもまねをしてサッマイモを洗って食べるサルが多くなったということです。

このものまねをするということは、たいへん大切なことで、
これによって二ホンザルの群れは新しいことを覚えていくのです。




アリの世界とは?女王アリとはたらきアリの関係と特徴とは?

アリの世界

アリにはたくさんの種類があり、それぞれ少しずつ習性が違っています。


女王アリとはたらきアリ

ひとつの単には数匹、ときには、数十匹の女王アリがいます。
女王アリは、たまごを生むことができ体が大きくて、とくに腹の大きいのが目立ちます。

そのほかのアリは、はたらきアリです。

ミツバチのはたらきバチと同じように、たまごを生むことはできませんが、たまごや幼虫の世話をし食物を運び、巣を広げたり、敵をふせいだりします。

種類によっては、はたらきアリのほかに、もっと体の大きな兵アリがまじっていることもあります。
兵アリのしごとは、はたらきアリとかわりません。

おすアリとめすアリ

ふつう、アリには、羽根がありません。

しかし、1年のある季節には、それぞれのアリの巣には羽根のはえた、おすアリとめすアリが生まれてきます。
よく、ハアリといっているのは、このアリたちのことです。

ときがくると、このおすアリとめすアリは巣を飛び立って結婚飛行にでかけます。

結婚飛行の時期はアリの種類によって違いますが、ふつう春から秋のあいだです。

結婚の終わっためすアリは地面にまいおり、自分で羽根をもぎとります。
そして、自分の体の入るぐらいの小さい穴を掘り、たまごを生みます。
こうして、このアリは女王アリになるのです。

結婚をすませたおすアリは地面に降りると、まもなく死んでしまいます。

アリの単

アリは、ふつう土の中に単をつくります。
しかし、トビイロシリアゲアリ・ムネアカオオアリ・ヨツボシオオアリ・トゲアリなどは、木の幹に巣をつくります。

アリの巣はたくさんのろうかと、いくつかの出入り口からできていますがミツバチやアシナガバチの巣のように、規則正しくありません。

アミメアリは、かわったアリで、女王アリがいません。
はたらきアリが少しずつたまごを生むのです。

ちょっとした隙間でもあると巣に利用するくせがあるので幼虫やさなぎをくわえて別な場所に引っ越しているのをよく見かけます。

アリの食物

下等なオオハリアリは、昆虫の死骸だけを食べます。
もっと高等なふつうのアリたちは昆虫やミミズの死骸を巣に運んで食べます。

また、巣の中にアリマキを飼って、その尻からでる、甘い汁を吸っているアリもあります。
クロナガアリは、秋になると雑草の種を集めて巣の中にたくわえ、これを食べて暮らします。



昆虫の帰り道

アリやハチなどの昆虫は食物を集めにでかけていっても道を間違えることなく必ず、自分の巣にかえってきます。

巣にかえるしくみは、つぎのように考えられます。

① 巣から出た若いハチやアリは巣のまわりをぐるぐるまわって巣の近くの木や草の形、色やにおいをよく覚えます。

それから、だんだん遠くまでの道を覚えます。

このようにして、覚えておいた道をたどれば遠く巣からはなれたところからでも迷わずに巣にかえることができるわけです。

② アリは、巣から近いところにでかけるときは太陽の差す方角を覚えておいて、かえりにはきたときと体の反対側に、光を受けながら巣にかえります。

このように、昆虫でも親虫になってから日数が経っているものは、なれているので、上手に帰ることができます。

しかし巣からあまり出たことのない若いものは遠くからはなしてやると自分の巣に帰ることができなくなり迷子になってしまいます。

ヤマトシロアリの生活

シロアリは、アリの仲間ではなく、ゴキブリの親戚です。

ヤマトシロアリは、腐った木や古い柱などの中に巣をつくりますが、にわ木を食い荒らすことは、まずありません。

ふつうのアリでは、結婚がすむと、おすアリは死んでしまいますがヤマトシロアリでは結婚がすんだおすとめすは羽根を落として走りまわり腐った木などを探して新しい巣をつくり、王と女王になります。

はたらきアリは、頭が小さくて、体全体が白っぽい色をしています。

また、兵アリはミカン色の大きな頭と大あごをもっていて外から巣に入ろうとする敵をふせぎます。




ミツバチの生活とは?女王バチとはたらきバチの関係と特徴とは?

