イオンと電池とは? 乾電池の仕組みとは? わかりやすく解説!

ボルタの電池

イオンになりやすいが金属とイオンになりにくい金属をうすい酸の中につけたらどうなるでしょう。

10パーセントぐらいの希硫酸に銅板と亜鉛板とをさし入れただけでは亜鉛板の表面からさかんに水素がでるだけです。

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ところが、図のような装置を組み立ててスイッチを押してみると豆電球がつくことがわかります。

また、電流計をつないでみると2つの金属板のあいだに電流が流れていることがわかります。

亜鉛は水素よりイオンになりやすいので電子を残して、亜鉛イオンとなり希硫酸に溶けだします。
亜鉛板に残った電子は、針金を通って自由に動きます。

それで、希硫酸中の水素イオンは銅板から電子を奪って水素となります。

つまり、銅板と亜鉛板をむすぶ針金の中を電子が移動するわけです。
電流の方向は、電子の流れる方向と逆にするという約束がありますのでこの装置では、銅板が陽極、亜鉛板が陰極になります。

このように、イオンの化学変化を利用して電流を生じさせる装置を電池といいます。

希硫酸中に銅板と亜鉛板を入れただけのボルタの電池は銅板の表面に細かい水素の泡がたくさんついて水素イオンが電子とむすびつくのを妨げるため実用になりません。

実用的には、これらの点を改良した、いろいろな電池がつくられています。


乾電池

乾電池は真ん中に炭素棒の陽極があり外側に亜鉛のかんがあって、これが陰極になっています。

乾電池の電極間の電圧は1.5ボルトをしめします。
乾電池の炭素棒は、ボルタの電池の銅板にあたるものです。

亜鉛は亜鉛イオンになって少しずつ減ります。
つまり、電子が余分になった状態になりやすいのですから、陰極になるわけです。

乾電池の中のイオンの動きを考えてみましょう。

陰極においては、ボルタの電池の場合と同じように亜鉛が極に電子を残してイオンになります。

この亜鉛のイオンは、電解液として入っている塩化アンモニウムが電離してできたアンモニウムイオンと反応して化学反応式にあるように錯イオンをつくります。

電解液の中に、亜鉛イオンが増えると亜鉛(陰極)がしだいにイオンになりにくくなりますがこのように錯イオンができるために亜鉛イオンの濃度は増えず、亜鉛のイオン化がすすみます。

また、陽極の炭素のところではやはり、水素イオンが電子を受け取って水素が発生しますが電解液にふくまれる二酸化マンガンと反応して水ができます。

ですから、ボルタの電池のときのように生じた水素ガスが電極の接触を妨げたり、水素が電離して電池の電圧を低くするようなこと(これを分極作用といいます)が起こりません。

乾電池のときに使われる二酸化マンガンなどの酸化剤は分極作用をなくすためのものですから消極剤、または減極剤などとよばれます。




ろうそくの燃え方とは? ロウソクの炎のしくみとは?

