イネの栽培方法とは?苗の育てかた、田植えとは?

イネ・ムギの栽培

イネとムギは、古くから、大切な作物として栽培されてきました。
イネに適した土地では米が、ムギに適した土地では麦が主食に使われています。


イネの栽培

イネは、あたたかくて湿り気の多い気候を好みます。

アメリカや地中海沿岸などでもつくられますが、いちばん多くつくられているのは、日本・中国南部・東南アジアで、これらの地方のいちばん大切な作物です。

イネには、田につくる水稲と、畑につくる陸稲(おかぼ)とがありますが、
ふつうにイネと言えば水稲のことです。

イネのつくりかたにはいろいろありますが、いちばん多いのは苗代で苗を育てて田にうつし植える移植栽培です。

日本のイネの栽培技術はすぐれていて、せまい面積からたくさんの米を収穫することでは世界でいちばんです。

苗の育てかた

イネの苗をつくるところを苗代と言います。
苗代は、日あたりがよく、手入れをするのに便利なところにつくります。

いっぱんに、寒い地方では雪がとけるとすぐに苗代をつくりますが、あたたかいところでは、5月ごろにつくります。

まず、土をおこして、肥料をよくまぜながら、土を細かく砕きます。
幅120センチぐらいの長方形の区切りをつけ、まわりの土をもりあげて表面を平らにならします。

これをまき床と言います。

このまき床の上に、よく消毒した種を一面に散らばるようにまいて種が見えなくなる程度に土をかけます。
種まきは移植する予定の日の、40~50日まえごろにおこなうのがふつうです。

それから、まき床のあいだの溝に水を入れます。

水は、まき床の上までいれることもありますし、まき床の上に焼いたもみがらをまき、その上をビニルや油紙などでおおうこともあります。

芽が出てきたら、よく日光に当てて、丈夫な苗が育つようにします。
寒い日や風の日は、水を入れて保護します。

このほか、肥料をやったり草をとったりカスガマイシンやスミチオンなどの薬をかけて病気や虫の害をふせいだりします。

田の準備

苗が大きくなるまえに、肥料をやり、田おこし・あぜぬり・代かきなどの田植えの準備をします。

まず、たい肥をまいてから田を耕し、それから、化学肥料をやり、水を入れて代かきをします。
この作業には、近ごろは耕うん機が使われています。

代かきは土を砕いてやわらかくし苗を植えやすいようにするためにおこなうのですが水が地下に染み透ってしまわないようにする役目もあります。

田のまわりから水がもれるところでは代かきをするまえに、土をねってあぜをぬり、水が漏れるのをふせぎます。



田植え

イネの移植は、ふつう田植えと言います。

田植えは、早いところでは5月10日ごろからはじまりますが遅いところでは7月10日ごろまでおこなわれます。

種をまいてから40~50日経つと苗は高さが20センチほどになり葉は6、7枚で田植えをするのにちょうどよい大きさに育ちます。

苗代に水を入れて土をやわらかくし、手で少しずつ、丁寧に苗を抜き取ります。
そして、根の土をよく洗いおとし、一握りほどに束ねて田に運びます。

苗は、2、3本ずつをひとかぶに植えます。
ふつう、縦・横それぞれ25センチぐらいの間隔に植える正じょう植えか縦を10センチ、横を30センチぐらいの間隔に植える並木植えにします。

植えるときは、印をつけた綱を使ったり植えるまえに定規や枠で土の表面に印をつけたりして、決まったところに植えます。

最近は、田植えにも機械が使われるようになってきました。

手入れ

田植えがすんだら、田に充分に水を入れておきます。

しばらくすると、しおれかかった葉が勢いづいてどんどん伸びだし茎も枝わかれして、かぶも急に大きくなります。

かぶが充分大きくなったころ、水を落として2、3日のあいだ田を干します。
これは「中干し」といって、根のはたらきをよくするのに役立ちます。

穂が大きくなりはじめるころからイネにはたくさんの水が必要になりますから田には水を充分に入れておきます。

田植えをしてから10日おきぐらいに、3、4回、草をとります。
しかし、近ごろはPCP・MCP・DCPAなどの薬をまいて草を枯らすのがふつうです。

追ごえは、穂がでる30日ほどまえに、窒素肥料をやるのがふつうです。

獲りいれ

穂が出て、40~50日ぐらい経つと、イネの実は熟します。
穂が黄色くなったころに刈取ります。

刈り取ったイネは小さく束ね木や竹でつくったイネかけにかけて、よく乾かします。
よく乾いたら、脱穀機でもみを落とします。

進んだところでは、刈取りと脱穀とを同時にするコンバインが使われます。

こうして脱穀されたもみは乾燥機でよく乾かしてから、もみすり機にかけて玄米にします。

イネの害虫と病気

イネの害虫で、いちばん大きな害をするのはニカメイチュウです。
茎のもとのほうが褐色になって枯れるのはメイチュウの害です。
これはスミチオン・ダイアジノンなどでふせぎます。

また、病気で恐ろしいのはいもち病です。

葉や茎に黒いはん点ができ、これが広がるとイネは実らなくなったり、枯れたりします。

天候が悪かったり、窒素肥料をやりすぎると、かかりやすくなります。
この病気は、カスガマイシンやキタジンPなどでふせぎます。




秋の種まきの時期とは?秋の宿根草とは? わかりやすく解説!

秋の種まき

気温の高い地方では、冬に咲きはじめる草花や春のはじめに咲く種類を秋にまいてしまう方法があります。

冬に咲きはじめる草花には、パンジー・キンセンカ・ヤダルマギクなどがあり、春早く咲くものには、ルピナス(ノボリフジ)・ニワナズナ・ワスレナグサ・スイートピーなどがあります。

また、初夏に咲くナデシコ類・キンギョソウなども秋まきすることができます。

このような草花は、秋まきにしたほうが春まきよりも、はるかに美しい花を咲かせます。


種まき

種まきは、春まきの草花と同じようにしますが、まく時期に、気をつけなければなりません。

10度以下の寒さが早くくるような地方では9月中ごろに種をまくのがよいのです。

冬があたたかく、雪の少ない地方では9月末ごろから10月はじめごろまでにまきます。
こうすれば、寒さが厳しくなる時期までには、丈夫な苗に育っています。

また、冬は、場所によって温度の違いが激しいので、まく場所も大切です。

あたたかいところで、やわらかく育った苗などは急に、寒い風や雨にあたると、枯れてしまうものがあります。

ルピナスやヤグルマギクのように、苗が大きくなるものは植えかえをするときに、植え傷みがします。

これをふせぐには、なるべく植えかえをしないで、そのまま育てるか苗が小さいうちに早く植えかえをします。

手入れ

9月ごろに芽を出したばかりの苗は大雨にうたれると土にうずまるようなことがあります。
種をまく場所は水はけをよくしなければなりません。

また、苗を冬の寒さからまもるために霜よけといって、屋根形のおおいをしてやらなければなりません。

しかし、これを早くやりすぎると、かえって、苗が弱い体になってしまいます。
霜よけをする時期は、5度以下に気温が下がったころがよいのです。

もちろん、よく日光があたるように、昼間は南側をあけてやります。
日あたりがよいときは、冬でも、茎や葉が少しずつ伸びるものです。

ですから、このような日には、水をかけてやります。

春になると、気温が少しずつ高くなり苗が伸びはじめます。
このときは、下のほうから、おおいを少しずつあけて寒さにならしてやります。

こうして、厳しい寒さのなくなる3月はじめごろに花壇や庭に植えだすのです。

秋の宿根草

フクジュソウ・スズラン・シャクヤク・カキツバタ・ハナショウブなどを
長くつくっていると、大きなかぶになります。

これでは、育ちがよくないので、春の宿根草と同じように、かぶわけをします。

株わけ

シャクヤクやフクジュソウは、3年以上にならないと大きな株になりません。
株わけをするのは、3~5年経ったものです。

株わけは9月中ごろがいちばんよく、あまり遅れると春になってからの育ちが、よくありません。



秋の球根植え

チューリップ・ヒヤシソス・ユリ・スイセン・クロッカスなどは寒さに強い種類です。

北海道のような寒い地方でも秋のうちから根がよく伸びて少しも寒さの害を受けません。

けれども、アネモネ・ラナンキュラス(ハナキンポウゲ)アイリス・フリージアなどは植えつける時期が早いと秋に伸びた葉が枯れてしまうことがあります。

球根植え

たいていのものは、9月中ごろから、10月はじめまでに植えます。

北陸などのように、15度ぐらいの涼しさが早く訪れ、しかも空気に湿り気の多いところは、もっと早く植えます。

球根の根は、いちどに伸びだす性質がありますが20度以上で乾きやすいところでは、よく伸びません。

チューリップ・スイセン・ヒヤシンスなどは植えるときから、葉や花の芽ができています。
このために、肥料の少ないところでも、よく花を咲かせます。

植えつけの間隔は、地上の葉があまり重ならないくらいにします。
葉の大きなチューリップは20センチ、クロッカスのような小さいものは10センチぐらいでよいわけです。

土は、球根の直径の2、3倍ぐらいの厚さにかけます。

手入れ

大きな花を咲かせるためには、やはり肥料がいります。
葉が伸びだしてからつぼみができるまでに、追ごえをやります。
また、大きな球根ほどよい花を咲かせます。

つぎの年に美しい花を咲かせるためには花が終わったあと種ができないように実を早く摘みとったり、土が乾きすぎるときは、わらを敷いたり、水をかけたりして球根を育てるのです。

球根のたくわえかた

夏になって葉が半分ぐらい枯れたときに、球根を掘り出します。

そして、日かげで早く乾かし、枯れた葉や根を取り除いて風通しのよいところにしまっておきます。

ユリなどは、あまり乾かすとしおれますから少し乾いたころに、箱などに入れてしまっておきます。




春の宿根草とは?春の球根植えとは? わかりやすく解説!

