根のつくりとは? 表皮・皮層・中心柱とは? わかりやすく解説!

根のつくり

種をまくと、芽がでるまえに、まず、根がでます。
この根は、植物の体を支え、土の中から大切な養分を水といっしょに吸いとって、体のいろいろなところにおくります。

このように大切なはたらきをする根は、どんなつくりになっているのか調べてみましょう。


表皮・皮層・中心柱

根のいちばん外側には表皮とよばれる一層の細胞があって根をつつんでいます。

表皮の内側には、やわらかい細胞が、ぎっしりつまっていて、これを皮層と言います。
さらに皮層の内側には、中心柱という部分があります。

中心柱は、内皮とよばれる一層の細胞で、外側がつつまれています。

植物によっては中心柱のまん中に、ずいというやわらかい細胞の集まりをもつものもあります。

木部・師部

中心柱には木部という部分と師部(または師管部)という部分があります。
木部は、木質部とも言われています。

この木部と師部は、互い違いにならんで輪のように中心をとりまいています。

木などの根のように、年ごとに太くなる根では木部は内側に師部は外側にうつり、ずいを中心にして木部と師部がむかいあった形で放射状にならんでいます。

木部は、おもに道管(細長い細胞が管のようにつらなったもの)からできています。

この細胞は死んでいる細胞で中身はなくなって細胞膜だけが残ったものです。

そして、この細胞膜にはいくつもの穴があいていて水などが通りやすいようになっています。

また、道管と道管とのあいだには繊維や、やわらかい生きた細胞があります。

マツ・スギなどの裸子植物では、道管はありませんが道管と同じようなはたらきをする仮道管というものがあります。
仮道管も、管のように細長い細胞かつらなってできたものです。

師部は、師管という細長い細胞と、やわらかいふつうの細胞と、繊維とがまじってできたものです。

師管の上下のしきりの膜は師板とよばれ、ふるいのようにたくさんの穴がおいていて養分が通りやすくなっています。

植物によっては左右の壁にも穴があいていて師板になってしまったものもあります。
師管は、道管や仮道管と違って、生きている細胞です。

形成層

木の根のように、年ごとに太くなっていくものでは木部と師部とのあいだに、形成層という一層の細胞があります。

この細胞は、さかんに分裂して、内側に道管などの木部の細胞をつくり、外側に師管などの師部の細胞をつくっていきます。

こうして、根は、しだいに太っていくのです。

根のかたち

根のいちばん先には、根冠という部分があり帽子のように根の先を保護しています。
根冠のすぐ上には、生長点という部分かあります。

生長点の細胞は、さかんに分裂して先のほうに伸びていくので根はしだいに長くなります。

また、根の先近くには、細い毛がたくさんはえています。
この毛は根毛とよばれ、ここから地中の水分や養分を吸いとっています。



根のいろいろ

種の中の胚のうち、根になる部分を幼根と言います。
幼根が育つと、主根という太い根になります。
主根からは、横のほうへ側根という枝根がでます。

イネ・ムギのような植物では、主根が発達しないかわりに側根がたくさん出て、ひげ根とよばれています。

このように、胚の幼根からできる根を定根と言います。

よく生長した茎や葉などからも根が出てくることがありますが、これを不定根と言います。
さし葉やさし木によって出てくる根も不定根と見られています。

かわった根

根のおもなはたらきは、地中の水分や養分をとることと植物の体を、しっかり支えることです。

このほか、根には、つぎのようなはたらきをするものがあります。

塊根

地中に埋まっていて、養分をたくわえるための根で貯蔵根とも言います。
サツマイモ・ダリア・シャクヤクなどは、塊根をもっています。

気根

地上にある茎、ときには葉などからでる不定根や地中の根がとくに地上に伸びてきた根のことで、つぎのようなものがあります。

①吸水根

幹から垂れ下がって、空気中の水分を吸う根でセッコウ・タコノキ・アダンなどに見られます。

タコノキ・アダンなどでは、吸水根が地中にまでとどき、幹を支えるはたらきもしているので支柱根とも言います。

②付着根

キヅタ・テイカカズラのようにつるになる植物では、ほかのものにくっつくために、茎のところから根をだします。

このような根を付着根と言います。

③寄生根

ほかの植物の幹や根に入りこんで、それから養分を吸いとるための根です。
ヤドリギ・ネナシカズラなどの寄生植物の根は、寄生根です。

④呼吸根

マングローブ・ミズキンバイ・ラクウショウなどの水生植物では根を空気中に出して呼吸します。

このような根を呼吸根と言います。

水中根

ウキクサやヒンジモのように水に浮かぶ植物では体のつりあいを保つために、水中に長レ根を伸ばしています。

このような根を水中根と言います。




実の種類とは? 種のつくリとは? 種と実の違いとは?

実のいろいろ

植物の実は、種類によっていろいろな形をしています。

これを、実のできかたやふくまれている水分の多少から、つぎのようにわけることができます。


単果・複合果・集合果

実は、そのできかたから見て、3つにわけられます。

モモ・リンゴ・ブドウなどのように1つの花から1つの実ができるものを、単果と言います。

キイチゴやキツネノボタン・ダイコンソウなどは1つの花からたくさんの実ができますが、これを複合果と言います。

パイナップル・クワ・イチジクなどのように、たくさんの花が集まって1つの実ができるものは集合果と言います。

液果と乾果

実は、ふくまれている水分によって液果と乾果にわけることができます。
モモ・リンゴ・ミカンなどのように肉が厚く、水分の多い実が液果です。

また、イネ・ムギ・マメ類のように熟すと乾いて水分の少なくなるものを、乾果と言います。

果物はたいてい液果で、穀類はみな乾果です。

おもしろい実

イチジクの食べるところは花たくで、とくに、いちじく果というふくろになっています。
この中には、め花とお花が別々になってついています。
ですからイチジクの食べるところは、実とも花とも言えるのです。

クリのいがは、総包と言われるつつみで中にあるクリの実の硬い皮は、子房がかわったものです。

この皮より内側の部分が種にあたり、中には、子葉と若い芽があります。
また、実の先のとがったところは、花柱のあとです。

トウモロコシの種は、子房が熟したもので、実にあたります。
中には胚珠からかわったでんぷん質の胚乳と芽があり、これが種にあたります。

種と実の違い

まえにも説明したように、種は、胚珠がかわってできたものであり、実は、子房やそのほかの花の部分がかわってできたものです。

ですから、もとのものがなんであるかを調べれば種と実の区別がわかるわけです。

種(種子)

花の咲く植物は、ほとんどのものが種をつくります。
そして、シダやコケのように花の咲かない植物は、種をつくりません。

それで、花の咲く植物のことを種子植物とも言います。



種のつくリ

めしべに花粉がつき、子房の中の胚珠で受精がおこなわれると胚珠は生長して種になります。

種は、外側に種皮とよばれる皮をかぶっています。
この種皮は、胚珠の皮(種皮)がかわったもので種皮の内部には、ふつう胚乳と胚があります。

胚は、子葉・胚軸・幼根・幼芽の4つの部分からなり種が芽を出すと若い植物になります。

胚乳は、発芽した若い小さな植物が、ひとりで養分がとれるようになるまで、植物の養分になります。

このように、種の内部が胚と胚乳とからできているものを有胚乳種子と言います。
イネ・カキ・トウモロコシなどの種は有胚乳種子です。

しかし、リンゴ・クリ・マメ類などの種では胚乳の養分が子葉の中にふくまれています。
そのため、子葉がたいへん大きく、あつくなったものもあります。

このような種を無胚乳種子と言います。

子葉の数は、植物によっていろいろ違います。
アサガオ・サクラ・マメ類・ツバキなどでは子葉が2枚あるので双子葉植物と言います。

イネ・ムギなどの種は子葉が1枚なので、単子葉植物と言います。
裸子植物の子葉の数は種類によってまちまちで2枚から10枚あるものもあります。

アカマツなどは、6枚から8枚もあります。

種のいろいろ

ふつうの種は、硬い丈夫な種皮が外側をつつみ、内部を保護しています。
しかし、ナンキンマメ・モモ・ウメなどのように果皮や果皮の一部が硬く丈夫になっているものでは種皮がたいへんうすくなっています。

種の大きさは、植物の種類によってさまざまで大きな植物に大きな種ができ小さな植物に小さな種ができるとはかぎりません。

マツ・スギなどの種は、その木にくらべてたいへん小さくソラマメなどの種は、育った植物にくらべて、たいへん大きなものです。

ランの種は、1ミリにも足りない小さなもので1かぶのランに、何十万とつきます。

また、ヤシの種はたいへん大きなもので大きな実の中に直径10センチもある種が1つ入っています。

種にふくまれる養分

種は、実と同じように、いろいろな養分をふくんでいますが、そのおもなものは、でんぷん・たんぱく質・脂肪・ビタミンなどです。

イネ・ムギなどの種は、でんぷんを多くふくんでいますしダイズなどのマメ類は、たんぱく質や脂肪を多くふくんでいるので食用にされています。

また、アブラナやゴマの種のように脂肪がたくさんあるために油をしぼるものもあります。

ヤシの種も脂肪が多く、しぼった油からはマーガリンや石鹸・シャンプー・ろうそくなどがつくられます。




実のつくりとは? 果皮と種とは? 実の養分とは?