ふつう、物質が光と熱をだしながら燃えている状態を火といいます。
気体が燃えているときはとくに、炎といいます。 


石炭などが燃えているところを見ると炎がでていますが、この炎のもとのところにも石炭の火があります。

私たちがよく見る木炭やたき木などの火は炭素の火です。
しかし、固体のままで燃えるのは炭素ばかりではありません。

鉄を繊維にしたスチールウールはマッチの火でも燃えます。
これが小さいながら固体のままで燃えている鉄の火です。

そのほかの金属の粉もときには小さな火になって燃えることがあります。

燃える気体が空気中にふきでて、それに火がついたものが炎です。

気体が燃えて炎ができることは家庭で使う都市ガスやプロパンガス・天然ガスなどで、よくわかるでしょう。

ロウソクなどの固体が燃えるときにも炎がでますが、これはロウが溶けて気体となりそれが燃えてできるものです。

また、マッチの軸に火をつけると燃えかかった木の部分から、思いがけない方向に炎がのびることがあります。

これは、軸から燃える気体がふきでるからです。
このように、固体が燃えて炎をだすときはその固体から燃える気体がでてそれに火がついて炎ができるのです。

液体が燃えるときも、その液体が蒸発して気体となりそれに火がついて炎がでるのです。



ロウソクの燃え方

燃えているロウソクを見るとまず、芯のまわりに溶けたロウの池ができています。

この溶けた口ウを観察しているとだんだんと芯を這い上がっていくことがわかります。

この口ウの上に、マッチの燃えかすの小さな炭の粉をうかせてみると、溶けたロウの動きがよくわかります。

芯を這い上がったロウはそこで気体となり、芯をとりまいて炎をつくっています。

ロウソクの炎を吹き消すと芯から、しばらくのあいだ白い煙があがります。

これは、ロウの蒸気が冷えてまた、ロウの固体の小さな粒になったものです。

ロウソクの炎の仕組み

ロウソクの炎には、明るい部分と暗い部分とがあります。

芯に近いところは、光がでていません。
この部分を炎心といいます。

その外側には明るく光ったさや形の部分かあります。
これは内炎といいます。

さらにその外側には、ちょっと見にくい薄暗い光のさや形の部分があります。

これは外炎といいます。

外炎はロウソクの芯に食塩などをつけて燃やすと見やすくなります。

炎を、幻灯機の光などで白い紙にうつしてみると、炎の観察がしやすくなります。

このとき、いちばん外側に大きな炎のような影がうつって見えます。
これは、外炎の部分です。

このようにしてうつされた外炎は一種のかげろうで炎の周りに温度の高い気体が立ちのぼっているのです。



燃料の将来とは? 原子燃料とは? わかりやすく解説!

今まで述べたように、燃料にはいろいろな種類のものがありますがその主なものは、炭素とか、炭素の化合物です。
 

この燃料をどんどん使っていくといつかはなくなるのではないかと心配する人かあるかもしれません。

ところが、焚き木や石炭は何からできたのかを考えてみると焚き木はもちろん、石炭も植物からできたものです。

植物が石炭にかわるのには何年かかるかわからないくらい長い年月がかかりますが焚き木になるには、数十年もかかりません。

いま、世界中で育っている木と人が使っている石炭やたき木とどちらが多いか比べてみると人間は、まだそれほど多量の燃料を使ってはいないようです。

ただ特別な燃料がほしいので、いろいろと苦心しているわけです。

とにかく、この植物が燃料のもとをつくってくれているわけですがその植物の生長にはどんなものが必要でしょうか?

それは、地球の表面で物が燃えたり動物が呼吸したりしてできた二酸化炭素や水です。

植物は、これらのものと、太陽の光のエネルギーによって生長しまた酸素をつくっているのです。

すなわち、炭素・水素・酸素というものはそれが燃料になったり、燃えたりして姿はかわっても、地上に残っているわけです。



そして、私たちはこの変化に伴ってでる熱を利用しているのです。

しかし、植物が、二酸化炭素や水分から自分の体をつくるには太陽の光が必要ですから私たちが植物を燃料として使っていても結局は太陽のエネルギーを使っていることになります。

ですから、太陽の光がなくならないかぎり植物をもとにした燃料はなくならないといってもいいすぎではないでしょう。

原子燃料

ところが、近年、ウラン原子が壊れるときのエネルギーを使う方法が考えだされました。

この原子が壊れるときの力を利用したもののはじめは日本に落とされた原子爆弾ですがそれを平和の目的に使うように工夫されたのが原子炉です。

原子が壊れるときのエネルギーは非常に大きいもので、物が燃えるときの酸化のエネルギーとは違います。

このような原子を原料とした燃料を原子燃料または核燃料といいます。

世界で使われている原子燃料はいまのところウランという元素ですでにいくつかの国で、発電や船の動力として使われていますしプルトニウムを核燃料にする研究も行われています。



固体燃料とは? 木炭・石炭・練炭と炭団の特徴とは?

