気体燃料とは? 天然ガス・石炭ガス・発生炉ガス・木炭ガスとは?

私たちは、寒いときや料理をするときなど物を燃やして温まったり、飲物や食物を熱くしたりしています。 

このとき、熱をとるため燃やすのに必要なものが燃料です。


燃料としては、よく炭素や炭素の化合物が使われます。
これは、炭素と酸素が化合するときに多量の熱をだすからです。

例えば、炭素12グラムと酸素32グラムが化合すると二酸化炭素44グラムができますが同時にこのとき約94キロカロリーの熱をだします。

1カロリーというのは、水で1グラムを14.5℃から15.5℃にするのに必要な熱の量です。

また、水素と酸素が化合するときにも熱が発生します。

このように、燃料には、酸化するときに多くの熱をだすものが利用されます。

燃料をその状態で分けると気体燃料・液体燃料・固体燃料の3つに分けることができます。

気体燃料

気体燃料は、燃える気体を燃料として使うもので管で配送でき、燃えたあとに固体のかすが残らないことがよい点です。

天然ガス

天然ガスには、いろいろな種類のものがありますがどれも、メタンという炭素と水素の化合物が主な成分になっています。

天然ガスは、新潟県だと石油のでる地方や千葉県などに、盛んにでています。

これらの地方では、天然ガスを管で導いて家庭で使ったりまた、ボンベにつめて遠い地方に送ったりしています。

石炭ガス

天然ガスは、でる地方がかぎられまた、量もそう多くはないのでふつう使われる気体の燃料は人工のものです。

その一つに石炭ガスがあります。

石炭を燃やすと、炎をあげて燃えますがこれは、熱せられた石炭から燃える気体がでるためです。

それで、石炭を蒸し焼きにするとこの燃える気体を集めることかできます。

これが石炭ガスで、主にメタンと水素などがまざったものです。

私たもの家庭で使う都市ガスは主にこの石炭カスに、天然ガスやオイルガスを混ぜたものです。

石炭ガスをとったあとには炭素を主成分とする固体が残ります。

これは、コークスとよばれる固体燃料です。



発生炉ガス

コークスを燃やすと、火の固まりになって燃えますがコークスの量を多くして下のほうから空気を送り込み強い火で燃やすと、二酸化炭素が窒素などと混ざって発生します。

これが発生炉ガスとよばれる気体燃料です。
このガスは、工場などで簡単につくれますが最近はほとんど製造しません。

木炭ガス

コークスのかわりに、木炭をたくさん詰めこんで下から空気を送りながら燃やすとやはり二酸化炭素と窒素の混ざったガスがでてきます。

これは、木炭ガスとよばれ第二次大戦中に、日本で石油が不足したとき自動車の燃料として使われたことがありましたが、今では使われていません。

水性ガス

コークスから発生炉ガスをつくる場合、コークスの温度が1000℃以上になったときに高温の水蒸気を吹き込むとコークスの炭素と水蒸気が化合して一酸化炭素や水素のような、燃える気体がたくさんできます。

この混合気体を水性ガスといいます。

水性ガスは、燃料としても使われますが水素をつくるときの原料にもなります。

プロパンガス

原油を蒸留したり、分解するときなどに液化しやすいもえる気体ができます。

この気体の主成分は、プロパンという炭素と水素の化合物(炭化水素)です。

この気体がプロパンガスで、自動車の燃料や家庭の台所の燃料として、ボンベに詰めて使われています。




水の合成・化合・化学変化と物理変化とは? わかりやすく解説!

