電磁石のそのほかの利用とは?電子顕微鏡・スピーカーのしくみとは?

電子顕微鏡

電磁石の性質は、電子顕微鏡にも使われています。
電子顕微鏡は、光のかわりに電子を使った顕微鏡で光で見えるものよりもっと小さいものを見ることができます。

光を使う顕微鏡で、レンズがする役目を電磁石がするのです。
光はレンズの中を通るとき屈折しますがこれと同じように、電子が磁界の中を通るときにも屈折します。

電子顕微鏡は、それを利用したものです。


サイクロトロン

原子核の研究に必要なサイクロトロンにも非常に強い電磁石が使われています。

イオン電流というものに磁界をはたらかせるとイオン電流は向きをかえます。

サイクロトロンは、その働きを利用したもので電磁石によりイオン電流に大きなエネルギーをあたえそれを原子核にあて、原子を分裂させたりして原子核の性質を研究する機械です。

スピーカー

このごろのラジオやテレビについているスピーカーはみなダイナミックスピーカーと言って電磁石または永久磁石の磁界の中に、可動コイルというコイルをおいたものです。

これに音声電流(音と同じ変化をする電流)を流すと、コイルが振動し、紙でつくった振動板が動いて、音や声がでるようになっています。

電流計と電圧計

電流や電圧の強さを測る電流計や電圧計も磁界と電流のあいだにはたらく力を利用したものです。

電流計は永久磁石の磁界の中に回転するコイルをおき、これに電流を流します。

コイルに流れる電流の強さによってコイルの回転する度合が違うので逆に、回転する度合によって電流の強弱を知ることができるのです。

電圧計は敏感な電流計(マイクロアンメーター)と直列に大きな抵抗を、つなぎあわせてつくったものです。




ベルとブザーのしくみとは? わかりやすく解説!

ベルとブザー

電磁石が、電流の流れるときだけ磁石になって鉄片を引きつけ電流を切ると引きつけなくなる性質を利用したものにベルとブザーがあります。


ベル

ベルのしくみは、図のようになっています。

乾電池の1つの極からでた銅線はボタンスイッチを通ってベルの1つの端子につながりこの端子は、電磁石のまき線につながっています。

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電磁石のまき線のいっぽうのはしはねじ接点を通ってベルのいっぽうの端子に出てきます。

この端子から出た銅線が乾電池のもういっぽうの極につながっていて電流の流れる道をつくっています。

いま、ボタンスイッチを押すと電流が流れて電磁石がはたらき、そのまえにある鉄片をひきます。
この鉄片には、たたき棒がついているので、それがベルをうちます。

ところが、鉄片がひきつけられるとねじ接点がひらくようになっているので、電流が切れます。
電流が切れると電磁石ははたらかなくなるので鉄片はばねの力でもとにもどり、ねじ接点がくっつきます。

ねじ接点がつけば、また電流が流れて、はじめの状態になります。
これが何回も繰り返されて、ベルは鳴り続けるわけです。

このベルは、電磁石の性質をうまく利用したおもしろい機械ですがもっとも大切なことは電流が流れると接点がひらいて電流が流れなくなり、流れなくなると、接点がとじて電流が流れるようになるつまり、原因が結果を生じ、その結果がもとの原因を生じるということです。

この原理は、振動をつくりだす場合によく利用されているものです。

ベルの音の振動数

ベルは、ふつう1秒間に20回ぐらい鳴ります。
言いかえると、たたき棒は1秒間に20回振動します。
これは、なにによって決まるのでしょう。

まず電流が流れて、ネジ接点が切れるまでの時間は鉄片とたたき棒の重さが重いほど、遅くなります。

(これは慣性と言って、止まっているものはいつまでも止まっていようとする性質があり重いものほど慣性が大きいからです)

つぎに電流が切れて、鉄片がもとの位置にもどるまでの時間はばねが弱いほど遅いわけです。

このようにベルが1秒間になる回数は鉄片やたたき棒の重さが重いほどまた、ばねの強さが弱いほど少なくなります。

反対に、鉄片をかるく、ばねを強くすればなる回数が多くなるわけです。



ブザーのしくみ

ベルは、電磁石を使って鐘をたたくようにしたものですが。

ブザーは、電磁石で振動板をふるわせその振動を空気に伝えて、音を出すようにしたものです。

電磁石を使って振動させる方法はベルとほとんど同じですがその振動数が、ベルのたたき棒よりもずっと多くなっています。

これは、振動数が、1秒間に1000回から数千回の音がいちばん耳によく聞こえるからです。
そのため、ばねは、ベルより強いものが使われています。

ばねの強さを調整したり、ばねにつけた重りの大きさをかえたりすると、音の高さ(振動数)がかわります。

また、ばねの振動だけでは音が小さいので振動板の共振を利用して音を大きくするようにつくってあります。

ベルの場合も、音は、ばねや鉄片の振動で出るのではなくたたかれた鐘の振動によって出るので、この音の振動数はたたき棒の振動数よりも、ずっと高いものになっているわけです。




二極電動機・三極電動機の作り方とは? わかりやすく解説!

直流電動機(直流モーター)

電磁石を使った機械のなかで電動機は近代産業の原動力と言える、もっとも大事な機械です。
工場の機械が動くのも、電車が走るのも、電気洗濯機が動くのも、電動機のはたらきです。

電動機には、交流電動機と直流電動機があります。
ふつう使われているのは、すべて交流電動機ですがはじめに、理解しやすい直流電動機について述べましょう。


二極電動機の作り方

トタン板とエナメル線で、図のような二極電動機をつくってみましょう。
二極電動機はしくみはかんたんですが、力の弱い電動機です。

できあがったら、電池(3~4.5ボルト)につないでみましょう。
はじめに、指で少しまわしてやれば、くるくるとまわり続けます。

まわらないときは、コイルのまき方や整流子の接触をよく調べてみましょう。
界磁と電機子とが離れすぎているとまわりません。

二極電動機のまわるわけ

二極電動機の外側の電磁石を界磁、その内側でまわる電磁石を電機子と言います。
電機子の軸についていて、電機子のコイルに流れる電流の出入り口になっているものを整流子と言います。

図を見てください。

電機子が①のような位置にあるとき電流は、まき線の矢印の方向に流れ、界磁と電機子は、磁石となります。

このとき、むかいあった磁石の極どうしはNとN(またはSとS)になっているので同じ極どうしは退け合って、電機子は右へまわります。

電機子が②のところにくると、右側の界磁のSと電機子のNは引き合って電機子は、ますます右へまわります。

②から③にうつるところで、整機子が反対になるので電機子のコイルに流れる電流が逆になり、いままでNであった電機子の極が急にSになり③の状態になります。

①と③とはまったく同じような状態ですが、それは電機子がまだ半回転しかしていないのに、整流子は①と③では反対になっているからです。

このように、半回転で、界磁と電機子の極の関係はまた前と同じようになり、続けて右へぐるぐるまわるわけです。

二極電動機は、はじめ、指でまわしてやらないと、まわりださないことがあります。
これは、図のような、死点という状態があるからです。



死点のときは、図のように、電機子と界磁の極がNとS、またはSとS(またはNとN)のようにむきあって、吸引力または反発力の向きが電機子を回転させる方向にむいていません。

また、ブラシが2つの整流子にまたがって接触する位置では電流が、ブラシ→整流子→ブラシと流れて電機子には流れません。

死点または死点のすぐそばでは、回転力が0または非常に小さくなりますがいったんまわりはじめれば、勢いで死点を通り越してしまうわけです。

また、界磁はN・Sの極が常に一定ですから、永久磁石を使ってもよいわけです。模型の電動機には、そのようなものもあります。

このように、二極電動機のまわる原理は電磁石のあいだの吸引力・反発力によって回転迎動をおこさせるわけです。
しかし整流子がなければ、せいぜい半回転で止まってしまうでしょう。

整流子によって電流の流れる方向をかえ、電機子のN・Sの極を上手にとりかえて止まることなく回転できるようにしたのが、二極電動機です。

これまで、電動機の動くわけを電磁石と電磁石のあいだの力として説明しましたが図のように、磁界の中の電流にはたらく力としても説明することができます。

すなわち、①の状態では、電流は整流子C1からコイルをabcdの方向に通りますからまえに述べたフレミングの左手の法則で、コイルのcd部分には上向きの力がはたらき、abの部分には、下向きの力がはたらいて電機子は右に回転します。

半回転した②の状態では、電流は整流子がC2にかわっているのでやはり図のように右にまわる力がはたらいていて回転を続けます。

三極電動機の作り方

二極電動機は死点があるために、まわりはじめに指でまわしてやらなければならないような欠点があります。

この欠点をなくすために、三極電動機が考えられました。

三極電動機には電機子の極が3つあり、整流子も3つあって死点ができない特徴があります。まわる原理は、二極の場合と同じです。

立流電動機は電車によく使われていますが速度をかえるのに便利なことと、スタートのときの力が強いので電車の運転に適しています。

電車の電動機は多極電動機ですから三極電動機より力が強く、回転もなめらかです。

東海道新幹線では、交流き電方式といって、パンタグラフに送られる電気は交流ですが、列車の中で交流を直流にかえ、直流電動機をまわしています。

これは、電気を送るには交流のほうが便利がよいためです。
いっぽう、直流電動機は電車を動かすのに適しているからです。




フレミングの左手の法則とは?磁界の中で電流は力を受けるのはなぜ?

