硝酸の性質と用途とは? わかりやすく解説!

硝酸の工業的製法

硝酸は、アンモニアを空気とまぜ約800℃に熱した白金触媒の上で燃やしたものを水に溶かしてつくります。


このときの化学変化は、非常に複雑ですがまとめると図の式のようになります。

この方法でつくった硝酸は、純粋で濃いすぐれたものです。

現在では、ほとんどの硝酸がこの方法で製造されていますがむかしは、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムに硫酸をくわえそれを蒸留してつくっていました。

しかし、この方法はアンモニアから製造するのにくらべて原料や費用の点ではるかに劣るので現在では行われていません。

硝酸の実験室的製法

実験室では、ふつう硝酸カリウムや硝酸ナトリウムに硫酸を注ぐ方法で硝酸をつくっています。

レトルトに、粉にした硝酸カリウムを30グラムほど入れこれに濃硫酸20立方センチをくわえます。

レトルトは石綿金網か砂ざらの上におきその先を冷たい水で冷やした受器にさしこんでおきます。

そして。レトルトを静かに熱すると硝酸の蒸気が受器に入りそこで冷やされて液状になります。

受器には、いつも冷水がかかるようにしておかなければなりません。

このときの反応は温度が比較的低いと①式のようにすすみます。

また、温度が高いと、②式のように反応します。
硝酸ナトリウムから硝酸をつくるときの反応も硝酸カリウムからつくる場合と同じです。



硝酸の性質

純粋な硝酸は、硝酸の蒸気による刺激臭のある無色の液体で、比重は1.52です。

硝酸は、湿気を吸う性質が非常に強く空気中では煙をだします。

日本薬局方の濃硝酸は、約25パーセントのものですがこれを2倍の容積の水でうすめると、使いやすくなります。

また実験室では、ふつう濃硝酸を12倍の水でうすめた希硝酸を使っています。

濃硝酸には、いろいろな有機化合物に作用する性質があります。
この作用を硝化作用、またはニトロ化作用といいます。

繊維素(セルロース)に作用させると火薬やセルロイドの原料になるニトロセルロースができグリセリンに作用させると、火薬原料のニトログリセリンができます。

このほか、たんぱく質に作用して、黄色にする性質がありこれをキサソトプロテイン反応といいます。

硝酸がつくと、皮膚や爪などが黄色くなるのはこの反応のためです。

硝酸の用途

硝酸は、火薬・染料・セルロイドなどの製造に使われるほかアンモニアと作用させて、硝酸アンモニウム(硝安)をつくります。

硝酸アンモニウムは、非常に窒素分の多い肥料で硫酸アンモニウムにかわる窒素肥料として重要になってきています。

また、硝酸を、塩基や金属酸化物に作用させると硝酸塩ができます。
硝酸塩は大切な化学薬品で、水によく溶ける性質をもっています。



硫酸の性質と用途とは? わかりやすく解説!

硫酸の製法

硫黄や硫黄をふくんだ鉱石を、空気を通しながら焼くと二酸化硫黄(亜硫酸ガス)ができます。


硫酸は、図の式のように、二酸化硫黄を空気中の酸素で酸化して三酸化硫黄とし、さらに水を反応させてつくります。

しかし、この反応は触媒がなければうまくおこりません。
触媒というのは、化学反応を助けたりさまたげたりして、反応速度を加えるけれどもそれ自身は変化しないような物質のことです。

鉛室法

大きな鉛ばりの部屋(鉛室)の中で二酸化窒素を触媒として二酸化硫黄を硫酸にかえます。

鉛室法による硫酸はあまり純粋ではなくまた、この方法は現在、ほとんど行われなくなりました。

接触法

二酸化イオウと空気を400~550℃に熱した触媒(五酸化バナジウムまたは酸化鉄)の上を通すと、①式のように、三酸化硫黄ができます。

酸化硫黄を水に溶かすと、②式のように硫酸ができます。
三酸化硫黄は、無水硫酸ともいいます。

接触法でできた硫酸は純粋です。

したがって、接触法は、純度の高い硫酸や濃硫酸・発煙硫酸などの製造に用いられています。


硫酸の性質

水をふくまない純粋な濃硫酸はねばりけのある無色の液体で比重は1.84です。

硫酸は、どんな割合にでも水とまざります。
水にその5分の1の容積の硫酸をくわえたものは濃硫酸ほど危険ではないので、使用に便利です。

また実験室では、ふつう、この硫酸をさらに5倍の水でうすめた希硫酸を使います。

硫酸を水でうすめるときには熱が発生して温度があがり、加えた水が急に沸騰して硫酸が飛び散る危険があります。

ですから濃硫酸を水でうすめるときには硫酸の中に水をくわえてはいけません。

水の中に硫酸を少量くわえてよくかきまぜ冷えてからまた少量くわえるようにします。

濃硫酸は、水を吸う性質が非常に強いのでデシケーターに入れて、乾燥剤として使います。

硫酸は水分を吸収するだけではなく化合物の中から、酸素と水素を水の割合でうばいとるはたらきもあります。

たとえば、砂糖や紙などが濃硫酸にふれると水素と酸素が水の割合でとれてあとに炭素が残るので黒くこげたようになります。

このような硫酸が水を吸いとる性質を脱水作用といいます。
このほか、高温の硫酸には、非常に強い酸化作用があります。

硫酸の用途

硫酸は、脱水作用や酸化作用をもっている薬品のうちでは
もっとも安いので、利用範囲が非常に広く、重要な工業薬品です。

硫酸の大部分は、肥料の原料として使われます。

硫酸とアンモニアからつくる硫酸アンモニウム(硫安)は窒素肥料としてもっとも重要なものですしリン酸肥料として大切な過リン酸石灰もリン鉱石に硫酸を作用させてつくります。

硫酸はこのほかにも、いろいろな化学工業で広く使われています。

とくに、火薬・染料・医薬品などの製造には、硫酸はなくてはならないものですし、石油の精製にもぜひ必要です。

また、銅の電解精練などの冶金工業でも重要な薬品です。



塩酸の性質と用途とは? わかりやすく解説!