春の宿根草

冬は、葉や茎が枯れてもかぶが残っていて毎年花を咲かせる草花を宿根草と言います。

また、このような草花のことを、野原にあるものでは多年草と言います。


宿根草には、キクの仲間の草花やオダマキなどがあります。
これらは、ふつうかぶわけで増やしますが、それには、1かぶに、2つか3つの芽がつくようにわければよいのです。

このほか、種がたくさんできるものは春に種をまき、苗をたくさん育てることもできます。

しかし、この苗は、一年草と違って、その年に美しい花を咲かせることは少ないのです。
けれども、つぎの年には、かぶわけしたものよりも、立派な花を咲かせます。

また、キクなどは、さし芽によって増やすこともできます。
それには、まず、つゆのころに、つぼみのない元気な芽を5、6センチにきり、水をよく吸わせます。

そして、水はけのよい土地にさしてやればよいのです。

春の球根植え

ダリア・カンナ・アマリリス・グラジオラス・スイレンなどは春植えのおもな球根です。

球根は、その中にたくさんの養分をたくわえています。
このため、肥やしのない土地でもよく伸びますが、たくさんの花を咲かせるためには、やはり肥料をやらなければなりません。



ダジアの球根植え

ダリアの球根は、根が大きくなったものです。

しかしその上に、茎が少しついていないと芽がでないので注意しなければなりません。

まず、よく耕した土地に深さ60センチ、直径60センチぐらいの穴を掘りごみ土やたい肥・灰・過りん酸石灰などの肥料を入れて土をよくまぜます。

この穴の中央に、球根が肥料にさわらないように、少し浮かして植えるのです。

ダリアは大きくなると茎が弱いので倒れやすくなります。
そこで、竹などをたててしばりつけますが、あまり高くなると花もよく咲かず、倒れやすいので、茎を切ってやります。

夏になると、いちど、育ちかたが衰えますが、つぎつぎに、わき芽が出てきます。

多すぎる芽をかきとって、そろった芽だけを育てると霜がおりるころまで美しい花を咲かせます。

球根のたくわえかた

花の終わったあとの球根は、そのままにしておくと冬の寒さで凍ってしまいます。
ですから、これを掘り出して、しまっておかなければなりません。
 
それには、秋に、葉や茎が枯れたとき地面にそって茎を切り取り、かぶのまま掘りとっておきます。

そして、アマリリス・ダリアなどは水はけのよい、あたたかい場所を深く掘って、そこに埋めておきます。

グラジオラスは、よく乾かしてふくろや箱に入れ凍らないところにしまっておきます。




春の種まきによい場所と時期とは? わかりやすく解説!

春の種まき

春まきの草花は、6月ごろから咲きはじめるアサガオ・ヒマワリ・ヒャクニチソウ・オシロイバナ・オジギソウ・タチアオイ・マツバボタンなどや、これよりも少し遅れて咲くサルビア・コスモス・センニチコウなどが、おもな種類です。

また、花より葉の美しいハゲイトウも花壇に植えたり鉢植えなどにする春まきの草花です。

このような種類は、みな冬を越すことができない草花です。
ほかに、エゾギク・フロックス(キキョウナデシコ)・ペチュニアなどは冬越しができる草花で、春まきにも、秋まきにもなります。


よい種

まず、よい種(種子)を選ぶことが大切です。新しい種は、たいてい、よく芽を出します。

色のかわったもの、つやのないもの他のものにくらべて軽いものなどは、よく育ちません。
大きさ・形・色のそろった種を選ぶことが大切です。

種まきの場所と時期

東京付近では、3月中ごろになると、気温が、10度ぐらいになります。

春まきの草花は、たいてい10~15度ぐらいのときにまくのがよいので5月はじめごろまでに、まきおわるようにします。

種をまく場所は、まず、深く耕します。
そして、よく腐ったたい肥を土とまぜ、水はけをよくするために砂を少し入れます。

苗床

たいていの草花は、苗床で苗を育ててから、植えかえます。

なかにはヒマワリなどのように、種をまいて、そのまま育てたほうが、よく育つものもあります。

苗床をつくるには、幅1メートルぐらいに土を耕し平らにならしながら土のかたまりをよく砕きます。

土が重くてかたまりやすいときは、よく肥えた土をふるいわけて少しまぜたり砂を少し入れたりして使います。

この苗床に、たてに6~9センチおきに棒ですじをつけ、この上に、種をうすくまきます。

それから、種の2倍くらいの厚さに土をかけておきます。
そして、芽が出るまで、わらを一列にならべ、上からおおいをしてやります。

地面は、温度や湿度の変化が激しいので、わらでそれをふせぐのです。

苗が少ないときには深さ10センチぐらいの木の箱や鉢を苗床のかわりにしてもよいのです。



手入れ

種まきが終わったら、毎日決まった時刻を選び土が流れないように、静かに水をやります。

あまり、水が多すぎてもいけません。
種は、呼吸ができなくなり、死んでしまうことがあります。

水はけのよい土地なら、日あたりのよい日だけ午前10時に、1回かければよいでしょう。

芽が出たら、わらのおおいをとり、日光によく当ててやります。

苗は、こみやすいものですから多すぎるところは、ところどころ、間引きしてやります。

たくさんの苗がいるときは、葉が2、3枚出たとき肥えた土に、ほどよい隙間をもたせて、植えかえてやります。

こうすると、苗の育ちかたは、見違えるほどよくなります。

伸びすぎる種類で、しかも枝のできやすい草花は、つぼみの出るまでのあいだに2~4節のところで芽を摘みます。
こうすると、枝数が多くなり、形が整ってたくさんの花が開きます。

また、つるの伸びる種類では細い竹をたてて形よくつるを・からませてやります。




ウサギの飼いかたとは? わかりやすく解説!

ウサギの飼いかた

ウサギには、野山に住んでいるノウサギと人間に飼われているイエウサギとがあります。

ノウサギは、つかまえてきて飼っても、うまく育ちませんし、イエウサギとのかけあわせもできません。

イエウサギには、いろいろな種類がありますが日本で飼うものの大部分は肉や毛皮を利用する日本白色種と、おもに毛を利用するアンゴラ種です。


住まい

ウサギは臆病で昼寝て夜活動する性質があり、また、湿ったところを嫌います。
ですから、静かな乾いたところで飼うようにします。

飼育箱は、空き箱などを利用してつくることもできます。
ふつう、はば80センチ、高さ40センチ、奥行40~60センチぐらいにし底の板は少し傾けて、糞や尿が流れでるようにします。

その上に竹のすのこや網のめの大きさが1.5センチほどの金網を平らにのせて、床にします。

正面は、3分の1ぐらいを板戸にし、あとは金網の戸にしてこの箱に、1匹ずつ入れて飼います。

えさ

ウサギは、おもに草や木の葉を食べますが、これだけでは栄養が足りませんから麦・トウモロコシ・ふすま・豆腐かすなどをあたえます。

親ウサギで、1日に青草500グラム、穀類30グラムほど食べます。
1日2、3回にわけてあたえ、夕方の分量を多くします。

あまり濡れたえさはやらないようにし反対に乾いたえさばかりあたえたときは、水をやります。



世話のしかた

つかまえるときは、耳をもたないで背中の皮膚を大きくつかんで持ち上げます。
アンゴラウサギは、ときどき、毛をくしでといてやり、また、ふつう3か月に1回毛を刈取ります。

増やしかた

ウサギは、ふつう7か月ぐらいで親になります。
親のめすウサギは、7日おきぐらいに落ち着かなくなります。
このときにつかまえて、おすの箱に入れ、かけあわせてやります。

その後、30日ぐらいで、5、6匹の子ウサギが生まれます。
母ウサギがお産をするときは、4、5日まえに、やわらかいわらをたくさん入れてやります。

母ウサギは、自分のお腹の毛と、このわらで巣をつくります。
また、お産のときはのどが乾きますので、水をあたえます。

子ウサギは、生まれてから、3日めぐらいでうぶ毛がはえ10日ぐらいで目があきます。

1、2か月したら親からはなしてやります。




小鳥の飼いかたとは?鶏の飼い方とは? わかりやすく解説!

小鳥の飼いかた

飼う小鳥には、いろいろな種類があります。

ローラカナリアのように声を楽しむもの、インコのように体の美しいものオウム・キュウカンチョウなどのようにものまねさせるものジュウシマツ・セキセイインコ・カナリアのように増やして楽しむものなどさまざまですが、どれもふつうは鳥かごの中で飼います。


えさ

ベニスズメ・コキソチョウ・ジュウシマツ・コウカンチョウ・カナリア・オカメインコ・セキセイインコなどは玄米や米ぬかの粉、青菜、貝殻の粉をあたえて飼います。

また水をよく飲みますから、水をかかさないようにします。

キュウカンチョウ・ウグイス・メジロなどはすりえ鳥と言い、ぬか・米の粉・魚粉・すり菜などを、のりぐらいの硬さにすりまぜてあたえます。

小鳥は、水浴びをする習わしがありますから、さしわたし6センチ、深さ3センチ以上の入れ物に、きれいな水を入れてやります。

住まい

ふだんは鳥かごを使いますが巣匹(子鳥をとること)をするには庭こを使います。
大きさは鳥の大きさによりますが、大きめのものがよいようです。
底の引き出しには、川砂と新聞紙を入れてやります。