実(果実)は、花のいろいろな部分がかわったものです。

花が咲いて、めしべに花粉がつき、受精すると子房や花たく(花の台)やがくは実にかわり、胚珠は種にかわります。


ウメ・モモ・キュウリ・カボチヤ・スイカ・ナス・トマト・カキ・ブドウなどの実やエソドウ・アズキ・ダイズなどのマメのさやは子房がかわったものです。
この子房が実になったものを真果と言います。

しかし、リンゴ・ナシなどの実は、花たくがかわったものです。
そして、実の中の種をつつんでいる硬い部分が子房のかわったものです。

イチゴの実も花たくがかわったものです。
表面にある粒は子房のかわったもので、種の先についている短い毛は、めしべのなごりです。

ザクロの実は、め花のがくがかわったものです。

このように、子房以外のものが大きくなって実になったものを偽果と言います。

しかし、ふつうは真果と偽果をいっしょにして、実と言っています。

果皮と種

ふつうの実は、実の中心にある種と種をつつんでいる果皮とからできています。

果皮とは、実の皮や肉のことです。
ブドウやカキの食べるところは、肉が厚くなった果皮です。
果皮は、ふつう外果皮・中果皮・内果皮の3つにわけられます。

カキの実では、いちばん外側のふつうに皮といわれているところが外果皮で、その内側の、肉が厚くて水分を多くふくんでいる部分が中果皮、さらにその内側の、やわらかい部分が内果皮です。

種は、内果皮の中に埋もれているわけです。

ウメやモモの実では、内果皮が硬い皮になって、種をつつんでいます。
これはふつう、心または核と言われています。

ミカンの実では、いちばん外側の皮が外果果皮、皮の内側の綿のようなものが中果皮、ふくろの皮が内果皮です。

ふくろの中の食べるところは、子房の中にあった毛がかわって養分をたくわえているものです。



実の色

実の色は若いときはたいてい緑色をしています。
これは、実の皮や肉の表面に近いところに葉と同じようにクロロフィル(葉緑素)がふくまれているからです。

しかし、実が熟すと、ここにいろいろな色素ができるので、さまざまな色にかわっていきます。

実の色のもとになるのは花と同じように、おもにアントシアンとカロチノイドという色素の仲間です。

リンゴやブドウ・クワなどの実の、赤・紫の色は、たいていアントシアンの色です。

アントシアンにはいろいろな色がありますが、その色がみないっしょになると、ヤツデの実などのように黒くなります。

また、カキやミカン・トマト・カラシ・セイヨウカボチヤなどの実の黄や赤の色は、カロチノイドの仲間の色です。

カロチノイドの仲間は、たいてい黄色かだいだい色ですがトマトやトウガラシでは、実が熟すとカロチノイドのなかの1つのカロチンという赤黄色の色素が、たくさん集まって赤くなるのです。

実の養分

実は、いろいろな養分をふくんでいるので人や動物の食物や、いろいろな品物の原料になります。

実の味は種類によってさまざまです。甘い味はおもに糖分の味です。
酸味は有機酸(すの仲間)の味です。

有機酸は、リンゴ・ミカンなどの果物に、とくに多くふくまれています。

実には、このほかたんぱく質やビタミン類などが多くふくまれています。
果物には、とくにビタミンCが多くトマトの実にはビタミンAが多くふくまれ、栄養価の高い、よい食物です。




花の色・香り・蜜・形の種類と性質とは? わかりやすく解説!

花の形のいろいろ

花の形は、植物によっていろいろと違っていますが、これを大きくわけると、整形花冠と不整形花冠の2つになります。

整形花冠というのはウメ・サクラ・アサガオ・キキョウなどのような花です。
これらは、花を+の線でわけてみると縦線の左右も横線の上下も同じ形です。

これに対して不整形花冠というのはエンドウやキンギョソウなどのような形の花で縦線の左右は同じでも横線の上下の形が違います。


お花・め花

ふつうの花は、1つの花の中に、めしべとおしべがあるものです。
こういう花を両性花と言います。

ところが、ウリやカボチャでは1つのかぶに、おしべだけしかないお花とめしべだけしかないめ花とが別々に咲くものがあります。

こういう花は単性花と言い、お花もめ花も、みな不完全花です。
なお、こういう花のつきかたをするかぶを、雌雄同株と言います。

また。スイバ・カナムグラ・ホウレンソウ・イチョウ・ソテツなどでは、お花とめ花が、それぞれ別のかぶにつきます。

お花がつくかぶをおかぶ、め花のつくかぶをめかぶと言います。
このような花のつきかたをするものを、雌雄異株と言います。

大きな花、小さな花

世界でいちばん大きな花は熱帯地方の木に寄生する、ラフレシアの花です。
この植物は、直径が1メートルもある、大きな花を咲かせます。

また、いちばん小さな花を咲かせるのは、ウキクサの仲間です。
アオウキクサは、田や池の水面に浮いていますが裏側に直径1ミリほどの花を咲かせます。

ウキクサの仲間のなかでも、ミジンコウキクサは、もっと小さな花を咲かせます。



花の色

花には、さまざまな、美しい色があります。
これは、花びらの細胞の中に色素という色のついたものが、あるからです。

しかし白い花は、白い色素があるわけではありません。
花びらの細胞のあいだに、たくさんの空気があるので白く見えるのです。
これは、滝の水が、白く見えるのと、同じわけです。

青・紫・赤などの色をした花はアントシアンという色素をふくんでいます。
このアントシアンは、アルカリ性のところでは青、中性のところでは紫、酸性のところでは赤になる性質をもっています。

黄色の花にはカロチノイドという色素が、花びらの細胞の中にあります。
カロチノイドは、花だけでなく、植物の体のいろいろなところに、ふくまれています。

たとえばニンジンの根のだいだい色は、このカロチノイドによるのです。

花の香り

花の香りは、花にふくまれている精油または芳香油と呼ばれるもののにおいです。

スミレ・バラ・オレンジ・レモンなどからは、それぞれの精油を取り出して、香料をつくる材料にしています。

花の蜜

蜜は花びらの内側にある、蜜腺という小さなふくろからでます。

蜜は、花にとって大切な役目をしています。
虫が蜜をとりに花の中に入りこむと、虫の体に花粉がつきます。
このように蜜は、虫に花粉を運んでもらう、呼びえになるのです。

私たちが、食用にするはち蜜はミツバチが花から集めて、たくわえたものです。

サクラには、葉の付け根に近いところに蜜腺があって、ここから密を出しますが、これは、どういうはたらきをするものか、まだわかっていません。




花のつくりとは?おしべ・めしべ・花粉とは? わかりやすく解説!

花のつくリ

日本は、花の種類の多い国です。
春から夏にかけて咲く花は私たちの身のまわりのものだけでも数えきれないほどです。

そして、花の形もさまざまで植物の種類をみわけるときの目印になります。

しかし、そのもとになる形を調べてみると、たいてい、いちばん外側にがく(うてな)があり、その内側に花びら、さらにその中に、おしべとめしべがあります。

がく・花びら・おしべ・めしべなどのついている部分は、花たく(花の台)と言います。

その形には、さらのような円板形のものや、お椀形のものもあります。

花たくには、また、サクラ・タンポポ・ユリなどのように、花くび(枝から花を支えている部分)が長くなって花こうというものになっているものがあります。

このほか、モクレン・クリなどのように、花くびのないものもあります。


がくと花びら

おしべやめしべは、種をつくるために植物にとってなくてはならないものです。

また、花のそのほかの部分は、めしべやおしべをまもったり虫を呼んで花粉をめしべにつける仲立ちの役をしたりします。

がくは、ふつうは緑色で葉緑体をふくんでいます。
なかには、ユリやチューリップのように、がくと花びらが同じ色や形をしているものもあります。

アヤメのように、花びらとがくとの区別がつかない花もあります。

このような花は花びらにあたるものと、がくにあたるものをいっしょにして、花がいと言います。

また、花びらとがくとをいっしょにして花被と言い1つの花の花びら全体を花冠と言うこともあります。

完全花と不完全花

ナスやエンドウのように、がく・花びら・おしべ・めしべなどがそろっている花を完全花と言い、このうちどれかが欠けている花を不完全花と言います。

オオケタデの花は、花びらがなくドクダミやヤナギの花は、がくも花びらもありません。
これらは、みな不完全花です。

合弁花と離弁花

サクラ・バラ・アブラナなどのように花びらが1枚ずつはなれているものを離弁花、または離弁花冠と言います。

また、キク・キュウリ・キキョウ・アサガオ・ツツジなどのように花びらがひと続きになっているものを合弁花あるいは合弁花冠と言っています。



おしべ・めしべ・花粉

おしべは、花粉の入っているやく(花粉ぶくろ)と、これを支える柄の花糸とからできています。

花糸は、サクラのように1本ずつはなれているのがふつうですが。ツバキ・ムクゲなどは、花糸のもとが全部いっしょになっています。

また、エンドウでは1本だけ別になっていますし、アブラナなどでは、6本のおしべのうち4本は長くなっています。

タンポポやキクなどでは、やくが全部くっついています。

やくの中では、花粉がつくられます。花粉の表面には突起があり、ざらざらしていて、めしべにつきやすいようになっています。

ツツジなどでは、花粉に細い糸がついていて、めしべにねばりつきます。
花粉は、風に吹かれたり、昆虫や鳥の体について、めしべに運ばれます。

めしべは、花の中心にあって、その先の部分を柱頭、根もとの部分を子房、その中間の部分を花柱と言います。

子房の中には、胚珠があります。

胚珠は、その中の卵細胞と花粉管の中の精核とが受精すると生長して種となります。

ですから、イネやクルミのように種が1つしかできないものは、胚珠が1つです。
キュウリやヘチマのように、種のたくさんできるものは子房の中にたくさんの胚珠があります。