ミツバチの生活

ミツバチは、ハナバチ類のなかでも、いちばん高等な仲間です。

それで、その社会生活もたいへん進んでいて、ほかのハチやアリの社会生活では見られないことが、いくつかあります。


女王バチ

ミツバチは、アリと違って1つの巣には女王バチが1匹しかいません。
もし、2匹目があらわれると女声、ハチどうしで、ひどい喧嘩をして片ほうを刺し殺してしまいます。

また、ミツバチの女王には、はたらきバチのように、うしろ足に花粉かごがなく、胸部にロイヤルゼリー(王様のゼリー)という蜂乳を出すところもありませんから花粉集めや子どもを育てることはできません。

女王バチのしごとは、たまごを生むだけなのです。
ところが、アシナガバチ・マルハナバチ・アリなどの女王は巣をつくったり食物を集めたり子どもを育てたりしてはたらくこともあります。

はたらきバチ

ミツバチの巣に女王バチを中心に、4、5万のはたらきバチが住んでいます。

これは、もともとめすなのですが幼虫のとき食物が充分でなかったため、たまごを生むことができない体になってしまったのです。

それで、女王バチの腹が大きいのにくらべて、はたらきバチの腹はずっと小型です。

しかし、脳のつくりをみると、はたらきバチのほうが発達していて脳のはたらきでは女王バチよりも、勝っているようです。

また、尻の針は、女王バチでは、たまごを生むための道具ですが、はたらきバチでは敵を倒す武器になっています。

はたらきバチは、巣をつくったり、食物を運んだり、子どもを育てたり、いろいろのしごとをして、はたらきます。

ドイツのフォン=フリッシュ教授の研究によって、このはたらきバチは、親になった日から、年をとって死んでしまうまで、決まった順序で、しごとの受け持ちを、かえていることがわかりました。

おすバチ

おすバチは気候がよくて食物がたくさんあるとき1つの巣に数百匹育てられます。

体は太っていて大きく、女王バチやはたらきバチにくらべて、ずっと大きな複眼をもっています。

結婚式のときには、1匹の女王バチが飛んでいくと、そのあとを何百というおすバチが追い駆けます。

しかし、このおすバチのうち、女王バチと結婚できるのは、いちばん目の発達した、そして羽根の丈夫な、たった1匹のおすバチなのです。

このおす、バチは、結婚式がすむとすぐ死んでしまいます。

ミツバチのおすたちは、ほかのハチのおすたちと同じように食物が豊かなときには、大切にされます。

しかし、結婚式がすみ、冬も近づいて、食物が少なくなってくると、はたらきバチに追い払われるか、ひどいときには刺し殺されてしまいます。

ミツバチの子どもたち

ミツバチの巣には、女王バチ・おすバチ・はたらきバチのほかに、たまご・幼虫・さなぎなども、たくさんいます。

たまごは小さく、お菓子のゼリービンズのような形をしています。
幼虫は足がなくて、ウジのような形をしていますがハエのウジと違って頭がはっきりしています。

さなぎは、親虫によく似ていますが足やひげが体にぴったりとつき、羽根が下側に曲がっています。

チョウのさなぎのように厚い殻をかぶっていないのでハダカサナギと言います。(チョウのさなぎはカブリサナギ、または、メンカブリと言われます)

これらのさなぎの世話は、みなはたらきバチがします。



たまごのいろいろ

女王バチが巣に生みつけたたまごのうち王台に生みつけられたたまごからは、つぎの女王バチが生まれます。

王台というのは、形も大きさも、はたらきバチの部屋とは、まるで違った立派な部屋です。
たまごからかえった女王バチの幼虫はロイヤルゼリーだけで育てられます。

はたらきバチのたまごは、ふつうのせまい部屋に生みつけられます。
かえった幼虫には、3日目までロイヤルゼリーがあたえられますが、そのあとは蜜でねった花粉があたえられます。

おすになるたまごは、はたらきバチと同じ形ですが、もう少し広い部屋に生みつけられます。

王台がたくさんつくられて2匹目の新しい女王が生まれそうになると古い女王バチは、はたらきバチの一部をつれて巣から飛出します。

そして新しい群れをつくります。これを巣わかれと言います。

女王バチの雇い入れ

ひとつの巣にいるミツバチたちが、女王バチを失い、そのうえ、女王バチになるたまごを巣にもっていないときには子孫をつくれなくなります。

こうなると、やがて滅びなければなりません。

ミツバチを飼っている養蜂場では、こういうときには女王バチがいなくなった巣に新しい女王を雇い入れ、その群れの滅びるのをふせぎます。

新しくきた女王バチは、いきなりいっしょにされると、はたらきバチと喧嘩します。

そこで、金網をはった小箱に女王バチを入れて、しばらく巣の中に入れておきます。

そのうちに、巣のにおいが女王バチにうつるので出してやっても喧嘩をしないようになります。

アリの巣などでは、女王アリがいなくなると、ひとりでに女王アリの雇い入れがおこなわれます。




昆虫の社会生活とは? 昆虫のいろいろな集まりとは?