塩酸の工業的製法

塩酸は、塩化ナトリウム(食塩)の電気分解でできる水素と塩素から塩化水素をつくり、これを水に溶かしてつくります。


塩化水素は、黒鉛でできた耐火性の太い円筒の中で水素を塩素で燃やしてつくります。

できた塩化水素は、冷やしてから水に溶かします。
この方法を合成法といい、合成法でつくった合成塩酸といいます。

合成法は費用が安くてすみますし合成塩酸は、品質が非常にすぐれているので現在では、塩酸のほとんどがこの方法でつくられています。

合成法以前の塩酸は、塩化ナトリウムに硫酸を注いでつくっていました。

塩酸の実験室的製法

実験室で塩酸をつくる場合は、塩化ナトリウムに硫酸を注ぐ昔の方法が使われます。

塩化ナトリウムをフラスコに入れ、ろうとの口から硫酸を注いでフラスコの底を静かに熱すると塩化水素が発生します。

このとき、温度がわりあいに低いと図の①式のような反応がおこりますが温度が高いと、反応は②式まですすみます。

こうしてできた塩化水素を冷やして水に溶かし、塩酸をつくります。

この実験は危険ですから、ひとりで行ってはいけません。



塩酸の性質

約20パーセントの塩化水素をふくむ塩酸は沸点が110℃で一定です。
これ以上濃い塩酸を濃塩酸といい、これより薄い塩酸を希塩酸といいます。

日本薬局方の濃塩酸は、30パーセントで、比重が1.05ですが市販の濃塩酸は36パーセントぐらいです。

純粋な塩酸は無色の液体ですが工業用のものは塩化第二鉄をふくむので黄色です。

濃塩酸は、さかんに塩化水素の蒸気をだします。
そのために瓶詰の塩酸は瓶の内側が塩化水素の蒸気で圧力になっていて危険です。

新しい瓶をあけるときには、注意が必要です。
また、この塩化水素の蒸気は強い刺激臭がありアンモニア水をつけたガラス棒を近づけると、白煙を生じます。

この白煙は、塩化アンモニウムです。濃塩駿は、ふつう水でうすめて使います。

実験室で使うには、10倍の容積の水で薄めた希塩酸がよいでしょう。

塩酸の用途

塩酸や塩化水素はアミノ酸醤油などの調味料の製造や塩化アソモニウムなどの薬品の製造に使われています。

また、塩酸は、金属のさびを溶かすのにも利用されますが最近では、合成繊維や合成樹脂の原料として重要な塩化ビニルなどの製造にも、多量に使われています。

塩化ビニルは、アセチレンに塩化水素を作用させてつくったものです。

塩化アンモニウムは、窒素肥料として使われます。
また、純粋塩化アンモニウムは、乾電池の中の薬として使われます。



弱酸と強酸とは? 一塩基酸と多塩基酸とは? わかりやすく解説!

酸・塩基について、いろいろなことを調べてきましたが酸にはどのような種類があり、また、それぞれどのような性質があるか調べてみましょう。


弱酸と強酸

炭酸のように、一部分しか電離をおこさない酸は水素イオンを少ししかつくらないために酸性か弱く弱酸とよばれます。

弱酸には、炭酸のほか、酢酸などがあります。
いっぽう、塩酸のように、ほとんど全部が電離をおこす酸は水素イオンをたくさんつくるために酸性が強く、強酸とよばれます。

強酸には、塩酸のほかに、硝酸・硫酸などがあります。

一塩基酸と多塩基酸

硫酸の電離は、塩酸の場合と違って、つぎのように二段階でおこります。

このうち第一段の電離は、ほとんど完全に進みますが第二段の電離は、一部分しかおこりません。

塩酸のように、一段で電離をおこす酸を一塩基酸というのにたいして硫酸のように、段階的に電離をおこす酸を多塩基酸といいます。

また、多塩基酸のうち硫酸のように二段階に分かれて電離する酸を二塩基酸リン酸のように三段階に分かれて電離する酸を三塩基酸としいます。

酸化性の酸

硝酸や硫酸には、酸としてのふつうのはたらきのほかに強い酸化があります。

これは、酸の中にふくまれる酸素のはたらきで、このようなはたらきをもつ酸をとくに酸化性の酸といいます。



酸・塩基の指示薬とは? リトマス・フェノールフタレインとは?

水素イオン濃度が違えば、同じ液でも非常に性質がかわってきます。
そのため、いろいろな溶液の水素イオン濃度を調べることは非常に大切です。


指示薬

溶液が酸性か塩基性かを調べるいちばん簡単な方法は、なめてみることです。
もし酸味があれば酸ですし、舌を刺すような味ならば塩基です。

しかし、なめるのは、たいへん危険なだけでなく不正確です。
そこで、水素イオン濃度を詳しく調べるときには指素イオン濃度の小さいときにしめす色を塩基性の色といいます。

例えばリトマスの酸性の色は赤、塩基性の色は青です。
この、酸性の色から塩基性の色にかわるときの水素イオン濃度の範囲を変色域といいます。

例えば、リトマスはpH4.4からpH8.3までの間で酸性の色から塩基pH5~pH8ということになります。

リトマス

リトマスは、水素イオン濃度が大きいときには酸性の色である赤をしめしますが、中性の近くになるにしたがってだんだん紫色になります。

水素イオン濃度が中性よりさらに小さくなって水酸イオン濃度より小さくなるとこんどは塩基性の色である青をしめします。

リトマスをアルコールに溶かした液に希塩酸を少量加えると赤色になりアンモニア水を少量加えると青色になります。

この赤色と青色の液を、それぞれろ紙にふくませて乾かしたものが赤色リトマス紙と青色リトマス紙です。

もし、調べる液が酸性ならば、青色リトマス紙の色が酸性の色である赤にかわります。

液が塩基性ならば、赤色リトマス紙の色が塩基性の色である青にかわります。



フェノールフタレイン

フェノールフタレインは無色の結晶で水にはごくわずかしか溶けませんがアルコールにはよく溶けます。

それで、指示薬としてはフェノールフタレインをアルコール溶液にして使います。

フェノールフタレインは、酸性や中性の溶液では無色ですが塩基性の液では赤色になります。
つまり、変色域が中性よりやや塩基性によっているのです。

ですから、フェノールフタレインを赤色にする液は必ず塩基性です。

フェノールフタレインは、液が塩基性かどうかを試すのに使われます。

また、酸を塩基で中和する反応のとき中和が完全に行われたかどうかを調べるのにも使われます。

メチルオレンジ

メチルオレンジの酸性の色は赤色、塩基性の色は黄色です。
メチルオレンジは、フェノールフタレインと同じように中和を調べる中和指示薬として使われます。

とくに、塩酸とアンモニア水のような強酸とか弱塩基の中和のときに多く使われます。

pH試験紙

指示薬にはリトマス・フェノールフタレインのほかにもいろいろなものがあります。

指示薬によっては変色域が心中性の水素イオン濃度より大きい(pHが7より小さい)ところ、つまり酸性の側にあるものと、変色域が中性の水素イオン濃度より小さい(pHが7より大きい)ところつまり塩基性の側にあるものとがあります。

ですからいろいろな種類の指示薬の試験紙をそろえておけば水溶液の水素イオン濃度、つまりpHを調べることができます。

例えば、ある水溶液のpHを調べるときにはその水溶液をいろいろな試験紙につけてみて変色域の色をしめす試験紙をみつけだせば水溶液のpHは、その試験紙の変色域の範囲にあることがわかります。

また、変色域でしめす色の調子をくわしく調べるともっとくわしいpHを決めることができます。

このように、pHを測定するためにいろいろな試験紙を組みにしたものをpH試験紙といいます。

pH試験紙には、それぞれの試験紙の変色域の色の変化を色ずりにした見本がついています。



酸と塩基の関係とは? 水素イオン濃度と水酸イオン濃度の関係とは?