子房は、受精したのち、大きくなって果実になります。

子房の位置は、植物によって、さまざまです。
たとえば、ナスとキュウリをくらべてみるとナスではへた(がくのあと)が実のもとにありますがキュウリではへたが実の先にあります。

ナス型のものは、花のときに子房ががくの上にあるので子房上位と言い、
いちばんふつうにあるものです。

また、キュウリ型のものは、子房ががくの下にあるので子房下位と言い、高等な植物のキク・ウリ・キキョウなどがその例です。

チダケサシ・シモツケソウ・アマチャなどは子房の中ほどにがくがあるので、子房中位ですが、このようなものはあまり多くありません。

花のつきかた

花が茎についている様子を花序と言います。
花序は、つぎのように大きく2つにわけることができます。

いくつかの花が、ユリのように茎の先から下にむかって咲いていくものは有限花序と言われ、これと反対にフジのように下から上のほうにだんだん咲いていくものは、無限花序と言われます。

有限花序は、ふつう集散花序と言われ、これには単頂花序(チューリップ)・多出集散花序(ミズキ)き散花序(ハコベ)・巻散花序(キュウリグサ)互散花序(ハンニチバナ)などがあります。

また、無限花序には、穂状花序(オオバコ)・総状花序(アブラナ)散房花序(オミナエシ)・散形花序(サクラソウ)頭状花序(タンポポ)などがあります。




獣の行動とは? ネズミ・犬の学習、チンパンジーの知能とは?

獣の行動

獣の仲間は、いろいろな動物のなかで、もっともよく発達した脳をもっています。

ことに、大脳とよばれる脳の一部分がよく発達しており複雑なことがらを学ぶことができます。

獣の仲間では、本能的な行動のほか学習によってえられた行動が加わることが多くなり、また、サルの仲間のように、知恵のある行動をするようになります。

怒ったり、喜んだりする感情をあらわす行動もできるようになります。


ネズミの学習

ダイコクネズミは、非常に入り組んだ迷路の中でも、はやく、正確な道を見つけ出します。

ヘンプトンの迷路と呼ばれる迷路を用いたとき正しい道を2日間で9回の試験を繰り返しただけで見つけました。

正しい道を見つけたネズミをめくらにしても出口をあやまりなく見つけました。

また、音が聞こえないようにしても、においを嗅ぐことができないようにしても、また、口のまわりのひげを切ってものに触れたことがわからないようにしても出口を見つけることができました。

これらの実験から、ネズミは筋肉によるかんで出口を見つけたと考えられます。

また、長い道と短い道との2つをつくっておいてどちらを通ってえさのある場所にいくかを実験してみると何十回かおこなったあとには、いつも短い道を選ぶようになります。

イヌの学習

ソ連のパブロフが、イヌを使つておこなった条件反射の実験は有名です。
つば(だ液)は、もともとは食物が口の中に入って、そこの味覚器を刺激してはじめて、分泌されるものです。

イヌの前に食物を出すと、イヌはつばを出します。
いま、えさをあたえるときに、必ずベルをたらすようにします。

これを何回も繰り返していると、しまいにはイヌはえさをださなくても、ベルの音を聞いただけで、つばを出すようになります。

イヌは、条件づけによって、学習をしたわけです。

イヌは、臭覚が非常によく発達していて、たとえば棒とかステッキについている個人の体臭を嗅ぎわけることができます。

警察犬は、イヌのこの能力を利用して犯人のにおいを追うように訓練したものです。

私たちは、イヌにいろいろの言葉で命令しイヌがその通りに動くことをよく見かけます。

しかし、これはイヌにその言葉を理解させて行動させているのではなく、言葉をただの信号として用いて、イヌを訓練した結果です。

たとえば、「来い」といってイヌを叩き「行け」といってイヌにえさをあたえて訓練すると、しまいにはイヌは「来い」といえば逃げ「行け」といえば近づいてくるようになります。



サルの行動

サルは、獣のなかで最も人に近い動物です。視覚はすぐれていて、人とよく似ています。
聴覚もすぐれていて人より小さい音をよく聞きわけます。

しかし、臭覚の発達は悪く、たとえば隠されている果物のある場所を、においで知ることはできないといわれます。

テナガザル・オランウータン・ゴリラ・チンパンジーなどの類人猿の仲間は、よく発達した人の脳に近いつくりの脳をもち行動も非常に複雑で手足を器用に用いて、いろいろのことをすることができます。

これまでの動物ではあまり見ることのできなかった知能をはたらかせた行動もいろいろします。
たとえば、道具を使い、組み合わせることのできるものもいます。

類人猿の知能を人にあてはめると、だいたい生後10~12か月の幼児にあたります。
また、人に似た感情を顔に出すようにもなります。

チンパンジーの知能

チンパンジーが、好んで食べるバナナを高い所にぶら下げておきます。
チンパンジーは、人をつれてきてそれをとろうとしたり人のかたの上にのぼってそれをとろうとします。

しかし、うまくいかないといろいろ考えます。
空の箱の上にのってとろうとしますが、1つでは低すぎます。

そのうち2つめをその箱の上に重ね、それでもとどかないと3つめを重ねてついにバナナを手にいれます。

また、おりの前にリンゴをおきチンパンジーからは遠くて手がとどかないようにしておきます。
おりの中には大小2本の棒を入れておきます。

棒は、細いほうを太いほうに差し込むと長くすることができるようになっています。

チンパンジーは、はじめ1本の棒でリンゴを近よせようとしますが、うまくいきません。

そのうち2本の棒をつなぎあわせて長くし、これでうまくリンゴを近よせます。

このとき、棒はリンゴをとるという目的を果たす道具として使われたことになります。




鳥の飛び方とは?伝書鳩の行動とは?雛の行動とは?

鳥の飛びかた

たいていの鳥は、翼を広げてよく飛ぶことができます。
そしてその飛びかたには、二種類あります。


1つは、翼を広げて空中を滑るように飛ぶ方法でタカ・トビ・カモメなどに見られます。

これは、グライダーが滑空するのと同じ原理で気流にうまくのっているのです。

鳥は、翼の形や向きをかえて、ほとんど水平に滑空しますし、また、上昇気流に入って、そのままで高いところにのぼっていくこともできます。

もう1つの飛びかたは、翼を上下に羽ばたいて空気を打ちながら飛ぶ方法です。

図のように、まず、体の上方にあげた翼を水平になるまで強く打ちおろします。

それから水平になった翼を水平のまま前方にむけ、ひじの部分だけを体の上方にあげます。

つぎに、翼の先のほうを激しくうしろ上の方向に打ち上げて翼を体の上方にまっすぐにたてます。

これらの動作をたえず繰り返して上昇する力や前進する力をつくりだすのです。

伝書鳩の行動

連絡用に使う伝書鳩は、まず、ハ卜を飼っている小屋から近いところではなし、ハ卜がかえってきたらえさをやるようにして、そのうちだんだんと遠いところからはなして訓練します。

ハ卜が、自分の住んでいる小屋のあたりの様子を見分けていることは霧や雲の中では、小屋に帰れないことからもわかります。

ラジオ放送局の近くではハ卜は道に迷ってしまうということを言っている人もありハ卜は地球の磁場を応用したり、短波を利用したりして巣にかえるのだろうと考える人もあります。