巣は、いつもきれいにし、新しい空気と日光が入るようにします。
また、暑いとき涼しいところ寒いときはあたたかいところに、おいてやります。

増やしかた

ジュウシマツやセキセイインコは、いつでも巣匹ができますがカナリアやブンチョウは、春と秋にしか、たまごを生みません。

巣匹をするようになったら、ゆでたまごの黄身を食べさせると早くたまごを生みます。

庭こにおすとめすを入れ、底に新聞紙を細く切ったものや細い木の根を入れると、それを使って巣をつくります。

たまごを生み終わると親鳥はおよそ十数日間それをあたためて、ひなをかえします。

このころは、親鳥を驚かせないように、注意しなければなりません。
ふ化したひなは、ほぼ一か月ぐらいで、親からはなせるようになります。

ニワトリの飼いかた

ニワトリは、たまごや肉など人間の食物となる大切な動物です。
いろいろな種類がありますが、おもなものは白色レグホンとプリマスロックなどです。

これらは、たいへん多くのたまごを生みます。
 

増やしかた

雄鶏といっしょに飼っている、雌鶏が生んだたまごを、種たまごと言います。

むかしは、農家でこの種たまごを、雌鶏にあたためさせて、ひなをかえしましたが、いまではふ卵器を使って、いちどに何万個ものたまごをふ化させています。

ひなの育てかた

ふつう、ふ卵場でひなを買ってきて、育てます。
ひなは、ふ化してから2日ぐらいは、えさをやる必要がありません。

ふ化したばかりのひなは、育すう器に入れ、うす暗くして休ませます。
育すう器の大きさは、ひな20羽に対して、0.5平方メートルは必要です。

ふつう、長さ1メートル、はば50センチ、深さ20~25センチぐらいの箱を3分の1のところで二室にしきり、そのさかいは自由に出入りできるようにします。

せまいほうの中は、電球や湯たんぽなどで40度ぐらいにあたためます。
広いほうは、運動場です。

箱の底は、板よりも、網のめの大きさが1.5センチほどの金網にしたほうが、衛生的です。

その上にむしろをしきます。

ひなが大きくなったら、だんだん、広い場所で遊べるようにします。



えさ

ひなが、ほかのひなの目や足をつつくようになったら水や、ゆでたまごの黄身を砕いたものをあたえます。

そのあとは、細かく砕いた麦・米・アワや細かく刻んだ野菜をやります。
回数は1日5、6回で、3か月ほどしたら、3回にします。

ひなが大きくなるにつれて量を増やします。
また、飲み水は毎日あたえます。

最近は、適当に配合されたえさが、えさ屋でうっていますから、
それを利用することもできます。

配合飼料を使うときは、ひな用、中びな用、たまごをとる親鳥用、肉にする親鳥用などで違いますから、よく確かめてあたえます。

住まい

小屋は、日あたりと風通しがよく乾いたところにつくり雨が入らないようにします。

ふつう、親鳥20羽で、3平方メートルの広さが必要です。
数が少ないときは、かんたんな小屋でも構いません。

とまり木は、床から70~80センチのところにつくります。
また、えさ箱・給水箱・産卵箱を用意します。

最近、養鶏場などでは、おりやかごに1羽ずつ入れて、たくさん飼うバタリー式養鶏やケージ式養鶏がさかんです。

病気と害虫

ニワトリは、よく病気にかかります。

とくに、ひなや若鳥は伝染病にかかりやすく、ひなが白い下痢便をするひなはくりや若鳥が緑色の下痢便をして肝臓がはれる白血病は治りませんから、早く殺して伝染をふせぎます。

ほかに、ひなや若鳥のかかる病気としてはコクシジウム症やニューカッスル病などがあります。
コクシジウム症には治療薬、ニューカッスル病にはアクチンを用います。

また、ニワトリには、カイチュウやワクモ(ダユの一種)が寄生します。
カイチュウは、1年に2回ぐらい、駆除薬をあたえてふせぎます。

ワクモは、小屋を清潔にし20パーセントのマラソン乳剤を200倍にうすめて柱やとまり木の割れ目などにまいて退治します。




熱帯魚の飼いかたとは?カエルの飼い方とは?

熱帯魚の飼いかた

熱帯魚とは、ふつう、熱帯地方の淡水に住む魚をさしていますが最近は、海水に住むものも、飼われています。

観賞用ですから、水槽に飼える大きさのもの色や形の美しいものが選ばれ、日本でもたくさんの種類が飼われています。


水槽と水

ガラスの水槽を使いますが、ふつうは金属のふちのあるものがよく利用されています。

水は、淡水に住むものでは、キンギョなどとだいたい同じです。
海水に住むものでは、海の水を数日くみおきして使うか販売されている人工海水を利用します。

熱帯魚には、24~28度の水温が、いちばん適しています。
ですから冬などは、サーモスタッ卜(自動温度調節器)のついたヒーターで水をあたためます。

また、熱帯魚は、水温の変化にはとても弱いので別の水槽にうつすときには水温をなるべく同じ(2度以内)にします。

そのほかに、温度が高くなると、水中の酘素は減ってきますから空気ポンプなどで、空気を送りこむ必要もあります。

水草と光

水槽の中に水草をうえるのは、きれいに見せるためだけではなく光合成により、酸素を出させるためです。

これには、光が必要です。

しかし、光が強すぎると植物性プランクトンが増えて水が緑色になってしまいます。

ですから、水槽は、できるだけ明るいところにおき太陽光線が直接あたるところは避けるようにします。

えさ

熱帯魚のえさには、ボウフラ・アカボウフラ・ミミズ・イトミミズ・ミジンコなどの生きえと、いろいろな栄養分でつくった粉えとがあります。

魚は、生きえのほうを好みますし、また、そのほうが、早く大きくなります。

えさを多くあたえすぎると食べ残りが出て水を汚しますから注意しなければなりません。

病気と手当

熱帯魚のかかりやすい病気も、やはり白点病です。
この病気は、たいへんうつりやすいので、早めに見つけるようにします。

病気がでたら、硫酸キューネという薬を10リットルの水に0.1グラムの割合でいれると、1週間ほどで治ります。



カエルのたまご

カエルは、春から夏にかけてたまごを生みます。

このころに池や小川を注意してみると黒いたまごがたくさん生みつけてあるのがわかります。

カエルのたまごは、種類によって、生み出されたときの様子が違います。

ヒキガエルでは、寒天質につつまれたたまごが、ひものように、長くつらなっています。

また、アカガエルやトノサマガエルのたまごは、たくさんのたまごがかたまっています。
アマガエルでは、5、6粒のたまごがかたまっています。

これらのたまごを、50~60粒ぐらいとり、入れ物に入れておきます。
入れ物は、どんなものでもよいのですが空き缶のように錆びのでるものは避けなければなりません。

オタマジャクシのえさ

池や沼で自然に育つオタマジャクシは、おもにアオミドロなどの水生植物を食べています。

しかし、室内で飼うときはイトミミズ、細かくした煮干し、かつおぶしの粉、ごはん粒などをあたえてやりましょう。

変態したあとのえさ

オタマジャクシのときは、水の中に水草などを入れておきますが変態してカエルになると、陸にあがるので水槽の中に石などを入れてやります。

カエルになると、オタマジャクシと違って生きている動物質のえさしか食べなくなります。

とくに、よく動く昆虫類を好みますから、水槽の上に布や、めの細かい網をかぶせて、ハエやカを生きたままいれてやりましょう。

オタマジャクシからカエルに変態するときの様子などは、よく観察し、観察ノートに図とともに書きとめておきましょう。

また、えさをとる様子も、よく注意しましょう。




メダカ・キンギョの飼いかたとは? わかりやすく解説!

水と入れ物

メダカやキンギョを飼うときに、まず注意することは水です。

水道の水には、消毒のために塩素を溶かしこんであるので直接、この中に魚を入れると死んでしまいます。

それで、水は、くんでから一昼夜そのままにしておくか木炭をつめた、かんたんなろ過そうを通して塩素をなくしてから、使わなければなりません。

もちろん、池の水ならば、すぐに使えます。

魚は、水中に溶けている酸素を呼吸しています。
ところが、井戸水、とくに深い掘り抜き井戸の水には酸素がほとんど溶けていないことがあります。

このような水は、やはり、汲んでしばらくおいたものを使ったほうがよいのです。

入れ物は、水面の広いものを使います。
これは空気中から水中に溶けこむ酸素を多くするためなのです。


えさのやりかた

メダカ・キンギョは、雑食性で、生きえとして、いろいろな小動物を食べるほかに水槽の底や、壁についている動植物も食べます。

このほか、粉にした人工飼料も食べます。

生きえとしてはミジンコ・アカボウフラ・イトミミズなどがおもなものですが、魚の大きさに応じて、それぞれ適当な大きさのものをやるようにします。

人工飼料には、動物性のものと、植物性のものとがあります。
動物性のものには魚粉・さなぎ粉・エピやコマセアミの乾燥粉末などがあります。

植物性のものでは大麦・小麦・米・ぬか・ふすまなどです。

ふつう動物性のものは、たんぱく質が多く植物性のものには炭水化物が多くふくまれています。

そこで、人工飼料だけで飼う場合には一種類のものだけでなく、数種類のものをまぜてやるのがよいのです。

いろいろなえさのうち一種類だけをあたえてメダカやキンギョの成長を調べてみましょう。
これは、そのえさがよいか、悪いかがわかるおもしろい実験です。

どんなえさでも、その分量は、必ず少なめにやらなければなりません。
えさをやりすぎると、糞や食べ残しのえさが多くなり、水が汚れてしまいます。

数分間で食べつくすくらいの分量を1日に1回か2回やるのがよいのです。

アオコと魚

メダカやキンギョを飼っていると、しだいに水の色が緑色にかわってきます。
これは、ラソソウなどの植物性プランクトンが増えたためです。

これらのプランクトンをアオコと言います。
アオコは、ふつうの植物と同じように太陽の光線を受け、水中の二酸化炭素を使って光合成をおこない酸素を出します。

ですから、アオコは酸素を呼吸するメダカやキンギョにとっては、たいへん都合がよいものです。

しかし、このアオコも、あまり濃くなると枯れてしまい、かえって水を悪くすることになります。

また、夏などに強い日の光を受けると、光合成ででる酸素の量が多すぎて、メダカやキンギョが、ガス病になることがあります。

ですから、アオコがあまり濃くなるような場合には水をかえるか、いれものに日よけをしなければなりません。



病気とその手当

メダカやキンギョの病気は皮膚病がいちばん多く、そのほか、えら・消化器などの病気があります。

白点病

春、秋の天気がかわりやすいころ、よく起こる病気です。
ちょうど白ゴマをまいたように、1ミリぐらいの点が、散らばって増えます。

これは、背びれ・尾びれなどからはじまって、しだいに、体の表面全体に広がります。

このため、しまいには死んでしまいます。

この病気の病原虫は、イクチオフチリアスという原生動物です。
手当としては、水温を25度ぐらいにし、0.5パーセントの食塩水中で病気にかかった魚を気長に飼います。

また、硫酸キューネという薬を使うと、早く治ります。

イカリムシ

甲殻類の一種で、皮膚に深く食い入って寄生し、ひどくなると魚は痩せて死んでしまいます。

病気の魚を捕えて、虫をピンセットで抜き取ってやります。

チョウ

これも、甲殻類の一種ですが、口のあたりに、吸盤をもっています。
また、口には長い針があり、毒液を出します。

6月ごろと9月ごろに多い寄生虫です。

数が少ないときはピンセッ卜でおとし、たくさんついたら、2パーセントの食塩水に短時間つけてやります。




トンボ・カタツムリ・アリの飼いかたとは? わかりやすく解説!

