滑車の利用とその利用例とは? わかりやすく解説!

滑車の利用

私たちの生活には、いろいろのところに、滑車が利用されています。
校庭の旗竿の先や、鯉のぼりを上げる竿の先には定滑車が使ってあります。
いまでも、農村に行くと見られる車井戸も、定滑車です。

このほか、工場・駅・建築工事場・港などで見られるクレーンや重い物を持ち上げるチェーンブロックにも組み合わせ滑車が使われています。


クレーン

重い荷物を軽々と持ち上げて、右へ左へと自由に運ぶクレーンは滑車と輪軸のはたらきを、上手に組み合わせてあります。

クレーンには、いろいろの種類がありますがはたらきの原理は、みな同じです。

自由に傾きをかえられる腕の先に定滑車と動滑車を組み合わせたものが、つるしてあります。

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上の写真は、定滑車と動滑車を上手に利用したしゅんせつ船です。
これには、動滑車についているかぎ(フック)のかわりに川底の土や砂をさらう腕が取り付けてあります。

港で荷物を積み下ろしするクレーンも大きな鉄の枠に滑車と輪軸のしくみが取り付けてあって全体がレールの上を動くようになっています。

上の写真は、港の倉庫に取り付けられた壁クレーンです。
船から直接倉庫に入れられるようになっています。

チェーンブロック

これは歯形をつけた組み合わせ滑車でロープのかわりにチェーンが使ってあります。

チェーンは、1つの輪になっていて歯形をつけた滑車とかみ合っているため、チェーンから手をはなしてもつり下げてある物が、落ちるようなことはありません。

ひとりの力でも、重い荷物を持ち上げられるので便利です。




定滑車と動滑車の仕事の量のあらわし方とは? わかりやすく解説!

滑車と仕事

滑車を使うと、力で得をしたり力の方向をかえることができることがわかりました。

動滑車を1つ使って重りを上げる場合には、ひもを引く力が重りの重さの半分の力ですみますから、力で得をしていることになります。

しかし、重りを10センチ上げるにはひもを2倍の20センチ引き上げなければなりません。

また、定滑車を用いると力の方向がかわるだけで力の大きさの損得はありません。

したがって、10グラムの重りを10センチだけ上げるには20グラムの力で、10センチだけたぐればよいのです。


定滑車と動滑車の仕事

動滑車のひもの一方は同定されています。

他方のひもを引き上げるとき、固定されている方のひもの分までつり上げなければならないため、ひもを引く長さは重りを上げる距離の2倍かかります。

これを、動滑車の仕事の量で考えてみましょう。

仕事の量は、物体におよぼした力の大きさとその力によって物体が動いた距離との積であらわします。

ですから、動滑車を使ったときの仕事の量はつぎのような式であらわすことができます。

(重りの重さの1/2倍の力)×(重りが動いた距離の2倍)=(重りの重さに等しい力)×(重りが動いた距離)

となります。

ですから、仕事の量には、かわりがありません。
したがって、動滑車を用いないで重りを上げる場合も動滑車を用いる場合も、仕事に損得はありません。

定滑車を用いたときの仕事は重りの重さに等しいカで重りが動いた距離だけ動かせばよいので、定滑車の仕事の量はつぎのような式であらわされます。

(重りの重さに等しい力)×(重りが動いた距離)

したがって、定滑車の場合にも、仕事に損得はありません。

たとえば、10キログラムの荷物を2メートル持ち上げたときの仕事の量は10(kg)× 2(m)= 20(kgm) となります。
 
これを、定滑車を用いて、滑車に仕事をさせるときは10キログラムの荷物を滑車が上向きに2メートルほど動かすことになります。

つまり、滑車が荷物に、10(kg)× 2(m)= 20(kgm)の仕事をしたわけです。

滑車が、荷物に仕事をするためには人が滑車にそれだけの仕事をしなければなりません。

定滑車の場合、人が、ひもを引く力の大きさは荷物の重さに等しいカで2メートルだけ下に引っ張ればよいのですから10(kg)× 2(m)= 20(kgm)の仕事を、人が定滑車にしています。

動滑車の場合には、10キログラムの半分の力でひもを引く距離は荷物が動いた距離の2倍の距離ですから。

10(kg) × 1/2 × 2(m) × 2 = 20(kgm)の仕事を、人が動滑車にしています。



組み合わせ滑車の仕事

定滑車と動滑車を組み合わせた滑車では動滑車を使うことによって、力で得をして距離で損をしています。

定滑車を使うことによって、力の方向がかわるだけで力でも距離でも損得はありません。

たとえば、下の右図のように、定滑車1つと、動滑車1つの組み合わせ滑車で、40キログラ厶の重りを、1メートル上げたとき、組み合わせ滑車がする仕事は、つぎのようになります。

40(kg)× 1(m)= 40(kgm)

滑車が、それだけの仕事をするには人が滑車にそれだけの仕事をしなければなりませんから仕事の量は40(kg) × 1/4 × 1(m) × 4 = 40(kgm)となります。

また、定滑車と動滑車をそれぞれ3つずつ組み合わせた滑車では滑車が60キログラムの重りを1メートル引き上げたときの仕事の量は60キログラムメートルです。

滑車が、重りにそれだけの仕事をしたわけですから人が、それだけの仕事をしなければなりません。

ですから、滑車を使っても、仕事で得したということはありません。
このことは、滑車にかぎらず、てこ・斜面・輪軸などの場合にも成り立っています。

人が機械を利用するのは、仕事で得をするためではなくて力が距離で得をするためです。

実際には、摩擦がありますから機械が物体にする仕事よりも少し大きな仕事を、人が機械にあたえなければなりません。

ひもを斜めに引いたときの仕事

今までは、物体にはたらいている力の向きに、物体が動く場合でした。
ところが物体が動く方向と力の向きが、違っている場合もあります。

定滑車で、重りを引き上げるとき、ひもを引く力は、引く方向に関係なく、重りの重さと等しい力で、引っ張ればよいわけです。

ところが、動滑車で、重りを引き上げるときは、ひもを引く力の大きさが、引く方向によって違っています。

動滑車の場合、ひもを引く方向が、鉛直方向であるときは引く力の大きさが、重りの重さの半分でよいのですが図のような方向に引くときは、力の大きさが重りの重さの半分より大きくなります。

これは、固定されているひもが、支点の役目をしているからです。
したがって、動滑車の場合、ひもを引く方向が、鉛直方向であるときがひもを引く力の大きさは、いちばん小さくてすみます。




滑車の組み合わせによるはたらきの違いとは? わかりやすく解説!

滑車の組み合わせ

動滑車を使うと、力を得することができますが、重りを上にあげるには滑車のひもを、上に引き上げなければなりません。

また、定滑車を使うと力で得することはありませんが力の向きをかえることができます。

そこで、定滑車と動滑車を、いくつか組み合わせると両方のはたらきをいっしょにすることができ、たいへん便利になります。

つぎに、いろいろの滑車の組み合わせについて、調べてみましょう。
しかし、滑車の重さや摩擦などは、考えに入れないことにします。


動滑車1つと定滑車1つ

この組み合わせでは、動滑車のはたらきで力の得をして、定滑車のはたらきで、力の方向をかえます。

組み合わせ方は、上の写真のように2通りありますが原理は、どちらも同じです。

動滑車を用いると、ひもを引く力は滑車と重りの重さの半分でよいわけですが滑車の重さを考えにいれなければ、ひもを引く力は重りの重さの半分でよいわけです。

定滑車1つだけでは、力の方向をかえるだけで力を得することはできませんから、この組み合わせ滑車を用いるとひもを引く力は、動滑車1つを使ったときと同じ力に等しいわけです。

たとえば、この組み合わせで、100グラムの重りを引き上げるには50グラムの力で引けばよいことになります。

動滑車2つと定滑車1つ

まえの動滑車1つと定滑車1つの組み合わせに下の図のように動滑車を、もう1つ加えた組み合わせ方です。

重りをつるしてある第一の動滑車のひものはしは第二の動滑車の軸につるしてあり、第二の動滑車のひものはしは定滑車にを通してあります。

第一の動滑車から第二の動滑車にかかるひもAには重りの重さの半分の力が加わります。

また、第二の動滑車から定滑車にかかるひもBにはAにかかる力の、さらに、半分の力がかかることになります。

この組み合わせ滑車で第一の動滑車に100グラムの重りをつるしたとき、その重りを引き上げるには

(重りの重さ)× 1/2 × 1/2 = 引く力

の大きさの力で、すむことになります。
つまり、

100 × 1/2 × 1/2 = 25

で、25グラムの力で引けばよいわけです。左の写真は、さらに、動滑車1つを加えたものです。

第一の動滑車のはたらきで、重りの重さは2分の1に第二の動滑車のはたらきで、さらにその2分の1になり第三の動滑車のはたらきで、さらに2分の1になります。

ですから、ひもを引く力は、

(重りの重さ)× 1/2 × 1/2 × 1/2 = 引く力

の大きさの力となります。

このような組み合わせ滑車では動滑車の数を、4つにしても、5つにしても同じような考え方でよいわけです。

定滑車3つと動滑車3つ

下の図のように、定滑車3つと動滑車3つを組み合わせた滑車では動滑車を支えている6本のひもには、それぞれみな同じ力がかかります。

というのは、動滑車にかかるそれぞれのひもがみな重りをつるしていることになるからです。

したがって、1本のひもにかかる力は、重りの重さの6分の1になります。

この組み合わせ滑車では、ひも1本にかかる力はひもの数が多くなるほど、つまり、滑車の数が多くなるほど小さくなります。

いま、図の動滑車に、60グラムの重りをつるしたとき定滑車のひもを引く力は60グラムの6分の1、10グラムの力で引けばよいのです。

定滑車2つと動滑車2つ

この組み合わせ滑車では、定滑車は定滑車で動滑車は動滑車で、1つの軸を縦にならべたものです。

下のA図で、定滑車の軸の下につるしたひもは小さい動滑車を通して小さい定滑車へ大きい動滑車を通して大きい定滑車へと1本のひもで定滑車と動滑車のあいだを往復させた組み合わせ滑車です。