純水の電離

純粋な水も、ごくわずかですが水素イオンと水酸イオンとに電離しています。


この場合、水1分子から水素イオンと水酸イオンが1つずつできるので水素イオンと水酸イオンの数は等しくなります。

このことを、水素イオンの濃度と水酸イオンの濃度が等しいといいます。

水素イオンの濃度と水酸イオンの濃度とが等しいときには酸性と塩基性が、互いに打ち消しあうのでどちらの性質もあらわれません。

ところが、純粋な水に酸を加えると酸の電離によって、水素イオンが増えるので水素イオンの濃度が水酸イオンの濃度より大きくなります。

そのため、溶液は酸性をしめすようになります。
また、純粋な水に塩基を加えると逆に、水酸イオンの濃度が水素イオンの濃度より大きくなって溶液は塩基性をしめすようになります。



水素イオン濃度と水酸イオン濃度の関係

水素イオン濃度と水酸イオン濃度とのあいだにはいっぽうが増えるるといっぽうは減るという関係があります。

そして、その関係は、いっぽうが倍になるといっぽうは半分になるという、規則正しいものです。

つまり、水素イオン濃度と水酸イオン濃度をかけあわせたものはいつも一定になるわけです。

このことは、水素イオン濃度を「H+]、水酸イオン濃度をOH]であらわすと上の式のようになります。

この式からもわかるように、水素イオン濃度が決まるとひとりでに水酸イオン濃度も決まっててしまい
どちらかいっぽうの濃度だけをかえることはできません。

つまり、酸性・塩基性の強さは、水素イオン濃度だけであらわすことができます。



塩基と塩基性とは? 塩基の電離や性質とは? わかりやすく解説!

アンモニアの水溶液

アンモニアは、20℃での水に、水の700倍ぐらいの体積が溶けます。

アンモニアの水溶液に、青色リトマス紙と赤色リトマス紙を入れると二酸化炭素の水溶液の場合と違って赤色リトマス紙は青くなりますが青色リトマス紙は色がかわりません。


一方、乾いたアンモニアの気体の中に青色リトマス紙と赤色リトマス紙を入れてみるとどちらも色がかわりません。

しかし、この場合でも、リトマス紙が水分を吸っていたりアンモニアがよく乾いていないで、水分をふくんでいたりするとアンモニアの水溶液のときと同じように赤色リトマス紙の色が青くかわります。

これは、アンモニアの気体がアンモニアやリトマス紙にふくまれる水分といっしょになってアンモニアの水溶液と同じはたらきをするからです。

アンモニアは水に溶けると、水と反応して、下の式のように、アンモニア水ができるのです。

この実験で乾いたアンモニア(水酸化ナトリウムか水酸化カリウムを詰めた瓶の中を通す)には、乾いたリトマス紙の色をかえるはたらきがなく水に溶けてアンモニア水になると、赤色リトマス紙の色を青色にかえるはたらきをもつようになることがわかりました。

アンモニア水のよに、赤色リトマス紙の色を青色にかえる物質を塩基またはアルカリといいます。

また、塩基のもっている性質を塩基性といいます。



塩基の電離

アンモニアが水に溶けると、アンモニア水ができ塩基のはたらきをしますがアンモニア水そのものが塩基のはたらきをしめしているのではありません。

アンモニア水の一部は、左の①式のように変化しアンモニウムイオンと水酸イオンとに分かれています。

同じように、水酸化ナトリウムが水に溶けるとそのほとんどが上の②式のようにナトリウムイオンと水酸イオンとに分かれます。

このように、塩基がアンモニウムイオンやナトリウムイオンのような陽イオンと陰イオンである水酸イオンとに分かれることを、塩基の電離といいます。

塩基のはたらきをするのはアンモニア水や水酸化ナトリウムのものではなくてこれらが電離してできる水酸イオンなのです。

電離してできる陽イオンは、塩基のはたらきには直接関係しません。

したがって、塩基と塩基性ということを水酸イオンを使っていいあらわすと塩基というのは、電離によって水酸イオンをだす物質のことで塩基性とは、水酸イオンのもつ性質であるということができます。

塩基とアルカリ

水溶液の中で電離して、水酸イオンをだす物質を塩基といいましたが、アルカリともいいます。

アルカリというのは、塩基のなかでもよく水に溶け強い塩基性(アルカリ性)をしめす物質をさします。

ふつう、ナトリウム・カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やカルシウム・バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物例えば水酸化ナトリウムや水酸化バリウムなどを、アルカリといっています。

突然には、アルカリ・アルカリ性というかわりに塩基・塩基性という言葉を使います。

塩基の性質

塩基は、水酸イオンをだす物質です。
ですから、いろいろな塩基は水酸イオンの性質を共通にもっているわけです。
つまり塩基に共通した性質は、水酸イオンの性質ということになります。

水酸イオンのおもな性質は、つぎのとおりです。

① 塩化鉄・硫酸銅のような重金属の塩の水溶液から
よく水酸化物をつくります。

これは、水酸イオンが、金属の陽イオンと反応して水に溶けにくい水酸化物をつくるからです。

② リトマスのような指示薬に、塩基性特有の色をつけます。

③ 酸と中和反応をおこします。



酸と酸性とは? 酸の性質とは? わかりやすく解説!

アサガオの花やシソの葉からしぼりとった色水に酢やナツミカンの汁を入れると色が赤くなります。

一方、この色水に、灰じるのうわずみ液を入れると色が青くなります。

また、酢のかわりに塩酸を灰じるのかわりに水酸化ナトリウムの水溶液を使っても、同じ実験ができます。
酢や塩酸は酸とよばれ、水酸化ナトリウムは塩基とよばれます。

酢や塩酸と、灰じるや水酸化ナトリウムの水溶液とでは花の色水のかえ方が違います。

この酸や塩基は、どのような性質をもっているか調べてみましょう。


二酸化炭素の水溶液

二酸化炭素は、15℃の水に、水と同じくらいの体積が溶けこみます。

二酸化炭素の水溶液に、青色リトマス紙と赤色リトマス紙を入れると青色リトマス紙は赤くなりますが赤色リトマス紙は色がかわりません。

一方、乾いた二酸化炭素の気体の中に青色リトマス紙と赤色リトマス紙を入れてみるとどちらも色がかわりません。

しかし、この場合でも、リトマス紙が水分を吸っていたり二酸化炭素がよく乾いていないで水分をふくんでいたりすると二酸化炭素の水溶液のときと同じよう青色リトマス紙の色が赤くかわります。

これは、二酸化炭素の気体が二酸化炭素やリトマス紙にふくまれる水分といっしょになって二酸化炭素の水溶液と同じはたらきをするからです。

二酸化炭素は、水に溶けると、水と反応して図の式のように炭酸ができるのです。

この実験によって、乾いた二酸化炭素(濃硫酸を通す)は乾いたリトマス紙(塩化カルシウムデシケーターに入れる)の色をかえるはたらきがなく、水に溶けて炭酸になること青色リトマス紙の色を赤色にかえるはたらきをもつことがわかりました。

炭酸のように、青色リトマス紙の色を赤色にかえる物質を酸といいます。
また、酸のもっている性質を酸性といいます。

酸の電離

二酸化炭素が水に溶けた炭酸は、酸のはたらきをしますが炭酸そのものが酸のはたらきをするのではありません。

炭酸の一部に水とはたらきあって、左の①式のように変化しヒドロニウムイオンH3O+と炭酸水素イオンHCO3とに分かれています。

同じように、塩化水素が水に溶けると塩酸という酸になりますが塩酸では、そのすべてが水とはたらきあって上の②式のように、ヒドフニウムイオンと塩素イオンとに分かれています。