トンボの飼いかた

成虫の飼いかた

成虫としてのトンボを長く飼うことは、ほとんどできません。

しかし、イトトンボなら、木か、金網でできた小鳥の巣びきかごくらいの入れ物に入れ、その中に水草を植えて飼うことができます。

かごの中に、ハエや力も入れてやると、わりあい長く生きています。


幼虫の飼いかた

幼虫は、井戸水を入れたコップに1匹ずつ入れておけば長く飼うことができます。

ギンヤンマ・イトトンボのヤゴは水草に止まって生活するので水草を入れてやります。
また、シオカラトンボのヤゴは砂にもぐるのでコップの底に砂を敷いておきます。

1つのコップに多数のヤゴを入れると、共食いをするので、よくありません。

食物としては、ボウフラ・イトミミズ・オタマジヤクシなどをあたえ食べ残しは、取り出して捨てます。

大きくなるとヤゴは水面に浮かぶようになります。
このときには、コップの中に割りばしを立てコップのふちに、洗濯ばさみでとめます。

ヤゴがトンボになるとき、このはしの上によじのぼるのです。

たまごの生ませかた

シオカラトンボのめすを指ではさんで腹の先を水に浸すと、たまごを生みます。

このたまごを数日おくと、小さなヤゴがかえります。
小さなヤゴにはミジンコをあたえて飼います。

陸に住む甲虫の飼いかた

甲虫を飼う入れ物

甲虫は、丈夫なので、とても飼いやすいものです。
大きいものは、セミとりに使うような金網のかごで飼います。

小さなものは、下に砂を敷いたガラスやプラスチックのつぼ、または、マヨネーズの瓶に、ふたをしたまま入れて飼います。

砂は、少し湿らせておいたほうがよいようです。

甲虫のえさ

多くの甲虫は、脱脂綿に砂糖水をしませたものやリンゴ・キュウリの欠片に、砂糖をまぶしたもので飼うことができます。

カブトムシ・カナブン・ハナムグリ・クワガタムシ・カミキリなどは、この食物で長く生きています。

ゴミムシ・オサムシ・マイマイカブリはもともと小さな虫を食べているものですが、砂糖水やリンゴでもよいでしょう。

また、ホタルは、あまり長生きをしたいものですが砂糖水をあたえると1週間ぐらいは飼うことができます。

ゴミムシ類やシデムシ・ハネカクシなど肉食性の強いものは少し湿らせた煮干しをあたえます。

しかし、どうしても、特別な食物の必要なものは、つぎのようなものです。

  • テントウムシ・ナナホシテントウ(親・幼虫)→食物はアリマキ
  • ニジュウヤホシテントウ→ナス・ジヤガイモの葉

    トホシテントウ・クロウリハムシ→カラスウリの葉

    ウリハムシ→ウリ類の葉

    コクゾウムシ→米粒

    アズキゾウムシ→アズキ

水に住む甲虫の飼いかた

飼う容器

ヤゴと同じように井戸水を入れたコップの中で、1、2匹ずつ飼います。
コップの底には、砂をしき、水草も入れてやりましょう。

えさ

ガムシの成虫は、腐った水草を食べますが幼虫にはカワニナなどの巻貝や、ボウフラ・煮干しなどをあたえましょう。

ゲンゴロウ・ミズスマシの成虫・幼虫は煮干しかつおぶしの粉・ボウフラ・イトミミズなどをあたえます。

ミズカマキリ・コオイムシなどはカゲロウの幼虫・イトミミズなど生きているものを、えさとしてやることが必要です。

飼うときの注意

これらの幼虫がさなぎにかわるときには、陸にあがります。

幼虫が水からでたがるようになったら、コップの水を捨てて湿った土を入れてやると、その中で、さなぎにかわります。

また、これらの甲虫の成虫は夜飛んで逃げることがありますからコップにふたをしておきます。



カタツムリの飼いかた

カタツムリも、やはり、コップで飼えます。

えさには、キャベツ・紙などをやり、コップの底には、りん酸カルシウムなどを少し入れておきます。

食物のとりかたや、はうときの様子などを、よく観察しましょう。

アリの飼いかた

習性を観察するための飼いかた

アリの生活を正しく観察するためには、1匹の女王アリと数匹の幼虫・さなぎ、それに2、3匹のはたらきありをいっしょに飼うことが必要です。

4~7月ごろ、大きな石をどけると冬越しを1匹で住ませた女王アリが見つかることがあります。

この女王アリだけを飼っていると、たまごを生み幼虫を育て、やがて、はたらきアリが出てくるので自然にこの組み合わせができあがります。

すでにできているアリの巣から、女王アリと、はたらきアリをつかまえてもよいのです。

巣の違うものは、喧嘩をしますから喧嘩を観察するのでなければ、いっしょにしないようにします。
また、はたらきアリは、たくさん入れないほうが観察をするのに楽です。

入れものは、マヨネーズの広口瓶などを使い、ふたをして、土を入れずに中に湿らせたスポンジを入れておきます。

土を入れなくても、光になれるので、飼育には差支えがありません。
このほうが、細かい仕草がよく観察できます。

食物は、ざらめをごく少しあたえます。
ビスケットなどは、かびやすいので、よくありません。

巣づくりを観察するための飼いかた

これにはプラスチックの砂糖つぼなどに土を入れ、アリを中にはなしてやります。

もっと見やすくするには、ついたて型の木の枠をつくり2枚の板ガラスをビニルテープで取り付け、そのあいだに小さな木をはさみます。

2枚のガラスのあいだの幅は、2、3ミリぐらいにします。

こうして飼うと、トンネルを掘るのが観察できますが掃除がしにくく長くアリを飼うことはできません。




ショウジョウバエの飼いかたと採集のやり方とは?

ショウジョウバエの飼いかた

ショウジョウバエは、体長2~5ミリぐらいの小さなハエです。
体は黄色か茶色で、目が赤いのが特徴です。

歩きかたがゆっくりしていますからノミバエなどと区別がつきます。


ショウジョウバエの採集

ショウジョウバエはどこにでもいますが腐りかかった果物や野菜によく集まります。
そのほか、キノコ、クヌギの木の液などに集まるものもいます。

ですから、人家の近くではごみ捨て場、山や畑では草や木を切り倒してある所、キノコのはえる場所などが、おもな採集場所になります。

ショウジョウバエは小さいので見つけても、とらえにくいものです。

このような場所では、捕虫網をできるだけ地面に近づけて左右にたんねんにふるのがよいようです。

また、果物(とくにバナナがよい)を刻んで1、2日おくと強い香りがしてきます。

これを数個の紙コップに少しずつ入れて林の中の日の当たらないところに、つるしておきます。

そうすると、この中にたくさんのショウジョウバエが集まりますから上から捕虫網をそっとかぶせ、紙コップを軽く叩きます。
捕虫網は、めが細かく、30センチぐらいの柄のついたものが適当です。

捕虫網から、採集瓶にうつすには、吸虫管を使います。
採集瓶の中に砂糖水に浸した紙を入れておけば、1週間ぐらいは生きています。

えさのつくりかた

たまごを生ませるためには、つぎのようなえさをつくります。

  • 水……………………100立方センチ
  • 寒天………………1.2~1.5グラム
  • トウモロコシの粉……20グラム
  • 糖蜜……………8グラム
  • プロピオン酸………0.4立方センチ

水は60立方センチと40立方センチにわけ60立方センチのほうに寒天を入れ、それが溶けるまでにます。
40立方センチのほうにはトウモロコシの粉を入れてかきまぜます。

寒天がよく溶けたら、溶いたトウモロコシの粉と糖蜜を入れて数分間にたてて火からおろし、これにプロピオン酸を入れて、よくかきまぜてから、えさ瓶に注ぎます。

えさ瓶がよく冷えたら乾燥イーストをうすくお湯に溶かしたものを、1、2滴たらします。
これに紙を入れ、綿の栓をして、名前を書きこむラベルを貼っておきます。

こうしてつくったえさは、2、3日そのままにしてイーストが表面に白くはびこるまでまってから使います。
 
トウモロコシの粉のかわりにきな粉を糖蜜のかわりに赤砂糖を使ってもよいのですが、ややたまごの生みかたが少なくなるようです。

プロピオン酸は、カビがはえるのをふせぐためにいれるもので多すぎると成虫が死んでしまうこともありますから、注意しましょう。

えさびん、綿の栓、えさに入れる紙、イーストをたらすピペットは、そのつどオーブンまたは乾燥器に入れて熱をくわえ130度ぐらいの温度にし、約1時間そのままにしておきます。

えさびんやピペッ卜は熱湯や消毒用アルコールで洗っても構いません。
これはかびや細菌をふせぐためで、うまくたまごをうませて幼虫をとるためには、ぜひ必要なことです。



飼うときの注意

1つのびんに、あまりたくさんのショウジョウバエを入れすぎると死んでしまうことがあります。

ふつう10~20匹ぐらいが適当です。

この1つのえさびんの成虫は、2、3日間で100個以上のたまごを生みます。
たまごは、ふつう24時間ぐらいでふ化し、20日ほどで成虫になります。
この成虫を新しいえさびんにうつしてやります。

カビがはえているのを見つけたら、すぐに新しいえさ瓶にうつしてやらないと幼虫は育ちません。
また、使ったえさびんは、きれいに洗っておきます。

ショウジョウバエは、20~25度の温度を好み夏や冬は飼いにくいので、はじめは、春か秋に飼ってみましょう。

観察することがら

ショウジョウバエは、たまご・幼虫・さなぎ・成虫の順に、完全変態をします。
それぞれの特徴や変化の様子を、短い期間に観察できます。

また、何種類ものショウジョウバエが採集できたときには、その違いをくらべてみるのもよいでしょう。

成虫を観察するには、えさ瓶から、空の瓶にうつしエーテルで麻酔して動かないようにします。

麻酔が強すぎると死んでしまいますから注意しなければなりません。




コオロギ・スズムシ・カイコの飼いかたとは? わかりやすく解説!