水素と酸素の化合

水を分解すると、水素と酸素が体積で2対1の割合でできますがこれとは逆に、水素と酸素とから水をつくることもできます。


しかし、水素と酸素とを体積で2対1の割合に混ぜただけでは水はできません。
この気体に火をつけると、爆発して水素も酸素もなくなり、水ができるのです。

この実験は、大量の気体で、壊れやすい器具を使って行うと危険です。
図のような装置を使い、少量の気体で水の中で行うと安全にできます。

この装置で、ニクロム線に電気を通し気体に火をつけると、爆発がおきます。

そして、管の中を水が上がるので気体がなくなったことがわかります。

もし、水素と酸素の割合が2対1になっていないと多いほうの気体のうち、余分なものが水にかわらずそのまま管の中に残ります。

水のかわりに、水銀を入れたユージオメーターという装置を使うと水素と酸素から水ができることが観察できます。

このように、水素と酸素がはたらきあって、結びつき水になることを、水素と酸素が化合して、水ができたといいます。



化合と合成

一般に、2つ以上の物がはたらきあって結びつきもとの物とは違った、全く新しい物になることを、化合といいます。

また、化合によってできる物を化合物といいます。

化合物をつくるもとの物の割合は水が水素2体積と酸素1体積の割合でできるように化合物によって決まっています。

気体以外の物では、体積では比べられれないので重さの割合で比べますがやはりもとの物の重さの割合は決まっています。

水素と酸素を化合させて水をつくったように化合を利用して化合物をつくることを合成といいます。

私たちの身の周りには、合成によってつくられたものが実にたくさんあります。

合成樹脂・合成ゴムはもちろんのこと塩酸やアンモニアなどの薬品のほとんどが合成によってつくられています。
 

化学変化と物理変化

分解や化合でできた物は、もとの物とは全く違った新しい物です。

このような分解や化合によっておこる変化を化学変化といいます。
水が分解して、水素と酸素とになる変化は化学変化です。

これに対して、水が熱せられて水蒸気になったり冷やされて氷になったりする変化は水の状態が変化するだけであって水そのものが変化したわけではありません。

このように、状態だけが変化することを物理変化といいます。

食塩を水に溶かすと、食塩と同じように塩辛い水になりますが食塩水を蒸留すると、また食塩と水がえられます。

この物が溶けるということも物理変化です。



溶液混合物の分離・蒸留による分離とは? わかりやすく解説!

蒸留による分離

食塩水のように、液体の中に固体が溶けて混合物をつくっているような場合には、この液体を蒸発させて蒸気にし冷やして再び凝縮させると、純粋な液体が得られます。 


このような方法で、純粋な液体を分離する操作を、蒸留といいます。

蒸留は普通、下の図のようにして行います。
えだつきフラスコに約2分の1ぐらいの水(固体などを溶かした水)と2~3個の素焼きのかけら(これを沸騰石といいます)を入れ図のように組み立てて熱します。

水蒸気は、リービッヒコンデンサーで冷やされて蒸留水となり三角フラスコに溜まります。

このとき、水に気体が溶け込んでいるような場合は100℃になる前に気体は逃げ出してしまいます。

また、アルコールなど、揮発性の液体が混合しているような場合は次に説明する分留という方法で分離することができます。

アルコールに固体が溶解しているような場合にもこれを蒸留すると、純粋なアルコールが得られます。

アルコールが、少量の水を溶かしているような場合は生石灰や無水の硫酸銅を入れてよく振り水をこれらの物質に吸収させておいて蒸留すると水分のないアルコールが得られます。

蒸留につにいての注意

①フラスコには、液体を2分の1より多く入れないようにする。
②フラスコを熱するときは、直接炎を当てず、金網をして熱する。

③温度計の球の部分はフラスコのえだの付け根のところにあるようにする。

これはコンデンサーに入る蒸気の温度が何度であるかを読むためであって球の部分がえだの位置より低かったり、高かったりすると温度計の示す温度と違う温度の蒸気がコンデンサーに入ることになる。

④沸点が、100℃より低い物質を熱するときは図のように、水浴(ウォーターバス)を使用する。

⑤フラスコの中には、必ず沸騰石を入れる。
これは、加熱によってフラスコの一部分が強熱され突然沸騰し、大きな泡ができて液体がコソデンサーに飛び込まないようにするためである。

なお、一度使った沸騰石は次の蒸留に使うことはできない。

必ず新しい沸騰石を使うようにする。

⑥えだつきフラスコやコンデンサーに使う栓は液体によって溶かされないものを使わなければならない。

有機溶剤を蒸留するときにゴム栓を使うとゴムが有機溶剤に溶けてしまい純粋な有機溶剤を得ることができない。

⑦コンデンサーに入れる水は、下の口から入れ上の口から出すようにする。




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