このように、酸が、ヒドロニウムイオンと炭酸水素イオンや塩素イオンのような陰イオンとに分かれることを酸の電離といいます。

酸のはたらきをするのは、炭酸や塩酸そのものでけなくて、これらが電離してできるヒドロニウムイオンH3O+なのです。

電離によってできる陰イオンは、酸のはたらきには直接関係しません。



水素イオン

酸の電離によってできるヒドロニウムイオンは酸からでる水素イオンが水の分子とむすびついてできたものです。

つまり、酸からでる水素イオンは、水中ではそのままで入れなくて必ず水の分子とむすびつき、ヒドロニウムイオンになっているのです。

しかし、ふつうは、ヒドロニウムイオンを水中の水素イオンという意味でたんに、水素イオンといっています。

ですから、ここでも、とくにヒドロニウムイオンと水素イオンH+を区別しないで、両方とも、水素イオンH+と書きあらわすことにします。

したがって.いま述べた意味での水素イオンを使って酸と酸性をいいあらわすと酸というのは電離によって水素イオンH+をつくりだす物質のことであり酸性とは、水素イオンH+のもっている性質であるということができるのです。

酸の性質

酸は、水素イオンH+をつくりだす物質ですからいろいろな酸は、水素イオンの性質を共通にもっているわけです。

つまり、酸に共通な性質は、水素イオンの性質ということになります。
水素イオンのおもな性質は、つぎのとおりです。

① 酸味をもっています。
これは、水素イオンの刺激による味です。

② 亜鉛・スズなどの金属とはたらきあって水素を発生します。
これは、これらの金属原子が、酸の中の水素イオンに電子をあたえ水素ガスにするからです。

金属は、イオンになって、水に溶けるのです。

③ リトマスのような指示薬に、酸性に特有な色をつけます。

④ 塩基と中和反応をおこします。



還元剤とは? 還元作用をする物質とは? わかりやすく解説!

還元剤

還元作用をする物質、すなわち他の物質から酸素を奪ったり他の物質に水素や電子を与えるはたらきをする物質を還元剤といいます。


炭素

コークスや木炭などの炭素は金属の酸化物などから酸素を奪い金属に還元するはたらきがあります。

これを利用して、鉄鉱石(酸化鉄)から鉄を取り出す製練などが行われれます。

一酸化炭素

一酸化炭素は炭素が酸化されたものですがさらに酸素と反応して二酸化炭素になることができます。
すなわち、還元作用があるわけです。

炭素のところで述べた鉄の製練の場合も鉄鉱石を還元するのは炭素だけではなく、むしろそのとき同時にできる一酸化炭素が主に還元作用をしているのです。



ホルムアルデヒド

常温では刺激性のにおいのある気体ですが水に溶かしたものはホルマリンとよばれています。

硝酸銀の水溶液に、液が透明になるまでアンモニア水を加えたものにホルマリンを加えると、銀が還元されて析出し器の内面に銀がつきます。

これは銀鏡反応といわれる反応でホルマリンにかぎらず還元作用のあるぶどう糖などでもこの反応がおこります。

そのほかの酸化・還元剤

前にあげたもののほかに酸化剤としては濃硫酸・重クロム酸カリウム・塩素・ヨウ素・二酸化マンガンなどがおり還元剤としては二酸化イオウ・硫化水素・亜硫酸ナトリウム・シュウ酸などがあります。

ここで、ちょっと注意しなければならないことは酸化剤や還元剤は、それぞれ酸化・還元の作用の強さに違いがあることです。

強い酸化剤と弱い酸化剤とが反応し、弱い酸化剤が強い酸化剤によって酸化されるすなわち弱い酸化剤が還元剤としてはたらくことがあります。

ふつう、酸化剤としてはたらく過酸化水素は過マンガン酸カリウムにたいしては還元剤として作用します。

また、還元剤である二酸化硫黄が硫化水素と反応すると、二酸化硫黄は酸化剤としてはたらきます。




酸化剤とは? 酸化のはたらきをする物質とは?

酸化剤

酸化のはたらきをする物質、すなわち他の物質に酸素を与えたり他の物質から水素原子、または電子を奪うことができる物質のことを酸化剤といいます。

過マンガン酸の塩、クロム酸の塩、硝酸および硝酸塩ハロゲン、金属の塩、酸素および酸素をふくむ酸類・酸化物など非常に多くのものが酸化剤としてのはたらきをもっています。

いくつかの代表的な酸化剤のはたらきについて調べてみましょう。


オゾン

特別のにおいがあるうすい青色をした気体で酸素ガスの中で放電を行わせせるとできます。

オゾンは普通の酸素とは違って酸素原子3個からできているので分解しやすくそのときにでる酸素原子が強い酸化のはたらきをするのです。

例えば、ヨウ化カリウムKI溶液にオゾンを入れるとヨウ化カリウムは酸化されてヨウ素を遊離します。

このような強い酸化作用を利用して繊維などを漂白することもできます。

過酸化水素

無色・透明な液体で30パーセントぐらいの水溶液として売られています。

家庭でよく傷口の消毒などに使われるオキシドールは過酸化水素の3パーセントぐらいの水溶液です。

過酸化水素はオゾンと同じように分解するとき、酸素を発生し、水になります。




過マンガン酸カリウム

黒紫色の棒状の結晶で水に溶かすと美しい紫色になります。
200℃に熱すると、酸素を発生します。

また酸・塩基いずれの水溶液でも反応の仕方は少し違いますが酸化作用をしめします。

過マンガン酸カリウムの水溶液は有機物にあうと有機物を酸化し過マンガン酸カリウム自身は還元されて色が消えます。

この反応を利用して、水の中に有機物がふくまれているかいないかを調べることもできます。

硝酸類

銀は空気中の酸素では酸化されませんが硝酸にあうと、酸化されて硝酸銀になります。

それに、硝酸が酸化力の強い酸素をだし、それが銀にはたらいて銀の酸化物をつくり

さらに、銀の酸化物と硝酸が反応して硝酸銀ができるのです。
黒色火薬は硝酸カリウム・木炭・イオウの混合物ですが空気がなくても激しく燃えて爆発します。

これは硝酸カリウムが強力な酸化剤として作用するからです。

王水

金・白金はさびないし、酸にも溶けない金属ですが濃塩酸と濃硝酸の混合溶液には塩化金または塩化白金となって溶けます。

この混合溶液は王水とよばれます。
強い酸化作用をもっていて、金属の王様といわれる金や白金をも溶かしてしまうところからつけられた名前です。



酸化・還元と電気分解とは? わかりやすく解説!