コオロギ・スズムシの飼いかた

コオロギもスズムシも、飼いかたは、ほとんど同じです。

これらの虫をとってきたら、湿った土を入れた口の広い瓶にはなし口を布か金網でふさいでおきます。

瓶のかわりに、めの細かいかごでもよいでしょう。


えさのやりかた

下に土を入れた入れものでは、直にキュウリなどをおくと土にかびがはえてしまいます。

それで、小さく切ったキュウリやカボチャは、ようじなどにさして、そのようじを土につきたてておきます。

えさは、同じものばかりでなく、ナシ・キャベツ・レタス・ネギなどをまぜてやると飽きないで、よく食べるようです。

また、育ちざかりの虫では、たんぱく質が必要です。
これには、ゆでたまごのきみや、かつおぶしの粉を野菜といっしょにやります。

たんぱく質が不足すると、虫たちは、共食いをすることがあります。

めすとおすの違い

鳴くほうが、おすです。
めすの跳ねのすじは、網のめのようになっていて、おすのように、すじが波形になっていません。

また、めすは、尻にたまごを生むのに使う長い針(産卵管)がありますが、おすにはありません。

観察することがら

鳴く様子

ふつうは暗いところで鳴きますが、飼っておくと光になれて明るいところでも、なくようになります。

なくときは、前跳ねを持ち上げますが、コオロギは45度ぐらいスズムシは、ほとんど直角に近いくらいあげます。

鳴くときの跳ねの動きなどを観察しましょう。

音を聞く部分

広い入れ物に3、4匹のめすを入れ、まん中におすを入れた小さなかごをおきます。
めすたちは、鳴いているおすのまわりに集まります。

めすの前足のすねを虫眼鏡で見ると立派な鼓膜のある耳がついています。
この耳で音を感じるので、めすは、おすのそばにいくことができるのでしょう。

しかし、もっとかんたんなしくみの耳が中足とうしろ足とにあると言われているので、前足がなくても音を感じるのです。

たまごの生みかた

腹のふくれためすは、産卵管を土の中に入れて、たまごを生みます。
生むときの様子や、産卵管を入れる深さ、たまごの数などを観察しましょう。



カイコの飼いかた

カイコは、チョウやガの仲間ですから、その形や習性や飼いかたまで、まえに述べたチョウの場合と似ています。

クワゴとカイコ

カイコは長いあいだ人に変われてきたので、たいへん飼いやすくなっています。

カイコの祖先にあたるものは、クワ畑などに住んでいて、クワゴと呼ばれます。
形はカイコにそっくりですが、色が黒く、ガも茶色です。
クワゴとカイコは、形は似ていても、性質はまったく違います。

たとえば、ふたのないボール箱に、カイコとクワゴとを入れておくとカイコはいつまでも、箱の底にいますがクワゴは、箱の壁をのぼって出ていってしまいます。

これは、カイコが長いあいだ飼いならされたため足を動かす筋肉が、クワゴにくらべて弱ってしまったためです。

またクワゴのガとカイコのガをくらべてみるとカイコのガは4まいの跳ねをもっていても、まったく飛べません。
しかしクワゴのガは、ほかのガと同じように、夜、電灯の光に飛んできます。

さらに、カイコは、人がまゆから生糸をとるために長いあいだ改良してきたので糸をはく力がたいへんすぐれています。

クワゴのまゆからは、わずか150~210メートルの糸しかとれませんがカイコのまゆからは、1000~1500メートルもの糸がとれます。

カイコのえさ

カイコは、新しいクワしか食べません。

クワには、ヤマグワとかロソウとか、いろいろな種類がありますが、そのいくつかをそろえることができればカイコがどの種類を好むなどの研究もできます。

カイコは、クワ以外の葉は、ほとんど食べませんがハリグワとチシヤは代用食になります。
しかし、これらは、クワがとぎれたときのつなぎにしかなりません。

近ごろは、カイコを人工飼料だけで飼う研究が進められています。

種紙とケゴ

カイコをはじめから飼うには、農業試験場か農業協同組合でカイコがたまごを生みつけた紙を、少しわけてもらいます。

この紙を種紙と言います。

たまごは、はじめは黄色ですが、しだいに茶色になり、やがて、紫色になると、小さな幼虫がかえります。この一令の幼虫をケゴと言います。

中くらいの大きさのカイコをわけてもらえば飼うのは、なおらくですが一生を観察するには、たまごから飼いはじめることが必要です。

飼育箱

観察用に少し飼うには、ボール箱などにふたをしたものがよいようです。
箱のふたの一部に穴をあけて、セロハンをはれば、観察に便利です。

箱にふたをするのは、クワの葉が乾くと、カイコが食べなくなるからですが大きくなるほど、乾いた場所を好むようになります。

それで、四令。五令ともなったら、ふたに穴をあけたりガラスやプラスチックのふたを、布のふたにかえたりします。

世話をするときの注意

ケゴのときには、小さくてやわらかい葉をあたえるか大きい葉は、刻んであたえます。

大きくなったら、硬い葉でも構いません。

幼虫が脱皮するまえは、じっとしていてえさを食べませんが、このとき、無理に動かすと脱皮しそこないます。

また、食べ残しの葉や糞は、かびるので毎日捨てるようにします。
葉は、食べ残しの量を考えながら、毎日新しいものと、かえてやりましょう。

それから、これは、ほかの虫の幼虫でも同じですが虫は手でさわらず筆を用いて、はき落とすように扱うのが安全です。

まゆをつくらせる準備

幼虫が五令の終わりになると、体が透き通ってきます。
こうなったら、葉のかわりに、まぶしというものを入れてやります。

こうすれば、カイコは、このまぶしを足場にして口から糸を吐き、きれいな形のまゆをつくることができるのです。




昆虫の観察のしかたとは? チョウの幼虫の飼いかたとは?

昆虫観察の注意

生きている昆虫を観察するときは観察したことがらを書きとめておくことが大切です。

日づけのあるノートに毎日書いておけば、観察日記ができあがります。

観察日記には、日づけのほか、観察した時刻・温度・天気・明るさなどを忘れないように書いておきましょう。

観察したことは、大切なことがらだけを、かんたんに書けばよいのです。
また動物や植物の名前は、カタカナで書くことになっています。

名前のわからないものを観察するときはチョウの二番とかチョウの三番とかいうように番号をつけておき、あとで名前を調べて、ノートに書きこみます。

そして、観察日記に絵を書くときは、正確に書くように注意します。


昆虫で観察することがら

止まりかた跳ねをどのようにたたんでいるかを調べます。
また、足やひげのおきかたなど、細かい点にも気を配りましょう。

たとえば、タテハチョウなどは、前足が舌の役目をしていて止まったときは前足を下につけません。

食物の獲り方

なめかた・さしかた・かみ砕きかたなどに、いろいろな特徴があります。
水に住む昆虫では、泳ぎかたにも、気をつけましょう。

たまごの生みかた

生む時刻、生みつける場所、生んだたまごの様子などを、よく観察します。

チョウの成虫の飼いかた

チョウを飼うには、めの細かい網をはったおいこみかごを野外において草花などをうえ、その中にチョウをはなして観察します。

かごの中に、砂糖水をふくませた綿をおき口を伸ばして砂糖水を飲む様子を、よく見ましょう。

チョウのたまごの観察

チョウは、ふつう幼虫の食草となる植物の葉や芽に、たまごを生みつけます。
しかし、このようにして生みつけられたたまごは非常に見つけにくいものです。

そのようなときは、たまごをいっぱいもっている腹のふくれためすをつかまえてきます。

これを、幼虫の食べる葉を入れたかごや瓶に入れて、たまごを生むのをまつのです。

たまごを生ませるには、水をやり、光をあてるとよいとも言われます。
また、跳ねを切り取ってしまい、それを入れた瓶を日なたにおくとよいという人もいます。

しかし、カイコガのように、かんたんには、たまごを生んでくれません。



チョウの幼虫の飼いかた

幼虫は、少しずつシャーレかコップなどにいれ、かんたんに飼うことができます。

たまごから飼うのは、なかなかたいへんですが野外で幼虫を探してくるのは、そう難しいことではありません。

そのかわり、ヒメバチ・コマユバチなどの寄生バチがやどっていることが多く、せっかく、さなぎになってもチョウが出ないでハチが出てくることがあります。

このようなときはハチのでたさなぎを標本にしてとっておき、それといっしょに、ハチも標本にしておきます。
そして、何というチョウの幼虫からでたということを紙に書いておきます。

チョウに寄生するハチは、ごく一部しか調べられていないので、これだけでも、立派な研究です。

幼虫を入れたシャーレやコップは、ふたをしたままで構いません。
たくさん入れすぎなければ、息がつまる心配もありません。
空気がかようようにすると、かえって中が乾いて、死ぬことがあります。

また、茶碗に6、7分めほど、湿った砂を入れ、茶碗の上に布をかぶせて、これをひもやゴム輪でぴんとはっておきます。

この上に、背の低いコップを逆さにかぶせ、コップの中に幼虫を入れておくと、ほどよい湿り気と風通しがあるので、丈夫に育てられます。

幼虫は、ふつう食物にする葉の上にとまっています。
その植物を覚えておいて、つかまえてからも、その葉を続けてやればよいのです。

あたえた植物を食べないときは、つかまえた場所の近くの植物を数種類とってきていっしょにやってみます。

幼虫は、そのなかから、自分の好きな植物を選びだすでしょう。

幼虫からさなぎへ

幼虫が脱皮するとき、形や色がかわることがあります。
これは、クレヨンなどで書きとめておきましょう。

このほか脱皮したてと、つぎの脱皮のまえに体長を測っておきましょう。

アカタテハやダイミョウセセリの幼虫は葉をまいて巣をつくります。
このような巣の形も、絵に描き、ものさしで長さも測っておきましょう。

さなぎをとってきて、かごの中に入れておくと、チョウが出てきます。
このとき、かごの底に湿った砂を入れておくとよいと言われています。

ガの仲間の飼育や観察も、チョウとあまりかわりません。

ただ、土の中から掘り出したさなぎは人の手で、もう一度うずめるよりも湿った茶碗の中に入れておいたほうがよいのです。




コケ・キノコ・海藻の標本の作り方とは? わかりやすく解説!