動滑車をつるしているひもは、全部で4本ありますから1本のひもには重りの重さの4分の1の力がはたらいていることになります。

たとえば、A図のように、40グラムの重りを引き上げるには動滑車をつるしている4本のひもに、それぞれ10グラムの力がはたらいているわけです。

したがって、10グラムの力でひもを下に引っ張ればよいことになります。



動滑車2つと定滑車3つ

B図のように、ひものはしを動滑車の軸の上につるすと定滑車は1つ増えることになります。

B図の組み合わせ滑車が、A図のそれと違うところは定滑車が1つ増えたことですが、定滑車が1つ増えることによって動滑車をつっているひもの数が1本増えることになります。

ですから、この組み合わせ滑車にA図の組み合わせ滑車につるした重りと、同じ重さの重りをつるすと定滑車が1つ増えただけ、力は小さくてすみます。

40グラムの重りをつるしたときひもを引っ張る力は、5分の1の8グラムでよいわけです。

このような組み合わせ滑車では、ひもを引っ張る力の大きさは動滑車をつっているひもの本数によってかわってきます。

つまり、同じ重さの重りをつるし上げるにはひもの本数が多ければ多いほど、力は小さくてすみます。

したがって、ひもを引っ張るときの力の大きさを考えるときは動滑車をつっているひもの本数を数えそれらのひも1本1本に重りの重さがかかっていることを考えに入れなければなりません。

定滑車3つと動滑車3つ

さらに定滑車1つと動滑車1つを増やして定滑車3つと動滑車3つの組み合わせ滑車を考えてみましょう。

A図の組み合わせ滑車もB図の組み合わせ滑車も同じ数だけの定滑車,動滑車とを用いた組み合わせ滑車ですがA図では滑車を縦にならべ、ひもの組み方をわかりやすくしたもので、B図では、共通の軸を持たせ、定滑車は定滑車どうし動滑車は動滑車どうしでいっしょにしたものです。

この2つの組み合わせ滑車は、いずれもひものはしが定滑車の軸の下につないであります。

動滑車をつっているひもの本数は、全部で、6本ありますから重りの重さは、それぞれひも1本1本に等分され1本のひもにかかる力の大きさは、重りの重さの6分の1になります。

たとえば、600グラムの重りをつるすには6本のひもにそれぞれ100グラムずつの力がはたらいているので100グラムの力ですむにわけです。

このように、組み合わせ滑車では力の大きさがひもの多少によって、違います。




定滑車と動滑車のはたらきとは? わかりやすく解説!

定滑車と動滑車

溝のついた車が、軸のまわりをまわれるようにしたものを滑車と言います。
この滑車は、使い方によって、2つの種類にわけられます。

滑車の軸を、動かないように、しっかりと枠に取り付けて溝にかけたひもを引くと車だけがまわるようにしたものを定滑車と言います。

また、軸が動くようになっていて、ひもをひくと、車がまわりながら
滑車全体が動くようにしたもりを動滑車と言います。

私たもの使っている機械には滑車のはたらきを利用したものが、たくさんあります。


定滑車のはたらき

定滑車にかけたひものはしに重りを結びつけてもう一方のはしをひくと重りがあがっていきます。

ひもをひく力は、下向きにはたらいていますがこの力が、ひもを通して重りに伝えられるときには上向きの力になっています。

このように定滑車では、上から下へひっぱる力で重りを下から上へ持ち上げるわけですから力の方向をかえるはたらきをします。

下向きの力で、重りを上にひきあげることができるのは私たちにとって、たいへん便利なことです。

もし、重りにひもをつけて、直に上にひきあげなければならないとすると、自分が高いところにのぼっていなければなりません。

そのうえ、悪い足場で、不自由な姿勢で力を出さなければならないので大きな力は出せません。

ところが、定滑車を使うと、便利な足場を、自由に選ぶことができます。
また、自分の体重を利用して、ひもをひけばよいわけですから楽に大きな力が出せることになります。

それでは、ひもをひく力は、どれほどいるでしょうか。

写真のように、ひもの両はしに同じ重さの重りをつけるとつりあって動きません。
しかし一方の重りを、ほんの少しだけ増してももう一方の重りが引き上げられます。

このことから、ひもをひく力は重りの重さと同じでよいと考えられます。

定滑車は、ちょうど真ん中が支点になっているてこと考えることができます。

支点から作用点までの距離と、力点までの距離は、滑車の半径です。
このようなてこは、両側の力が等しいときに、つり合います。



動滑車のはたらき

動滑車では、力の向きはかえられませんが力の得ができます。
このわけを、下の写真のようにして、調べてみましょう。

まず、①の写真のように重りを滑車につるして全体の重さを、ばねばかりで測ります。

つぎに、②の写真のように滑車にひもを通して動滑車のしくみにし一方のひものはしに、ばねばかりをつけて、その目もりを読みます。

すると、ばねばかりがひもをひいている力は①のときの2分の1になっていることがわかります。

これは、動滑車と重りをつるしているのは1本のひもではなくて、2本のひもであるからです。

もちろん滑車に通してあるひもは、続いている1本のひもですが動滑車の一方のはしから入って他方のはしから出ているので動滑車の両はしをあわせて1本のひもでつるしていることになるのです。

このことは、棒の真ん中に荷物をつるしふたりでその両はしを持ち上げれば、ひとりが出す力は荷物と棒の重さの、半分の力ですむということと同じです。

この場合、棒の一方のはしを人が持つかわりにひもでどこかにつるしても、同じです。

このように動滑車のしくみを使うと、ひもを引く力は滑車と重りの重さの半分でよいことになります。

これが、動滑車のはたらきです。

また、動滑車は、図のように、支点がはしにあって作用点が真ん中、力点がもう一方のはしにあるてこと考えることもできます。

このてこでは、支点から作用点までの距離は滑車の半径にあたり、支点から力点までの距離はその2倍(直径)になっています。

このことからも、力が半分でよいことがわかります。

動滑車の重さは、重りの重さにくらべるとごく小さいのがふつうですから、動滑車の重さは考えにいれないことにします。

すると、動滑車で重りを上げるとき、ひもを引く力の大きさは重りの重さの半分でよいことになります。

動滑車だけで重りを上げるには上向きにひもをひかなければならないので、たいへん不便です。

そこで、下向きに引く力で重りを上げられるように、いつも定滑車と組み合わせて使います。




機械を通してする仕事とは? てこや輪軸の仕事とは?

てこと仕事

てこを使うと、支点から作用点までの距離と支点から力点までの距離の関係から、小さな力で大きな力がえられます。

しかし、小さな力で大きな力をえるためには、支点から力点までの距離が、支点から作用点までの距離より大きくなければなりません。


たとえば、下の図のように、支点から作用点までと支点から力点までの距離の比が、1対10のとき作用点と力点のそれぞれの点で仕事の量はいくらになっているかを考えてみましょう。

力点で、2キログラムの力をくわえ、1メートル動かしたとすれば力点がした仕事は、2(kg)× 1(m)= 2(kgm)で2キログラムメートルになります。

いっぽう、作用点では、力のモーメントから、2キログラムの10倍、すなわち20キログラムの力がはたらくことになります。

しかし、力点で1メートル動かしても、作用点では10分の1しか動きません。

したがって、作用点では、20(kg)×1/10(m)= 2(kgm)で2キログラムメートルの仕事をしたことになります。

ですから、てこを使っても、使わなくても仕事の量にはかわりはありません。



輪軸と仕事

輪軸を使っても、小さい力で、大きな力がえられます。
これは、小さい力でも、大きく動かせば大きな力がはたらくということです。

たとえば、下の図のように、小さい円の半径をrメートルとして小さい半径と大きい半径の比が1対2であるような輪軸を使って仕事の原理を考えてみましょう。

1キログラムの力で、輪軸が一回転する仕事をしたとすれば仕事の量は、1(kg)× 4πr(m)= 4πr(kgm)です。

他方、1キログラムの力とつりあう力は、2倍の2キログラムです。
したがって、小さい円を一回転させるわけですから、2(kg)× 2πr(m)= 4πr(kgm)となります。

ですから、輪軸を使っても、使わなくても仕事の量にはかわりがありません。

このあとで学ぶ滑車や斜面の場合にも仕事の量にはかわりはなく力で得をして距離で損をしています。




仕事のあらわし方と原理とは?仕事率と有効率とは?