酸化と還元

今までは、酸化と還元について別々に考えてきましたがここで酸化・還元をまとめて考えてみましょう。

かんたんな例として、炭素が燃える場合を考えてみましょう。


炭素原子の原子価は0、二酸化炭素になったときは炭素の原子価は4です。
すなわち、炭素は原子価0から4に増えて酸化されたことになります。

酸素は、反応するまえは電気的に中性で原子価は0二酸化炭素になったときは 一2価にかわります。

つまり、酸素は0から-2価に原子価が減ったことになりこれはすなわち酸素が還元されたことにほかならないのです。

このように、酸化と還元はいつも同時に起こるものです。
一方が酸化されているときにはもう一方は必ず還元されています。

いろいろな酸化・還元反応について自分で考えてみてください。

酸化・還元とイオン

すでに述べたように酸化は原子の+電気が増えること、あるいは-電気が減ることであり、還元は+電気が減ることあるいは-電気が増えることです。

原子は原子核の周りに-電気をおびた電子という粒がとりまいている形をしています。

その電子が増えたり、減ったりすると原子は-電気をおびたり+電気をおびたりします。

原子が電気をおびた状態にあるものをイオンといいます。

こうして見ると、原子が+イオンになることは酸化であり-イオンになることは還元であるということができます。

また、反対に+イオンが原子になることは還元であり-イオンが原子になることは酸化です。



酸化・還元と電気分解

酸化・還元とイオンの関係を電気分解について考えてみましょう。

食塩の水溶液はナトリウムイオンと塩素イオンに分かれています。
これを電気分解すると、塩素イオンは陽極(プラス極)に引かれ
そこで電子を陽極にわたして塩素原子となり、これが2個で塩素分子になります。

つまり、塩素イオンは酸化されたわけです。
ナトリウムイオンは陰極(一極)に引かれますが
水が電離してできた水素イオンのほうが電子をもらいやすい性質をもっているので
電子をもらって水素原子となり、これが二個で水素分子になります。

つまり水素イオンは還元されたのです。
ナトリウムイオンは、食塩水の中に水酸イオンとともに残ります。

そのほかの電気分解のときにも
陽極や陰極で、必ず酸化・還元の反応が起こっているのです。

また、金属のメッキのときにも酸化・還元が起こっています。



金属の還元とは? 広い意味での酸化とは? わかりやすく解説!

広い意味での酸化

元素が酸素と化合することだけが酸化ではありません。
酸素のかわりに、塩素や硫黄がはたらいて化合物をつくることも酸化といいます。


塩素ガスの中に赤熱した銅線をいれると激しく反応して、塩化第二銅ができます。

このとき、銅が酸化されたといいます。
銅とイオウが化合して硫化第二銅ができることも銅が酸化されたといいます。

それでは、なぜこのような場合にも酸化といわれるのでしょうか。

そのわけは広い意味での酸化と原子の+電気が増えるような方向に反応がすすむことをいうのです。
いいかえると、原子の原子価が+の方向に増えるような反応を酸化といいます。

塩素と銅との反応の場合について考えてみるとはじめ銅の原子は+・-が丁度つり合って電気的に中性です。

塩化第二銅になったときは銅の原子価は二価、つまりCu2+の状態になっています。

電気的に中性(0)の状態から+2の状態にかわったので銅は酸化されたということができます。

硫黄との反応についても、同じように考えることができます。

金属の還元

金属が酸化されても、その金属がなくなったわけではありません。

酸化されたもの(酸化物)から再び金属をとりだすことができます。

例えば、酸化第二銅と炭素をまぜて熱すると酸化第二銅の酸素が炭素に奪われて金属銅ができます。

また、酸化銅と水素を反応させて酸化銅から酸素を取り除くこともできます。

鉄は鉄鉱石からつくりますが鉄鉱石は鉄の酸化物です。
これから鉄をとりだすときも酸素を取り除く必要があります。

このように、酸化物から酸素をとることを酸化にたいして還元といいます。

しかし、広い意味においては酸素がとれることだけを還元というのではなく酸化の場合とは反対に、原子の+電気が減るような(-電気が増えるような)方向に反応が進むことを還元といいます。

つまり、原子の+の原子価が減るか、-の原子価が増える反応を還元といいます。



実験

酸化第二銅の粉と木炭の粉を10対1くらいの割合でよくまぜあわせ、乾いた試験管に入れる。
バーナーでしばらく熱し発生する気体を水酸化カルシウムの水溶液に通す。

酸化第二銅が炭素により還元されて二酸化炭素が発生し水酸化カルシウムの水溶液がにごる。

ガラス管を水酸化カルシウムの水溶液から引きあげてから熱するのを止め、試験管の中のものを水で洗うと還元された金属の銅がえられる。

酸化第二銅と炭素との反応の場合酸化第二銅の銅の原子価は二価です。

これが金属の銅になったときは、電気的に中性ですから原子価は0です。
つまり、+2価の状態から0に原子価が減ったことになります。

このとき銅は還元されたといいます。
ほかの反応についても同じように考えてみてください。

実験

亜鉛と希硫酸で水素を発生させ濃硫酸を通して水分を除いてからガラス管に導くガラス管の中央に銅製の網をおきガラス管の外からアルコールランプで温める。

水素を溶かさない状態で銅を加熱すると黒い酸化第二銅ができるが水素を通すと、還元されて銅にもどる。



酸化とさびとは? 錆びない金属とは? わかりやすく解説!

前回、物質と酸素との化合
すなわち酸化ということを、燃焼とあわせて主に紹介しました。

さて、酸化にたいして、その全く逆の反応である還元という言葉があります。

酸化と還元を理解するには金属について考えるとわかりやすいのでここでは金属の酸化・還元を勉強しましょう。


さびない金属

さびない金属として、私たちがよく知っているものに、金・銀・白金などがあります。
金と同じように、金色をしていても黄銅(しんちゅう)は空気中におくとつやがなくなって表面がさびてきます。

これにたいして、金・銀・白金はつやもかわりません。

これらは、空気中の酸素と化合しないので、さびないのです。
銀は、ときどき黒くなりますがこれは空気中に硫黄の蒸気などがあったとき、それと反応して化合物をつくるためです。

金・白金は天然にもそのまま産出します。
金・銀・白金でつくった器はみがかなくてもいつも美しい光沢をもっているので、食器や装飾品に使われます。

さびやすい金属に金めっきや銀めっきをすると、さびにくくなります。

クロムも銀色をした金属ですが固すぎるのでそのまま利用されることは少なく、鉄などにメッキしたクロムメッキとして、使われています。

クロムメッキをしたものは、なかなかさびません。

鉄とクロム・ニッケルの合金もさびにくいのでさびない鋼(ステンレス鋼)といわれています。



金属の酸化

金属が酸素と化合することを金属の酸化といいます。
金属が酸化してできるものについて、まえにも少し勉強しましたがここでもう少し詳しく調べてみましょう。

鉄を空気中で強く熱すると黒い色のさび(黒さび)ができます。

これは四三酸化鉄 Fe3O4という化合物です。
式からもわかるように鉄の酸化物で鉄原子3個と酸素原子4個の割合でむすびついているところから、四三酸化鉄とよびます。

また、鉄を空気中に放置したり雨ざらしにしておくと、茶色のさび(赤さび)ができます。

これは、三二酸化鉄Fe2O3を主成分とするものです。

黒さびは、きめが細かく、鉄にしっかりくっついていて鉄がそれ以上さびるのをふせぎます。

ですから、鉄の表面にわざと黒さびをつくってさび止めにします。

これにたいして、赤さびはきめが粗く表面がボロボロしているので、さらに水や酸素が内部の鉄に触れ酸化反応が進み、鉄の芯までさびてしまいます。

銅は空気中で黒くさびます。これは酸化第二銅ができるためです。

銅を雨ざらしにしたり、とくに酸などをはたらかせると緑色のさびができます。

これをロクショウといいます。
また、銅を空気中で1000℃ぐらいに熱すると表面に赤い酸化物の膜ができます。

この膜は、酸化第一銅Cu2Oというもので銅の表面だけにできて、内部を保護するので、わざわざ酸化物を銅の表面につくることがあります。

純粋なアルミニウムは空気中においても、その表面のつやに変化がないので、さびないように見えますがこれは表面にごくうすい酸化アルミニウムの膜ができて、内部がおかされないからです。

アルミニウムの表面を処理して酸化アルミニウムの膜をつくったものはアルマイトとよばれます。

固くて、さびにくいのでやかん・弁当箱・食器などに使われます。

不純物をふくむアルミニウムは表面にボツボツの酸化物の粒ができてまもなく穴があいてきます。



窒素の製法・性質・用途とは? アルゴンとは? わかりやすく解説!