コケの標本

コケの標本は、いちばんかんたんです。

スギゴケの仲間(せん類)は、採集のところで説明したようにセロハンのふくろに入れて、そのままかわかせばよいのです。

ゼニゴケの仲間(たい類)は、水分が多いので、おし葉標本にしますが、せん類と同じようにしてもよいのです。

サルオガセの仲間(地衣類)は、たいへん水分の少ないものですから、せん類と同じようにします。


キノコの標本

ふつう、キノコは、よくごみを洗いおとして70パーセントぐらいのアルコールかホルマリソの5パーセントぐらいの液につけて、液づけ標本にします。

ツチグリやサルノコシカケのように乾きやすいものは、そのまま乾かしただけで標本(乾燥標本)にします。

海藻の標本

海藻は、おし葉標本か、液づけ標本にします。

海藻のおし葉標本

まず海藻を真水につけて、塩分や汚れをとります。

つぎに、真水を入れた大きなパットか、たらいに海藻を入れます。
そして、台紙を水の中に入れて、海藻の下にさしこみます。

この台紙の上に、ピンセッ卜か指先で海藻をよく広げます。
こうして、形をくずさないように注意しながら台紙といっしょに海藻をひきあげます。

このようにして、海藻をすくいあげた台紙を、ななめにした板の上にならべて水をきります。

水が垂れてなくなったら新聞紙を2、3枚重ねた上に台紙をならべて、上からさらしの布をかけます。



この上に、新聞紙を2、3枚のせて、その上に、またほかの台紙を重ねます。
こうして、新聞紙とさらしの布をかけた台紙とを、互い違いに重ねていきます。

こうして重ね終わったら、あとは、ふつうのおし葉標本と同じように上と下に板をおいて、上から重しをしておけばよいのです。

台紙に、さらしの布を被せるのは新聞紙に海藻がはりつかないようにするためです。

こうして、1日に1、2回、あいだにいれた新聞紙をとりかえます。
天気がよければ、3~5日ぐらいで乾きます。

よく乾いたら、重しをとって、布を静かに台紙からはなします。

たいていの海藻は、体からのりがでるので台紙にはりついていますが、はりつかないものは紙きれやセロハンテープなどで動かないように、ところどころをはりつけます。

ラベルも、ふつうのおし葉標本のように台紙のすみにはっておきます。

海藻の液づけ標本

液づけ標本は、広口びんなどに、5パーセントぐらいのホルマリン液か70パーセントぐらいのアルコール液を入れて、海藻を浸しておけばよいのです。

液づけ標本は、海藻を生きていたときと同じ状態で保存できますが色がかわる欠点があります。




植物の標本の作り方とは? わかりやすく解説!

おし葉標本

植物は、ふつう。おし葉標本にします。

おし葉標本をつくるには、そのための器械もありますが私たちは、もっとかんたんにつくることができます。


標本つくりの道具

道具は、小石をつめたミカンの空き箱と新聞紙つ折りくらいの大きさの板を2枚そろえます。

おし葉標本のつくりかた

採集してきた植物は、4つ折りにした新聞紙のあいだにはさみます。
長すぎるものは、茎をNやMやW字の形に折り曲げてはさみます。

草などの茎は、切れやすいものですから、茎を折るときは折り目をつめでつぶしてから折ると茎が切れません。

木などは、多すぎる枝をはさみで切り落とします。
葉も、多すぎて重なるものは葉柄を残して切り取ります。

葉は、なるべく表をだして、しわや折れ目がつかないようにします。
ただし、2、3枚の葉は、裏を出すようにしておきます。

新聞紙のあいだにはさんだらあいだに、新聞紙を4つ折りにして、2、3枚はさみます。

こうして、標本をはさんだ新聞紙と、あいだにはさむ新聞紙を互い違いに、何枚も積み重ねます。
木の枝や硬い葉の植物のときは、あいだにはさむ新聞紙を多くしてやります。

重ね終わったら、上と下に、用意した板をおきます。
そして、上から石や本などの重しをのせておしつけておきます。

あいだにはさんだ新聞紙は、面倒でも、毎日必ず取り換えるようにします。
新聞紙は湿っていますから、干して乾かせば、また使うことができます。

こうして、1週間から10日もすると、植物はすっかり乾いて、おし葉標本ができあがりますが葉が厚く水分の多いものは、もっと期間がかかります。

できあがった標本は、新しい新聞紙に入れ替えて、そのまま閉まっておいてもよいのですが、なるべく台紙に貼り付けるようにします。



台紙

おし葉標本をはりつける模造紙や画用紙のような厚い紙を台紙と言います。

標本は、小さな紙切れに、のりをつけて台紙にはりつけますがアラビアゴムやセロハンテープがあると便利です。

貼り付けるときは、あとで標本を見るのに邪魔にならないように注意します。

標本を貼り付けたら、台紙のなるべく右下のすみのところに小さな紙をはって、植物の名前・採集したところと月日、採集した人の名前などを書いておきます。

この紙をラベルと言います。

ラベルにはこのほか、植物の学問上の名前と科の名前を書いておくとよいのです。

こうしてできた標本は、虫がつかないようにナフタリンや、しょうのうなどを入れて、しまっておきます。

実や種の標本

種も、大切なものですから標本にします。

種は、たいてい小さくて、なくなりやすいものですから小さなふくろに入れて、その植物の台紙のすみに貼り付けておきます。

実も、小さくて乾きやすいものは、種のようにしておけばよいのですが大きくて水分の多いものは、キノコの標本などと同じように液づけ標本にしなければなりません。

まず、実をよく水で洗ってから、広口瓶にいれて70パーセントぐらいのアルコールかホルマリンの5パーセン卜ぐらいの液に浸しておきます。

これは、実が腐らないようにするためです。




シダ・コケ・キノコの採集のやり方とは?海藻の採集やり方とは?

シダ・コケ・キノコの採集

シダ・コケ・キノコなどは、日かげのじめじめしたところが好きなので森や林の中の日かげのところに多く見られます。

シダ・コケ・キノコなどは、なるべく胞子のふくろのついたものをとるようにします。

胞子は、花の咲く植物の花や実にあたるものだからです。


シダの採集

シダの仲間は、胞子のふくろのつきかたや葉の柄についた毛やうろこのようなもの(りんぺん)に特徴があり種類を見分けるのに役立ちますから、必ず、根や胞子のふくろのついたものを採集するようにします。

胞子のふくろは、たいていのシダでは、ふつうの葉の裏についていますが、なかには、ゼンマイ・シシガシラなどのように特別な葉についているものがありますから注意します。

コケの採集

コケはスギゴケの仲間(せん類)、ゼニゴケの仲間(たい類)、ウメノキゴケの仲間(地衣類)の3つにわけられます。

たいてい、地面や木の幹や岩の上などにはえています。

けれども、サルオガセのように、高い木の枝について糸のように、たれさがっているものもあります。

せん類は、ふつうの植物のように、おし葉標本にしてもよいのですが採集したら土をおとしてセロハン紙でつくった縦・横それぞれ10センチぐらいのふくろに入れそのまま、自然に乾かしたものでも、よい標本になります。

たい類は、せん類と違って水分が多いので、おし葉標本にします。

せん類とたい類の採集で、注意することは胞子のできるめかぶと胞子のできないおかぶの別があるものが多いことです。

このような種類は、なるべくめかぶとおかぶを両方とも採集しなければなりません。

地衣類は、さまざまな形のものがありますが、せん類と同じようにセロハンのふくろに入れて、自然に乾かせば標本になります。
 
コケも、草や木やシダと同じく、採集した場所や月日を書いておきますが、なお木の幹・岩の上などと、はえていたところも書いておきます。

キノコの採集

キノコの仲間は、秋に、いろいろな種類がはえるので秋が採集に適しています。

キノコは、たいていやわらかく、壊れやすいので、持ち運びに注意します。
とくに、ハツタケやベニタケなどは、壊れやすいものです。

また、キノコには毒のあるものが多いので、食用にするためのキノコの採集は、よく種類を調べなければなりません。

それには、先生やキノコの種類をよく知っていいる人に聞くのがよいでしょう。



海藻の採集

海藻は、ふつう磯で採集しますが、そのほか砂浜でも採集します。

海岸の深さは、潮の干満によって違いますから、いちばん浅くなる大潮の日の干潮のときが採集に適しています。

また、海藻は1年生のものが多く、たいてい、春から初夏にかけて、いちばんよくしげります。

ですから、海藻の採集は、昼の潮が1年中でもっともひく4、5月の大潮のころが、いちばんよいことになります。

海藻採集の道具

足には、布でできたそこの厚い足袋か、ワラジや草履を履きます。
海藻の入れものは、どうらんよりも、かごや布ぶくろ、
ビニルのふくろなどが、便利です。

また、小さな海藻を入れるために、くだびんや広口びんなどを用意します。

このほか、ピンセット・ナイフ・ハンマー・たがね・いそがね・かま
水中眼鏡か、のぞき箱などがあれば充分です。

採集の注憲

海藻は、はえている場所や時期により、形がかわっていることが多く反対に種類が違っても、形が似ていることがあります。

また、同じかぶでも、上と下で形が違うことがあります。

ですから、同じ種類と思っても、なるべく多くとり、とるときは海藻全体をとるようにします。

また、採集が終わったら使った金具は必ず、真水で洗っておきます。

磯採集

磯採集は、潮がひいて浅くなった海岸や手の届くような浅いところにはえている海藻をとります。

このときは、海藻のはえている様子や、はえているところにも注意します。

砂浜の採集

砂浜の採集は、台風などによって、海が荒れたつぎの日に砂浜に打ち上げられた海藻を集めます。

深いところにはえている、思いがけない種類の海藻が、とれることがあります。




植物の採集のやり方とは? 草や木の採集のやり方とは?