磁界の中で電流は力を受ける

まえに述べたように、磁針の近くにある針金に電流を通すと、磁針が動きます。
ところで、これは磁針が動きやすく、針金が動きにくい場合です。

逆に磁針のかわりに重い磁石をおき針金のほうを動きやすくすれば、針金のほうが動きます。

(これはニュートンの発見した作用反作用の原理で考えられます。
力というものは2つの物体のあいだに作用するものでAがBに力を及ぼすというときは、同時にBがAに力を及ぼしているわけです。

どちらが動くかは、動きやすいほうが動くわけで両方が同時に動く場合もあるわけです)

これはつぎのような電気ブランコをつくって実験することができます。


実験

下の図のように、馬てい形磁石を横にたおしてブランコの横棒が、磁石のN極とS極の真ん中にくるようにします。

ブランコのつなは、銅のやわらかいより線で、横棒は、やや太い銅線でつくります。
ブランコのつなを通して電流を流すとブランコが左右に動きます。
電池のつなぎ方を逆にすると、ブランコの動き方が逆になります。

また、電流の向きはそのままにしておいて磁石のN極とS極を逆にしても、ブランコのふれは逆になります。

フレミングの左手の法則

磁界の中で電流を流したとき親指と人さし指と中指を互いに直角において電流の向きが中指、磁界の向きが人さし指とすると、力の向きは親指の向きになります。

この法則を、フレミングの左手の法則と言います。
この法則は、右ねじを用いてつぎのようにあらわすことができます。

図のように磁界の向き(磁石のN極からS極へ向かう向き)と電流の流れる方向をそれぞれ、PS・PQとし、これに直角に右ねじをおいたときPQ(電流の向き)がPS(磁界の向き)に重なるようにまわすと右ねじの進む向きに力がはたらきます。




電磁石の性質とは?電磁石の強さとは? わかりやすく解説!

電磁石と永久磁石

電磁石をふつうの磁石とくらべると、つぎのような違いがあります。

① 電磁石は、コイルに電流を流したり切ったりしてかんたんに磁力を起こしたりなくしたりすることができます。

永久磁石はそんなわけにはいきません。一度吸いついた鉄の板を引き離すには、別の力が入ります。

② 電磁石の磁力は、コイルのまき数と電流の強さをかえることによって自由にかえられます。

永久磁石は、自由に強さをかえることはできません。

③ 電磁石にも、もちろん、N極・S極があります。

ところが、電池のつなぎ方を反対にして電流の方向をかえたりまた、コイルのまき方を反対にすると、N極とS極をかえることができます。

永久磁石はそういうわけにはいきません。


実験

2本の大きな釘を用意して、細いエナメル線を50回ぐらいずつまきます。
1つは右まき、もう1つは左まきにします。

これに2つとも釘の頭のほうが+になるように電流を通してみます。
ほかに永久磁石を用意して2つの電磁石のN極とS極が反対になっていることを確かめましょう。

つぎに、いっぽうの電磁石の電流の方向だけを逆にすると2つの電磁石の極は同じになるでしょう。

電磁石の強さ

電磁石の強さは、コイルのまき数と、コイルに流れる電流の強さの積に比例します。

2つの釘に50回ずつエナメル線をまき、いっぽうに電池を1個、もういっぽうに3個直列につないでみます。

このとき、電池3個のほうが強い電磁石になります。
これは、電池を3個直列につないだほうが電流が強いからです。

電磁石のコイルの中の鉄(これを鉄心と言う)は、鋼より軟鉄を使います。
もし鋼を使うと、電流を切っても、鉄心が磁石の性質を持ち続けます。

実験

2本の同じ大きさの釘で、電磁石を2つつくります。
いっぽうにはエナメル線を200回くらい、もういっぽうには50回くらいまきます。

これに電池をつないで電磁石をつくった場合、まき数の多い電磁石のほうがまき数の少ない電磁石より磁力が強いかどうかを調べてみましょう。

エナメル線の太さが同じ場合には、2つの電磁石の強さは、あまりかわらないはずです。
というのは、エナメル線の太さが同じなら、200回まいた場合のエナメル線の長さは50回まいた場合の4倍になります。

したがって電気抵抗が4倍になり、電池をつないだとき、電流が4分の1になります。

まえに説明したように、電磁石の起磁力は電流の強さとコイルのまき数に比例しますから、まき数を4倍にしても電流が4分の1なら、電磁石の強さを増す効果はありません。




電流が作る磁界とは?右ねじの法則とは? わかりやすく解説!

電流は磁界をつくる

まえに述べたように、磁針は磁石のそばで、その方向をかえますが19世紀のはじめに、デンマークのエルステッドという人は電流もまた、磁針をふらせることを発見しました。

それまで電気と磁気とはいろいろ似た性質があるのでなにか関係がありそうだとは思われていましたが、ここではじめて電気と磁気とのあいだに非常に深いつながりのあることがわかったわけです。


実験

板に穴をあけ、針金を板に垂直に通して、電流を通します。
この針金のまわりに小さい磁針を4つおいて、磁界の向きを調べてみましょう。

磁界の向きは、電流を中心とした同心円になっています。

磁界の向きは、磁石のところでわかったように磁針のN極の指す向きですから右ねじをまわす向きでこれは、右ねじの進む向きに流れる電流によってつくられたものです。

つぎに、丈夫な紙でつくった筒に細いエナメル線を300回から500回きちんとまき、それに電流を流して磁界を調べてみましょう。

すると、ちょうど棒磁石と同じような磁力線の図がつくれます。
この場合には、ねじの進む方向の磁力線が右ねじをまわす方向の電流によってつくられたことになります。

右ねじの法則

右ねじの進む向きの電流によって、右ねじをまわす向きの磁界ができ、また、右ねじをまわす向きにまいたコイルに流れる電流によって右ねじの進む向きの磁界がコイルにできることを、右ねじの法則と言います。

コイルに電流を流すと、電流のはたらきによりコイルのまわりに棒磁石がつくる磁界と同じような磁界ができます。



電流で鉄を磁石にする

コイルに電流を流すと、磁石と同じような性質があらわれることや磁石のそばに鉄をもっていくと、鉄も磁石になることをまえに述べました。

それでは鉄にコイルをまいて電流を流したら、鉄はどうなるでしょう。

実験

10~15センチぐらいの長さの釘とわりばしとを1本ずつ用意してそれぞれに太さ26番ぐらいのエナメル線を100回から200回ぐらいしっかりまきつけ、単一乾電池を2つか3つ使って電流を流してみましょう。

釘のほうは小さい釘を吸いつけますが、わりばしのほうは吸いつけません。

同じコイルに同じ電流を流しても、そのコイルの中に木があるか鉄があるかで磁力の強さが違うわけです。

これはコイルの中の鉄が磁石になって電流がつくる磁力に、磁石の磁力が加わるからです。

このような磁石を電磁石と言います。

このように電流によって鉄が磁石になるのは磁石によって鉄が磁化されたときと同じように鉄をつくっているたくさんの分子磁石が電流のつくる磁界によって一定の方向にならべられるからだと考えられます。




磁石の作り方とは?磁化とは? 永久磁石と一時磁石とは?

磁石の作り方

実験

縫い針を磁石のなるべく先のほうで、同じ向きに何度もこすります。

こすった縫い針を、針やクリップなどに近づけると、吸いつきます。
これは、縫い針が磁石になったからです。
細い糸でこの縫い針を水平につるすと、針は南北を指します。

鉄でできているものは、強い磁石に近づけたり磁石にこすりっけたりすると、磁石になります。

このような磁石の作り方はかんたんですが、あまり強い磁石を作ることはできません。
強い磁石は、あとで述べる電磁石と同じ方法で、コイルに電流を流して作ります。


磁化

鉄が磁石に引き付けられるのは、磁石の近くで鉄が磁石になるからです。
このような現象を磁化と言います。

この磁化現象は、なぜ起こるのでしょうか。
これは、ふつうの鉄にも分子磁石がたくさんあり、それぞれの分子磁石がふつうの状態では、決まった方向をむいていないので、磁力がありません。

ところが、これに磁石を近づけると、分子磁石の向きがそろい磁性をあらわすようになるからです。

この現象は、磁気誘導とも言います。

永久磁石と一時磁石

いろいろな鉄について調べると縫い針のような鋼はいったん磁石になると、なかなか磁性をなくしません。

釘のような軟鉄は、すぐ磁性をなくします。
鋼が磁化したものを永久磁石と言い、軟鉄が磁化したものを一時磁石と言います。

これは、分子磁石の動きやすいものとなかなか動きにくいものがあるからだと考えられています。

私たちが、実験に使う棒磁石や馬てい形磁石、また方向を決める磁針などは、みな永久磁石です。




磁石の性質とは?磁力・磁界とは? わかりやすく解説!