ひなの行動

ひなは、たまごの中にいるときから、たまごの外からの刺激に反応します。

殻を破るまえにピイピイと鳴きますが、1ぴきが鳴きはじめると隣りのたまごの中でも、いっしょに鳴きはじめます。

このとき、ひなはたまごの中で活発に動いています。

外で大きな音を立てると、たまごの中のひなは急に鳴くのをやめて動かなくなります。
もうすでに、身をまもる反応ができているのです。

たまごからでると、このときはもう、くちばしの中に入ったものを飲み込む運動や敵から身をまもる行動や、歩いたり走ったりする運動ができます。

小さいものを見ると、それをつついて食べる反応もあらわれてきます。

ひなは、最初穀物の粒、木のかけら、細かいごみ、自分の足の指など手あたりしだいについばみます。

はじめのうちは上手くいきませんが、何回も繰り返しているうちに食べられるえさを間違いなくとれるようになります。

親鳥が嫌って食べない毛のはえたガの幼虫をひなは捕まえて食べようとしますが、すぐに吐き出し足でくちばしをふくような行動をします。

そして、ふたたびこの毛のはえた虫を食べようとはしなくなります。

また、食べられるチョウの幼虫のそばを歩いていても、すぐには食べようとしません。

ほかのひなが、この幼虫をついばんで食べてしまうのを見てから食べるようになります。

このようにして、ひなは試行錯誤やものまねによる学習によって食べられるものと食べられないものとをだんだんと区別できるようになっていきます。

ひなは、頭の上を横ぎるいろいろなものに対し身をかがめて体を隠すような行動をとります。

木の葉でも、鳥の姿でも、どんなものに対しても最初は身をかがめますが、そのうちなれてきて害をあたえないものであることがわかると、身をかがめなくなります。




カエルの行動とは?カエルの学習とは? わかりやすく解説!

カエルの行動

カエルは、うしろ足がよく発達しているので、蹴る力が強く体の大きさにくらべて、たいへん遠くまで飛ぶことができます。

遠くまで飛ぶために、45度ぐらいの角度に飛び上がります。

カエルは、かなり発達した耳によって音を聞きます。
いま、1ぴきのカエルを脅かして、水に飛びこませます。

そのカエルが水に飛びこんで、ピシャッと音を立てると、ほかのカエルもつぎつぎと、すばやく水に飛びこみます。

最初に飛びこんだカエルとほかのカエルを、お互いに見えないようにしておいても同じことが起こります。

あとから飛びこんだカエルは、最初に飛びこんだカエルの音を聞いて、その行動を起こしたのです。


カエルの学習

カエルが虫などのえさをとるときは、虫が動いていないと使えません。
カエルの目の前にトンボをピンでとめておくと、トンボが動くたびにカエルは舌でトンボを叩きます。

これを何回も繰り返しますが、それでもトンボがとれないと、もう、トンボが動いても舌で叩くことをやめてしまいます。

また、トンボを糸でむすんでカエルの目の前で動かすとカエルはすぐにそれを舌でとって、食べてしまいます。

つぎに、刺すハチを目の前につるしてやると、またすぐにとって食べようとします。

しかし、そのときハチがカエルの舌を刺すとカエルはあわててハチを吐き出します。

そのつぎに、同じハチを目の前につるしても、もうそれをとろうとはしません。

しかし、最初のように、ふたたびトンボをつるすと、やはり食べてしまいます。

カエルは、ハチに刺されたため、それを食べようとすると痛い目にあうことを学んだのです。




魚の行動とは? 魚の泳ぎかたとは? 魚の学習とは?

魚の泳ぎ方

多くの魚は、ひれや体を動かして泳ぎますが、速く泳ぐときには尾を左右に激しく動かして、水をうって進みます。

尾の動きとともに、体も曲げます。
背びれ・胸びれ・腹びれ・尻びれなどは、泳いでいるときに体が揺れるのをふせぐはたらきをします。

魚のなかには、カワハギのように背びれや尻びれを波のように動かして泳ぐものもありますが、はやくは泳げません。

金魚は、静かに泳いでいるときには、胸びれだけを動かしています。
また、ウナギは長い体の一部分を左に、一部分を右にというように波のように動かして水をうち、前進します。

卜ビウオは、大きな胸びれをもっていますが敵に襲われたりして危険なときには、水中を激しく泳いで水面に飛出し、胸びれを空中に広げて滑空します。


水中での姿勢

魚が水の中でとる姿勢は、いつも背を上にしていますが、これには体のつりあいをとる器官だけでなく目による視覚もいっしょにはたらいています。

目によって、光のくる方向がわかりますが魚は光のくる方向に背を向けるような行動をとります。

いま、魚に横から光をあてると、光にせをむけようとするはたらきと重力に対して背を上にしようとするはたらきとが重なり合うため魚はななめの姿勢をとります。

耳の中の三半規管を取り除いた、重力に対する反応をなくしてしまうと、魚は横からあてた光に反応して真横になってしまい真下からあてた光に対しては、逆さまの姿勢をとります。

魚の移住

多くの魚は、川や海のだいたい決まった場所に住んでいますが住む場所を川と海とに定期的にかえる魚もいます。

サケやウナギがこの例です。

ウナギは海の深いところで生まれ、大きくなりながら陸地にむかい海流にのってゆっくり漂ってきます。

浅い海につくと、海水が海岸からひくときには海底か砂の中にじっとしていて潮が満ちてくると海面に出て海水にのって海岸まで運ばれるようにします。

これを繰り返して、海岸の川口につくと活発におよいで川を遡り上流にいって住みます。

ウナギは、川口についたとき、川に溶けているなにかのにおいで川を遡る行動を起こすと考えられています。

川や湖で成長したウナギは、たまごを生むために、まえにのぼってきた道を逆にたどって川を下ります。

秋の暗い夜に下りはじめますが、水の温度や光の強さなどによって川を下る行動をおこすと考えられています。



トゲウオの争い

トゲウオは、春になるとおすの体に色が出てきてきれいになり、ことに腹が赤くなります。
めすは、この時期にたまごを生みます。

めすは、おすにおわれて巣の中に入ります。
おすがめすの尻のあたりを口でつつきますと、めすは巣の中にたまごを生みます。

棒を使ってめすをつついてみると、やはりたまごを生みます。
したがって、めすはただつつかれた刺激によってたまごを生むということがわかります。

このころ、おすはほかのおすと互いに争いを繰り返します。

そこで、形がトゲウオにそっくりで色をつけていない模型をつくり、おすに見せると、これに対して、おすは争う反応をしめしません。

別の模型をつくり、こんどは腹の部分を赤くしておくと形はあまり似ていなくても、おすはこの模型にむかってきて争う行動をとります。

これによって、トゲウオのおすは、腹の赤い色でおすを見分けお互いに争うということがわかります。

魚の学習

池にいる魚にえさをやるとき手をボンボン叩いただけで魚がよってくることがあります。

魚をめくらにしておき、これにえさをやるときに、まず音を出して、そのあとにえさをやるようにします。

これを何回も繰り返していると、めくらの魚は音を聞いただけで集まってくるようになります。

フナでは9~15回で、この反応ができあがります。




昆虫の行動とは?ミツバチの学習とは? わかりやすく解説!

昆虫の行動

昆虫の仲間は、無脊椎動物のなかでは感覚器官がもっともよく発達していて複雑な行動をするものの1つです。


アリの行動

えさを獲りにでかけたアリは、正確に巣にかえることができます。
この行動は、非常に複雑なしくみによって起こるものですが、おもに臭覚と視覚を使っています。

ジガバチの学習

ジガバチが巣の中に入っているときに、巣の穴の入り口のまわりにまつかさや石ころを一つなぎの輸にしておきます。

ジガバチは巣から飛び立つとき、巣のまわりをまわって、まるくおかれたまつかさや石ころの輪を見て飛び去っていきます。

いま、ハチが飛び去ったあとに、その輪をずらして巣の外につくっておくとジガバチはその輪の中心にかえってきて、そこにはない巣を探します。

ジガバチは、まるくおかれたまつかさや石ころの輪によって自分の巣を覚えていたことになります。

巣にかえる行動は、本能が強くはたらいているといわれますが、その中には、ジガバチの例のように学習によって行動することもふくまれています。



ミツバチの行動

ミツバチの社会生活のなかで、はたらきバチは巣をつくったり花粉や蜜を集めてきたりしています。

いま、1ぴきのハチが花のありかを見つけてかえると、そのあと、数十あるいは数百匹のハチがその花のある場所に飛んでいきます。

最初に花を見つけたはたらきバチが巣に帰ったときの様子をよく観察したところ、そのハチが前ページのようなダンスをして仲間たちに巣から花までの距離や方向を知らせていることがわかりました。

ダンスの形や、尻・腹のふりかたとその速さなどによって花のある場所を正しく知らせているのです。

また、ミツバチは4つの色を見分けることができます。
私たちの感じている色で言うと黄・青~緑・青~紫と、私たちが感じることのできない紫外線です。

このことは、青緑色のときには砂糖水があり黄色のときには砂糖水がないというような方法で条件反射的に実験してわかったことです。

さらにミツバチは、少なくとも2種類の図形を区別するように訓練することができます。

上の図の、上列の図をそれぞれ区別することは難しいことですが上列の1つと、下列のどれとでも、かんたんに区別できるようになります。




原生動物の行動とは?ミミズ・貝・タコの行動と学習とは?