植物採集の道具

植物の採取は、道具ががなくてもできますが、やはり道具があると便利です。

道具には、自分でつくれるものもありますから、かんたんなものはつくるようにしましょう。


どうらん

採集した植物を持ち運ぶのに、遠いところでとってきたものなどは時間が経つと、しおれてしまいます。

このようなときに、どうらんを使います。

どうらんは、ブリキやトタンでできたカバンのような入れ物で大きさはいろいろあります。
かたから、ひもでさげるようにできています。

やさつ

採集した植物を運ぶのに、どうらんのかわりに、やさつを使うこともあります。

やさつは、竹や金網やベニヤ板を2枚あわせて、ひもで肩からさげられるようになっています。

そのあいだに、新聞紙や吸いとり紙をいれて採集した植物を紙にはさんで運ぶのです。

根ほり

植物は、なるべく根もいっしょに採集するのが、正しい方法です。
根を掘りとる場合は根掘りを使います。

根掘りは、鉄でできていますが竹などを使って、自分でつくることができます。

長さ30センチほどの太い竹を4つに割って、その先を削ってとがらせ、もとのほうを手で握れるようにすれば、根掘りとして使えます。

そのほかの道具

このほか、せん定ばさみ・木ばさみ・虫眼鏡(ルーペ)・ノートーテープ・鉛筆や万年筆、新聞紙などを用意すると、便利です。

また、森林へいくときは、先の曲がったステッキのような棒をもっていくと高い木の枝などをとるときに便利です。

採集した植物のかんたんな持ち運びかた

どうらんややさつを使わずに採集した植物をかんたんに持ち運ぶこともできます。
それには、新聞紙とビニルのふろしきがあればよいのです。

まず、葉の厚い木や草、イネ科やカヤツリグサ科の植物のように
葉の硬いものは何本もいっしょにし、新聞紙に包んで上からひもでしばります。

また、やわらかい種類のものは、やさつにはさむように
新聞紙に1本ずつはさみ、はさんだ新聞紙をいっぽうからまるくまいて、
ひもでしばります。

こうしたものをビニルのふろしきで包んでおけば
植物の形を崩さないで、持ち運ぶことができます。

このほか、週刊誌や列車の時刻表などを利用する方法もあります。

採集した標本を新聞紙などにはさむのと同じように週刊誌や時刻表にはさめば、リュックサックやカバンなどのようなものに入れても植物の形が崩れないので便利です。



草や木の採集

植物は、土地や季節によって種類が違います。
採集するときは、土地や季節の違いに注意しなければなりません。

また、小さい草は、見落としやすいものです。

草の採集

植物の採集は、家の近くの草からはじめます。
庭や道ばたの雑草から、野原、池や川、森や林、山と、しだいに場所を広げていきます。

はじめは、どんな草でもとりおとさないように採集します。
そして、必ず、つぼみや花の実のついたものをとります。

葉と茎だけでは、完全なものとは言えないのです。
また、同じものがたくさんあるときは、そのなかでいちばんよいものを採集します。

そして、できるなら、同じものを何本もとっておきます。

採集した植物は、紙テープなどに採集した場所・年月日などを書いて、茎にむすんでおきます。
場所は、都・道・府・県・郡・市・町・村などを書きます。

木の採集

木も草と同じように採集します。
大きな木は根をとることができませんから、枝だけにします。

花や実がついているとよいのですが草と違って、葉だけで特徴がわかることもあります。

切り取る大きさは新聞紙4つ折りぐらいが、持ち運びに便利です。




海辺の動物の採集のやり方とは? 標本の作り方とは?

採集の道具

いそのみ

岩などにくっついていて、なかなか獲れない貝などを、はがすときに使います。古い小刀でも代用できます。

根ほり

植物採集用の根ほりは、砂の中の動物を掘るのに便利です。

ピンセット

採集用のピンセッ卜は、なるべく大きな、そして丈夫な鉄のものが便利です。

海辺で売っている、さじ網でも構いませんが水に住むごん虫に使う特別な網もよいでしょう。

水中眼鏡

水の中をのぞくのに使います。漁師の使う「のぞき」は、たいへん使いよいものです。

採集ぴんと管びん

ふつうウミウシ・イソギンチャクなどの採集には、採集瓶を使いますがプラスチックの入れものにひもをつけて、腰にぶら下げるようにすると便利です。

管びんは、エビや小ガユなどを何匹もいっしょに入れると足やはさみがとれてしまうので、1匹ずつ入れるのに使います。

このほか、ヒトデ・ウニ・貝などをいっしょにいれる布ぶくろや小魚などを入れるビニルぶくろも用意します。

プランクトンネット

プランクトンの採集に必要で、ほかのものでは駄目です。

わらぞうり

これを履いていると、岩の上にはえている、ぬるぬるした海藻などの上を歩くときに、滑らないですみます。

また、裸足で歩くと貝殻やガラスの欠片で怪我をすることもあって危険ですから、古い足袋か靴下などをもっていくほうがよいでしょう。


海辺での採集

海辺へ採集に行くときは、満潮のときを避けて、干潮のときにいきます。

砂浜での採集

海水浴や潮干狩のできるような遠浅の砂浜は、採集にも都合のよいところです。
潮がひいたあとの砂の上には、ぴんぴん跳ねまわるトビムシの類がいます。

また左右のはさみの大きさの違うシオマネキというカニがいますし、ヒトデもいます。

砂の中には、さまざまな二枚貝や、ゴカイ・アナジャコなどがもぐっています。

標本にするものは、みな、生きている新しいものを採集するようにしなければなりません。

岩浜での採集

岩浜は、磯とも言われ岩が多く、こみいった形をしているので、いろいろな海藻がはえており海産動物の種類も砂浜にくらべてずっとたくさんいます。

動かせるような岩があったら、起こして下側を調べてみましょう。
ただし、観察や採集が終わったら、必ず元通りに直しておくことが大切です。

岩に硬くくっついているヒザラガイやヨメガカサなどは、いそのみを使って、まわりを傷つけないようにとります。

また海岸で湯をわかして、それをかけると、楽にとれます。

このほかに、岩にはタマキビやイシダタミなどの巻貝の仲間が、たくさんついています。

岩かげの暗いところには、カイメンやホヤがついています。
竹べらか、いそのみで、はがして採集しましょう。

潮だまりでの採集

潮がひいたあと、岩の上にできる海水の水たまりを潮だまり(タイトプール)と言います。

小さな潮だまりには、あまり動物はいませんが、大きな潮だまりには逃げ場をなくした魚や、そのほかの生きものがたくさんいます。

この潮だまりは、波がなく、底がよく見え、魚などでも、すくいやすく、採集には、非常に便利です。

海藻のあいだには、めずらしいウミグモやヨコエビなどのほか
海藻とそっくりの色や形をしたものが、たくさんすん住んでいます。



プランクトンの採集

プランクトンか採集するには、岩浜や砂浜だけでなく、船で沖へでます。

船をこぎながらプランクトンネット(網)をひいていると海面近くのプランクトンがとれます。

船をとめて網を長くおろし、深いところのプランクトンをとることもできます。
深いところのものだけをとるときは、ひきあげるまえに、網のところの瓶に、ふたをするしくみのものを使います。

同じ日でも、朝と夕方と夜とでは、とれるプランクトンは少し違います。
夏と冬とでも違います。

プランクトンの採集は、時刻や場所、深さなどに応じて、
いろいろにやってみることが大切です。

採集したものは、とった場所と時刻を記録して瓶に入れ
家に帰って、顕微鏡で調べてみましょう。

標本のつくりかた

貝は湯で殺し、なかみをよく観察してから捨て、貝殻だけをとっておきます。

まき貝のまるいふたもとっておきます。
貝殻が泥やごみで汚れているものは、よくふいてきれいにし表面がはっきりするようにしましょう。

整理をするには、ボール箱か、木の箱をいくつにも区切り、その1つ1つの底に綿を敷いて、その上に乗せるようにします。

傾けたり、動かしたりするとき、ぶつかりあわないように、綿を加減します。
そのほかのものは、ホルマリンづけ、あるいはアルコールづけの標本にします。

アルコールのほうがよい場合もありますが蒸発しやすく、値段も高いので、ホルマリンのほうがよいでしょう。

エビやカユは数日間ホルマリソにつけてから形を整えて陰干しにすると乾燥標本にすることができます。

いっぽう、これらは液づけ標本にすることもできますが色素が溶け出して液が褐色になるので、そのたびに液をかえてやります。

こうすると、標本はすっかり白くなり、液も、透明の美しいものになります。

瓶は、適当な大きさの管びんや標本びんを使います。
ごく小さなものを標本にするときは管びんに入れ、いくつかいっしょにして、さらに標本瓶に入れます。

できあがった標本は、大切に扱い、いつも見えるようにしておけば、よい勉強になるでしょう。




水中に住む生物の採集のしかたとは? 標本のつくりかたとは?