昆虫のいろいろな集まり

昆虫は、たいてい1匹ずつで暮らしていますが種類によっては同じ仲間のものが、たくさん集まって暮らしていることもあります。

同じ昆虫が同じ場所に集まるときには、いろいろな場合があります。
同じえさのまわりに集まるものや、ある時期になると群れをつくるものもあります。

親子の集まりや、社会生活を営むための集まりもあります。


食物のための集まり

ごみためを探すと、オオヒラタシデムシの親虫や子虫がたくさん集まっているのを見ることがあります。

この虫は腐ったものだけを食べるので自然とごみために集まってくるのです。

しかし、えさがなくなれば、また、ばらばらに散ってしまいます。
ですから、同じ場所にいるといっても食物のためだけの集まりで、とくに助けあったりするわけではありません。

冬越しや、引っ越しのための集まり

食物のために集まる昆虫のほか、寒い冬を越すために同じところに集まっているものがあります。

たとえば、ウリハムシやテントウムシなどが、よく草の根もとに群がっているのを見ることがあるのは、この例です。

また、アキアカネやモンシロチョウなどのように住みかをかえるときになると群れをつくるものもあります。

家族生活を営む集まり

昆虫のなかには、家族生活をしていて母虫が子どもの世話をするものがあります。

ときにはコオイムシのように父虫がたまごを背中に乗せて、手伝うものもいます。

母虫が、たまごや、かえりたての幼虫をまもるものにはケラ・ハサミムシ・モンキツノガメなどがあります。

また、アナバチやハナバチの仲間のうちにに母バチが幼虫のために巣をつくるものがあります。
このハチたちは、幼虫のために狩りにでかけて昆虫か、またはクモをつかまえてくるので、狩人バチと言います。

あるハナバチの仲間では昆虫のかわりに花粉と蜜を集めて幼虫のえさにします。

これらのハチでは母バチは幼虫がさなぎになるまでえさをあたえ、そのあとは、子虫の世話をしないのがふつうです。



社会生活を営む集まり

ハチやアリの仲間で、ある種類のものは幼虫のどれかが親虫になっても、巣を去らないで妹や弟の世話をします。

この暮らしかたは家族生活よりも進んでいて親虫たちの毎日のしごとには、受け持ちが決まっています。

そのために、この集まりでは、同じ種類の動物でありながら体つきや習性などが、違うようになったものもまじっています。

このような暮らしかたを昆虫の社会生活と言います。

社会生活をする昆虫たち

昆虫で社会生活を営むものの、おもなものにはシロアリ類とハチ・アリ類があります。

シロアリ類はアリと言っても、ふつうのアリとは体の形や性質がたいへん違います。

羽根のあるものと羽根のないものと2種類ありますが羽根のあるものは、前羽根とうしろ羽根とが、ほとんど同じ形で、同じ大きさをしています。

シロアリ類には、たくさんの種類がありますが熱帯地方に多くの種類がいます。
日本に住むおもなものに、ヤマトシロアリとイエシロアリがいます。

アリ類は、世界で600種、日本でも100種ぐらいいますが、たいていは土の中に巣をつくります。

ハチ類は、全部が社会生活をするわけではありません。
社会生活をするものは、スズメバチ類ではスズメバチの仲間とアシナガバチの仲間です。

ハナバチ類ではマルハナバチの仲間とミツバチの仲間が社会生活をします。




木の上に巣をつくる鳥とは?崖や水面に巣をつくる鳥とは?