磁石の性質

物が落ちるのは、物と地球とのあいだに万有引力があるからです。
このことに気づいたのはイギリスのニュートンでした。

太陽や月や星の運動もこの万有引力によって説明されています。
しかし、机の上に2つの物をおいても万有引力で近づくということはありません。


星と星とか地球と物とか、いっぽう、または両方が非常に大きい物でないと万有引力も大きな力にならないからです。

ところが、小さい物どうしのあいだで引き合ったり、跳ね返したりする力がはたらく場合があります。

物が電気を帯びた場合(摩擦電気)と、磁気を帯びた場合です。
この2つの現象はむかし、古代ギリシアの時代からわかっていました。

電気は、こはくと絹を摩擦するとおきたので英語のエレクトリシティー(電気)という言葉はギリシア語のこはくという言葉からでたのです。

また当時、リディア(小アジア)のマグネシア地方から磁鉄鉱が出てこれが磁気をもっていたので、磁石をマグネットとよんだのだと言われています。

ところで、電気とか磁気とかいう名に、引っ張りあったり跳ね返したりする力の原因につけられたもので電気と磁気は全く別な現象として考えられていたのです。

その後、イタリアのボルタによって電池がつくられ電気の流れ、すなわち電流が発見されデンマークのエ-ルステッドは鉄に電線をまいて電流を通すと磁石がつくられることを発見しました。

こうして、電気と磁気は、非常に深いつながりのあることがわかってきたのです。

電流を通して磁石をつくり、それを利用した機械や器共には電信機・電動機・ベル・スピーカー・電流計・クレーンなど私たちの生活にかくことのできないものが、たくさんあります。

N極とS極

はじめに、いちばんかんたんな棒磁石について、その主な性質を調べてみましょう。

いま、鉄粉を棒磁石にふりかけてみると写真のように鉄粉は磁石の両はしだけにたくさん吸いつけられます。

また、釘を磁石に近づけると、両はしでは強くひきつけられ中央の部分ではなんの力も感じないことがわかります。

この磁石の力の強い両はしを磁極と言います。

実験

棒磁石と磁針を用意します。
磁針は、多くの場合、黒くぬったほうがN極で、北を指すはずです。

そこで、磁針の板に北(N)と書いてある方向に磁針を重ねれば磁針の板の東・西・南・北が、実際の方角をしめします。

ところで、棒磁石のN極を、磁針のN極に近づけると、どうなるでしょう。
磁針のN極は、棒磁石から遠ざかるようにまわります。

つぎに、棒磁石のN極を、磁針のS極に近づけると、磁針のS極が近よってきます。

棒磁石をもちかえて、S極でも同じような実験をすれば棒磁石のS極と磁針のS極は退け合い棒磁石のS極と磁針のN極は引き合うことがわかります。

このことから、同じ磁極(SとS、またはNとN)は退け合い違う磁極(NとS)は引き合うということがわかります。

そこで、S極にある磁気とS極にある磁気とは性質が違うので、N極にある磁気を+、S極にある磁気を-と言うこともできます。



磁力

まえの棒磁石と磁針を使った実験から、棒磁石のN極と磁針のN極、またはS極とS極は互いに退け合い、N極とS極は互いに引き合うことがわかりました。

このような磁石の力を、磁力と言います。

分子磁石

棒磁石を2つに折ると、2つの磁石になります。
折るまえに磁気のなかった真ん中のところにNとSがあらわれるのです。

また、これをさらに2つに折ると4つの磁石ができます。
縦割りしても、細長い4つの磁石ができます。
これを何回も繰り返したと考えてごらんなさい。

1つの磁石は非常に小さな磁石の集まりと考えることができます。
このように考えられた、非常に小さな磁石を分子磁石と言います。

この考え方は、あとに出てくる電磁石の説明に使われる大事な考え方です。

こんどは逆に、2つの磁石のNとSの極を引きあわせてくっつけてみると1つの磁石になってしまいます。

まえに棒磁石の真ん中には磁気がないと言いましたが実はそうではなくて、NとSの磁気が互いに打消し合っているのです。

それで、磁石は両はしにしかないように見えるわけです。

磁力線

磁石を乾いた砂の中に入れると、黒い粉がたくさんついてきます。
これは砂鉄と言って、細かい鉄の鉱石です。

砂鉄をガラス板の上にまいて、ガラスの下に磁石をおきガラスをかるくたたくと、写真のようにきれいな模様ができます。
よく見ると、砂鉄がつぎつぎとつながって曲線になっていることがわかります。

これを、磁力線と言います。

実験

白い紙の上に磁石をおいて、そのまわりの磁力線の様子を小さな磁針で調べてみましょう。
まず、どこでも磁石の近くに磁針をおきます。

説明の都合により、磁針の位置は磁石のS極よりはN極に近いとします。
磁針のN極の先にあたるところに、えんぴつで印をつけます。

つぎに、いま印をつけたところに磁針のS極がくるように磁針を動かしまたN極の先に印をつけます。
これを何回もくりかえし、印をつけた点をむすんでいくと磁力線を描くことができます。

こうして描いた磁力線は磁石の極と極とをむすぶ形となります。
そこで、磁力線の方向として、磁力線はN極からでて、S極に入ると決められています。
N極の磁気は+ですから、磁力線は+の磁気からでて、-の磁気に入るとも言えます。

磁界

磁石の力(磁力)のはたらいている範囲を、磁界と言います。
磁界の中に磁針をおいたとき、磁針のN極が指す方向が磁界の方向です。

砂鉄は1つ1つが小さい磁針と考えられ磁界の方向を指して模様をつくるのです。

地球と磁石

磁針の針が南北を指すのは地球自身が1つの大きな磁石になっているのではないか、ということが考えられます。

実際、地球は1つの大きな磁石で地球の北極の近くに磁石としてのS極があり、南極の近くにN極があります。

ですから、地球上では磁針のN極は地球の北極にあるS極と引き合って北を指すことになります。




箔検電器とは?静電気と動電とは?気導体と不導体とは?

箔検電器

電気があるかないかを調べるものに、検電器があります。
電気振り子もその一種ですが、箔検電器は、もっとすぐれています。

これは、ガラス瓶の中に、金や銀などの非常にうすい箔を2枚吊り下げたものです。
使うときは、静かに扱わないと、箔がきれてだめになってしまいます。

瓶のふたはコルクや硫黄・プラスチック(ポリエチレンかアクリル樹脂)のような電気を通しにくいもので出来ています。

箔検電器の金属板に、摩擦電気をあたえると2枚の箔がひらきます。
このときあたえた電気の量が多いほど、箔のひらき方が大きくなります。
これは2枚の箔に、同種の電気がたまって、互いに退けあうためです。

この金属板に手をふれると、手を伝わって電気が逃げるため、箔はとじます。


実験1

毛皮でこすったエボナイト棒(-の電気をもっている)を箔検電器に近づけると静電誘導によって、箔に電気があらわれ、箔がひらきます。

エボナイト棒を遠ざければ、箔はとじます。

+の電気をもったものでも、静電誘導はおこりますから箔検電器に何かを近づけたとき、箔がひらくなら、近づけたものは電気をもっているということがわかります。

ただし、+の電気をもっているのか、-の電気をもっているのかはこれだけではわかりません。

実験2

-の電気をもったエボナイト棒を箔検電器の金属板にふれると、箔がひらいたままになります。
これは、ふれたところにあったエボナイト棒の電気が、検電器にうつったからです。

-の電気をもらって、ひらいている箔検電器にエボナイト棒を近づけると、箔は、さらにひらきます。
反対の種類の+の電気をもったガラス棒を近づけると箔はとじていきます。
これも静電誘導のためです。

これは、摩擦電気の+と-の見わけ方になります。

つまり、-の電気でひらいていることがはっきりしている検電器に何かを近づけたとき、箔がとじるなら、近づけたものは+をもっています。
箔がもっとひらくなら、近づけたものは-をもっています。

実験3

-の電気をもったエボナイト棒を使って箔検電器に+の電気をあたえるには、どうしたらよいでしょうか。

毛皮でこすって、-の電気をもっているエボナイト棒を箔検山器に近づけると静電誘導によって、エボナイト棒に近い金属板には反対の種類の+があらわれ、遠い方の箔には同種類の-があらわれて、箔はひらきます。