木材

固体燃料にいろいろなものがありますが
とくにに人類の歴史のはじめから用いられていた木材はいまもよく使われる燃料です。 


木材は炭素・水素・酸素などがからできているものです。
これを熱すると、水や燃える気体が出てきます。

空気に触れると燃えてしまいますが空気に触れないようにして熱すると燃える気体だけを集めることができます。

この気体を木ガスといいます。

木炭

木を蒸し焼きにすると、木ガスがでてあとには炭素と灰になる物質が残ります。

これが木炭です。

木炭には、もう、燃える気体がふくまれていないので燃やしても炎はださず火の固まりになるだけです。

しかし、木炭をたくさん積み上げて火をつけると、青い炎がでることがあります。

これは、熱せられた炭素と二酸化炭素が化合して、一酸化炭素ができ、それが燃えるためです。

石炭

石炭は、大昔の植物からできたもので木と同じように、燃やすと炎をあげます。

石炭は、木炭のような黒い固まりですが炭素ばかりでできているわけではありません。

炭素のほかに水素・酸素・窒素・イオウなどもそれぞれいくらかずつふくまれています。

それで、石炭を蒸し焼きにするとメタンなどの炭化水素や、アンモニア・コークスなどができるのです。

また、石炭を釜で燃やすと二酸化炭素・水・窒素のほかに二酸化イオウができます。

この二酸化硫黄は、水に溶けて亜硫酸になりそれが空気に触れると酸化されて硫酸ができます。

このため、二酸化硫黄で汚れた都市などでは、金物がすぐさびたりします。

また、二酸化硫黄などは大気中にあって霧をつくる原因にもなります。

有名なロンドンの霧も、二酸化硫黄が原因になっているのです。



練炭と炭団

固体燃料は、形がふぞろいで取扱いに不便なことと燃えかすがたくさんでることが欠点です。

そこで、固体燃料をうまく燃やすために粉にしてそれを一定の大きさや形のものに固めて使う場合もあります。

このようにして、石炭を粉にして固めたものが練炭や炭団です。
とくに炭団は、ゆっくり長時間燃やす、こたつなどに用いられます。

大気の汚染

近年になって、石炭をとくに細かい粉にして燃やすことが行われるようになりました。

例えば、セメントをつくるとき石灰石や粘土の粉に石炭の粉をまぜ長い回転釜の中で燃やしています。

また、火力発電所では、石炭の細かい粉を空気とまぜて釜に送り込み気体燃料のようにして燃やしています。

このときできる灰も、細かい粉になるので煙となってでていくわけです。

この煙の中の細かい灰は、コットレル集塵機という仕掛けで取り除くことができるので石炭を燃やしたために空気が汚れるということがなくなりました。

現在、大きなセメントエ場や火力発電所でこの仕掛けを用いていますが石炭を燃やすところでは、どこもこういう仕掛けをつけなければなりません。

空気の汚れる原因はほかにもあります。
ガソリンを燃やすときも、不完全燃焼のためにスモッグの原因となったり悪臭のある物質ができたりします。

そればかりではありません。

石炭にも石油にも少しですが、硫黄がふくまれていてこれは二酸化硫黄という毒ガスになります。

ですから、石炭や石油を燃やすと周りにこの毒ガスができてそこに住む人たちは病気になります。

こうして大気が汚れることを大気汚染といい都会や工業地帯に住む人がたいへん迷惑をしています。

このように大気を汚染することは川や海の水を汚したりやかましい音を立てるのとならんで公害といわれています。




液体燃料とは? 原油・石油・ガソリン・灯油とは?

液体燃料どいうと、私たちにすぐ石油を思いだします。
石油は原油として地下から取り出されています。 


石油の主成分は炭素と水素の化合物です。
この炭素と水素の化合物は炭化水素とよばれますがこれには炭素や水素の数の違いやむすびつき方によって、非常にたくさんの種類があります。

石油は、これらのいろいろな炭化水素がまじあったものなのです。

ガソリン(揮発油)

石油をつくっている炭化水素のうちで沸点がいちばん低い炭化水素です。

このうち、沸点が150℃ぐらいのものが自動車の燃料に沸点が100℃ぐらいのものが航空機の燃料に使われます。

灯油

沸点が200℃以上の炭化水素で揮発油ほど引火点が低くありません。

石油ストーブなどに使われます。



重油

沸点が350℃以上で、引火しにくい炭化水素です。
重油は、管からふきださせてボイラで燃やしたり霧にしてディーゼルエンジンにふきこみ、爆発させて使ったりしています。