ゾウリムシの行動

ゾウリムシは、体の表面にはえている小さなせん毛を、つぎつぎと順序よく動かして水をおしやり、水中を泳ぎます。

せん毛の運動は非常にはやく、1秒間に10~20回も繰り返しますが体全体の進みかたは、1時間で5メートルぐらいです。

ゾウリムシは、からだの一部分に強く触れると、くるくるまわりながら、向きをかえて逃げていきます。

しかし、アメーバでは、強くふれるとそのままその場所にとどまったきりになるのでゾウリムシはアメーバよりも進んだ運動のしくみをもっていると言えます。


ラッパムシの行動

ラッパムシの上にカーミンの細かい粒を落とすと、それを避けるように体を傾けます。

さらに傾いたほうに、カーミンを続けて落とすと、せん毛を動かしてそのカーミンを吹き飛ばそうとしますが、うまくいかないと、ついには体を包んでいる殻の中にひっこんでしまいます。

これは、もともともっていた行動が経験によってかえられた例です。

ミミズの行動

ミミズは、銅が細長く、たくさんの節からできていて、その体の一部分を伸ばし、ほかの部分を縮めるといった運動を繰り返して体を移動させます。

ミミズは、ものに触れたことの感覚や、光に対する感覚がかなり発達し、それらによって行動の変化をしめします。

ミミズをT字形の通路に入れ、左にいくと電気のショックを受け右にいくと湿った土があるようにします。

ミミズは、最初のうちは何回も左や右にでたらめにいきますが何百回も繰り返すと、しまいには湿った土のある右のほうにだけ、いくようになります。

ミミズは、訓練によって学習したことになります。



貝の行動

二枚貝は、ふつう砂や泥の中に住んでいて貝殻のあいだから足を出して砂や泥の中にさしこみ、この足を使って体を動かします。

ホタテガイは、2枚の貝殻を激しく閉じたり拾いたりして水をうしろに押しやり、その勢いで移動します。

また、巻貝の仲間は、足の裏側に前からうしろに伝わる伸び縮みの波を起こして体を前進させます。

これらの仲間は、よく発達した三種の神経細胞のかたまり(脳・足神経節・腹神経節)をもっていて味やにおいの感覚、触れた感覚、温度の感覚、つりあいの感覚などをもっています。

また、多くのものは光に敏感に反応し、光が遮られて影になると反射的に体を貝殻の中にひっこめる行動をします。

タコの学習

タコは、8本の触手(足)を用いて泳ぎ、また、ろうとから水を噴出させることによって、はやい動きを見せますが非常に発達した目を使って、いろいろの行動をします。

タコは動いているえさによく飛びかかります。
食べられないえさを動かして、何回も実験を繰り返してみると、はじめのころは飛びかかってきますが、しまいにはなんの反応もしめさなくなります。

また、電流を通じた白い円板の上にタコが好んで食べるカニをのせて、タコに見せます。

すると、タコはカニを捕ろうとして飛びつきますが、その板にふれてビリッとくるため慌てて逃げます。

これを繰り返すと、しまいには白い円板についているカニを見せても近づきません。

しかし、カニだけを見せると、やはり飛びついてきて食べます。

タコは、白い円板がショックをあたえるものであることを学んだわけです。




走性・本能・学習とは?動物の行動とは? わかりやすく解説!

動物の行動のいろいろ

動物が刺激によって起こす複雑な反応を行動と言い行動には動物が生まれながらにしてもっているものと生まれてから成長するにつれて条件反射や学習などによって身につけるようになったものとがあります。


走性

「飛んで火に入る夏の虫」と言われるようにガが電灯目がけて進んでいくとかまた、アリが太陽と一定の方向をとって巣にかえる行動などのように動物が外からの刺激に反応して、ある決まった方向に単純な行動をするのを走性と言います。

下等な動物では、このような走性による行動が多くおこなわれます。

刺激のもとは、光・土・水・熱・流水などで、走性は、それらに応じて、走光性・走地性・走水性・走熱性・走流性などと区別します。

そして、刺激の方向に向かう行動を正の反応、刺激から遠ざかる行動を負の反応といって区別します。

本能

生まれながらにもっている複雑な行動を、ふつう本能と言います。

本能は、動物の種類とか、おす・めすの違いによって特別にその動物に備わっているものです。

いっぱんに本能は成長するにつれて変化するものが多く下等な動物や高等な動物の子どもなどは、ほとんど本能によって行動しているものと考えられています。



学習

過去の経験により、動物の行動がかえられていって新しい型の行動ができあがっていくことを学習と言い、これにはいろいろな型があります。

たとえば、アヒルのひなが、はじめて見たり聞いたりした大きなものについていくような「すりこみ」ウマなどによく見られるように激しい音に最初は驚いた行動をとっても、音が繰り返されると反応しなくなるような「なれ」

また、イヌの条件反射の実験でよく知られているような「条件づけ」、あるいは、ネズミを、食物がそのうしろにある明るい戸と食物のない暗い戸の前において繰り返し反応させ食物をえる正しい反応を選ばせる「試行錯誤」

それに、チンパンジーが手の届かないところにあるバナナをそばにある棒でとるような「知恵推理」などがあります。

下等な動物から高等動物へとかわるにしたがいまた、高等動物でも成長するにつれて神経のしくみが発達してきますが、それとともに、走性や本能による行動は少なくなり図のように学習による行動がおこなわれる割合が大きくなってきます。

知能は、ことに高等な獣だけによく発達しています。
たとえば、イヌに追われたニワトリは、一目散に逃げるだけですがネコは木やへいのほうに逃げて、そこにのぼります。

ネコは状況を判断し、それに応じた行動をとったわけです。




動物の刺激に対する反応と運動のしくみとは? わかりやすく解説!

刺激に対する反応

動物の体は、いろいろな刺激を受け取るのに都合のよいしくみになっている感覚器官をもっています。

それらの感覚器官を通して体の内外に起こるいろいろなものの変化の様子を知ることができるようになっています。

そして、いろいろな動物の感覚器官は、たとえば、自分の食物を探して食べたり自分を食べてしまう強い動物から逃げたりするときのために都合のよいように発達してきたものが多いのです。


刺激の伝わりかた

体の内外の変化は、まず、感覚器官によって受けとられますが受けとられた刺激は、そこから神経を通って脳などの中枢神経に伝えられます。

神経は、何百、何千もの目に見えないような細い線維が集まってできていて、体の外から入ってきた刺激を間違いのないように脳などの中枢神経に伝えたり、また、脳からの命令(信号)を筋肉などに伝える役目をしています。

ですから、この神経が傷つけられたり、切れたりすると刺激は脳などの中枢神経まで正しく伝わらなかったり、あるいは全く伝わらなかったりします。

刺激の伝わる速さは、1秒間に数センチメートルといった遅いものから数十メートルといった速いものまで動物によっていろいろ違いがあります。

しかし、神経はあまり長くないので遅いものでも実際に感覚器官から脳などの中枢神経に伝わる時間は何分の1秒といった時間しかかかりません。

神経に刺激が伝わるといっても光や音などがそのまま脳などの中枢神経まで入ってくるわけではありません。

感覚器官の中で信号にかえられ、それが神経を伝わるようになっているのです。

脳には、いろいろな感覚器官につらなっている神経が入っていますが、それぞれの感覚器官につながっている神経は、それぞれ脳に入るところが決まっています。

つまり、目から入った刺激、耳から入った刺激というように別々な刺激は別々な信号になって、いったん脳の別々なところで受け止められ、脳のその場所を刺激してはじめて、ものが見えたり、音が聞こえたりすることができるようになっています。

ですから脳がなければ、光や音やそのほかの体の外に起こっている、いろいろなことを、知ることができません。

このように、感覚器官と、これから脳につらなっている神経と脳の3つの部分が1つにつながってはたらいて光・音・味・においなどを感じることができるのです。

こうした感覚によって動物はえさを見つけたり敵を見つけたりすることができるわけですが見つけたえさを食べたり敵から逃げたりするためには、体を動かす運動をしなければなりません。



運動のしくみ

運動にはいろいろなものがあり、動物によってもさまざまです。
しかし、おもなものは、骨格についている筋肉が縮んだり伸びたりすることによっておこなわれます。

これらの筋肉は、神経によって刺激されて縮んだり、伸びたりするしくみになっています。
この神経は、脳からの信号を筋肉に伝えるはたらきをするのです。

筋肉は、体のいたるところにあって脳からは、それらの全部の筋肉に信号がとどくように神経が伸びています。

運動しているときには脳は、これらのたくさんの筋肉を上手に動かすように、いつも信号を送っています。

脳から筋肉に行く信号をいろいろにかえることによって、私たちの体もいろいろな運動をすることができるのです。

えさを探したり、敵から逃げたりする行動は、このように、まず最初に感覚器官に刺激が入り、その刺激は信号にかえられて神経を通り、脳に伝えられます。

脳はその信号を受け取って外界のことを知ります。
そしてそれに応じた運動をするために別の神経を通していろいろな筋肉に信号を送ります。

筋肉は、その信号を受けて運動をする、という順序でおこなわれるのです。

刺激による動物の体のいろいろな変化を反応と言いますが、いままでのことをかんたんにして考えると動物体が感覚器官に入る刺激によって運動という反応を起こしたとみることができます。




ハマグリ・タカラガイ・イカ・ミズクラゲの体のつくり、しくみとは?