窒素

空気の成分は、酸素と窒素が主ですが瓶の中などでロウソクを燃やすと酸素が使われて、二酸化炭素ができます。


それで瓶の中に残った空気中には窒素のほかに、二酸化炭素もふくまれているわけです。

図のように、底のない瓶の中で黄リンを燃やすと酸素が使われて五酸化リンができます。

五酸化リンは水に溶けるので酸素の量だけ水が瓶の中にあがりあとに、窒素とアルゴンが残ります。

窒素の製法

窒素は、酸素と同じように液体空気から分けてとりだされます。
これは、液体から気体になる温度が酸素と違うことを利用するのです。

窒素の性質

窒素は、色もにおいもない気体で比重は、空気を1とすると0.967です。

窒素は、酸素と違って物を燃やすはたらきをもっていません。
また、人をはじめ、ほかの動物も窒素だけの中では生きていられません。

しかし、窒素は毒ではありません。
窒素は、アンモニアや硝酸カリウムとなって植物の肥料になっています。

窒素肥料とよばれているのはこれら植物の生長を助ける窒素化合物のことです。

また、食物にふくまれていて私たちになくてはならない栄養素のたんぱく質も、窒素をふくむ化合物です。



窒素の用途

液体窒素は、液体酸素と違って物を燃やす心配がないので温度を低くしなければできない研究などによく使われます。

また、窒素が物を燃やさない性質を利用して、電球につめられます。

しかし、このように窒素がそのままで使われる例は少なくたいてい、アンモニアや硝酸などのように窒素を化合物としてから利用しています。

窒素化合物は、火薬・染料・医薬品などいろいろなものの原料として使われるのです。

アンモニア

窒素と水素を体積で1対3の割合にまぜ大きい圧力をかけ、50℃ぐらいに熱するとアンモニアができます。

このとき、触媒として、鉄に酸化アルミニウムをまぜたものを使います。

また、実験室でアンモニアをつくるには試験管に塩化アンモニウムと水酸化カルシウム(消石灰)を入れて熱します。

アンモニアは、鼻をつくようなにおいのある無色の気体です。
空気より軽く、水によく溶けます。
その水溶液をアンモニア水といい塩基性をしめします。

また、アンモニアは液体になりやすく15℃では7気圧、零下33℃は1気圧でも液体アンモニアになります。

この液体アンモニアが気体になるときは周りから大きな熱量を奪うので氷をつくったり、物を冷やしたり凍らせたりするときに使われます。

アルゴン

アルゴンは、空気中に1パーセントしかない気体です。
燃えもせず、物が燃えるのを助けるはたらきもなくまた、どんなものとも化合しません。

電球などにつめておくとフィラメントが蒸発するのをふせげるのでガス入り電球に利用されています。




酸素の性質と用途とは? わかりやすく解説!

酸素の性質

酸素は、色もにおいもない気体です。
水には溶けにくく、20℃の水1立方センチにたいして
0.031立方センチしか溶けこみません。


比重は、空気を1とすると1.105です。
酸素は、物が燃えるのを、助けるはたらきをします。

空気中で物が燃えるのも、酸素のはたらきによるのですが
空気は、酸素が4倍もの窒素で薄められているので、物の燃え方も静かなのです。

酸素のこのはたらきを調べるには集気瓶に集めた酸素の中で
いろいろな物を燃やしてみるとよくわかります。

実験

①燃焼さじに、硫黄の粒か粉を少しとって
アルコールランプの炎にかざして燃やします。

空気中では、うす紫色の弱弱しい炎を出して
燃えますが、これを酸素の入った瓶の中に入れると、激しく燃えだします。

②鉄製の針金の先に小さい木ぎれをむすびつけ、この木ぎれに火をつけます。

このままでは、鉄が燃えだすことはありませんが
これを酸素の入った瓶の中に入れると鉄が激しく燃えます。

③赤く火のついた木炭の1かけらを
酸素の中に入れると、激しく燃えだします。

このような実験によって
酸素には、物を燃やすはたらきがあることがわかります。

もし、空気中に窒素がなくて酸素ばかりだったら
ちょっとマッチをすっても、激しく燃えだし
間違えると大火事になってしまうわけです。



酸素の用途

酸素は、生物の呼吸になくてはならぬものです。
それで、潜水夫や呼吸困難な病人の吸入用などに使われます。

また、酸素アセチレン炎といって酸素とアセチレンをいっしょに燃やすと高い温度の炎がでるので鉄の溶接や、切断などに利用されます。

そのほか、金属の製練や炉を使う工業にまた、口ケットの燃料などとして大量の酸素が使われます。

オゾン

乾いた酸素中か空気中で火花を飛ばさない放電を行うと酸素の一部がかわってオゾンができます。

ふつうの酸素は、2つの酸素原子が集まって、1つの分子になっていますがオゾンは、3つの酸素原子で、1つの分子を形づくっているものです。

オゾンは、特別のにおいのあるうす青色の気体で、殺菌力や漂白作用(色を白くする作用)が強くまた、酸化されやすいものに触れるとそのものを酸化して、すぐふつうの酸素にもどる性質をもっています。

このような性質を利用して空気や飲料水の消毒、油の漂白、酸化剤などとして使われています。

オゾンは、放電によるだけでなく紫外線が空気にあたるときなどにもできます。






酸素の製法とは? 酸素の作り方とは? わかりやすく解説!