つぎに、エボナイト棒を近づけたまま金属板に手をふれると、箔がとじます。
人の体は金属のように、電気がよく流れます。

だから、手をふれると、体と箔検電器とがひとつとなってエボナイト棒のそばにおかれた金属板といっしょになります。

そこで、静電誘導であらわれる-の電気は手を伝わって、箔よりも、もっと遠いところへいってしまいます。

箔には電気がなくたって、とじてしまうのです。

このとき、金属板にあらわれている+の電気はエボナイト棒の-の電気にひきつけられているために、逃げません。

つぎに、金属板から手を離してから、エボナイト棒を遠ざけると、とじていた箔がふたたびひらきます。

これは、はじめ同じ分量だけあった+と-の電気のうち-の電気がいくらか手を伝わって逃げてしまったため、+の電気が余分になりそれによって、箔がひらいているわけです。

ですから、-の電気をもっているエボナイト棒を使って検定器に反対の+の電気をためたことになります。

静電気と動電気

摩擦電気は、摩擦したものの表面にあり、動かないので静電気と言います。

これにたいし、電池の回路を流れる電気や家庭で使う電気器具などに流れる電気を、動電気と言います。

摩擦電気の+と-を導線でつなぐと-の電気が流れて動電気ができます。



導体と不導体

エボナイトや、ビニルなど、電気を通しにくいものばかりでなく金属や人の体のように、電気を通すものでも摩擦すれば、摩擦電気が起こります。

実験

絶縁台に乗った人の片手を、箔検電器の金属板にふれさせておきます。
もういっぽうの手のひらを別の人が毛皮で強くたたくと、箔がしだいにひらいてきます。

導体

物は分子の集まりからできています。その分子は原子が集まったものです。

さらに原子は、その中心に+の電気をもった原子核があってそのまわりを-の電気をもった電子がまわっています。

電子の数は、原子の種類によって決まっています。

また、原子の種類によっては、ほかの原子のまわりをまわる電子があるものもあります。

このような電子を、自由電子と言います。

物の中には、この自由電子をたくさんもっているものがあります。
このようなものでは、-の電気がたやすく動きやすいという性質があります。

こういう性質をもったものが導体です。金属に、導体の例です。

そのほか、木炭、塩酸・水酸化ナトリウムなどの酸やアルカリ、人の体、電解質溶液、地球などは導体です。

不導体

自由電子をほとんどもたないものが、不導体です。

ポリスチレン・ガラス・エボナイト・硫黄・ろう・絹・毛皮・ナイロン・ビニルなどは不導体の仲間です。




静電誘導の性質と特徴とは? わかりやすく解説!

静電誘導

電気振り子や紙きれに、毛皮でこすったエボナイト棒を近づけるとなぜひきよせられるのでしょうか。

振り子や紙きれには、はじめ電気をあたえてなければまえに説明したように、+と-の電気が、同じ分量だけあります。


そして、+と-が組みになっておりどの部分も平均して電気をもっていないのと同じになっています。

ところがこれに、たとえば、摩擦して+の電気をもったガラス棒を近づけると振り子の中にある+の電気は、ガラスから遠ざけられる力を受けます。

いっぽう-の電気は、ひきつけられる力を受けます。
そして+と-の組みのならびかたが、図のようになって振り子のガラス棒に近い側には-がならび、遠い側には+がならびます。

左はしと右はし以外のところは+と-がすぐそばにならんでいてお互いに打消しあって、電気がないのと同じです。

全体として右の図の(a)のようになっています。

ガラス棒の+と振り子の-とは引き合い、振り子の+とは退け合いますが引き合うほうが距離が近いので力が強く、振り子は、ガラス棒に吸いついていきます。

コルクの振り子に摩擦して-の電気をもっているエボナイト棒を近づけたときも左の(b)図のようになって、考え方は右の(a)図のときと同じです。

振り子を、アルミ箔のような金属でつくったときも同じような現象が見られますが、理由は少し違います。

金属も、+と-を同じ量だけもった原子から成り立っています。
だから、+と-が打消しあって、電気をもっていないのと同じです。

ただ、金属には、金属の中を自由に動きまわれる自由電子というのがあります。
電子は-の電気をもっています。

なにかの原因で、自由電子のいる場所に偏りができると自由電子がたくさん集まっている場所はほかよりは、-の電気が起こったようになります。

自由電子が少なくなった場所は、-の電気があまってほかよりは、+の電気が起こったようになります。

金属の近くに+の電気をもっているガラス棒をもってくると自由電子は、引き寄せられて、ガラス棒に近い側には-の電気が集まり遠い側には+の電気が集まります。

金属の中に、このような電気の偏りができたのは金属の近くに、電気をもったガラス棒をもってきたことが原因になっています。

ガラス棒を遠ざけると、自由電子を引き付ける原因がなくなったので金属はふたたび、電気をもたないような状態にもどります。

このように、電気を持ったものを近づけるだけで他の物体に電気が起こることを、静電誘導と言います。



実験

静電誘導によって起こってくる電気の種類は近づけた電気に近い側には、反対の種類の電気が集まり遠い側には、同じ種類の電気が集まることを確かめてみましょう。

毛布でこすったエボナイト棒を電気振り子にふれます。
振り子は、エボナイト棒から退けられます。

図のように、絹糸につるしてある分銅A・Bに近づけます。
(このとき、A・Bはよくふれあっているようにしておきます)BをAから遠ざけてから、エボナイト砂を取り去ります。

分銅Bをまえの電気振り子に近づけるとエボナイト棒と同じように、振り子を退けます。
分銅Aを近づけると、振り子はAに引き付けられます。

したがって、エボナイト棒に近かったAには反対の種類の電気が起こったことがわかります。

電池の無かった昔に、電気をたくさん起こすために、この静電誘導や利用しました。
中でも、ウィムズハーストの起電機は有名です。
また、摩擦電気をたくさん集めるものに、バン=デ=グラーフの誘導起電機があります。




摩擦電気の起こり方とは?物をこすって起こる電気とは?

物をこすって起こる電気

ビニルの下じきやものさしを手や布きれでこすると小さい紙きれを吸いつけるようになります。

こすり合わせたものが、軽いものを吸いつけることは紀元前500年ごろから知られていたと言われています。

このことが電気のはたらきによることがわかったのは、16世紀ごろです。
このように、摩擦によって起こる電気を、摩擦電気と言います。

こするものが湿っていたり、空気の湿度が高いときは摩擦電気が逃げてしまいやすいので摩擦電気が起こったことが、わかりにくくなります。

日本では、空気の乾燥している冬に摩擦電気の現象を身近に見ることができます。
くしで紙の毛をすいているとき、くしに摩擦電気が起こり紙の毛を吸いつけることがあります。

またナイロンなど合成繊維のシャツと、毛のセーターを重ねてきていると摩擦電気が起こって、パチパチという小さい音が聞こえることがあります。


電気振り子

細い絹糸に小さいコルク球や、発泡ポリスチレンの球などをつけた振り子をつくります。
この振り子を使って、摩擦電気の性質を調べることができます。

摩擦した物を球にくっつけると球は、摩擦した物からはじき飛ばされるようになります。

このように、電気振り子の球に近づけたとき球をひきつけたり、球をはじき飛ばすものは、電気をもっていることがわかります。

+の電気と-電気

摩擦電気は、ビニルやナイロンばかりでなくガラス・エボナイト・硫黄などにも起こります。

また、金属棒でも、エボナイトなど、電気を通さない物でえをつけておくと、摩擦電気が起こることを確かめることができます。

いろいろなものに起こった摩擦電気の性質を、電気振り子で調べてみましょう。

実験

エボナイト棒を毛皮でこすって摩擦電気をお越しエボナイト棒を電気振り子に近づけます。

振り子は、エボナイ卜棒にひきつけられ、しばらく棒にふれていますがやがて、エボナイト棒に退けられるようになります。

このようになった振り子の球はエボナイト棒にはけっして吸いつけられないで、逃げまわっています。

つぎに、絹の布で摩擦したガラス棒をこの球に近づけてみるとエボナイト棒に退けられていたのにこんどは、ガラス棒にひきよせられます。

しばらくの間、ガラス棒にふれていますがやがて、ガラス棒に退けられるようになります。

この球は、摩擦したエボナイト棒には、吸いよせられます。

この実験から、ガラスに起きた電気と、エボナイトに起きた電気とはどちらも電気振り子の球をひきつける性質をもっているけれども何か違いのあることがわかります。

そこで、ガラスに起きた電気を+(正の電気)エボナイトに起きた電気を-(負の電気)と約束しています。

エボナイトとガラスだけでなくビニル・ナイロン・アセテート・硫黄などいろいろなものを組み合わせて、摩擦したときに起こってくる電気を前と同じように電気振り子を使って調べてみると電気には種類がふたつしかないことがわかってきます。

ですから、電気の種類をわけるには、+と-だけで区別してやれば、充分なのです。

この実験からわかるように、同じ種類の電気(+と+・-と-)は退け合い違う種類の電気(+と-)は引きあいます。

この力は、両ほうの電気が多いほど強く、距離か近いほど強いものです。
これは、電気のいちばんもとになる性質です。

この性質を使って、目に見えない電気の分量の単位を約束することができます。

摩擦電気の起こり方

エボナイトと毛皮をこすると、エボナイトには-の電気が起きますが毛皮のほうには、反対の+の電気が起こっています。
このように2つの物をこすりあわせると2つの物に、それぞれ反対の電気が起こります。

どちらが+で、どちらが-になるかは、物によって違います。
また、同じ物でも、こする相手が違うと+が起こったり、-がおこったりします。

つぎにかいてある物から2つ取り出してこすりあわせたとき矢印の向いているほうに、+の電気が起こります。

毛皮←髪の毛←水晶←ガラス←木綿←麻←絹←手←木材←金属←ゴム←樹脂←硫黄←エボナイト←プラスチック

たとえば、絹の布とガラス棒を摩擦すると絹の布には-、ガラス棒には+が起こりますが絹の布とプラスチックでは、絹の布のほうが+になります。

2つの物をこすりあわせると、なぜいっぽうには+がもういっぽうには-の電気が起こってくるかその理由は、まだよくわかっていませんが、つぎのように考えることもできます。

すべての物は原子からできていますが、その原子はまた、+の電気をもった原子核と、そのまわりをまわっているいくつかの電子から成り立っています。

電子の持っている電気の種類は-です。

そして、原子核のもつ+の電気の量は電子のもつ-の電気の全体の量と等しくなっていて原子全体としては、電気をもたないのと同じになっています。

だから、原子が集まってできている物は、+と-を同じ数だけもっていますが摩擦したとき、どちらかの物の-の電気がうつると、うつってきた物は-が多くなり、とりさられたほうは+の電気が多くなって、+が起こったようになります。




電池の種類と特徴とは?太陽電池と原子力電池とは?