ハマグリの体のつくり

二枚貝には、左右の貝殻を結びつけている、靭帯があります。
また、そこに小さな歯があって2枚の貝殻が、うまくかみあわさるようになっています。

貝殻に、メスを静かに差し込み、貝柱をきり貝を開くと貝の体を左右からつつんでいる外とう膜が見られます。

貝柱は、貝殻を開閉する筋肉の束で、前とうしろに1つずつあります。
外とう膜の内側には、二対のえらがあります。

足は、体の前側にあり、その根本には、消化管などが入っています。
うしろの貝柱の下には上側に水を吐き出す出水管、下に水を吸い込む入水管があります。

消化器は、しんべん・口・胃・消化腺・腸・肛門などからできていて、心臓は、胃のうしろ側にあります。


タカラガイの体のつくり

口のうしろには長円形をしたのどがあり、これには歯舌があります。
口に続いて、細い食道があり、食道につながった太い部分が胃です。

胃に続いて、細い腸があり、この腸は折れ曲がって前のほうに向かい、やがて直腸となって肛門までつながっています。

また、食道のうしろ側には、だ液腺があって、のどに開いています。
消化腺は、腸のまわりにあります。

外とう膜の内側には、一対のえらがあり、これで呼吸をします。
心臓は、えらの根本のところについています。

消化管の終わる部分の直腸とならんで腎臓があり、肛門の近くに開いています。

食道のうしろ側に脳があり、ここから内臓神経節・足神経節などへ神経が出ています。



イカの体のつくり

イカの胴の先にはひれがあり、頭には、大きな目と水を吐き出すろうとと足のつけねに、カラストンビをもった口があります。

胴の背中側に甲があります。
ヤリイカの甲は透き通り、コウイカの甲は石灰質が多いので白色をしています。

腹側を縦に切り開くと、ろうとのすぐうしろには大きな茶かっ色の肝臓があり、肝臓の上には直腸がはしっています。

この直腸に、胃ともう腸がつながっていて食道は肝臓の背中側を通っています。

墨ぶくろは直腸のうしろにあり、羽根のような形をしたえらが肝臓の左右に見られます。

えらの根本には、まるいえら心臓があり、左右のえらのあわさったところに本当の心臓があります。

ミズクラゲの体のつくり

ミズクラゲの口は、十字形をしていて垂れ下がった4本の口腕のあいだにあります。

口から口道・胃こうと続き胃こうは四方に広がっていて、そこから放射管を出しています。

また、放射管は、環状管につながっています。

肛門はなくて食物のかすは口から吐き出されます。
このような消化管を、こう腸と言います。

胃こうの壁に、ばてい形をした生殖腺があります。
生殖腺の内側にそって胃糸と呼ばれる多数の糸のようなものが、はえています。

この胃糸の中には、取り込んだ生きたえさを殺すとげがあります。

かさのふちには8つのへこみがありますが、ここにはつりあいを保つしくみや、においを嗅ぐしくみなどを備えた感覚器があります。




蚊・トンボ・ザリガニ・ミミズの体のつくり、しくみとは?

蚊の体のつくり

カの口は細長い管になっていますが、これは、上下のくちびる・舌・大あご・小あごのかわったものです。

のどに続いて食道のう・えさぶくろ・胃・腸・直腸などがあります。

胃と腸のさかいめのところに、ひものようなマルピーギ管があります。

腹部の背中側の中央を、血管が、縦にはしっています。

腹部や胸部にある、小さな気門は、空気を取り込むところです。
取り入れられた空気は、体の横をはしる、大きな一対の気管に入り、そこから枝わかれした気管を通って、体全体に送られます。

頭部には、神経節の集まった脳があり、ここからでた神経は腹の終わりまででついています。
腹部には、6つの神経節が見られます。


トンボ体のつくり

トンボの消化管は上くちびる・大あご・小あご・下くちびるからできた口にはじまります。
食道をすぎると、前腸があります。

前腸は、養分を吸い取る中腸につながり、排出器のマルピーギ管が、これにつながっています。

マルピーギ管は後腸に開いていて、そのあとは、肛門となっています。

神経は、脳から出ていて、単眼・複眼に、直接つながるいっぽう体の各節の神経節につながり、神経は第八腹節で終わっています。

背脈管は循環器で血液は、ここで前方に押し出され、体中に送られます。
筋肉は、胸部の大部分の隙間をうずめています。

また、呼吸作用をする気管は、まえに述べた残りの体の隙間をしめています。



ザリガニ体のつくり

ザリガニの体は、頭胸部の背中側を、硬い大きな背甲が包んでいます。

腹は、7つの節からできていて七節めには、肛門と扇形をした尾がついています。

背甲が両がわに垂れ下がったところを切り取ると背甲と体の壁とのあいだのえら室に、ぎっしりとえらのあるのが見られます。

消化管は、体の中央を縦にはしっています。
胃の左右の黄かっ色のものは、消化液のでる消化腺です。

胃を縦に切り開くと、いろいろな骨片や、大きな歯が見られます。
心臓は背甲のすぐ下にあって、ここから前へ5本うしろヘ1本の動脈が出ています。

胃のすぐ前には一対の排出器があります。
また、第一のひげのねもとの、三角形の小さい穴の中に、耳があります。

ミミズ体のつくり

ミミズの体はまんなかに、短い毛のはえた多くの節からできています。
頭から第14~16節のところの、太い節は環帯と呼ばれます。
背中を切り開くと、まず、節を区切っている膜が見られます。

体の中央をはしる管は、消化管です。
これは、のど、食道、そのう、大きな胃(砂のう)太い腸などからできています。

消化管の上側と下側には、それぞれ、太い血管がはしっています。
そして血管は、第11、12、13節のところで、一対ずつの横枝が出て背と腹の太い血管をつないでいます。

この部分は生きているとき脈をうっているので、心臓と呼ばれます。

脳は、のどの上側にあり、ここから2本の神経が出ています。
この神経は、腹側であわさり、腹神経となっています。




ヒトデ・ウニ・バッタとミツバチの体のつくり、しくみとは?

ヒトデの体のつくり

消化器官のひとつである口は、腹側の中央にあります。

口に続く食道は、細くて短く、これに続く胃は大きくて腹のほうについているふん門胃と背のほうについているゆう門胃とにわけられます。

ふん門胃は、5つの方向にまるくふくれだした部分でその上側についているのがゆう門胃です。

ゆう門胃から腕に向かって、ゆう門もうのうというふくろが出ていて、ここから、獣のすい液に似た液を出します。

ゆう門胃の背中側に、腸があり、これにも、腸もうのうというふくろがついています。

水管は、ゆう門もうのうを取り除くと、その腹側に、びんのう列と、放射水管との2つが見られます。

そのほかの体のつくりは、ウニとよく似ています。


ウニの体のつくり

ウニの口は、多くの骨片が集まって、かごのようになっているので、とくにアリストテレスの提灯と言います。

口は体の下側についていて、上方にむかって食道が続き、胃はからの内側をひとまわりしています。

大腸は、胃とは逆まわりに、ひとまわりし、直腸・肛門と続いています。

消化管の外側をふちどるように、縦に2本ついているのが胃腸血管です。

ウニには、水を吸い入れるのに使う水管があり、これには環状水管と放射水管とがあります。
また管足のもとには、びんのような形のふくろ(びんのう)があります。

神経は、口の近くで食道を取り囲む環状神経と、これから各管足にむかって、放射状に出ているふく神経との、2つの部分からできています。



バックとミツバチの体のつくり

バックの体は、大きくわけて頭部・胸部・腹部の3つの部分からできています。

頭には、一対の長い触角と、一対の複眼があります。
額には、ルビー色をした3つの単眼が光っています。

口は、上くちびる・大あご・小あご・下くちびるなどからできています。
胸部には、三対の足と、二対のはねがついています。

腹は、11の節からできていて第一の節の左右には一対のまるい耳があります。

このほか、たいていの節には一対ずつ、気門と呼ばれる小さな穴があります。

背中側から内部のつくりをみると消化管は前から順に、食道・そのう・胃・小腸・結腸・直腸となっていて、そのうと胃には6つのもうのうがついています。

胃と腸のあいだに見られるたくさんの細い管は、マルピーギ管と言われ、昆虫だけに見られるもので、排出作用をします。

そのうの腹側にある、白い不透明な粒々は、つばをつくるところで、だ液腺と言います。

気門をつなぐ管や背中側に見られる管は気管と言われ呼吸するしくみです。
これは細かく、枝わかれして、体中に行き渡っています。

脳は頭の中にあります。

これからは、2本の神経が出て、のどの下側でつながり大きな神経のかたまりとなって、腹神経となって出ています。

背中を縦にはしる8つのふくらみが心臓です。

つぎに、ミツバチの体を見ると、とくに羽根が二対とも膜のようにうすく、口はものを噛むことも密を吸うこともできるようになっていて産卵管が毒針にかわっています。




ネズミ・ニワトリ・カエル・フナの体のつくりとしくみとは?