酸素の工業的製法

酸素を大量につくるには空気中の窒素などを取り除いて酸素だけにする方法が主に使われます。

空気を圧縮して、急に膨張させると温度が下がって冷えます。

これをくりかえして、零下190℃ぐらいにすると空気の一部が液体になります。

これを液体空気といいます。

この場合、酸素のほうが先に液体になりますができた液体空気中には、窒素もたくさんまじっています。

この液体空気をゆっくり蒸発させると窒素が先に気体になって逃げあとには、純粋にちかい青い色をした液体酸素が残ります。

液体酸素を保存するにはジュワー瓶という、特別な入れ物に入れます。

また、気体にして保存するには鉄でつくったボンベという入れ物を使います。


酸素の実験室的製法

過酸化水素から酸素をつくる

過酸化水素に二酸化マンガンを触れさせると過酸化水素が分解して、酸素が発生します。

実験するときは、過酸化水素のうすい水溶液(過酸化水素水)を使います。

フラスコの中に二酸化マンガンを入れ、その上から過酸化水素水を注ぎます。
発生した酸素ば、ガラス管を通して水中で水を満たした集気瓶の中に集めます。

このとき、はじめに出てくる気体にはフラスコ内の空気がまじっているので、ある程度たまったらいちど捨てまた水を満たした集気瓶をおいて発生する酸素を集めます。

過酸化水素は、それだけでもいくらかは分解して酸素をだしますが二酸化マンガンを触媒としてはたらかせると分解が激しくなるのです。

実験室で使う過酸化水素は薬局で売っているオキシドールを用います。
オキシドールは3パーセントの過酸化水素水で、消毒用に使われる薬品です。



工業用としては、30パーセントのものもありますがこのような濃いものは激しく分解したり、皮膚につくとその部分を白くしたりするので危険です。

3パーセントの過酸化水素水200立方センチ二酸化マンガン5グラムからは約2リットルの酸素がえられます。

酸素が集気瓶にたまったら水の中でガラス板のふたをし、水中からとりだします。

酸素の比重は、空気より少し大きいのでふたをした瓶は、口を上にしておいておきます。

塩素酸カリウムから酸素をつくる

塩素酸カリウムは、無色透明の板のような結晶をした薬品です。

下の図のような装置で、試験管の中に塩素酸カリウムと二酸化マンガンを入れて熱すると塩素酸カリウムが分解して、酸素が発生します。

塩素酸カリウムだけでも、溶けるくらいに熱すれば分解しますが、触媒として二酸化マンガンを加えると早く分解して溶けないうちに酸素がでてしまいます。

塩素酸カリウムと、二酸化マンガンをまざるときは、乳鉢の中などですりあわせると爆発する恐れがありますから必ず、紙の上などで軽くまぜあわせるように注意します。

過酸化水素や塩素酸カリウムが分解しているとき、フラスコまたは試験管からでているガラス管の先にマッチの火の燃え残りをもってくると激しく燃えだして再び炎がつきます。

これは、発生する気体が酸素であることを確かめる便利な方法です。





空気の性質と成り立ちとは? わかりやすく解説!

空気

空気は、目では見ることができないものなので私たもの身の周りにあることがわかりにくいものです。


しかし、風となって、私たちにふきつけたりすると風がふいたといって何かがあることがわかります。

そして、それは空気が動いてつきあたったためだということに気がつくでしょう。

また、からのコップを逆さまにして水の中に押し込んでみると水はコップの中にまで入ってきません。

これは、コップの中に空気があるためです。
このコップを少しずっ傾けていくと空気が泡になって出ていくのが見られます。

空気の性質

空気は、色もにおいもない気体で水にはあまり溶けません。

重さは、水の約1000分の1で0℃1気圧の空気1リットルの重さは1.293グラムしかありません。

実験

1リットルの丸底フラスコに100立方センチほどの水を入れます。

フラスコの口には、ガラス管をさし通したゴム栓をしてガラス管の上のほうにはゴム管をつないでおきます。

①まず、プラスコの底をアルコールランプで熱しよく沸騰させてから上のゴム管にガラス棒をさしこんで管の囗を塞ぎます。

そして火を消し、中の水がよく冷えたらフラスコの重さをはかります。

②次に、ゴム管にさしこんだガラス棒をぬきガラス棒もいっしょにしてフラスコの重さをはかります。

すると、①のときに比べて約1グラム重くなったことがわかります。

これは、熱いうちは水蒸気がフラスコにいっぱいになり、空気が追い出されれるのです。

ところが、冷えてくると水蒸気は水になり管の口を開けたとき外から空気が1リットルほど入ってくるのでそれだけ重さが増したわけです。



空気の成り立ち

空気中では、いろいろな物が燃えます。
ところが、口を塞いだ瓶の中などでは空気が入っていても、しばらくは燃えていますが、やがて消えてしまいます。

これは空気が物を燃やすはたらきのあるものと燃やすはたらきのないものとからできているためです。

物を燃やすことのできるものは酸素という気体で、空気の約5分の1を占めています。

残りの5分の4は、物を燃やすことのできない気体で、大部分が窒素です。

また、ごく少し、空気の1パーセントぐらいはアルゴンという気体です。

水の場合は酸素と水素とが化合して水という物質の分子になり、それが集まって水ができています。

しかし、空気は酸素の分子、窒素の分子、それにわずかなアルゴンの分子がまじりあってできているのです。

これらの気体のまじりあう割合は酸素21、窒素78、アルゴン1です。

実験

試験管の内側を水でぬらし、鉄粉をつけます。
この試験管を、水を入れたガラスの水槽の中に、逆さまにして立てておきます。

一週間ほどしてから試験管の内部の様子を見ると鉄粉は赤くさび、しかも、試験管の中の水面が、はじめよりも5分の1ほどあがっています。

この試験管の口を、水槽の中にガラス板を入れてふたをしてからおもてに取り出し口を上に向けて、すばやく燃えているロウソクを入れます。

すると、火はすぐに消えてしまいます。
これらのことから、次のようなことがわかります。

つまり、鉄がさびたのは試験管の中の酸素とむすびついたのです。

水が、前よりも5分の1あがってきたのは、それだけの酸素があったことです。

そして物を燃やさない気体が残ったのです。



爆発とは? ガス・水素・火薬の爆発とは?

燃える気体と空気とがある割合でまざっているときその一か所に火をつけるとそこから急に燃え広がり、音をたてたり周りの物を壊したりすることがあります。

これが爆発です。


燃える気体と空気とのまじった物が爆発するときは多量の熱が発生するので、気体が急に膨張しその圧力で周りの物を壊したり、音をたてたりするのです。

爆発は、燃える気体ばかりでなく燃える性質をもった液体や固体の細かい粒が空気にまじっているときにも起こります。

ガスの爆発

ガスと空気のまざったものをガラス管につめてそのはしに火をつけると、炎がすばやく中のほうにはしります。

これも爆発ですが、この爆発はあまり恐ろしくはありません。

しかし、この混合ガスがフラスコや口の小さな瓶などに入っているときはその入れ物が壊れて飛び散ります。

ガスが部屋に漏れて、空気とまざったときに火をつけると、爆発することがありたいへん危険です。



水素の爆発

水素と空気とのまざったものは、そのまざり具合で爆発します。

このときの爆発の激しさは水素と酸素のまざり具合で違い体積で、水素2に酸素1の割合でまざっているときにいちばん激しく爆発します。

これは、水素と酸素が2対1の割合でまざっているとき火をつけると全部が瞬間的に化合してしまうからです。

空気中には酸素が5分の1ふくまれているので水素と空気の場合は2対5になるわけです。

しかし、水素の割合が多少違っても爆発は起こります。
燃える気体が空気中に何パーセントから何パーセントまでふくまれていると爆発するというこのパーセントの範囲を爆発範囲(爆発の限界)といいます。

水素の場合は、空気中に水素が体積にして4~75パーセントまでの範囲にふくまれているとき、爆発を起こします。

ですから、爆発範囲の大きいものほど取扱いが危険なわけです。

花火と火薬

爆発というと、すぐ火薬を思いだします。
火薬のうちでも、古くから知られているものに黒色火薬があります。

この火薬をかんたんな遊びに利用したものが線香花火です。

線香花火の火薬は、硝酸カリウムと硫黄・木炭などからできています。

硝酸カリウムは熱すると酸素を出しそばにある硫黄や木炭を激しく燃やすのです。

このように、花火や黒色火薬には酸素を出す薬品がまぜてあります。

工事などで使う火薬には、ダイナマイトなどがあります。
ダイナマイトは、ニトログリセリンという化合物を使ったものです。

このような強力な火薬を爆薬といい、空気中から酸素をとらなくてもその火薬だけで激しく反応して、短時間にたくさんの気体と熱を発生するのでその圧力を利用しているのです。



炎の部分と性質とは? わかりやすく解説!