一次電池と二次電池

一度電気を使いきり、電池内で化学変化が進んでしまうとそれをもとにもどせないものを、一次電池と言います。

それにたいし、電流を使っても充電によって外から電気エネルギーをあたえてやれば、何度でもくりかえし使えるものが、二次電池です。

私たちが普段よく使う乾電池やボルタの電池は、みな一次電池です。
そして蓄電池は二次電池です。


マンガン乾電池

ふつう使われる乾電池は、マンガン乾電池で、ルクランシェ電池をかえたものです。

筒形の容器は、亜鉛でできており、陰極のはたらきをしています。
筒の中心に入っている炭素棒は、陽極です。

その間には、炭素の粉と二酸化マンガンを塩化アンモニウム溶液でねったものがつめられています。

この電池では、塩化アンモニウムが電解質溶液であり二酸化マンガンは減極剤で、炭素棒につく水素を水にかえてしまうのです。

マンガンかん電池は、1個で1.5ボルトの電圧がえられます。

水銀電池

マンガン乾電池よりは、値段も高くなりますが大きさを3分の1にしても、マンガン乾電池と同じ時間使えます。

このように、水銀電池を使えば、電池を小型にすることができますからこの電池は、トランジスタラジオなどに使われています。

この電池で鋼またはニッケルでつくられた外側の容器が陽極です。
容器の底には、減極剤の酸化水銀と黒鉛の粉をつめその上には、電解液である水酸化カリウムがつめられます。

その上にある、亜鉛90パーセント、水銀10パーセントをまぜた粉が陰極なのです。
そして、この電池でえられる電圧は約1.4ボルトです。

蓄電池

ふつうに使われている蓄電池は、鉛蓄電池と言われ、陰極として鉛の板を陽極としては、表面を二酸化鉛の膜でおおった鉛の板が使われます。

電解液は希硫酸です。

電解槽の中に、陽極板と陰極板を互い違いにくみあわせて入れ極板がふれあわないように、極板の間には木の板を入れ、電解液の希硫酸をつめます。

鉛蓄電池の陽極と陰極をつなぎ、電流を流すと2組みの極板ではつぎのような化学反応がおこります。

電池の電圧が下がってきたら充電器を使って、電流を逆向きに流してやると極板の化学反応も反対に進み、陽極と陰極は元通りに回復します。

蓄電池は、2ボルトの電圧がえられます。

蓄電池は充電すれば、何度でもくりかえし使うことができます。
しかし、あまり電流を流しすぎて、電圧が下がりすぎると電極表面の電気抵抗が大きくなり、充電が非常に難しくなります。

蓄電池の電圧低下は、電解液である硫酸の比重が小さくなることでわかります。
そのため、適当な比重の小球を電解液中に入れ、充電すれば浮き上がり放電で電圧が下がると、沈むように工夫してあります。

このような小球の浮き沈みで、充電の時機を知ることができます。

持ち運びに便利な乾電池にたいして、蓄電池の欠点は重くて壊れやすく、持ち運びに不便なことです。



カドミウム電池

かわった電池には、カドミウム電池(ウェストン電池)があります。
これは、ふつうの電池のように、電流を流すことを目的としません。

ふつうの乾電池や蓄電池は、使わなくても自然に放電して、電圧が下がりますがカドミウム電池は、電流を流さないかぎり何年でも正確な電圧を保ちます。

それに、カドミウム電池は電圧にたいする温度の影響も少ないので、電圧の標準として使われます。

太陽電池と原子力電池

シリコンやゲルマニウムのような半導体に、太陽光線をあてると電流をとりだすことができます。

これを利用したのが太陽電池です。太陽電池は、人工衛星の電源として有名です。

また、放射性元素からの電子の流れを電極で集めれば電流を取り出すことができます。
2つの半導体のふれあっている部分に、放射線をあてて、電流をうる方法もあります。
このようなしくみでは、元素からの放射線が続くかぎり、電池の寿命も続くわけです。

このような原理による原子力電池では、放射線の害から人を守るための防護膜の厚さや、大きさが問題になり、実用化を難しくしています。

これらの電池は、最近発明されたばかりですが、これから急速に進歩するでしょう。




電池の発見の歴史とは?ボルタの電池とは? わかりやすく解説!

電池の発見の歴史

1780年に、イタリアの解剖学者ガルバーニが、偶然の機会に解剖したカエルの足が電気的に痙攣したのを見て、興味を覚えました。

研究の末、カエルの足を強く痙攣させるには、2種類の違った金属をつなぎあわせその両はしをカエルの足の筋肉にふれればよいことに気づきました。

ガルバーニはその原因を、カエルが電気をもっているからだと考えました。

イタリアの物理学者ボルタは、ガルバーニの説明に疑問を持ちました。
ボルタは、つなぎあわせた2種の金属が、この電気の本当の原因でありカエルはどうでもいいのだと考えました。

彼は、銀板と亜鉛板の間に、塩水でぬらした布をはさんだものを数十組積み重ねそのいちばん下の板といちばん上の板を針金でつなぐと電流がえられることを発見しました。

これは、ボルタの電たいと言われますがこの発見で彼はガルバーニのカエルの足はぬれた布という意味しかもたないことを明らかにしました。

そして、ボルタはさらに液体の中に1種の違った金属板を入れてそこから電流を取り出す電池をはじめて発明したのでした。

それは、ボルタの電池とよばれています。


ボルタの電池

ボルタの電池とは希硫酸の中に、銅と亜鉛との板を立てた、ごくかんたんなものでした。

実験

ガラスのコップに希硫酸を入れ、その中に銅板と亜鉛板を離して立てます。

銅板と亜鉛板を銅線でつなぎ、その間に豆電球を入れるとはじめはよく電流が流れ、豆電球がつきます。
しかし、しばらくそのままにしておくと、豆電球の光は暗くなってしまいます。

硫酸(H2SO4)の場合には、つぎの式でしめすイオンができます。

H2SO4→2H+ + SO4(硫酸イオン)

H+ は銅板のほうにいき、銅板に+電気をあたえSO4は亜鉛板からでる亜鉛イオン(Zn++)と結合して硫酸亜鉛(ZnSO4)をつくります。

このため、銅線中には、銅板から亜鉛板にむかって電気が流れ、豆電球がつきます。
電池とは、このように物質の化学変化を利用して電流をつくりだすしくみになっています。

ボルタの電池は、銅板のところにできた水素ガスが泡になって外に出てくれません。
そのため、水素ガスは銅板の表肉にくっついて硫酸と銅板があまりふれなくなるようになります。

すると、電気が通りにくくなり、豆電球は暗くなるのです。

このように、電池の極板に気体の泡がつくような場合にはこのガスができないように、適当な物質を電解質溶液に加えてやる必要があります。

このような物質を、減極剤(消極剤)と言っています。




イオンと電子と電気の流れとは?固体金属・気体・液体中の電気の流れとは?