ネズミの体のつくり

ネズミには、胆のうや気のうがありません。
腹を切り開くと横隔膜で腹の中が2つの部分にわけられているのがわかります。

横隔膜のすぐ下に、大きな暗赤色をした、肝臓があります。

すい臓は、胃の背中よりの左側にあり黄かっ色で平たく、舌のような形をしています。

腎臓は、ソラマメ形で、ここから尿を運ぶ管が出ていて膀胱につながっています。

また、消化管のうち、もう腸の大きいのが目立ちます。

脳は、背中側からは、しゅう葉・大脳・小脳・延髄が見られ腹側からは、脳下垂体がよくわかります。

この脳からは、背骨の中を通っている、脊髄が出ています。
脊髄からは、前足やうしろ足へいく、太い神経が枝わかれしています。


ニワトリ

胸には、外側に大胸筋、内側に小胸筋があります。
どちらの筋肉も、竜骨突起や胸骨などについていて、翼になっています。

気のうは、透き通って、うすい膜でできたふくろで五対あり、気管支につながっています。

消化管としては、のど・食道・そのう・砂のう・十二指腸・小腸・盲腸・大腸・排出孔などが見られます。

鳥の仲間は、もう腸がたいへん大きく大腸が獣たちよりも、ずっと短くなっています。

心臓は、ネズミの場合と同じように二心房二心室からできていて心臓のまわりに肺と肝臓があります。

肝臓には、緑色をした、胆のうがついています。
すい臓は、十二指腸の折れ曲がったあいだに見られます。



カエル

まず、カエルを麻酔してから、目・しゅん膜・前足とうしろ足の指数・みずかき・肛門・口の中などを観察します。

つぎに、腹を切り開いて、内部のつくりをみると暗赤かっ色の大きな肝臓があります。
これを裏返すと、青緑色の胆のうがあります。

カエルの消化管は、口・食道・肝臓の下にある胃・十二指腸・小腸・大腸・直腸・肛門と続きます。

すい臓は、十二指腸のそばに見られます。また、小腸のそばには、赤い脾臓があります。

つぎに心臓の左右の背中側を探すと、もも色をした、泡のような肺があります。

心臓は背骨の両わきの壁についていて、暗紅色で細長い形をしています。
脳や神経はホルマリンで固定してから観察するとわかりやすくなります。

フナ

フナのうろこを、顕微鏡でのぞくと、木の年輪のようなしまが見えます。
このしまは魚の年令を調べるよい手がかりになります。

また、背・胸・腹・尻・尾には、ひれがあります。
このひれは尾びれ以外のものでは、硬いとげと、やわらかい筋とからできています。

多くの魚には、浮きぶくろがあります。

フナの浮きぶくろは銀白色をしていて、まん中より少し前側に、深いくびれがあります。

そして、細い管で食道とつながっています。

消化器官として、のど・食道・胃・腸などが見られます。
肝臓は、深紅色で、枝わかれして、腸のあいだに広がり、暗緑色をした、胆のうがついています。

浮きぶくろの背中側には、赤かっ色の腎臓が見られます。




動物の触覚とは?神経と脳のしくみとは? わかりやすく解説!

皮膚による感じ

皮膚では、ものに触れたこと、熱さ、冷たさ、痛さなどを感じます。

くわしく調べてみると、これらの感じは皮膚のどこにでも感じるのではなくて、それぞれを感じとる場所が、ほうぼうに散らばっているのがわかります。


獣や鳥の、ものが触れた感じ

皮膚の毛に何かが触れると、見ていなくても、ものが触れたことがわかります。

毛の付け根には、神経が網のようにまきついているので毛が動くと、ものが触れた感じがするのです。

また、ウマの尾の硬い毛などの先で、皮膚を押してみると触れたことを感じる点と、感じない点が見つかります。

感じたところの皮膚には、神経がたくさん入っているふくろのようなものがあるので触れたことを感じるのです。

獣や鳥の触れられた感じは、人間と同じしくみで起こります。

魚の側線

魚の体を横から見ると、えらぶたのうしろから尾びれのほうまで1本の線が通って見えます。

この線を側線と言います。

ここのうろこには小さな穴がおいていて全体として1本の線として見えるのですがこの穴の中は、1本の管になっています。

この管の壁には、毛のはえた部分がならんでいます。
まわりの水が動くと、その動きが毛に伝えられ、動きを感じとります。

また、このしくみで魚は水流の変化を感じたり、障害物を避けたりします。

昆虫の触角

昆虫では、ものに触れたことを感じとる部分が触角にたくさんあります。

触角の表面には、たくさん毛がはえていますがこれにさわると、ものに触れた感じが起こって、触角を動かしたり体を動かしたりします。

熱さ・冷たさの感じ

細い針金を冷やしておいて、ほおなどの皮膚に滑らせてみると、ところどころで冷たく感じます。

また、針金を温かくしておいて滑らせてみると、やはり、ところどころが温かく感じます。
このように、熱さ・冷たさは皮膚にある別々のつくりで感じられるのです。

多くの動物は、まわりの熱さ・冷たさを感じます。
そして、昆虫などは、これらの感じによって自分の生活に都合のよい温度のところに集まってきます。

神経と脳のしくみ

私たちや高等な動物が、いろいろなことを感じることができるのは、目・耳・舌・鼻から神経がそれぞれ脳に入っていて脳に信号を送っているからです。

また脳からは、いろいろな部分の筋肉に神経がきていて脳からでる命令を筋肉に伝え、運動を起こさせています。

脳のはたらき

脳は、神経のたくさん集まったところで頭の骨の中にあります。
大脳・小脳・延髄などの部分にわかれています。

大脳

大脳は、目・耳・舌・鼻などものを感じとる器官から神経を通しておくられた信号を受け取って、明るいとか、よい音だとか、甘いとか、臭いとかを感じるはたらきをします。

また、筋肉に運動をさせる命令を出すはたらきもあります。
ものを考えるはたらきも、大脳にあります。

イヌなどの大脳をとってしまうと目があっても物を見ることはできませんし、歩くことはできても邪魔になっている物を避けることができません。

小脳

小脳は、頭の後方、大脳のうしろ下にあります。
ここでは、体の運動を整えたり、姿勢を正しく保つはたらきをします。

小脳を取り除いたイヌやハトは、正しい姿勢を保つことができず歩くときには、いつもふらふらした格好をしています。

延髄

延髄は、脊髄とつらなっている部分で、首のつけね近くにあります。

ここでは、消化器官の運動や肺・心臓の運動を正しく整えるはたらきをします。

ですから、この部分が傷つくと、生きていることができません。



脊椎動物の脳の比較

脊椎動物の脳のつくりは、だいたい人と同じです。
しかし、脳の発達のしかたは、動物によって、いろいろと違います。

大脳のよく発達しているものほど、知能が進んでいると言われています。
大脳は、獣・鳥・カエル・魚の順でだんだん小さくなります。

獣の中でも、サルやイヌの仲間は大脳が大きく、しわもたくさんありますが、ウサギやコウモリなどでは小さくて、しわも少なくなります。

運動をつかさどる小脳は、よく飛べる鳥や、よく泳げる魚などでは大きくなっています。

脊髄のはたらき

延髄に続いて、背骨の中をつき通っている太い神経が脊髄です。
脊髄は、いっぽうでは脳と、いっぽうでは手や足などと連絡しています。

脳をとってしまったカエルの足に刺激の強い薬品などをつけるとピョンと足を上げます。

これは足の筋肉にきている神経から、脊髄に刺激が伝わり、それに対する命令が、脊髄から、またもどってくるからです。

このように脳に関係なく、脊髄からの命令で起こる運動を反射と言います。

反射運動は、体を守る大切なはたらきなのです。

エビやバックの神経

これらの動物では、腹側のまん中に2本の太い神経が頭から尾のほうにむかって、ならんで走っています。

この2本の神経は、ところどころで枝わかれした神経で互いに連絡し、はしごに似た形をしています。

2本の太い神経のところどころには、ふくらみがあり、ここから、体の各部分に細い神経を出しています。

このふくらみのいちばん前の部分が脳で頭の中にあります。

ミミズやゴカイの神経

これらの動物も、エビの場合と似ています。
やはり、2本のならんで走る太い神経があり前のほうが、ふくらんで脳になっています。

貝やイカの神経

貝やカタツムリにもかんたんなつくりの神経があります。

体の中には、太い神経でつながれた、いくつかのかたまりがあり、そこから細い神経が、ほうぼうへ出ています。

頭の中にあるかたまりが脳にあたります。

イカやタコの神経は、貝やカタツムリにくらべると、ずっとよく発達しています。

イソギンチャク・クラゲの神経

この仲間では神経が体の中に散らばり、網のめのように連絡しています。

ほかの動物に見られた太い神経や、太い神経でつながれたいくつかのかたまりはありませんので脳のような中心になる部分がないのです。




動物がにおいを嗅ぐしくみ、味を感じるしくみとは?