木の上に巣をつくる鳥

木の上に巣をつくるものには、ハト・カラス・クカなどがいます。
これらの巣は、枯れ枝を重ねただけの粗末な巣です。


コウノトリは、おもにマツの木のこずえ近くにつくりますが、むかしはツルの巣と間違えられていました。

しかし、ツルは木の上には巣をつくりません。
湿地に枯れ枝や草を集めて、粗末な巣をつくるだけです。

ウグイス・メジロ・ホオジロなどの小鳥は、みな上手に巣をつくりますが、なかでも、エナガの巣は見事です。

木のまたについていることもあれば、枝から垂れ下がっていることもあります。

巣のまわりにはコケをクモの糸でつけてあるので木の幹と見分けがつきません。

巣の中には、ほかの鳥の羽根毛がいっぱい敷いてあって、とてもあたたかです。

カイツブリの巣

むかしの人が「ニオ(鳰)の浮き巣」と呼んだのがカイツブリの巣で、水の上に浮いているので有名です。

巣は沼に水草を集めてつくりますが、この水草はおすが水の中にもぐってとってきて、めすにプレゼントしたものです。

沼の水は雨が降ると増え、日照りが続けば減りますが、この巣は浮いているので水のかさが増えても水浸しにならず、たいへん都合よくできています。

また、水草のかたまりでできているため敵に見つかる恐れもあまりありません。

怪しいものが巣に近づいてきたときには親鳥はたまごの上に水草をかぶせて、たまごが見えないようにします。

そして、自分は水にもぐって隠れます。



アマツバメの巣

アマツバメやハリオアマツバメは険しい岩のがけなどに、さら型の巣をつくります。

巣の材料は小枝やわらなどですが、それを飛びながら集めます。
こうして集めた材料を、ねばねばしたつばで岩にくっつけて巣をつくります。

このねばねばしたつばは乾くと半透明の合成樹脂のようになりますから、とても美しい巣ができあがります。

中華料理で食べるツバメの巣はアマツバメの仲間のアナツバメの巣です。
これらは、ツバメという名がついていますがツバメの仲間ではなく、ハチドリの親戚です。

アナツバメは、マライ地方の洞穴にたくさん集まって巣をつくりますが、その巣は、ねばねばしたつばだけでつくり、わらや小枝などは少しも使いません。

また、ふつうのツバメやイワツバメは泥とわらで茶碗型の巣をつくりますがコシアカツバメの巣は、とっくりを横に倒したような形です。

それで、コシアカツバメを、トックリツバメと呼ぶこともあります。




特徴的な動物の巣とは?ミナミトミヨ・トックリバチの巣の特徴とは? 

ミナミトミヨの巣

ダーラミイの巣も日本のトゲウオ類の巣には、とても適いません。

日本に住むトゲウオ類の一種、ミナミトミヨの巣のつくりかたを、のぞいてみましょう。


この魚は京都付近のきれいな流れに住んでいて3月ごろから7月にかけて巣をつくります。

はじめ、おすは巣をつくるのによい場所を探します。
場所の取り合いで、おすどうしが、激しく戦うときもあります。

よい場所をとったおすは、そこにはえている水草のごみを払落し草の中に隠れている、小さい動物が追い払います。

そして、水草のしげみに体で穴をあけて、その穴の中に草の根や茎などを口で運んで、細長いかごあみます。

これを土台にして、しだいに、かごを丈夫にしていきます。

このとき、腎臓から、ねばっこい液を出して巣の材料にこすりつけ、しっかりと、つけあわせます。

こうして、ついに直径3.5センチぐらいの球形の巣をつくりあげます。
巣のいっぽうには、1センチぐらいの入り口があります。

巣ができあがるとおすは、めすを誘って巣の中にたまごを生ませますが、中がたまごでいっぱいになるまで、何匹も、めすを呼び入れます。

産卵がおわると、おすは入口を直径5ミリぐらいに小さくし巣のそばでばんをしています。
そして子がかえると、えさを運んできて巣の中に吐き出、子にあたえます。
おすは、子魚が巣からでるまで、このしごとを続けます。



トックリバチの巣

昆虫には、巣をつくるものがたくさんありますが、トックリバチなどは、つくりかたや観察するには、いちばんよいものでしょう。

トックリバチは、草原の小さい木や、へいなどに泥でとっくりのような形の小さい巣をつくります。

まず小さな土のかたまりを口にくわえ、つばとこねまぜて木につけます。
それから、この上に泥を積み重ねて、しだいに球をつくっていきます。

ほぼ巣ができあがると、青虫を数匹つかまえてきて、中に引き入れます。
そして巣の中にたまごを1つ生むと、とっくりの口の部分をつくり、ふたをしてしまいます。

中の青虫には、麻酔薬のような毒液を注射してありますから青虫は、ずっと眠っていて腐りません。

そこで、たまごからハチの幼虫がかえると青虫を食べて成長し成虫になると巣を食い破って外に出てくるのです。

地面や木の穴に巣をつくる鳥

巣と言えば、まず鳥の巣を思い浮かべるほど、たいていの鳥は、立派な巣をつくりますが、なかには、ダチョウやキウイなどのように巣をつくらないで地面のくぼみにたまごを生むものもいます。