陽イオンと陰イオン

原子核のまわりをまわる電子は、いくつかの層をつくって規則正しく原子核のまわりをまわっています。

この層は電子殻とよばれています。


下の図では、ナトリウムと塩素とアルゴンとネオンの原子内の電子のありかたとナトリウムが陽イオンを、塩素が陰イオンをつくるしくみを、模型的にしめしました。

いちばん内側のK殼には2個、つぎのL殼には8個、3番目のM殼には18個の電子が入れますが、それより多くの電子は入れません。

原子内の電子は、内側の殼からつぎつぎといっぱいにしていきます。
原子の化学的性質は、いちばん外側の殼に何個電子があるかで決まります。

原子のいちばん外側の殼が電子で満たされているとき原子はいっぱんに安定で、他の元素と化合しません。

そのため電子2個をもつヘリウム、電子10個をもつネオンはK殼・L殻がそれぞれ電子で満たされますから安定です。

3番目のM殻までいっぱいになるには、28個の電子が必要なわけですがここでは、中間の18個の電子で、安定な原子アルゴンができます。

こうして電子11個で中性原子をつくるナトリウムはいちばん外側の電子1個を失って、安定なネオンの構造をもつ陽イオンとなります。

反対に塩素は外から電子1個をもらって陰イオンとなり安定なアルゴンの構造をもとうとします。

電子1個をもつ水素が、その電子をだして陽イオンとなり電子8個をもつ酸素が電子2個をもらって陰イオンとなるのもみな同じように説明されます。

塩化ナトリウム(食塩)とはナトリウムの陽イオンと塩素の陰イオンが電気的にむすびついたものなのです。

固体金属中の電気の流れ

固体金属では、原子は規則正しいならび方をして、結晶をつくっています。

しかも、金属原子内のいちばん外側をまわっている電子は自分が属している原子のそばを離れて、自由に運動しているのです。

このような電子を自由電子と言います。

自由電子を別にすると、結品をつくっている金属原子はみな陽イオンになっていると考えることができます。

ですから、規則正しくならぶ陽イオンの海の中を自由電子が勝手に動きまわっているというのが金属の原子的模型です。

金属に電圧をかけると自由電子は陽極側に引っぱられていきこれが金属に電気が流れるということです。

金属を流れる電流とは-電気をもった電子が陰極から陽極にむかって流れることで+電気が陽極から陰極に流れるのではありません。



気体中での電気の流れ

気体中の電気の流れには、いろいろなものがあります。

しかし、いずれにせよ、気体の陽イオンや電子の流れがこの電流の原因であることは、真空放電で見られる、陰極線や陽極線で明らかです。

気体の中には宇宙線などのために、いつもわずかの気体イオンと、電子が生じています。

そして、気体放電の主役を果たすのは電子です。

高い電圧のために加速された電子が、気体分子から電子をたたき出して陽イオンにしはじめるようになると、電子の数はねずみ算式に増えるので電流も急に大きくなります。

さらにできた陽イオンが陰極にあたって陰極から電子がでるようになれば、電流はまた増えます。

液体を流れる電気

液体の中には、希塩酸や食塩水のように電気をよく通すものと、蒸留水や砂糖水のように電気を通さないものがあります。

電気を通す液体を電解質溶液と言い、電気を通さない液体を非電解質溶液と言います。

電解質溶液が電気を通すのは、+電気をもった粒(陽イオン)が陰極に+電気を運び、-電気をもった粒(陰イオン)が陽極に-電気を運ぶためだということはファラデーが明らかにしました。

しかし、食塩のような電解質物質は、電圧をかけなくても水に溶かすだけでイオンにわかれてしまうことはスウェーデンのアーレニウスがはじめて明らかにしたのです。

たとえば、塩酸は水素の陽イオンと塩素の陰イオンにわかれます。

式で書くと、

HCl(塩素)
→H+(水素イオン)+Cl(塩素イオン)です。

この希塩酸に2つの電極を入れて、直流電圧を加えると、Clは陽極にいき極板に-電気をあたえ、自分は塩素ガスとなって出ていきます。

そして、H+は陰極にいき、極板から-電気をもらい自分は水素ガスとなって出ていくのです。

このように、電解質溶液に電流を流してその液体を化学的に分解することを、電気分解(電解)と言います。

食塩水の場合は、もう少し複雑です。
このときは、食塩と水の一部は、つぎの式のようなイオンをつくります。

NaCl(食塩)
→Na+(ナトリウムイオン)+ Cl(塩素イオン)

H2O(水)
→H+(水素イオン)+ OH(水酸イオン)

Na+とH+は陰極のほうへいき、陰極からは水素ガスが出てきます。
ClとOHは陽極のほうへいき、陽極からは塩素ガスが出ていきます。

こうして、陰極の近くの液をにつめると、固体の水酸化ナトリウムがえられます。

しかし、実際には、この水酸化ナトリウムはさらに塩素と化合して別の化合物にかわりますから、食塩水の電解で水酸化ナトリウムをえるにはいろいろ工夫が入ります。




原子と電流の関係とは?原子が持つ電気とは?

化学の研究から分子原子説へ

今から200年くらいまえは、新しい化学の基礎がかたまりはじめた時代でした。

物が燃えるのは、物が空気中の酸素と化合して酸化物ができるためだということがわかりこのことから物が燃えるときに発生する熱を物質だとする古い考え力が間違いであることがわかりました。

そして、新しい化学の実験が進むと化合物では、それぞれの元素が決まった割合の重さでむすびつきあっていることがわかりました。

また、気体どうしが化合物をつくるときには化合する気体の容積は、かんたんな整数比になっていることもわかりました。

こうした事実を説明するために1806年にイギリスのドルトンが、分子原子説を唱えました。

物質を細かくわっていくと、目に見えない小さな分子という粒になるという説です。
分子は、物質がもっている性質をかえずに細かくわけることのできる1ばん小さな粒ですが、分子も、いくつかの原子にわけられるのです。

つまり、化合物は、いくつかの違う種類の原子の集まりでこの化合物の分子を原子にわけていくとはじめもっていた性質をなくしてしまうというのです。

人々は、いちばん軽い水素原子の重さを、だいたい1としてほかの原子の重さ(原子量)や分子の重さ(分子量)を実験で決めようとしました。

しかし、こうした試みも、はじめのうちは、いろいろな混乱をうみました。


原子が持つ電気

分子原子説のでたころは、電流の発見が世の中を驚かせていました。
ボルタは、はじめて電池を発明し、デービーはいろいろな物質を電気分解してみせました。

いろいろな化合物の溶液に2つの電極板をひたし極板の間に電圧をかけると電気が流れて、物質が分解するということは化合物の中の原子が+または-の電気を持つからであり分子とは、このような電気を持つ原子がお互いにその電気の力で引きあうからだと考えました。

しかし、原子どうしは、必ず電気の引力でむすびついているのだとすると酸素や水素のように、2個の同じ原子からできている分子は、どうなるでしょう。

同じ原子は同じ種類の電気を持つはずですから退け合うはずです。
だから、酸素や水素の分子が2個の同じ原子からできているということは大いに疑われ、こうしたことが、はじめのころの分子原子説を混乱させたのでした。

現在では、原子が分子をつくるためにはいろいろな形のむすびつきのしかたがあることが、明らかになりました。

原子が電気をもつイオンとなり、イオンどうしが電気の引力でむすびつくのはこれらのうちの1つにすぎないのです。

しかし、原子はなぜイオンになるのでしょう。

それに、イオンのもつ電気が決まった量であることは電気分解の法則をくわしく研究したファラデーが見つけましたが
これはなぜなのでしょう。

それを知るには、原子の構造を知らなければなりません。



陰極線と陽極線、原子をつくるもの

原子がもつ電気の正体は、真空放電という意外な現象から明らかになったのです。

うすい気体の中で放電をおこさせるといっぱんに、その気体に特布な美しい光を発します。

しかし、気体の圧力が水銀柱の高さで、0.001ミリくらいに下がると管の中の光は消えて、陽極側のガラス管の壁が蛍光を発し、緑色に光ります。

それはある放射線が、陰極のほうから陽極のほうにいくのだと考えられ陰極線と名づけられました。

陰極線はまっすぐに進みますがその進行方向におかれた軽い羽根車をまわすことから質量をもつ粒の流れだということがわかりました。

また、陰極線の進路に直角に電界や磁界をかけると、その道すじが曲がることからその粒は決まった-の電気をもつこともわかりました。

この決まった重さと-の電気をもつ粒は電子とよばれどんな原子にもふくまれている物質に共通な粒だとわかりました。

しかし、電子の質量は、原子の中でもっとも軽い水素原子の1800分の1で
原子のほんの一部を形づくるにすぎません。

真空放電では陰極線とは反対に陽極側から陰極にむかって走る放射線も発見されました。

それは、陽極線とよばれました。

この陽極線にも電界や磁界をかけて、その曲がり方を調べたところ陽極線は+の電気をもち、質量は電子よりはるかに大きく気体原子の質量に等しい粒の流れであることがわかりました。

つまり、陽極線中の粒は気体原子から1個あるいは数個の電子をのぞいた残りであり、+のイオンだったのです。

原子核と電子

すべての原子には電子がふくまれ、その電子の数は質量の大きい原子ほど、いっぱんに多いことがわかりました。

たくさんの電子をもった原子が、ふつう電気をもたないのはこれらの電子のもつすべての電気量に、等しい+電気をもつ原子核があるからです。

原子核は原子の中心にあり、原子の大きさにくらべればずっと小さいのですが原子の質量は、ほとんど全部がこの小さな原子核の中に集まっているのです。

そして、太陽のまわりに多くの惑星がまわっているように原子核のまわりには、電子がまわっています。

この考えは、長岡半太郎とラザフォードによって立てられた説です。




殺菌灯と太陽灯とは?アーク灯・閃光電球とは?