仕事

私たちが、日常用いている仕事という言葉の中には私たちが物をつくったり、考えたり、書いたりする意味がふくまれています。

たとえば、距離の仕事は終わったというときに用いる“仕事”という言葉は、これに相当します。

しかし、理科で用いる仕事という言葉の意味は物体にはたらく力がする仕事という意味です。

たとえば、ある物体を手でまっすぐ持ち上げるときその物体の重さに等しい力を上向きに加えなければなりません。

このように、物体に力を加えて、その物体を力の方向にある距離だけ動かしたとき、その力は物体に仕事をしたあるいは、物体は仕事をされたと言います。


仕事のあらわし方

仕事の量をあらわすには、ある物体に加えた力の大きさとその物体に加えられた力の方向に動いた距離とをかけあわせた値であらわされます。

ですから、仕事の量を式であらわすと

(仕事の量)=(力の大きさ)×(力の方向に動いた距離)

となります。

この式でもわかるように、物体に力がはたらしてしてもその物体が動かなかったり、あるいは、力がはたらいていないのに物体が動いているときには、仕事をしたことにはなりません。

たとえば、重い荷物をひいても、その荷物が動かなければ仕事の量は0ですから、仕事をしたことにはなりません。

仕事の量は、力の大きさと物体が力の方向に動いた距離との積であらわすので仕事の単位も、力の単位と距離の単位の積であらわします。

ある物体に、1キログラムの力がはたらいてその物体が1メートル動いたとすると、単位は、キログラムメートルで1(kg)× 1(m)= 1(kgm) となります。

また、物体に1ニュートンの力が加えられ物体が1メートル動いたとすれば、そのときした仕事の量はジュールという単位であらわされ。

仕事の量は、1ジュールということになります。

1ジュールの1千万分の1を、1エルグと言います。
そして、1キログラムメートルは約9.8ジュールにあたります。

仕事の原理

私たちが、柱に打ちこんである釘を手で抜こうとしてもなかなか抜くことができません。
しかし、釘抜きを使うと、かんたんに抜くことができます。

また、山登りをするときにも遠まわりしてでもゆるい坂を登ったほうが楽に登ることができます。

この場合、力では得をしていますが坂を登るため、距離で損をしていることになります。
また、急な坂を登るときは力では損をしていますが距離では得をしていることになります。

てこの原理を応用した道具には、たくさんあります。
まえに述べた釘抜きの場合も、力点の動く距離が大きくなるため力では得をしてしますが、距離で損をしていることになります。

このように同じ仕事のときは、力が小さければ距離が大きくなり、力が大きくなれば距離か小さくなります。

したがって、どんな機械を用いても仕事で得をすることも、損をすることもありません。

これを、仕事の原理と言います。



仕事率

同じ仕事をするにしても、1時間かかる機械と2時間かかる機械とを用いたのでは、1時間でできる機械を用いたほうが2倍も得になります。

そこで、仕事を考えるときには、一定の時間内に機械が仕事をどのくらいの速さでするかを考える必要があります。

仕事の速さに、1秒間とか1時間にする仕事の量であらわしこれを仕事率と言います。
1秒間に1ジュールの仕事をするとき1ワッ卜(W)という仕事の単位を用います。

1ワッ卜の1000倍が1キロワット(kW)です。
これは、電気のする仕事の速さをあらわす単位です。

有効率

外から機械に仕事をあたえても、それが全部役立つことはありません。

外からあたえられた仕事の一部分が使われてあとの残りは、摩擦などによって、無駄に費やされてしまうからです。

そこで、機械がする有効な仕事が外からあたえた仕事の何パーセントにあたるかを考えてこれを有効率、または、たんに効率と言います。

効率はつぎのような式であらわすことができます。

このように、仕事をする場合には効率の高い機械を用いることが、非常に重要な問題となります。




輪軸が利用されているものとは? わかりやすく解説!

輪軸の利用

私たちの使っている道具や機械には、輪軸のはたらきを利用して小さい力で、大きな力を出すようにしたものが、たくさんあります。

自動車のハンドル・ドライバー・ラジオやテレビのつまみなどはみな軸のまわりに輪をつけたもので、輪をまわす力は小さくても軸をまわす力は、大きくなるようになっています。

しかし、輪軸のはたらきを利用した機械でも輪のかわりに、軸に長い腕をつけたものがあります。

輪がなければ、輪軸ではないと考えるのは、間違いです。

輪軸のはたらきは、てこと同じですから、輪のかわりに腕をつけてその先に力を加え、大きなモーメントを軸にあたえても、よいわけです。

腕時計のぜんまいをまく、りゅうずは輪をもった輪軸ですが柱時計や置時計のぜんまいをまくねじは、腕をつけた輪軸です。

スパナも同じように、腕を利用した輪軸です。

ナットを、指先で硬くしめつけるのは無理ですが、スパナを使って、そのはしに力をかけると、大きなモーメントになって、楽にしまります。

自転車のハンドルも、腕をつけた輪軸です。


ウィンチ

輪軸のはたらきを利用して重い物をまきあげる機械をウィンチと言います。

ウィンチでは、ハンドルが輸のはたらきをしています。
ハンドルをまわすとロープに大きな力が出て重い物でも、楽に動かすことができます。

ハンドルの力を軸に伝えるのに、歯車を組み合わせて使うと加える力がさらに小さくてすみます。

また、ハンドルをまわすのに、モーターを使うと力も大きく、仕事も早くできます。

ビルの建築工事場や、工場・港・駅などで重い物を軽々と運びあげているクレーンは、滑車のロープをこのウィンチでまきあげています。

しゃち

海辺にいくと、漁師たちが、しゃちという道具をまわして船を陸に引き上げているのを見かけます。

これも、腕をつけた、輪軸の一種です。

きり・ドライバー

きりやドライバーも、輪軸を利用したものです。

太いえのところが輪軸の輪のはたらきをし、先のところが軸のはたらきをしています。

そのため、えに加える力が小さくても、先のところに大きな力が出て大きな抵抗に打ち勝ち、穴をあけたり、ねじをまわしたりできるのです。



自転車のクランク

自転車のペダルを踏むと、クランクがまわりそれといっしょに、クランクの軸につけた大きな歯車がまわります。

この歯車の回転力は、チェーンによって後輪の歯車に伝わります。
後輪の歯車はチェーンから受けた力でまわり、その回転力を車軸に伝えます。

このように、クランクの力が後輪の車軸に伝わるまでには二度も輪軸のはたらきが利用されています。

いま、クランクとチェーンとの組み合わせを考えてみるとクランクは輪軸につけた腕にあたり、チェーンをまいた歯車は軸にあたります。

そこで、チェーンに出てくる力は、

となります。

クランクの長さが20センチ、歯車の半径が10センチとしてペダルを20キログラム重の力で踏むとするとチェーンには40キログラム重の力がでます。

鉛筆削り

鉛筆削りにも、輪軸のはたらきが、上手に利用してあります。

下の図を見てください。

ハンドルは、輪軸の輪のはたらきをしています。
ハンドルをまわすと、鉛筆を差し込むところと、刃のついた円筒が中心線ABのまわりにまわります。

また、刃のついた円筒のはしには、歯車がついていて動かない枠の内側の歯車とかみあっています。

そのため、円筒は中心線ABのまわりをまわりながら円筒の中心線CDのまわりにもまわります。

差し込んだ鉛筆は、この円筒の刃に決まった角度で触れているので、きれいに削れるのです。

しくみが込み入っているので、CDをABに重なるようにずらしまた、鉛筆の位置もずらして考えてみます。

すると、刃のついた円筒が、輪軸の軸のはたらきをしていることがよくわかります。




輪軸のはたらきとつりあいの実験とは? わかりやすく解説!