また、キジ・ウズラ・カモメなども地面に少しばかり枯れ草を集めるだけです。

これより少しましなのはブッポウソウ・シジュウカラ・ヤマガラなどで枯れ木にある洞穴を利用し、その中に枯れ草やコケなどを集めて巣にします。

木の穴に巣をつくる鳥のなかでもキツツキの巣穴は、くちばしを使って自分であけたものです。

オオミズナギドリ・ウトウなどの海鳥やカワセミは食べた魚の骨だけを、だんごにして吐き出し、それを巣の中に敷いています。




特徴的な動物の巣とは?カヤネズミやヒメネズミ、スゴモリアマガエル・グーラミィの巣とは?

育児用の巣

これまで述べた巣は、もちろん育児用にも使われますが、ここで述べるのは、育児用にだけ使われる巣です。

このような巣は非常に多くの動物がつくるので、ここでは、そのうちの代表的なものだけを説明することにしましょう。



カヤネズミやヒメネズミの巣

獣で、育児用の巣をつくるのはカヤネズミやヒメネズミぐらいたものでしょう。

カヤネズミは、日本のあたたかい地方のカヤや、カヤツリグサなどがたくさんはえたところにいます。

小さなキツネ色のかわいいネズミで、ふだんは、ほかのネズミのように地下に穴を掘って住んでいます。

しかし、子を育てるころになるとカヤなどの茎の地上1メートルぐらいのところにウグイスの巣によく似た巣をつくります。

巣はカヤの葉を縦に細かく裂き、それをまとめて直径8センチぐらいの球形にしたものです。

入り口は横に開いています。そして、その中に5~9匹ぐらい子を生みます。
こんなところに巣をつくるのはたぶん、ヘビなどの恐ろしい敵を避けるためでしょう。

ヒメネズミは、日本の森林にたくさんいるクリ色のネズミで巣はカヤネズミの巣によく似ていますがクヌギやクリなどの葉でつくってあります。

アリゲーターの巣

トカゲやヘビ・カエル・サソショウウオなどは、あまり巣らしい巣をつくりません。

カメは、土に穴を掘ってたまごを生み、土をかけておくだけです。
トカゲやヘビなどは枯れ葉の下などに直にたまごを生みます。(ただし、マムシは卵胎生で、子を生みます)

しかし、これらのものでも、まれには、かなり、立派な巣をつくるものがあります。

たとえば、アメリカのアリゲーターというワニは枯れ葉や草を集めて、直径2.5メートル、高さ1メートルの山をつくり上から20センチぐらいのところに20~30個のたまごを生みます。

そして、めすはそばにいて、たまごをまもっています。



モリアオガエルの巣

モリアオガニルは、日本の山地に住むカエルで白い泡て包まれたたまごを水辺の木の上に生みます。

そして、その泡の中でオタマジャクシがかえり、しばらく中で泳いでいますが、やがて泡が破れてオタマジャクシは下に落ち、水の中に入ります。

スゴモリアマガエルの巣

南アフリカに住むスゴモリアマガエルは浅い池に泥で噴火口のような巣をつくります。

おすガエルは、池の底の泥を前足で掘って輸のような形にし水面の上に10センチぐらいでるまで積み上げます。

輪の直径は30センチぐらいです。
これができあがると、鳴いてめすをよび、たまごを生ませます。

たまごからオタマジャクシがかえると、この輪の中で大きくなり小さなカエルになってからはじめて外に出るのです。

このような輪の中には、オタマジャクシを食べる水生昆虫や、そのほかの小さい動物が入れないのでオタマジャクシは安全に成長することができます。

グーラミィの巣

魚は、ふつう巣をつくりませんが、なかには例外もあります。
ダーラミィは、マライ地方に住む熱帯魚で泡の浮き巣をつくるので有名です。

おすが、口の中からねばっこい泡を出し、これをたくさん集めて巣をつくります。この巣は、水面に浮かんでいます。

めすがたまごを生むとおすは、このたまごを口にくわえて巣の中に入れ、巣のそばにがんばって、たまごをまもります。




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