炎の部分と性質

物がよく燃えるためには、燃える物が空気によく触れることが必要です。

ロウソクの炎の仕組みで調べた各部分の色の違いはロウの気体の燃え方が部分によって違うからです。


芯の周りの光らない部分にはロウの気体はあるのですがそれが、空気に触れないため燃えていないのです。

ここの温度は低く、約400℃ぐらいです。

その外側の明るい部分は、この気体が燃えているところです。

しかし、空気と充分に触れあわないので完全に燃えず、気体にふくまれていた炭素が燃えきらないで小さな粒になってでてきます。

この粒がススです。

そしてこの炭素の粒が1000℃以上に熱せられて明るく光り全体として明るい部分を形づくっています。

その外側のうすい光のさやは空気によく触れるため完全に燃えているところで温度も1400℃ぐらいです。

実験

①太さ2ミリぐらいの針金を炎に入れてみると炎の明るく光る部分にあたったところだけにススがつきます。

このススは、燃えきらない炭素の粒なのです。
炎心や、外炎の部分にあたった針金にはススがつきません。

②ガラス管を短く切ったものを炎心の部分に差し込むと他のはしから白い煙のようなものがでます。

これに火をつけると炎をあげて燃えます。

同じことを、炎の明るい部分ですると黒い煙がでて火をつけるとときには赤茶けた炎が少しでます。

また、外炎の部分に管をおいても燃える気体はでてきません。

これらのことからも、炎の部分によってロウの気体の燃え方が、それぞれ違うことがわかります。

アルコールランプの炎

アルコールランプの炎は、液体のアルコールが芯を這い上がり、そこで蒸発して気体となってから燃えてできたものです。

ところが、アルコールでは、炭素のふくまれ方が少ないので、炎にはススがでません。

そのために、炎に輝きがないのです。

しかし、このアルコールランプの炎の中に細かい土のような燃えない物質の粒か粉をふりかけると、星のように輝きます。

つまり、炎が明るく輝くのは炎の中に固体の粒があるときなのです。

アルコールランプの炎についてもロウソクの炎と同じ実験ができます。



ガスの炎

風のない部屋で、管の先からガスを少しずつだして火をつけると三角すいのような決まった形の炎ができます。

しかし、ガスのでかたが激しくなると炎の形は複雑になります。

私たちが見ると、分かれたたくさんの炎のように見えますが、実際には1つの炎が左右に揺れているのです。

また、台所のガスコンロやガスストーブには栓のところに空気をまぜるしかけがあります。

これらの器具を使うとき、空気穴を閉めたままだとだいだい色の大きな炎がでますが空気を入れると、青い小さな炎になります。

青い炎はガスが完全に燃えているときで赤い炎は、空気の入り方が充分でなくガスがよく燃えきらないときなのです。

しかし、空気を入れすぎると炎が消えたり、吹き飛んだりするので空気穴の調節はうまくしなければなりません。

ブンゼン燈を使うと、空気の入れ方と炎の様子との関係が、よくわかります。

ガスコンロやバーナーで、ガスに火をつけているときに空気を入れすぎると
炎が消えたように見えます。

これは炎がガスの入口のほうにうつって、そこで燃えているのです。
このようなときは、ガスの栓を止めて火を消さなければなりません。

実験

ブンゼン燈に1メートルほどのガラス管をとりつけます。
一定のガスを出しておいて、ガラス管の先に火をつけます。

空気穴を開けていくにしたがって炎の色はだいだい色から青い色にかわります。

空気が入りすぎると炎がガラス管を下がっていき空気の入れ方を少なくすると、また炎は上にあがります。

空気とガスの入る割合をうまくすると炎は管の一定のところにとまっていることもあります。




イオンと電池とは? 乾電池の仕組みとは? わかりやすく解説!

ボルタの電池

イオンになりやすいが金属とイオンになりにくい金属をうすい酸の中につけたらどうなるでしょう。

10パーセントぐらいの希硫酸に銅板と亜鉛板とをさし入れただけでは亜鉛板の表面からさかんに水素がでるだけです。

ところが、図のような装置を組み立ててスイッチを押してみると豆電球がつくことがわかります。

また、電流計をつないでみると2つの金属板のあいだに電流が流れていることがわかります。

亜鉛は水素よりイオンになりやすいので電子を残して、亜鉛イオンとなり希硫酸に溶けだします。
亜鉛板に残った電子は、針金を通って自由に動きます。

それで、希硫酸中の水素イオンは銅板から電子を奪って水素となります。

つまり、銅板と亜鉛板をむすぶ針金の中を電子が移動するわけです。
電流の方向は、電子の流れる方向と逆にするという約束がありますのでこの装置では、銅板が陽極、亜鉛板が陰極になります。

このように、イオンの化学変化を利用して電流を生じさせる装置を電池といいます。

希硫酸中に銅板と亜鉛板を入れただけのボルタの電池は銅板の表面に細かい水素の泡がたくさんついて水素イオンが電子とむすびつくのを妨げるため実用になりません。

実用的には、これらの点を改良した、いろいろな電池がつくられています。


乾電池

乾電池は真ん中に炭素棒の陽極があり外側に亜鉛のかんがあって、これが陰極になっています。

乾電池の電極間の電圧は1.5ボルトをしめします。
乾電池の炭素棒は、ボルタの電池の銅板にあたるものです。

亜鉛は亜鉛イオンになって少しずつ減ります。
つまり、電子が余分になった状態になりやすいのですから、陰極になるわけです。

乾電池の中のイオンの動きを考えてみましょう。

陰極においては、ボルタの電池の場合と同じように亜鉛が極に電子を残してイオンになります。

この亜鉛のイオンは、電解液として入っている塩化アンモニウムが電離してできたアンモニウムイオンと反応して化学反応式にあるように錯イオンをつくります。

電解液の中に、亜鉛イオンが増えると亜鉛(陰極)がしだいにイオンになりにくくなりますがこのように錯イオンができるために亜鉛イオンの濃度は増えず、亜鉛のイオン化がすすみます。

また、陽極の炭素のところではやはり、水素イオンが電子を受け取って水素が発生しますが電解液にふくまれる二酸化マンガンと反応して水ができます。

ですから、ボルタの電池のときのように生じた水素ガスが電極の接触を妨げたり、水素が電離して電池の電圧を低くするようなこと(これを分極作用といいます)が起こりません。

乾電池のときに使われる二酸化マンガンなどの酸化剤は分極作用をなくすためのものですから消極剤、または減極剤などとよばれます。




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