輪軸のはたらき

太い軸に、半径の大きな輪を硬くつけていっしょに回転するようにしたものを、輪軸と言います。

2本のつなを用意して、輪軸の軸と輪にそれぞれ反対向きにまきつけてみます。

そして、軸にまいた綱のはしに、重い物体を結びつけておきます。

輪にまいた綱をひいて、輪軸をまわすと軸の綱は、だんだん軸にまきとられて、そのはしに結んだ物体を引き寄せていきます。

このとき、輪にまいた綱を引く力は物体が重くても、小さくてすみます。

輪軸は、このように、大きな輪をまわすことによって軸に大きな力をださせるはたらきをします。


輪軸のつりあいの実験

輪と軸の半径が、2対1、3対2になっている2つの輪軸と重さの等しい重りをたくさん用意します。

そして、1つの輪軸の軸にまいた綱に、いくつかの重りをつるしておいて、輪にまいた綱に、重りを何個つるしたらつり合うか、調べてみます。

つぎに、軸の綱の重りをかえて、輪の綱の重りの数がいくつのときつり合うかを調べます。
別の輪軸についても、同じような実験をします。

表は、この実験をまとめてみたものです。
この表から、つぎのような関係が成り立っていることがわかります。

「輪軸がつり合っているときには軸の半径に軸につるした重りの数をかけた数は輪の半径に輪につるした重りの数をかけた数にいつも等しくなっている」

重りの数は、重りが綱を引いている力、つまり、綱が輪や軸をまわそうとして綱が輪や軸にふれているところにはたらいている力の大きさをあらわしています。

ですから、輪や軸の半径に重りの数をかけたものは輪軸の中心のまわりの力のモーメントをあらわしてにいることがわかります。

そして、この2つの力のモーメントは、反対まわりになっていますから、モーメントの大きさが等しいと、輪軸はつり合うことになります。

輪軸のつり合いは、つぎのような式であらわすことができます。

r×P = R×Q

r……軸の半径
P……重りが軸の綱を引く力
R……輪の半径
Q……重りが輪の綱を引く力



輪軸とてこ

輸軸とてこをくらべてみると、そのはたらきが非常によく似ていることがわかります。

輪軸の中心は動かないようにとめてありますから、てこの支点にあたります。

物体の力は、綱が軸にふれているところにかかりますからここがてこの作用点にあたります。

また、輪につながれているところに手で綱を引く力がはたらきますから、ここは、てこの力点にあたります。

したがって輪軸は、てこのはたらきと同じになります。
そこで、輪軸のつり合いをあらわす式は、当然てこの原理と一致します。

まえの式を書きかえると、

となります。
この式からわかるように、輪の半径が大きいほど軸の半径が小さいほど小さい力で、重い物体を動かすことができるわけです。




てこの利用とその特徴とは?支点の位置よる特徴とは?

てこの利用

私たちが使っている道具や機械のうちにはてこのはたらきを利用したものが、たくさんあります。

しかし、てこのはたらきは、支点の位置によってかわりますからわけて調べてみましょう。


支点がなかにあるてこ

まくらになる丸太を使って、棒で大きな石を持ち上げるときには手で棒を押し下げるところが力点、石にあたっている棒のはしが作用点、まくらのところが支点になっています。

この場合、まくらを石に近づけるほどまた、押すところが棒のはしに近いほど、大きな力がでます。

このように、支点と作用点のあいだを短く支点と力点のあいだを長くすると、小さい力で大きな力がでます。

このようなてこを、第一種のてこと言います。

紀元前三世紀に、ギリシアの有名な学者アルキメデスは「我に支点をあたえよ。そうすれば、地球をも動かしてみせる」と言ったと伝えられています。

これは、第一種のてこのはたらきを、よくあらわしています。
地球の外のどこかに、支点をつくれるなら地球のような重いものでも、動かせるわけです。

かじや・ポンプのえ・ペンチ・釘抜き・洋ばさみなどはこの第一種のてこを利用したものです。

かじやは、先の近くが曲がっていて、ここが支点になります。
釘をはさむ先のところが作用点です。

このため、まっすぐな長いえのはしに力をかけると作用点に大きな力がでて、釘が楽に抜けるのです。

洋ばさみは、支点がいっしょになっている、2つのてこの組み合わせです。

指を入れて、力を加えるところと支点との距離は決まっていますからなるべく支点の近くに物をはさむようにすると大きな力がでて、厚い紙でもよく切れます。



支点がはしにあるてこ

まくらを使わないで、棒で重い石を動かすときには、棒の先を地面につけ、その近くに石をあてておいて、棒の手もとのはしを押し上げるようにします。

このように、支点が棒のはしにあって、作用点が力点と支点とのあいだにあるてこを、第二種のてこと言います。

このときも、作用点が支点に近いほど、力点が支点から遠いほどてこの出す力は大きくなります。

紙をきるカッター・缶切り・栓抜きなどはこの種類のてこのはたらきを利用したものです。

ボートをこぐオールはその先が水中に止まっていて支点のはたらきをしています。

そのため、オールの手もとをひくと止め輪のところ(作用点)に大きな力が出て、ボートを押し進めます。

オールの先が動いているように見えるのは動いているボートの上から見ているからです。
ですからボートの上から見れば、止め輪を支点と考えてもよいのです。

支点がはしにあっても、第二種のてこと違って力点が作用点よりも、支点に近くなっているてこがあります。

これを第三種のてこと言います。

このてこでは、作用点に出る力は力点に加える力より小さくなるので、力ではそんをします。

そのかわり、力点の小さな動きを作用点の大きな動きにかえるはたらきをします。

ピンセット・毛抜き・日本ばさみなどは、このはたらきを利用したものです。

私たちのうでも、第三種のてこになっています。
ひじのところか支点になっていて筋肉が少し縮むだけで手は大きく動きます。

なお、第一種のてこでも、支点と作用点との距離が支点と力点との距離より大きいときには力のとくはできません。

しかし、作用点の動きを、大きくすることができます。






天秤の感度と使い方とは? わかりやすく解説!

てんびん

金属の棒の中央を支えて支点とし、支点から同じ距離のところに同じ重さのさらをつるしたはかりが、てんびんです。

てんびんで重さを測るには、左側の皿に、測ろうとする物を載せます。
右側の皿には、分銅を適当に載せて、棒が水平になるようにします。

それには棒の中央から、長い針が下向きにつけてありますからその先が目もりの中央で止まるようにすればよいのです。

支点から、皿をつるしてあるところまでの距離は左右等しくしてありますから、てんびんがつりあったときには分銅の重さと物体の重さは、等しいはずです。

したがって、分銅が何グラムのっているかを調べるとさらに載せてある物体の重さ(正確に言えば物体の質量)がわかります。

分銅は、100グラムから1000分の1グラムまでいろいろの質量のものを1組として、箱に入れてあるのがよく使われます。

1つ1つの分銅は、それに刻んである数字に正しく質量があうようにつくってあります。

ですから、分銅を扱うときは、手で握って錆びさせたりしないように備え付けのピンセットではさみます。

また、小さい分銅は、なくなりやすいから、よく注意しなければなりません。


てんびんの感度

重さを、できるだけくわしく測るには、ごくわずかの重さの違いでもてんびんの棒が、大きく傾くようになっていればよいわけです。

それには、てんびんの両腕(てんびんの棒で、支点を中心にしてその左半分を左腕、右半分を右腕という)の重さができるだけ軽く、腕の長さが、長いほどよいのです。

また、金属棒と支点とのあいだの摩擦をできるだけ小さくしなければなりません。

そこで、硬い物質を、ナイフの刃のようにとがらせたものを棒の中央の下側にとりつけ、これを硬い台の上にのせて棒を支えるような工夫がしてあります。

非常に感度のよいてんびんでは1グラムの百万分の1ぐらいまで、正確に測れるものがあります。

上皿てんびんの使い方

いろいろのてんびんのうちで、もっともかんたんなてんびんが、上皿てんびんです。

これは、その名前の通り、皿が両腕のはしに上向きに載せてありますから、物体や分銅を載せたり降ろしたりするのが、とても楽です。

上皿てんびんにも、いくつかの種類がありますがふつうは、10分の1グラムぐらいのくわしさで100グラムまたは200グラムまで測れるものが、よく使われています。

上皿てんびんを使って、重さを測るにはまず、てんびんを水平の面に置くことが大切です。

てんびんが水平かどうかを調べるには、さらに何も載せていないときてんびんについている針が、目もりの真ん中きているかどうかを調べます。

もし、傾いているときは横についているねじをまわして、直します。



つぎに、皿の上に紙を載せ、測ろうとする物体を左の皿に載せ、右の皿に、分銅を載せていきます。
測ろうとする物体も、分銅も、皿の上に直に載せてはいけません。

分銅の載せ方は、つぎの例のようにします。

てんびんのさらに、63グラムの物体が載っているとします。
もちろん、はじめには、何グラムかわかっていません。

まず、だいたいの検討で、100グラムの分銅を静かに載せてみますと分銅の皿が下がって、重すぎることがわかります。
そこで、100グラムの分銅をおろして50グラムの分銅を載せてみます。
こんどは、分銅が足りないことがわかります。

このことから、物体の重さは100グラムと50グラムのあいだであることが、わかりますから、つぎに、20グラムの分銅を載せてみます。

これでは、重すぎることがわかりますから、10グラムにかえてみます。
すると今度は、軽過ぎます。

そこで、物体の重さは70グラムと60グラムのあいだであることがわかります。

このように、はじめに大きい分銅を使ってだいたいの範囲を探します。
つぎに、これより小さい分銅を使って、この範囲をだんだんせばめていけば、ついにはつり合うようになって重さがわかります。

薬品のようなものを、ある分量だけ測りとりたいときにははじめに、その重さにあたるだけの分銅を、左の皿にのせておきます。

それから、右の皿に、さじを使って、少しずつ薬品を載せていきてんびんがつり合うようにします。

分銅の載せ降ろしは、ピンセットを使って、静かにします。
皿から降ろした分銅は、そのつど箱の中にもどします。




竿秤の特徴と感度、作り方とは? わかりやすく解説!