脊椎動物の平こう器

獣・鳥・ヘビ・カエルなどは体のつりあいを保つために平こう器をもっています。

これらの動物の平こう器は、三半規管というもので、そのしくみは人間の三半規管とあまりかわりません。

ネコを逆さまにして落としても、ふつうの姿勢で地面につきます。
これは、平こう器がはたらいて、ひとりでに筋肉を動かし体の向きをかえるためです。

カエルを板に乗せて、傾けてみると頭を上げたり、下げたりして正しい姿勢を保とうとします。

これも三半規管のはたらきによるのです。
鳥やカエルでも平こう器を取り去ると正しい姿勢を保つことができません。


無脊椎動物の平こう器

カニや貝・クラゲなども平こう器をもっていて体のつりあいを保っています。

これらの動物の平こう器のしくみも脊椎動物と、だいたい同じです。
内側に毛のはえた平こうのうというふくろがあって、その中に平こう石という石があり、毛で支えられています。

体が傾くと、平こう石がおす毛の位置がかわってくるので体の傾き具合がわかるのです。

アブやハチの仲間では、左右一対の羽根とならんで一対の小さい棒のようなものが出ていますが、これが飛んでいるときに作用して、体のつりあいを保っています。

脊椎動物のにおいを嗅ぐしくみ

ふつう、獣は人間と同じようなしくみの鼻をもっていて、においを嗅ぎわけまで鼻の奥には、においを受け取る部分があって吸いこんだ空気中のにおいは、ここで受け取られ、神経から脳に伝えられて、においの感じがおこります。

たいていの獣は、においに対して、たいへん敏感で食物のありかや、敵や味方などを、においで嗅ぎとることができます。

鳥では、においを嗅ぐしくみは、あまり発達していませんがカモやキウイなどはにおいでえさを探すことができます。

魚にも鼻があり、これでにおいを嗅ぐことができますが獣や鳥と違って、鼻の奥が口とつながっていません。

無脊椎動物のにおいを嗅ぐしくみ

昆虫では、触角に脊椎動物の鼻にあたる穴があり、その奥に、においを受け取る部分があります。

昆虫たちは、わずかなにおいにも感じますし、いろいろなにおいを嗅ぎわけることもできます。
触覚は、ものに触れた感じを受け取るしくみもあります。

ミツバチは仲間のにおいや巣箱のにおい、魚のにおいなどを区別します。
また、あるガのおすは、8キロメートルもはなれた、めすのにおいを知ることができると言われています。

カタツムリなどでは触角だけでなく皮膚全体でにおいを感じるようです。



味を感じるしくみ

味は、においと違って、遠くにあるものを感じるわけにはいきません。

ものが口に入って水に溶け、舌や口の特別な味を受け取る部分を刺激し、それが脳に伝えられて、はじめて味がわかるのです。

脊椎動物の味を感じるしくみ

獣たちは、私たちと同じように、舌や口の中で甘味・辛味・酸味・苦味などの味を、区別することができます。

鳥やカエルは、味を感じるしくみが、あまり発達していません。

魚は、口と鼻がつながっていませんから、私たちのように味とにおいが混ざることはありません。

ナマズやコイなどでは、味を受け取る部分が口の中だけでなく体の表面のいろいろなところにあり、甘味や、辛味もよく感じます。

無脊椎動物の味を感じるしくみ

昆虫の仲間も口で味を受け取るのですが、おもしろいことにミツバチやチョウは、前足の先でも味を感じるのです。

前足に砂糖水をつけると口をのばして蜜を吸うときと同じしぐさをします。

また、甘味・辛味・酸味・苦味などの味の種類を区別することができると言われています。

クラゲ・ミミズ・ヒトデ・貝・エビなども味を感じるということが知られています。

これらの動物は、人間が感じるものばかりでなく人間には少しも味のないものにさえも味を感じることができます。




動物が音を感じるしくみとは?音を出すしくみとは?

動物で音を感じるのは、獣・鳥・魚などの脊椎動物と昆虫たちです。


脊椎動物の耳

獣たちの耳は、外耳・中耳・内耳からできていて人間の耳のしくみと、あまり、かわりません。

外耳は、ふつう耳といっている耳殻と耳の穴といっている外ちょう道(外耳道)からできています。
しかし、たいていの獣は私たちよりも音をよく聞き分けることができます。

ロバやゾウでは、大きな耳殻をもっていて、よく音を集めることができます。

また、ウサギやイヌやウマなどの耳殻は音のくる方向に動かすことができます。

ウマ・イヌ・ネコ・コウモリなどは私たちには音として感じない振動も、聞き分けることができます。

なかでも、暗闇で飛ぶことのできるコウモリは、とくによい耳をもっています。

コウモリは空中を飛びながら毎秒約4万8000サイクルの超音波(人間が聞き分ける音の振動数は毎秒40~2万サイクル)を出していて、これがものにぶつかって反射してくるのを耳で聞いています。

ですから、まっ暗なところでも、ものにぶつからないで飛ぶことができるのです。

鳥には耳殻がありませんが内耳がよく発達していて、同じ仲間が出す警戒とか驚きの鳴き声を、よく聞き分けることができます。

カエルでは、外耳がなく、鼓膜が、直に体の表面に出ています。
内耳もあまり発達していないので音の区別は、あまりよくできないようです。

魚たちは、内耳だけしかもっていませんが水中を伝わる音を聞くことができます。

コイやナマズでは、浮きぶくろが3つの骨片によって内耳の三半規管につながっています。

これは、体の表面にかかる水圧が浮きぶくろに伝わり、この骨片によって音として内耳に伝わるのではないかと言われています。

三半規管は、体のつりあいを保つはたらきをしてします。
こう骨魚類では、三半規管につながる小のうの中に、耳石が入っており、この耳石も体のつりあいを保つはたらきをしているものと考えられています。

昆虫の音を感じるしくみ

昆虫の仲間には、音をよく感じるものがあります。

体の表面にある毛や、うすい膜などを、音波に共鳴させて、その振動を神経から脳に伝えるしくみになっています。

バッタの腹の第一節の左右には、うすいキチン質の膜があって、ここで音を感じます。

このうすい膜の内側は、気管の一部がふくらんでいて膜がよく振動するようになっているのです。

膜には神経がつながっていて、膜が振動すると、これが神経によって脳に伝えられるのです。

コオロギやキリギリスでは、これと同じようなしくみが前足りすねの節の近くにあります。

また、バッタの腹の先のほうにある突起や、モンシロチョウなどの幼虫の毛は、わりあいに低い音に対してはよく振動し、音を聞くことができると言われています。



音を出すしくみ

獣・鳥・カエルなどや昆虫たちは自分の身体に音を出すしくみをもっています。

獣の声帯

獣では私たちと同じように、のどの奥の気管のところに声帯といううすい膜があって、これを肺から吐き出す空気によって振動させ、音を出します。

しかし、獣たちでは話すことはできません。
ただ鳴きかたで、喜びや苦しみ、警戒などを区別するだけです。

鳥の鳴管

鳥の声帯は、鳴管と言って、のどの奥の気管が気管支とつながるところにあります。

鳥も、いろいろに声をかえて、ひなをよぶ声、警戒する声などを区別して出します。

カエルの声のう

カエルの口の両わきには、まるくふくらむふくろがあります。
これは声のうと言い、声を響かせるところです。

高い声でなくカエルは、たいてい声のうをもっています。
アマガエルのおすは、のどのところに声のうがあります。

昆虫の発音器

クツワムシ・キリギリス・コオロギ・マツムシなどは片方の前ばねに、やすり状になった部分があり、もういっぽうの羽根でそこをこすって音を出します。

イナゴやバッタは、うしろ足のもものところにぎざぎざがあり、これを前羽根とすりあわせて音を出します。

セミのおすは、腹の下側に発音器をもっています。
この中に、鼓膜があって、そこについている筋肉で鼓膜を振動させて音を出します。

この音は、共鳴室でさらに大きくされます。

また、ハエ・カ・ハチなどは、飛んでいるときに音を出しますがこれは、すばやく羽根をふるわせるからです。




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