エビ・カニ・貝の採集

エビはよく跳ねるし、カニは横にはうという性質があります。
つかまえるときに、この性質を利用することが大切です。


小さなヌマエビは水草にたくさん集まっています。
少し大きなテナガエビは川底にいます。

どちらも、網で尻のほうからかぶせるようにすると驚いて、うしろに跳ね、しぜんに網の中に飛びこんできます。

また、ミミズなどをえさにしてつることもできます。
ザリガエも、同じようにしてつかまえます。

小川に住んでいるサワガエは、よく石の下などに隠れていますから、そっと石を起こして探します。
すぐ横になって逃げますから、横からあみでつかまえればよいでしょう。

小川や沼にいるシジミやカラスガイは底の泥の中にもぐっています。
これは、貝かき網でひくと、いちどに、たくさんとれます。

カラスガイなどは、大きいので水の中で手探りで探しても、かんたんに採集することができます。
タニシは、淡水の池や水田の泥底でとれます。

小川の貝をとるときは、種類によって寄生虫がいるので注意しなければなりません。

最も恐ろしいのは、ニホンジュウケツキュウチュウの子虫で、これはミヤイリガイ(カタヤマガイとも言います)に寄生しています。

ですから、この貝の住んでいる地方では、うっかり小川などに足を入れると、この寄生虫の子虫が、皮膚から体内に入って血液中に寄生しますから注意しなければなりません。

水中に住む昆虫の採集

小川や池の水面を、すいすいと走るアメンボやミズスマシは手網をかぶせるようにして、たやすく、とらえることができます。

水中を泳ぎまわるゲソゴロウや、タガメ・ミズカマキリ・タイコウチなどは、ときどき、水面に浮かんでは空気を吸って、また水中に沈みます。

このような虫は、浮かんできたところを、網ですくえばよいでしょう。

とらえたものは、水をいっぱい入れて、ふたをしておくと呼吸ができなくなって死んでしまいますから水は瓶の3分の2くらい、入れておきましょう。
 
水に住む昆虫にも、夜、明かりをつけておくと飛んでくるものがありますから、家の中ででも採集できます。

また、池や川の底にある、大きな石をおこしてみるとミノムシのような巣をもったトビケラの幼虫がいたり卜ンボの幼虫のヤゴが見つかったりします。

ホタルの幼虫も、日中は川底の石の下などに隠れていますが夜は親と同じように光るので、見つけることができます。

ヘイケボタルは、きれいな水が流れているところにいます。
ゲンジボタルは、川の淀んだところにもいます。

フサカ・ユスリカ・カゲロウの幼虫も、池の底で見つかります。
これらは、ピンセットでつまんで採集瓶に入れます。

トンボは、よく水面近くを飛んでいるので小川や池のほとりは、とてもよい採集地です。
アカトンボは、腹の先で水面を叩くようにして、たまごを生みます。

ヤンマの仲間は、水草につかまり、腹を水中につけて水面より下の茎の中にたまごを生みつけます。

このような水草の茎をたんねんに探せばトンボのたまごを採集することができます。



カエルの採集

カエルの種類はたいへん多く、種類によって産卵期が違いますが、たまごの採集ができるのは、春さき(2月中旬~3月中旬)と初夏(6月前後)の2回です。

春さきには、アカガエルやヒキガエルがたまごを生みますし初夏のころにはトノサマガエル、6月中旬にはモリアオガエルがたまごを生みます。

採集したたまごは、空き瓶か、空き缶に入れて持ち帰ります。
1、2週間経つと、オタマジャクシがかえります。

オタマジャクシをとるときは、たま網ですくえば、ごくかんたんです。
ヒキガエルのオタマジャクシは、6月はじめに小さなカエルになります。

このころオタマジャクシがいた池のふちなどには、かわいらしいカエルが、たくさん這い上がってきます。

親ガエルは、春さきに冬眠から覚めて、たまごを生みに池のまわりに集まってきたときや池の中を泳いでいるときに、網でつかまえるのがよいでしょう。

トノサマガエルやツチガエルは、網ですくったりミミズのえさでつることができます。

標本のつくりかた

水中に住む動物を標本にするには、採集したら、すぐにガラスの標本瓶に入れ、70パーセントのアルコールか、10パーセントのホルマリンにつけておきます。

しかし、魚類は、長いあいだに色が消えて、白っぽくなるのが欠点です。
カエルなどは、骨格標本にすると骨のしくみがとてもよくわかります。

それには、まず、カエルをエーテルで麻酔させ皮膚をはぎ、内臓や目立った筋肉を取り除きます。

それから80度ぐらいの湯の中でゆっくりにて骨のまわりに残った筋肉などを、丁寧に取り除いて標本にします。

きれいに仕上げるには、さらに、うすい水酸化ナトリウム液につけるか、しばらく水につけてからよく洗い、陰干しにして乾燥させます。




池・小川の動物の採集方法とは? 魚やたまごの採集のやり方とは?

魚をよく観察し、実験するためには生きたままつかまえて、飼育しなければなりません。

魚をとる方法には、いろいろありますが、そのなかで、いちばんかんたんなのは、たま網ですくいとる方法です。


メダカなどは、たま網を水面から叩くようにかぶせると、よくとれます。

4つ手網を使うと、いちどに多くの小魚をとることができます。
これは、網にえさをのせて水中に沈め魚の集まったころに引き上げてとるものです。

すくってとる場合には、たま網や4つ手網より、さじ網のほうが便利です。
また、群れをなしている魚には、と網がよいでしょう。

獲った魚は網の上で長くぴちぴち跳ねさせておくと、すぐ弱ってしまいます。手早く、水の入った入れ物にいれることが大切です。

かいぼり

かいぼりは、魚がいそうなところの水をかいだしてとる方法です。
小川などでは流れをせきとめ、また池の水ならば、流しだすか、くみあげてしまいます。

そのあとを、網ですくえばよいのです。

釣り

大きな池や川で魚をとるには、釣りが第一でしょう。
えさは、釣る魚の種類や季節によって、かえなければなりません。

フナをつるには、冬はアカムシ(ユスリカの幼虫)春はキジ(シマミミズ)、夏から秋にかけては、ねりえがよいでしょう。

ライギョやナマズはカエルの足をえさにしてつります。



びんどう

びんどうと言うのは、びんの底に、ろうと状の穴をあけたもので魚の習性を利用して、かんたんに魚を生け捕りにする仕掛けです。

瓶の中には、米ぬかやおし麦を入れ、口をあみかガーゼでふさいでおきます。

びんどうの口は上流のほうに向けて、川底に沈めておきます。
すると、魚は、えさをもとめて、びんどうの底の穴から、中に入ってしまいます。

おもしろいことに、魚は壁にそって泳ぐ性質があります。
このため、びんどうの中でも、壁にそって泳ぎまわりびんの底に穴がおいているのに、外に出ることができないのです。

だから、沈めてから数時関して引き上げれば、たやすく数多くの魚を採集することができます。

しかも、魚に傷がつくことは、まったくありません。

竹どう

びんどうと、しくみがよく似ていて、竹でつくったものに、竹どうがあります。
これは竹でできた細長いかごの底に、ろうと状の穴をあけておくのです。

ウナギをとるものをウナギどう、ドジョウをとるものはドジョウどうナマズをとるものはナマズどうなどと、いろいろな種類があります。

魚のたまご

川魚のたまごはふつう、水草などに生みつけられているので探し出すのはたいへんです。

池で飼っているコイやフナなら、5、6月のたまごを生む時期にシュロなどの束を入れておくと、それにたまごを生みつけます。

キンギョの場合も、シュロの束を入れておきます。
メダカなどは、飼っている水槽の水草によく生んでいます。




乾燥標本のつくりかたとは? 液づけ標本のつくりかたとは?

標本のつくりかた

どんなにたくさんの虫をとっても、あとの整理を正しくしなければ、なんにもなりません。

しかも、生きものを無駄に殺すことにもなります。
昆虫採集をしたら、必ず立派な標本をつくるようにしなければなりません。

昆虫標本のつくりかたには乾かしてつくるものとアルコールなどの液につけてつくるものとの、2通りあります。


乾燥標本のつくりかた

チョウ・ガ・トンボなどは、おもに羽根を広げた形の標本をつくります。

まず、てんし板・ピンセット・柄つき針・虫ピン・おさえ紙(こしの強い丈夫な紙を細長く切ったもの)を用意します。

三角紙からてんし(羽根を広げること)しようと思う虫をとりだします。
そして、胸部の背中側のまん中から虫ピンをさし針が背中に4分の1ほど残るようにして、まっすぐに溝にとめます。

つぎに、おさえ紙を溝の少しわきにとめ静かに羽根を広げます。
そして柄つき針で前羽根の前の淵をひっかけ左右の羽根のうしろのへりが一直線になるまで形を正します。

うしろ羽根も、少し左右に開き、形を整えます。
トンボでは、うしろ羽根の前のへりが、一直線になるようにするのです。

ここまでできたら、おさえ紙で羽根をびちっととめ最後に、ひげや腹の形も整えて針で支えます。

てんしができたら、ごみのかからない、そして、ネズミの害を受けないような、風通しのよい場所に、10日ぐらいおいて乾かします。
虫の体が、充分に乾いたら、丁寧に、てんし板から外して標本箱に入れます。

トンボの場合は、死んでしばらく経つと、あの美しい色が失われてしまいます。

これをふせぐには、トンボが生きているあいだに腹の下側をはさみで縦に切り、内臓を丁寧に取り出します。

そして、腹部が折れないように乾いた草の茎でつくった細い芯を腹のはしから頭までさしておきます。

なお、長いあいだ、三角紙に入れておくと体が固まってしまう場合があります。

このときは、空き缶の底にだっし綿を平らにしき水で湿らせて、その上にてんしをする虫をのせます。
そしてカビがはえないように、石炭酸水を少し垂らしておくのです。

こうして1週間も経てば、元通りのやわらかさになりますから、これをてんしします。

バッタ・セミなどは胸にピンをさしてコルク板などの上にとめ、ひげ、足の形を整えて、10日間ぐらい乾かします。
甲虫の場合も同じですが、針は右前羽根のつけねにさすようにします。

また、バックやキリギリスなどのように内臓の多いものは、トンボと同じように内臓を取り出します。

つぎにホルマリンをしませた綿でふき最後に綿を腹につめて、もとの形にします。

針がさせないような小さな虫は、名刺などの紙を適当な大きさに切り、これにセメダインやアラビアゴムなどで、貼り付けます。

この紙を針でさして、標本にするのです。

この方法のほかに、ダブルピンという針に小さな虫をさして標本とすることもあります。

こうすると、虫の体の腹側を見ることができるので研究には、都合がよいわけです。



ラベルのつけかた

標本ができあがったならば、ラベルに採集地・採集年月日,採集者名などを正確に記入して、虫をさしてある針にさします。

このラベルがついていないと標本はほとんど、値打ちがなくなってしまいます。

生物を調べるには、採れた場所や季節が大切だからです。
たとえ、面倒でも、ラベルは、必ずつけなければなりません。

液づけ標本のつくりかた

クモや昆虫の幼虫は、乾燥標本にすることもできますが、ふつうは、70パーセソトのアルコールかホルマリンの10倍液(薬局で売っているホルマリンを水で10倍にうすめたもの)につけて液づけ標本にします。

そして、採集地・年月日などを、鉛筆で紙に書き、いっしょに入れておきます。

瓶の外からみやすい液づけ標本をつくるには適当な量の脱脂綿の上に幼虫などの形を整えて、そのまま静かに瓶に入れ綿と瓶の内面で標本をおさえるようにして、液づけにします。




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