竿秤

竿秤は、目もりをつけた棒(竿)のはしに皿をつるしそこから少しはなれたところに、さげをつけたものです。

竿には、ひものついた重り(分銅)をかけて自由に動かせるようにしてあります。


竿秤で重さを測るには測ろうとする物をさらにのせてさげおを持ってつるします。
分銅を動かして、竿が水平になったとき分銅のひものあるところの目もりを読めばよいのです。

このはたらきは、てこのつりあいにあたるわけでさげおの位置が支点、分銅のひもの位置が力点、皿をつるしてあるはしが作用点になっています。

竿秤のつくり方

太さがいちようで、長さが30センチぐらいの、まっすぐな棒を竿にします。
小さい缶のふたにひもをつけ、これを竿につるして、皿にします。

さげおは、皿をつけたはしから5センチぐらいはなれたところに上向きにつけます。

分銅には、小石とかガラス玉を何個か布きれに包んでこれにひもをつけて使います。

これで材料がそろったので、こんどは竿に目もりをつけなければなりません。

まず、さらに何ものせないで、さげおをもってつるし竿が水平になるように、分銅を動かします。

竿が水平になったら、このときの分銅のひもの位置に0(グラム)の目もりをつけます。



つぎに、皿の上に、本当の分銅10グラムをのせて竿が水平になるように、重りの分銅を動かします。
このときは、ひもの位置に10(グラム)の目もりをつけます。

さらに、本当の分銅20グラム・30グラム……を使って同じようにして、20・30……の目もりをつけます。

これで、大きい目もりをすませました。
0・10・20・30……の目もりのそれぞれの間隔は同じになっているはずです。

そこで、0と10、10と20……のあいだを10等分して小さい目もりをつけます。
これで、竿秤ができあがりました。

竿秤をつくるとき、200グラムまで測れるようにしたいと思っていたのに、実際につくってみると、50グラムしか目もりがつけられなかったというようなときは、どうしたらよいでしょうか。

それには、てこの原理を考えれば、すぐわかります。
さげおの位置をもっとはしによせるか、重りの分銅をもっと重くすればよいのです。

そのかわり、目もりは、すっかりやり直さなければなりません。

本当の竿秤では、2本のさげおが違った位置につけてありそれぞれの目もりを、竿の両面に印してあります。

重りの分銅は、決まったものを、1つ使います。

竿秤の感度 

本当の竿秤につけてある、2通りの目もりをよく注意してみると軽い範囲しか測れないほうの目もりは、その間隔が長くなっています。

このことは、ごくわずかの重さの違いでも分銅を大きく動かさねばならないことつまり、竿が傾きやすいことを意味しています。

したがって、わずかの重さの違いでも、測りやすくなっているのです。
これを「測りの感度がよい」と言います。

竿秤の感度は、さげおの位置をさらをつるしてあるはしから遠くはなすほどまた、重りの分銅が軽いほど、よくなります。

しかし、感度をよくすれば測ることのできる最大の重さは小さくなります。




力のモーメントとは? わかりやすく解説!

力のモーメント

てこのつりあいの実験を、もういちど考えてみましょう。

左側の重りは力Pで棒を下に引いていますから、支点のまわりに棒を左まわり(時計の針の回転と反対まわり)にまわそうとしています。


また、右側の重りは力Qで棒を下に引いていますから棒を右まわりにまわそうとしています。

この2つのはたらきが、ちょうど等しくなっているのでてこは水平につりあっている、と考えることができます。

したがって前の式は、このはたらきをあらわしていることになります。

つまり、a×Pは、力Pが、棒を支点のまわりに左まわりにまわそうとするはたらきをあらわしb×Qは力Qが棒を支点のまわりに右まわりにまわそうとするはたらきをあらわしています。

いっぱんに、物体に力Fがはたらいて、物体の中のある点Oのまわりに物体をまわそうとするとき、そのはたらきの大きさのことをOのまわりの力Fのモーメントと言います。

そして力のモーメントは
(Oと力点との距離)×(力の大きさ)であらわされます。

したがって、a×Pは支点のまわりの力Pのモーメントb×Qは支点のまわりの力Qのモーメントをあらわしています。

そして、力Pのモーメントは左まわり力Qのモーメントは右まわりであって、その大きさが等しいのでつりあっていると言えます。



力のモーメントは力が大きいほどまた、カ点が支点からはなれているほど大きくなります。

スパナでナッ卜をまわすときなるべくスパナのはしをもってまわすと楽にまわすことができます。

また、ドアを開けたり閉めたりするとき蝶番のすぐそばを押しても、なかなか動きません。
しかし、とってのところを押すと、同じ大きさの力でも楽に動きます。

それは、力点が支点からはなれているので力のモーメントが大きくなるからです。

これまでのことは力の向きが支点と力点とをむすぶ直線に垂直になっている場合でした。
しかし、力の向きがてこに垂直になってしないときは同じ大きさの力が同じところにはたらいても、力のモーメントは小さくなります。

下の図のような向きに、力がはたらいている場合、力Fを、スパナに垂直な分力と、平行な分力とに分解してみます。

スパナに平行な分力は、スパナを回転させるはたらきをしていません。
スパナを回転させようとする力は、垂直な分力だけです。
この力は力Fより小さいので、力のモーメントも小さくなります。

力を分解して考えるかわりに、力のはたらいている方向(AB)に支点から垂線をおろし、その長さを力点と支点との距離(l’)にして考えてもよいのです。

この方法でもとめた力のモーメントは力を分解した場合と同じになります。




てこのはたらきと原理とは?てこの三点とは?

てこのはたらき

私たち人類は、過去のいろいろな経験をもとにして現在、すばらしい科学文明を築き上げました。

私たちはそのなかで生活していますが、長い人類の歴史から見るとこれは、ごく最近のできごとです。

人間が、道具らしい道具を使うようになったのはあの大きなピラミッドで知られている数千年前のエジプト時代のことです。

それまでの何万年、何十万年もの長いあいだはほとんど道具を知らないで、大自然の中で暮らしていたのです。

ですから、エジプト時代になって発明されたてこ・滑車・輪軸・斜面・ころなどの道具は人間にとって、実にすばらしい発明であったわけです。

しかも、現代のいろいろな機械もこれらのかんたんな道具がもとになっているのです。

これらの道具は小さい力で大きな力を出すこと力の向きを便利な方向にかえることなどのはたらきをしています。

中でも、てこは、そのもとになるもので人類の親友とも言われています。


てこのつりあいの実験

太さのいちような、長さ40センチあまりの棒をその中央部に穴を開けて、ひもでつるします。

棒が水平にならないときには棒のかたはしを少し削って、水平になるようにします。
この棒には、中央から左右に、5センチおきに目もりをつけておきます。

また、棒のほかに、重さの同じ重りを、20個ほど用意します。

まず、棒の左側で中央から10センチはなれたところに重りを6個かけ、右側の20センチのところに別の重りをつるして棒が水平になるように、重りの数を加減します。

そして棒がちょうど水平につりあったとき右側の重りが何個になっているかを調べます。

つぎに、右側につるす重りの位置を15センチ・10センチ・5センチにかえて、それぞれの場合に重りが何個のとき、棒がちょうど水平になるかを調べます。

また、左側の重りの位置をかえたり、重りの数を多くするか少なくするかしておいて、まえと同じように実験を繰り返します。

これらの実験の結果をまとめてみると、上の表のようになりました。
この表から、つぎのような関係が成り立っていることがわかります。

「棒がつりあっているときには、棒の中央から重りまでの距離と重りの重さをかけた値は左側と右側とで、いつも等しくなっている」

これを式であらわしてみると、

a × P = b × Q
という関係になります。

a……棒の中央から左側の重りまでの距離
P……左側の重りの重さ
b……棒の中央から右側の重りまでの距離
Q……右側の重りの重さ



てこの三点

まえの実験のように、棒のつりあいを考えるときには棒を支えている点を、てこの支点と言います。

また、重りをつるしてある2つの点をともに、てこの力点と言います。

てこを道具として利用する場合には、てこに力を加えるところを力点、てこに力を出させるところを作用点と言って、区別しています。

てこの原理

まえの実験でわかったように、棒の2点に平行な2つの力、P、Qがはたらいてつりあっているときにはいつもつぎの関係が成り立っています。

この関係を、てこの原理と言います。

この式からわかるように、bがaの3倍であればQはPの3分の1の大きさでつりあいます。

ですから、支点の近くに作用点をとり支点からはなれたところに力点をとると小さい力で大きな力とつりあわせることができます。




三力のつりあいとは?力の合成・分解とは?平行四辺形の法則とは?