殺菌灯と太陽灯

蛍光灯では、ごく低い圧力の水銀蒸気の中の放電でえられた紫外線を蛍光物質にあてて、目に見える明るい光にかえました。

しかし、紫外線はそのままで、細菌を殺すという役に立つはたらきをもっています。
そこで、この低圧水銀灯はそのままの形で、殺菌灯として使われています。

水銀蒸気の圧力が大きくなると、放電でえられる光は目に見える長い波長のものが多くなります。

紫外線がでるとしても、その波長は低圧のときよりも長くなります。
このような波長のわりあい長い紫外線は健康によいので、医療用に使われます。

医療に使われる、太陽灯とよばれる高圧水銀灯では管内の水銀の蒸気の圧力は大気圧に近いものです。

波長の短い紫外線は目に見えませんが、波長の長すぎる光も目に見えません。

この波長の長すぎる光を、赤外線と言います。
そして、電球には、赤外線だけを出す赤外線電球もあります。

この赤外線は熱作用が大きいので、熱線ともよばれこれもまた、医療用に使われています。


アーク灯

アーク灯もまた、放電灯の一種です。

アーク灯の実験をはじめておこなったのはイギリスのデービーで、電球の発明よりはるかに早い1808年のことでした。

やがて、1876年にロシアのヤブラチコフが炭素棒の間にアークを飛ばす電気ろうそくを発明しこれは一時、町中や劇場の照明用に使われましたが不経済なので、すぐに廃れてしまい白熱電球の研究が進められるようになったのです。

炭素アーク灯の原理は、2本の炭素棒電極の先をくっつけてその間に電流を流しておき、それを静かに離して電極間にアークを発生させることです。

時間が経つと電極の炭素の蒸発のために、電極間の距離が大きくなってアークが消えますから、自動的に炭素棒を近づけてやる必要があります。

アークの光は、ふつうの照明用には強すぎますし電力もかかり、取扱いも不便です。
しかしその強い光は、サーチライトや製版機に使われています。

閃光電球

暗いところで写貞をとる場合に、カメラに取り付けて使う、閃光電球があります。
閃光電球は、光はシャッターの開いている、ごく短い時間だけついていればよいのですが、そのかわりに強い光が必要です。

そのために、電球内にはアルミニウムのうすいはくと酸素がつめられ中に入れたタングステンのフィラメントはただ、このアルミニウムに火をつける役目をもっているだけです。

タングステンのフィラメントに電流が流れて熱が出ると、アルミニウムが酸素と化合して、酸化アルミニウムができます。

この反応は、いちど起こりはじめると爆発的な速さで進みこのとき非常に大きな熱を発生して、まばゆい光を出します。

いろいろな照明

住宅の照明、工場や事務所の照明、商店あるいは広告を目的をした照明から戸外の照明、投光器を自由に使って芝居の効果をあげる舞台照明など場所と目的により、照明のしかたにいろいろと工夫がしてあります。

たとえば、住宅の照明でも仕事の場所と休息の場所とでは照明をかえたほうがよいでしょう。

仕事場では、人の目を疲れさせず、ものを見やすいように照らす方向をよく考えます。
また、休息の場所では、問接照明や色彩の調節などによりやわらかい感じを出すほうがよいでしょう。




ネオンサインと蛍光灯のしくみとは?真空放電とは?

真空放電

非常にうすい気体の中に電流を流すことを真空放電と言います。
真空放電が、ファラデーがはじめて注目したものです。

その後、1859年にはガイスラーが水銀柱にして圧力数ミリ程度の空気をふくんだ細長いガラス管をつくりました。

この電極の間に高い電圧をかけると管内の空気を通して電気が流れ、管は美しい色に光りました。
このような圧力の低いい空気の中での放電管は、ガイスラー管と言います。


その後、クルックスが、管内の気体の圧力を水銀柱で0.1ミリ以下に下げることに成功しました。これをクルックス管と言います。

クルックス管を放電させると管の中は光りませんが陰極とむきあうガラス管の壁が、蛍光現象で光りはじめます。

これは、陰極からガラスにむかってマイナスの電気をもった小さい粒が飛んでゆくためであることがわかりこのほか、電子と反対に、プラスの電気をもち電子の数千倍も多い粒が陽極から陰極にむかって飛んでゆくこともわかりました。

そして、これにふつうの分子や原子から1個あるいは数個の電子が失われた残りであって、それは陽イオンとよばれるようになりました。

このように、原子はさらに分解され電子のような丸ごと小さな粒があることがわかったことはその後の物理学の理論を大いに発展させる原因となりました。

真空放電は20世紀の物理学の開拓者だったと言えるでしょう。

ネオンサイン

ガイスラー管の中に、空気のかわりにいろいろな気体を入れると、それぞれの気体特有の色に光りだします。

これを、ネオン管灯または、ネオンサインとよびます。
これは、広告などに広く利用されています。

このネオン管灯は、はじめはネオンガスを入れたものがつくられたためネオン管灯とよばれましたが、今では表のように、さまざまな気体を入れてさまざまの美しい色を出しています。

ふつうの電球は、電流を熱にかえこの熱がフィラメントを高温に熱するから、光がでるのです。

しかし、真空放電灯では管内に入れたうすいガスの原子・分子に電気(正しくは電気を帯びた粒)が、直接にはたらいいて光を出すしくみですからほとんど無駄な熱がでることはありません。

しかし、このネオン管灯に電気を流すには高い電圧を必要としますから、家庭用の照明にはむきません。



蛍光灯

ネオン管灯を改良して、100ボルトの電圧で放電させ明るい光を出すように工夫したものが、蛍光灯です。

蛍光灯では、管の内側に、蛍光物質とよばれる、さまざまな化合物がぬってあります。
蛍光物質とは、紫外線やX線のように、目に見えない短い波長の光をあてるとその間だけ目に見える長い波長の光を発するものです。

この管の中には、ごく少量の水銀蒸気が入れてあります。
水銀蒸気の圧力は水銀柱で0.1ミリ以下におさえられています。

管の両はしには、二重コイルにしたタングステンフィラメントがあり電極になっていますが、そのまえには、このフィラメントを守る役目をする電極があります。

蛍光灯をつけるためには、ふつう点燈管燈を使います。

スイッチを入れると、はじめ点燈管がつくとともにフィラメントにはたくさんの電流が流れ、充分に熱せられます。
やがて点燈管が自然に消えると、蛍光灯の2つの極の間に放電がはじまります。

こうして管内の低い圧力の水銀蒸気の中で放電がおこるとこの水銀蒸気からはたくさんの紫外線がでます。

その紫外線が管の内側にぬった蛍光物質にはたらいて、明るい光がでるのです。
もちろん、いろいろな蛍光物質をうまく組みあわすと、いろいろな色の光がえられますが。

いっぱんの照明用には、太陽の光に近いものがでるように、工夫されています。

蛍光灯は熱をあまり出さない電灯ですから、電気の無駄がありません。
四畳半なら20ワット1本、八畳では20ワットを2本使えば十分です。

ですから、電力は白熱電球の3分の1くらいですみますし電灯のもちもよいので、経済的ですが、値段の高いことが欠点です。

なお、ふつうの蛍光灯は細長くて場所を取りますので最近では細長い管をまるく曲げた、円形の蛍光灯も、広く使われています。




電球のしくみとは?電球の発達とは? わかりやすく解説!

電球のしくみ

真空または、燃えないガスを入れたガラス球内に、フィラメントを入れ電流を流すと、電気抵抗が大きいのでフィラメントは熱をだし、光りはじめます。

このようにして、わりあい小さな電熱で明るい光をえようとするのが白熱電球です。

電球を分解してみると、つぎのようになっていることがわかります。
口金には、ソケットにはめこむ真鍮のねじと、はんだをつけた中央のでっぱりがあり、これらは、黒色ガラスで絶縁されています。

フィラメントに続く2本の導入線のうち1本はねじの部分に、もう1本は中央のでっぱりにつながっています。

導入線はステ厶管のつまみの部分をつらぬいてガラス球の内側に入っています。
その先に、細い針金をらせん状にまいたものがついています。
これがフィラメントで、タングステンでできています。

フィラメントのまき方には、単コイル式と二重コイル式の2つがあります。
そして、ステムの先からはアンカがでていて、電球をつけているときでもフィラメントが動かないように支えています。


電球の発達

針金に電流を流し、照明用の明るい光をえようという考えは130年まえからありました。

しかし、はじめて実用的な電球をつくったのはアメリカのエジソンで、1879年のことでした。

炭素電球

エジソンが発明した電球は、真空のガラス球の中に炭素線のフィラメントを入れたものでした。

エジソンは、日本の竹からつくった炭素線が非常によいことを発見しました。
この炭素電球は切れやすく、長もちしませんでしたがこの電球を発明すると、エジソンはすぐさま発電所をつくり電灯のために電流を送ることを考え、それを実現するためにたくさんの技術的な発明や改良をおこないました。

タングステン電球

フィラメントとして大切なことは、

①高温でも溶けないこと
②高温度になっても蒸発が少ないこと
③電気抵抗が大きいばかりでなく、温度が高くなると、その値がどんどん大きくなること
④たやすく細い針金にひけること
⑤値段が安いことなどですが