三力のつりあい

1つの物体に、3つの力がはたらいていて物体が動かないでいることがあります。

このときには、3つの力の大ききと向きのあいだに特別な関係が成り立っています。


三力のつりあいの実験

机の上に大きな白い紙をしいてその上で、つぎのような実験をしてみましょう。

同じばねばかりを、3つ用意します。
その先にひもをつけて、3本のひものはしを結びあわせます。

つぎに、3つのばねばかりを、それぞれ勝手な方向に引っ張ってひもがピンと張り、ひもやひもの結び目が動かなくなったときに3つのばねばかりの目もりを読みます。

このとき、3本のひもの位置と結び目の位置を正確に紙の上にうつしとります。
白紙にうつしとった図について、つぎのような作図をします。

ひもの結び目をO、3本のひもの方向を、それぞれOX・OY・OZと書きます。

つぎに、先に読みとった、ばねばかりの目もりの読みの数に比例するような長さを、OX・OY・OZ上にOからはかって印をつけ、これらをOA・OB・OCとします。

すると、この3つの矢印、OA・OB・OCはそれぞればねばかりで引っ張った、3つの力をあらわしています。

つぎに、OAとOBを隣り合った二辺とする平行四辺形をつくります。
その対角線を引いて、これをODとします。

このODと、前に書いたOCとをくらべてみるとOCとODは一直線上にあって、長さが等しくなっています。

また、OBとOCを二辺とする平行四辺形をつくって対角線を引き、それとOAをくらべてみると、やはり長さが等しく一直線になっていることがわかります。

OCとOAについてやってみても同じような関係があります。

これらのことから、つりあっている3つの力のあいだには必ず次のような関係がなりたっていることがわかります。

「つりあっている3つの力のうち、2つの力でつくった平行四辺形の対角線は残りの1つの力と一直線になっていて、その向きは反対で大きさは等しい」

力の合成

まえの実験で、OCとODとは、一直線になっていて向きが反対で等しい大きさの力ですから、つりあうのは当然です。

しかし、実際にはたらいているのはODではなくて、OAとOBです。
ですから、OAとOBの2つの力のはたらきはODの力のはたらきと全く等しいことがわかります。

このように、2つの力のはたらきと全く等しいはたらきをもっている力を、合力と言います。

ODの力は、OAとOBの力の合力です。
また、合力をもとめることを力を合成すると言います。



平行四辺形の法則

同一の点にはたらいている2つの力、PとQを合成してその合力Rをもとめるには、まえの実験のようにPとQをあらわす矢印を二辺として平行四辺形をつくりその対角線Rを書けば、その欠印Rが合力になります。

このようなやり方を、平行四辺形の法則と言います。

2つの力PとQが、同じ直線上にないかぎり必ず平行四辺形をつくれますから合力をもとめることができます。

PとQが一直線になっているときは、平行四辺形をつくれないのでつぎのようにして、合力をもとめます。

PとQが同じ向きのときは、PとQの大きさの和に等しい長さの矢印を同じ直線上に、同じ向きに書くと、それが合力になります。

また、PとQが反対向きなら、PとQの大きさの差に等しい長さの矢印を、同じ直線上に、大きいほうの側に書くと、それが合力になります。

もし、PとQが等しい大きさならばその差はゼロになりますから、矢印は書けません。
このことを「合力はゼロである」とか「合力がゼロになる」と言います。

つりあっている二力の合力は、ゼロになっています。

3つの力、A、B、Cの合力は平行四辺形の法則を二度繰り返して使うともとめられます。

それには、まず、AとBの合力を平行四辺形の法則を使ってもとめてDとします。

続いて、DとCとの合力を同じようにしてもとめて、Rとします。
すると、Rが、A、B、Cの合力になります。
BとCを先に合成しても同じです。

前の実験のように、つりあっている三力のときは、合力がゼロになります。

力の分解

1つの力Rを、この力と同じはたらきをする二力、PとQとにおけることを力を分解すると言います。

そして、P、Qを、力Rの分力と言います。

力の分解は、力の合成と逆になっていますから平行四辺形の法則が成り立っているように、わければよいのです。

それには、つぎのようにします。

力Rをあらわす欠印が、対角線になっているような平行四辺形をつくると、その対角線をはさむ二辺が、分力PとQになります。
しかし、このような平行四辺形は、いく通りでも書けますから分力P、Qの組みは無数にもとめられます。

そこで、分力の1つの大きさと向きを決めておくか2つの分力の向きを、それぞれ決めておかなければなりません。

すると、決まった1組みの分力がわかります。

互いに直角になっている、2つの分力に分解するには図③のように、矢印Rの先から直線OX、OY上に垂線をおろしてそのあしをA、Bとします。

すると、欠印OAとOBが、もとめる分力、P、Qになります。

なぜならRは、PとQでつくる平行四辺形(この場合は長方形)の対角線になっているからです。




二力のつりあいとは?張力と重力、偶力とは?

力のつりあい

棒押しや、綱引きのときに見られるように、押したり引いたりして物体に力がはたらいているのに物体がじっと止まっていて動かないことがあります。

また、机の上に置かれた本は地球がその中心に引いているのに動かないでいます。

このように、力がはたらいているのに物体が動かないでいるとき、物体はつりあいの状態にあると言います。

よく調べてみると、ただ1つの力が物体にはたらいていてその物体が動かないでいることはありません。

力がはたらいているのに、物体が動かないときには必ず2つ、またはそれ以上の力がはたらいています。

そして、それらの力のあいだに特別な関係が成り立っているときにかぎります。

このようなとき、力はつりあっています。


ニカの引っ張り合い

綱引きで、一方の人の引く力が相手の引く力より大きいと綱が動いて勝負が決まります。
しかし、両方の人の出す力が等しいときには、綱は動きません。

ばねばかりを使って、つりあっている二力の関係を、調べてみましょう。

図のように机の上に2つのばねばかりを向かい合わせておいて両方の先をひもで結びます。

つぎに、ばねばかりを両方に引いてひもがピンとはって動かないとき、はかりの目もりを読みとります。

このとき、2つのはかりの目もりのよみは、等しくなっています。
また、ばねばかりとひもは、一直線上にならんでいます。

このことから、ひもを両方に引いている2つの力は大きさが等しく、向きが反対で同じ直線上にはたらいていることがわかります。

つぎに、ばねばかりをもって強く引いてみてもひもを長くしたり短くしたりしてみても両方のばねばかりの目もりの読みは等しくなっていて2つのばねばかりは、同じ直線上にならんでいます。

また、ひものかわりに厚紙に2つの穴を開けてそれにばねばかりの先をひっかけて実験しても同じになります。

これらの実験から

「1つの物体に、引っ張り合う2つの力がはたらいていて、物体が動かないでいるときには、この2つの力は大きさが等しくて向きが反対で同じ直線上にはたらいている」

という関係が成り立っていることがわかります。

張力と重力

ひもでつるした重りが、動かないでいるときその重りにはたらいている力のつりあいを、考えてみましょう。

重りには、地球が下向きに引いている力(重力)がはたらいていますがこの力だけが重りにはたらいているのなら、重りは下に落ちていくはずです。

しかし、重りは止まっているのですから、重力と等しい大きさで上向きの力が同じ直線上にはたらいていなければなりません。

この力は、ひもが重りを上向きに引いている力でこのような力を、ひもの張力と言います。
したがって、重りには張力と重力の2つの力がはたらいていてつりあっているのです。

ひもは、張力の方向に止まっていて、張力と重力は一直線になっていますから、ひもの方向で地球の中心の方向(鉛直方向)を知ることができます。

重りを重くすると、それにつれて、ひもの張力も大きくなります。

しかし、ひもは、ある大きさ以上の張力には耐えられないので重りがあまり重くなると切れてしまいます。



二力の押し合い

棒押しのとき、棒を両はしで押している2つの力が大きさが等しく、一直線上で押し合っているときは棒はどちらへも動きません。

このような二力の押し合いのときも、くわしく実験してみると二力の引っ張り合いのときと同じような関係が成り立っています。

つまり「1つの物体に押し合う2つの力がはたらいているときにはこの2つの力は大きさが等しくて、向きが反対で同じ直線上にはたらいている」ということです。

偶力

物体にはたらいている2つの力が、向きが反対で大きさが等しくても同じ直線上ではなくてはなれた2つの平行な直線上にはたらいている場合には物体はまわりだします。

このような2つの力を、偶力と言います。

重力と面の抗力

机の上に置いた本は地球の重力によって、下向きの力を受けています。

しかし、本は動かないでいるのですから重力とつりあう力がはたらいていなければなりません。

この力は、机の面が、本を上向きに押している力でこの力のことを面の抗力と言います。
本が動かないでいるのは、重力と面の抗力とが大きさが等しく、同じ直線上に押し合っているからです。

それでは、なぜ机の面は、本を上向きに押すのでしょうか。

下の図を見てください。

本は重力に引かれて下に落ちていこうとし、机の面を下向きに押しています。
この力の反作用として、机の面が、重力と同じ大きさの力で本を上向きに、押し返しているのです。

本が机を押している力は机にはたらいている力で机の抗力は本にはたらいている力です。

ですから、この2つの力は本にはたらいてつりあっている二力ではありません。

本のつりあいの力は、本が受けている力だけを考えるのですから重力と面の抗力とだけのつりあいを考えるのです。




作用と反作用とは?抗力・撃力とは? わかりやすく解説!

作用と反作用

手で壁を押すと、手が壁から押し返されるのがわかります。

また、夏、静かな水面でボートから飛び込むとボートは飛び込んだ方向と反対の向きに進みます。


このように、力は必ず2つの物体のあいだで、同時に伝わります。
2つの力A、Bのうち、一方を作用と言い、他方を反作用と言います。
どちらを作用といっても、反作用と言ってもよいのです。

ニュートンは「作用と反作用とは、一直線上にあって向きが反対でその大きさは全く等しい」ことを発見しました。

これが、作用反作用の法則と呼ばれるもので力が物体と物体とのあいだを伝わるしくみをしめした大切な法則です。

1つの物体だけで、自分が、自分に力をはたらかせることはできません。
自分に力をはたらかせるには、自分以外の物に力をはたらかせてその反作用として自分が受ける力を利用するのです。

人が地面を歩けるのは足で地面を蹴るとその反作用として、地面が足を押し返してくれるからです。

また、口ケットが飛ぶことができるのは燃料を燃やしてつくった気体をうしろに噴き出して、その反作用を利用しているからです。

ボートに乗っている人が船首を力いっぱい押してもボートは動きませんがオールを用いるとオールが水に力をおよぼしその反作用として、水がオールを前方へ押すことになります。

ボートが前進するのは、この力のためです。

力は、手と壁のように、2つの物体が直接触れあっている場合にも磁石の力や電気の力、万有引力などのように2つの物体がはなれている場合にも伝わります。

そして、作用反作用の法則は、いずれの場合にも、成り立っています。

ここで注意しておきたいことは、作用反作用の法則と二力のつりあいとは根本的に違うもので2つの物体がお互いにおよぼしあう力が作用反作用であり1つの物体に、2つの力がはたらくのが二力のつりあいです。



抗力

物体が1つの面と接しているとき物体がその重さで面を押す力の反作用として、その力と反対の向きで大きさの等しい力が物体を押し返しています。

この力を抗力と言います。

左の図のように面が水平面の場合と斜面の場合では物体がその面とつりあっている状態は、それぞれ違います。

物体が水平面上で静止しているとき抗力は、物体の重さの力とつりあっています。

しかし、面の一方を上げていくと、ある点までは静止していますがやがて物体は、その面にそって滑り落ちます。

物体が斜面上で滑り落ちないときは2つの力、すなわち、斜面に垂直にはたらく垂直抗力と斜面に平行にはたらく摩擦力との合力と物体の重さの力とがつりあっているからです。

物体が斜面を滑り落ちるときは物体の重さの力のほうが合力よりも大きくなるからです。

撃力

2つの物体が、ごく短い時間だけふれあい、すぐにはなれる場合ふれあっている間に、互いに押し合う力を撃力と言います。

2つの物の衝突が、この例です。
金槌で、釘を打ち込むとき、バットでボールを打つとき車と車とがぶつかるときなどにはたらく力が撃力です。

撃力は、物体が重いときほどまた、衝突する前の速さが大きいときほど、大きくなります。
電車にトラックが衝突したときなどは、非常に大きな力がはたらくので固い鉄の車体が、あめのように曲がったりします。

撃力のときにも、作用反作用の法則が成り立っています。
2つの物体が、互いに受ける力は、反対向きで、等しい大きさです。

かなづちで釘を打つ場合、釘の受ける力とかなづちの受ける力とは同じ大きさです。

石で貝殻を叩くと、貝殻は、粉々に潰れます。
この場合も、貝殻が受ける力と、石が受ける力は同じ大きさです。
ただ、貝殻のほうがもろいので、潰れてしまうのです。

力の大きさが違っているのではありませんから。
間違えないようにしましょう。




力の三要素とは?力の大きさの単位と表し方とは?

力のあらわし方

私たちは、山でブルドーザーが大きな木を押し倒し岩を砕いている風景や港でクレーンが重い荷物を軽々と持ち上げて船に積み込んでいる風景を見かけます。

ブルドーザーやクレーンが私たち人間よりもより大きな力をもっていることを私たちはよく知っています。

ところが、私たちは、この力を直接に目で見ることはできません。
ただ、筋肉の感じや、物体の動く様子で知るだけです。

そこで、自然の現象や機械のはたらきを調べるには力について正しく知ることが必要です。


力の三要素

物体に力がはたらくと、いろいろの変化が起きますがその力のはたらきは力の大きさ、力のはたらく向き、力のはたらく点(作用点)の3つのことがらで決まります。

この3つを、力の三要素と言います。

力を考えるときには、いつも三要素をはっきりさせることが大切です。
つまり、物体のどこに、どれほどの大きさでどちらの向きに力がはたらいているか、ということを考えるのです。

力の大きさ

私たちは、筋肉の感じで、強い力、弱い力、大きい力、小さい力というような区別はできます。

しかし、ある力が、ほかの力の何倍であるかをくわしく知ることはできません。

また、同じ荷物でも、はじめは軽く感じますが疲れてくると重く感じます。
そこで、ばねばかりを使って力の強さを正確にあらわす方法が考えられます。

ばねばかりの一方のはしをとめておいて、他のはしをある強さの力でひっぱると、ばねは、ある長さだけ伸びてとまります。

この場合、力が強いほど、ばねの伸び方は大きくなります。
そこで、ばねの伸びた長さをくらべて、ある力がほかの力の何倍であるかを知ることができます。

したがって、ある力を標準にして、その力の大きさを1と決めておけばほかのすべての力は、その大きさを数であらわすことができます。



力の大きさの単位

1グラムの分銅の重さ、つまり、この分銅を地球がひいている力(重力)を1グラム重の力、またはかんたんに、1グラムの力と言います。

これが、力の大きさの単位です。

このほか、ダインやニュートンなどという単位も使います。

1グラム重=980ダイン
1ニュートン=100000ダイン

力の向き

ある力が、物体にはたらいているといってもどの向きにはたらいているのか、押しているのか引いているのかをはっきりさせなければなりません。

このことを。力の向きと言います。
また、力の向きに引いた直線のことを、作用線と呼びます。

力の作用点

同じ向きの、同じ大きさの力であっても物体のどこにはたらくかによって、物体にあたえる影響は違います。

そこで力が物体にはたらく点を、はっきりさせておく必要があります。

力のはたらいているところを、作用点と言います。
たとえば、ドアのとってに手をかけてドアを開けるときにはドアのとってが、力の作用点になっています。

力を図であらわす方法

力を図に書いてあらわすには、矢印を使います。
矢印を使うと、力の三要素を、はっきりとあらわすことができます。

この場合、矢印の根もとが力の作用点を矢印の長さが力の大きさを矢印の向きが力の向きを、あらわすようにします。

矢印を書くとき、とくに気をつけなければならないことは力の作用点に矢印の先がこないようにすることです。




気圧の測り方とは?気体の圧力と体積の関係・ボイルの法則とは?

気圧の測り方

大気の圧力は、いつも一定しているものではなく、たえず変化しています。
それであるときの大気の圧力を観測するのに、気圧計が用いられています。


水銀気圧計

水銀気圧計では、トリチェリの原理を利用しています。

水銀気圧計の下の部分には、水銀をいっぱいつめた皮袋がありそこからガラス管につまった水銀柱が続いています。

そして、下の水銀面にはたらく大気の圧力が変化すると水銀柱の高さが上下するようになっています。

この気圧計で気圧を測るにはまず、袋にふれている1つ目のねじをまわして水銀の面がぞうげの針の先に軽くふれるように調節します。

つぎに2つ目のねじをまわして、ものさしの下のはしを管内の水銀面の頂点にあわせ、それから水銀柱の高さを読み取るのです。

アネコイド気圧計

気圧計には、水銀気圧計のほかに、アネロイド気圧計があります。

アネロイド気圧計では、波形をしたうすい金属製の缶の中の空気が、抜きとられています。
缶の中には、ばねが入っていて大気の圧力で潰されないようになっています。

そして、気圧が高くなると、この缶は少しへこみ低くなるとふくらむのです。
この小さい変化を、てこのしくみで大きくし針の先で気圧が読めるようになっています。

この気圧計はもち運びに便利で、船のように揺れるところでも測れます。
しかし、水銀気圧計ほど正確に測れないのが欠点です。

ボイルの法則

まえに、空気にも弾性があることを学びました。

いま、かんちょう器に空気を閉じ込め指で口をふさいで、ピストンを静かに押してみましょう。

中の空気の体積が小さくなるとピストンを押し返す力がはたらくようになります。

これは、押し縮められた中の空気にもとの状態にもどろうとする性質があるからです。

こんどは、指で口をふさいだまま、ピストンをひっぱって中の空気の体積を大きくしてみましょう。

すると、ピストンを吸い込む力がはたらくようになります。
このときピストンをはなすと、ピストンは吸い込まれてしまいます。

この実験で、ピストンの中に閉じ込めた空気の圧力の強さはもとの体積より小さくする气大気の圧力がり大きくなり反対に、もとの体積より大きくすると大気の圧力より小さくなることがわかります。

くわしい実験によると、閉じ込めた空気の体積が2分の1、3分の2になると圧力の強さは2倍・3倍になることがわかります。

また、体積を2倍・3倍にすると圧力の強さは、2分の1、3分の1になります。
しかも、この関係は空気ばかりでなく、ほかの気体でも成り立つのです。

つまり、温度がかわらなければ、一定量の気体の体積と圧力の強さは互いに反比例するという関係があります。

この関係は、むかし、イギリスの物理学者のボイルが研究したのでボイルの法則と呼ばれています。



ボイルの法則と分子の運動

気体の体私と圧力とのあいだに、ボイルの法則が成り立つのはつぎのような考え方をすると、よくわかります。

多くの物体は、分子と呼ばれる、非常に小さい粒から成り立っています。

この分子は、非常に小さく、全体を1つの球と考えると直径は1センチの数千万分の1にすぎません。
それで、目で見ることはもちろんできませんしどんなに倍率の高い顕微鏡でも、見ることができないのです。