こうした点で、タングステンがいちばんすぐれていることが20世紀のはじめに、クーリッジが発見しました。

こうして現在では全部タングステン電球にかわりました。

しかし、はじめのうちは電球内を真空にしたので2200℃を越えるとタングステンが蒸発してガラス球が黒くなりフィラメントが切れてしまいました。

こうした欠点を除くために、ガス入り電球ができたのです。



ガス入り電球

炭素線と同じく、タングステン線も空気中では高温で燃えてしまいます。
そのため、ガス入り電球の場合には、まず、電球内の空気を抜きそれからタングステンと作用しないガスを入れるようになりました。

電球に入れるガスには、はじめ窒素ガスが使われました。
しかし電球に入れた窒素ガスはフィラメントに熱せられて対流をおこしフィラメントの熱をうばいさるので、電気の無駄が増えました。

この無駄を少なくするために、タングステン線をらせん状にまいたフィラメントが使われるようになりました。

こうすると、らせん状にまいたフィラメントの隙間にはガスが流れこみにくいのでフィラメントとガスのふれあう面積が少なくなり、電気の無駄が少なくなりました。

また今日では、窒素ガスより熱の伝わり方の悪いアルゴンガスが使われるようになりましたが、これもガスの対流を少なくし電気の無駄をいっそう少なくすることに役立ちます。

つやけし電球

はじめのころの電球は、ガラス球の先から空気を抜いたのでそのあとが電球の先にとんがりとなって残っていました。

いまでは、電球の根本から空気を抜き、アルゴンガスを入れるので電球の先の危険なガラスのとんがりはなくなりました。

また、透き通ったガラス電球では光がまぶしいのでガラス球の内側をすりガラスにして、光をやわらげる工夫がされました。

これがつやけし電球です。

現在の電球は、ほとんどがらせん状にまいたタングステンのフィラメントを利用したアルゴンガス入りのつやけし電球です。

ただし、10ワットや20ワットの小さな電球では、ガスを入れません。
ガス入りにすると、対流による電気の無駄が大きいからです。

ふつうの住宅内の白熱電球による照明には1畳あたり、10から15ワットが適当だとされています。




電熱器具のしくみとは?電気コンロ・電気釜・トースターのしくみ

電気コンロ

電気コンロのいちばん大切なところはぐるぐると丸くまいたニクロム線を溝にはめこんだ、素焼きの熱板です。

この熱板は電気の絶縁体で、電気コンロの台にとりつけられこの熱板の下には反射板がおかれ、ニクロム線の熱が下へ逃げるのをふせいでいます。

まいたニクロム線の両端には、がい管をはめ図のように、ニクロム線が直接にふれあわないようにして、コードヘ導きます。

電気コンロをコンセントにつなぐと、まずニクロム線が熱をだし熱板全体が熱くなり、その上にかけたなべややかんを熱します。

熱が無駄にならないように、電気コンロにかけるなべややかんは底が平らで、発熱部より少し大形のものがよいと言えます。

電気コンロでは、熱板全体に鉄の板をかぶせ、外から熱板の見えないものがあります。
こうしておけば、なべのこぼれ汁などが熱板やニクロム線にかからないので電熱器具が長持ちし、熱の無駄も少なくなります。

ニクロム線は塩分に弱いので、汁をふきこぼすと、弱くなりきれてしまいます。

切れて短くなったニクロム線を、つないで使うことは危険です。
なぜなら、たとえ太さはかわらなくても、短くなると電気抵抗は小さくなり、余分の電流が流れるからです。

電気コンロが消費する電力はワッ卜であらわされたくさんの熱を出す大形のものでは、ニクロム線が太くなっています。

長さが同じときには、ニクロム線が太いほど電気抵抗は小さくなるので電流は余分に流れ、熱の出かたも多くなるのです。

1200ワット以上の電気コンロではたいてい同じ太さと長さのニクロム線が2本入っておりスイッチ1つで、この2本の線を、直列あるいは並列に切り替えるようになっています。

このときは、並列につないだほうが、直列の場合よりずっと多く熱を出します。


電気がま

ごはんが炊きあがると、サーモスタットのはたらきで自動的に電流が止まる電気がまも、便利なものです。

電気がまでは、電熱線は二重になったかまの底に入っており米はふつう、内なべに入れますが、かまに直接に米を入れる方式のものもあります。

内なべに米を入れる三重式の電気がまでは外がまに決められた量の水を入れ、電気をながして熱します。

内なべの中の米は、底から熱せられるとともに外がまの湯が出す蒸気によって、側面からも上からも熱せられ美味しいごはんが炊けます。

電気アイロン

電気アイロンは重さで区別され、2キロなら300ワット、3キロなら400ワッ卜くらい6キロともなると、1キロワッ卜以上の電力を必要とします。

分解してみると、布におしつけられるめっきされた底金と重みをつける押え金の間に平たいニクロム線をウンモにまきつけた発熱体がおさめられています。

もちろん、この発熱体と底金・押え金の間は、同じウンモ板で絶縁されています。
このようにして、ニクロム線の発生する熱であたためられた底金で、アイロンをかけます。

最近のように、繊維品の種類が多くなると繊維の種類によってアイロンの温度を加減しないと、布地を傷めてしまいます。
そのため、細かく温度調節のできるアイロンができています。

これは、つけっぱなしにしたアイロンの過熱による火事の予防にも役立っています。

また、アイロンの中に水タンクを入れ、蒸気を吹き出させて霧吹きの手間を省く、スチームアイロンもあります。

トースター

パン食の多くなった私たちの食卓の上にはトースターもなくてはならないものになりました。

トースターのニクロム線も電気アイロンと同じように平たい線で、ウンモにまきつけられています。

ふつう、トースターは一度に2枚のパンを焼くためにこのような発熱体が3枚入っていて、パンを両面から焼くようになっています。



その他の電熱器具

電熱によって空気をあたため、この空気の対流で部屋全体をあたためる対流式の電気ストーブは、電気を多く使うので、家庭ではあまり使われません。

家庭で多く使われているのは、電熱線を熱しその熱を反射鏡を使って、正面前方に集める放射式の電気ストーブです。

500ワットくらいの小型のものは反射鏡の中央に素焼きの筒にまいたニクロム線がおかれています。

1キロワット以上のものはたいてい角型です。

これらの電気ストーブは、局部的にあたためるのには、早くて能率がよく便利です。

家庭用の暖房器具として経済的なものには、電気こたつがあります。
こたつは、ふとんや毛布をかけるため、熱が逃げ出さないので熱の発生が少なくても、充分にあたたまります。

ですから、電気こたつは400ワット以下がふつうです。
電気こたつには、サーモスタッ卜がついていて温度をある一定の範囲に保つようになっています。

そのほか、体をあたためる器具として電気毛布・電気ふとん・電気あんか・電気足温器などがありますがどれもせいぜい100ワッ卜くらいの電気ですみます。

その中で電気ふとんは、ごく細い電熱線を石綿の糸にまきつけて絶縁しそれをさらに石綿や強い綿で包んでふとんにしたものです。

こうした電熱器にも広くサーモスタットが利用されています。




電熱器具の使い方と電熱器具のよい点とは? わかりやすく解説!

電熱器具の使い方と電熱器具のよい点

ふつう、電熱器具には、100V・500Wなどと、記号が書いてあります。
これは、100ボルトで使えばよいということです。

そうすると、この器具には、5アンペアの電流が流れ500ワッ卜の電力が消費されるということです。
では、この電熱器具を100ボルトより高い電圧で使ったら、どうなるでしょう。


たとえば、100V・500Wの電気コンロを、200ボルトで使ったとすると大きな電流が流れ、コンロの電熱線は、発生する余分の熱のため、溶けてしまいます。

電熱線が溶けないで、抵抗もかわらないとすると、この電気コンロには10アンペアの電流が流れ、消費される電力は2000ワッ卜で4倍の熱がでることになります。

このように、電圧が少し上がっただけでもワッ卜数は大きくかわり、余分な熱がたくさんでて、危険です。

しかし、実際には、電熱線の温度が上がると電気抵抗は大きくなるので、ワット数はある程度おさえられます。

このように、100ボルト用の器具を100ボルト以上の電圧で使ってはいけません。
そのため、電熱器具の電気を、電灯線などからとってはいけません。

家庭用の電灯は大きくても200ワッ卜を越えませんから電灯線は大きな電力を使うようにはなっていません。

電熱器具の電気は必ず、壁に埋めこまれたコンセントからとりましょう。
近ごろでは家庭で使う電熱器具の種類が増えたのでどの部屋にも、コンセントを備えておくようになりました。

コンセントさえあれば、どこででも電熱器具は必要なときにすぐ使えいらなくなればスイッチを切れば、それですみます。

電熱器具は、石油や薪、ガスのように炎を出しませんし、一酸化炭素のような人体に害のあるガスを出すこともないので、清潔で健康的に使えます。

しかし、1つのコンセントからあまり多くの電気をとらないように、注意しましょう。




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