固体では、この分子は規則正しく並んでいますが気体では、1つ1つの分子が自由に動きまわっています。

そして、ほかの分子と衝突したり物の表面にぶつかったりしているのです。

たとえば、図のような1つの円筒の中の、気体の圧力を考えてみましょう。
やはり、分子はさかんに飛び回っていて上の円板にもつきあたっています。
この分子が物にぶつかる力が、気体の圧力のもとになっているのです。

いま、この気体の体積を半分にすると円板につきあたる分子の数は、2倍になります。

そこで、気体の圧力も2倍になるのです。反対に、気体の体積を2倍にしてみます。

すると、円板につきあたる分子の数は半分になり気体の圧力も、まえの半分になるはずです。

また、気体の分子が1つの向きに流れていくことがあります。
空気がそのように流れていくのが風です。

一方からだけ多くの分子がぶつかるので木の葉がそよいだり、煙りがたなびいたりするのです。

圧縮空気のはたらき

空気を強く押し縮めたものを圧縮空気と言います。
空気は、圧縮されると体積が縮み、圧力が大きくなるのでこの力を利用していろいろな仕事をさせることができます。

圧縮空気をピストンをはめたシリンダーに送るとピストンは圧縮空気に押されて動きます。

このことを利用して、電車や機関車などに使われている空気ブレーキでは、制輪子を車輪のタイヤに押しつけて、車輪の回転をとめています。

また、電車のドアエンジンも圧縮空気の力で扉を開けたり、閉めたりしています。

そのほか、圧縮空気は岩石を砕く削岩機や空気ハンマ、びょうを打つ空気リペッタなどに使われています。




トリチェリの実験とは?気圧の単位とは? わかりやすく解説!

ポンプで上がる水の高さ

ポンプで水を吸い上げることができるのは、実は大気の圧力のためです。
いま、ポンプのピストンが上がったため中に隙間ができたとします。
この部分は真空になっています。

ところが管の外の水面は、大気の圧力で押されているので水が管に押し上げられるのです。

しかし、外の水面を押している大気の圧力の大きさには限度があってその強さは、ふつう1平方センチあたり1キログラムです。

それで、ポンプでくみあげられた水の圧力の強さが1平方センチあたり約1キログラムになるくらいしか上がらないのです。

つまり、どんなによくできたポンプでも、約10メートルの高さまでしか水をくみあげることができません。


トリチェリの実験

むかし、イタリアの物理学者でトリチェリという人はつぎのような実験をして、大気の圧力を測りました。

まず、一方のはしを閉じた、長さ1メートルのガラス管に水銀をつめてその口をしっかりおさえながら、水銀の入っている器の中に逆さまにしてたてました。

はじめ、管内の水銀は少し下がりましたが器の水銀面から76センチの高さのところで、止まってしまいました。

管の上のすいている部分にはなにも入るはずがありませんから、真空であると考えられます。

それで、この部分を、トリチェリの真空と言います。
また、この実験をトリチェリの実験と呼んでいます。

トリチェリの実験で管内に水銀が押し上がるのは管の外の水銀面に、大気の圧力がはたらいているからです。

それで、管を少し傾けても、水銀柱の高さはかわりません。

上の図で、A面にはたらく大気の圧力は、A面と同じ高さにある管内のB面に下からはたらく圧力の強さと等しいと考えられます。

B面では、その上にある水銀柱の重さとつりあっています。

水銀の比重は、13.6ですから、Bには、1平方センチあたり、76 × 13.6 = 1033.6(グラム)の圧力が加わっていることになります。

このため、Aの大気の圧力は、やはり1平方センチあたり約1キログラムの割合ではたらいていることになります。



サイホン

水を入れたビーカーを高いところにおき水をいっぱいにしたビニル管のはしを水に入れます。

そして、ビニル管のもう一方のはしをビーカーの中の水面より低くするとビーカーの中の水はどんどん流れ出します。

このようなしかけを、サイホンと言います。
私たちも、サイホンを使って、ビーカーの水をうつしてみましょう。

サイホンがはたらくのも、水面にかかる大気の圧力のためです。
図のように、Cの部分にうすい膜を考えると、この膜は、Aの水面から。

(大気の圧力)-(h1の水柱による圧力)の圧力で押されています。

また、同時にこの膜はBの水面から(大気の圧力)-(h2の水柱による圧力)の圧力で押されています。

このとき、h2はh1より長いので、Cの部分の膜を考えるとAの水面からの圧力は、Bの水面からの圧力より大きくなるはずです。

そのため水は、AのほうからBのほうへ流れることになるのです。

気圧の単位

気圧の大きさをしめすのに、水銀柱の高さを用いそれをミリメートルの単位であらわすことがあります。

たとえば、水銀柱の高さが、760ミリのときには気圧は、760mmHg(Hgは水銀の記号)であると書きあらわすのです。

また、水銀柱の高さが760ミリのときの気圧を標準気圧と言ってこれを1気圧ということもあります。

気象観測では、気圧をあらわすのにふつう、ミリバール(mbar)という単位を用いています。

これは、1平方センチあたり100万ダイン(1ダインは1グラム重の980分の1の大きさ)の割合で加わる圧力の強さを1バールとして、その1000分の1をミリバールと言うのです。

それで、一気圧は、約1013ミリバールにあたります。

つまり、760mmHg = 1気圧 = 1013mbar
の関係があります。




大気の重さとは?マクデブルクの半球とは? わかりやすく解説!

大気の重さ

まえに、大気は地球を約1000キロの厚さにわたってとりまいいていることを説明しました。
ですから、私たちは、ちょうど大気の海の底に住んでいるようなものです。

このため、海面と等しい高さにいる人や物体は1平方センチあたり約1キログラムの力で押されています。
この力を大気の圧力、または、大気圧と呼んでいます。

この割合で計算すると、人間の頭(横断面積約200~300平方センチ)の上には、いつも200~300キログラムもの重さがかかっていることになり。

地球の全表面積をおおう大気の圧力は5000兆トンを超える、たいへんな力になります。


実験

下の図のように、いっぽうが短いU字管を用意して長い方のAから水を注ぎ、短い方のBを指でふさいでガラス管を水でいっぱいにします。

いっぱいになったところで、①の図のようにAをガラス管に空気が入らないようにしっかり指でふさぎBをあけてみます。

あけても、水はこぼれでません。

ところが.Aをふさいでいた指をはなすと、②の図のように水はこぼれでて、Aの水面は、Bの水面と同じ高さC点まで下がります。

①の図で、水がこぼれでないのは、AからCまでにある水の重さによる圧力とBの水面で、その水面を上からおさえつける

力とがつり合っているからです。

Aをふさいでいた指をはなすとAの水面にもBと同じように上からおさえつける力がはたらきます。

この場合、Bの水面にはBを上からおさえる力と反対向きにAC間の水の重さによる圧力とAの水面を上からおさえる力とがはたらくことになります。

したがって、つり合いがとれなくなるので、水がこぼれでるわけです。

この実験で、上からおさえる力が、大気圧と呼ばれるものです。



マクデブルクの半球

大気の圧力は、同じところでは、上下・左右あらゆる方面に等しい大きさではたらいています。

この性質は、水の圧力と似ています。

むかし、ドイツのマクデブルク市の市長にゲーリケという人がいました。
ゲーリケは、直径約40センチの2つの半球を重ねあわせてその中の空気をぬき、それを引き離すのに、どれほど大きな力がいるかを、人々にわからせようとしました。

実際に16頭の馬をつないで、実験したということです。
それで、このような半球をマクデブルクの半球と呼んでいます。

マダデブルクの半球でも、中に空気が入っているとこの空気は広がろうとして、内側から押すことになります。
それで、大気の圧力がまわりから押していてもかんたんに引き離すことができるのです。

ところが半球の中の空気を抜いてしまうと外から大気の圧力が押しているだけで、それを押し返す内部の力はありません。
このため、非常に大きな力でひっぱらないと引き離すことができないのです。

マグデブルグの半球は、丈夫な鋼鉄でできているので中の空気を抜きとってしまっても大気の圧力で押し潰されることはありません。

しかし、ブリキ缶などを用いて同じことをおこなえば缶はすっかり潰されてしまいます。

実験

ドロップや食用油の空き缶を、大気の圧力で潰してみましょう。

まず、缶の中に少量の水を入れて、この水を充分に煮たてます。
すると、缶の中の空気は水蒸気といっしょにほとんど外へ出てしまいます。

つぎに、空き缶を火から遠ざけ、すぐに硬く栓をします。
そして、上から冷たい水をかけてみましょう。
すると、空き缶は冷えて、音を立てて潰れてしまいます。

これは、水蒸気が冷えて水になると、缶の中にはほとんど空気が残っていないので大気の圧力で押し潰されてしまうのです。




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