液体燃料の燃え方

液体燃料が燃えるときには気体になって炎をあげて燃え、熱を出して物を温めるか蒸気や霧になって気体にまざり爆発的に燃えて直接、物を動かすかしています。

自動車や飛行機のエンジンの中で揮発油が気体になり、空気とまざって爆発するときはいつも決まった燃え方をしなければなりません。

それで、飛行機に使われる揮発油などはとくに詳しく研究されています。

その他の液体燃料

メチルアルコールやエチルアルコールなども燃料として使われることがあります。



気体燃料とは? 天然ガス・石炭ガス・発生炉ガス・木炭ガスとは?

私たちは、寒いときや料理をするときなど物を燃やして温まったり、飲物や食物を熱くしたりしています。 

このとき、熱をとるため燃やすのに必要なものが燃料です。


燃料としては、よく炭素や炭素の化合物が使われます。
これは、炭素と酸素が化合するときに多量の熱をだすからです。

例えば、炭素12グラムと酸素32グラムが化合すると二酸化炭素44グラムができますが同時にこのとき約94キロカロリーの熱をだします。

1カロリーというのは、水で1グラムを14.5℃から15.5℃にするのに必要な熱の量です。

また、水素と酸素が化合するときにも熱が発生します。

このように、燃料には、酸化するときに多くの熱をだすものが利用されます。

燃料をその状態で分けると気体燃料・液体燃料・固体燃料の3つに分けることができます。

気体燃料

気体燃料は、燃える気体を燃料として使うもので管で配送でき、燃えたあとに固体のかすが残らないことがよい点です。

天然ガス

天然ガスには、いろいろな種類のものがありますがどれも、メタンという炭素と水素の化合物が主な成分になっています。

天然ガスは、新潟県だと石油のでる地方や千葉県などに、盛んにでています。

これらの地方では、天然ガスを管で導いて家庭で使ったりまた、ボンベにつめて遠い地方に送ったりしています。

石炭ガス

天然ガスは、でる地方がかぎられまた、量もそう多くはないのでふつう使われる気体の燃料は人工のものです。

その一つに石炭ガスがあります。

石炭を燃やすと、炎をあげて燃えますがこれは、熱せられた石炭から燃える気体がでるためです。

それで、石炭を蒸し焼きにするとこの燃える気体を集めることかできます。

これが石炭ガスで、主にメタンと水素などがまざったものです。

私たもの家庭で使う都市ガスは主にこの石炭カスに、天然ガスやオイルガスを混ぜたものです。

石炭ガスをとったあとには炭素を主成分とする固体が残ります。

これは、コークスとよばれる固体燃料です。



発生炉ガス

コークスを燃やすと、火の固まりになって燃えますがコークスの量を多くして下のほうから空気を送り込み強い火で燃やすと、二酸化炭素が窒素などと混ざって発生します。

これが発生炉ガスとよばれる気体燃料です。
このガスは、工場などで簡単につくれますが最近はほとんど製造しません。

木炭ガス

コークスのかわりに、木炭をたくさん詰めこんで下から空気を送りながら燃やすとやはり二酸化炭素と窒素の混ざったガスがでてきます。

これは、木炭ガスとよばれ第二次大戦中に、日本で石油が不足したとき自動車の燃料として使われたことがありましたが、今では使われていません。

水性ガス

コークスから発生炉ガスをつくる場合、コークスの温度が1000℃以上になったときに高温の水蒸気を吹き込むとコークスの炭素と水蒸気が化合して一酸化炭素や水素のような、燃える気体がたくさんできます。

この混合気体を水性ガスといいます。

水性ガスは、燃料としても使われますが水素をつくるときの原料にもなります。

プロパンガス

原油を蒸留したり、分解するときなどに液化しやすいもえる気体ができます。

この気体の主成分は、プロパンという炭素と水素の化合物(炭化水素)です。

この気体がプロパンガスで、自動車の燃料や家庭の台所の燃料として、ボンベに詰めて使われています。




一酸化炭素の性質とは? わかりやすく解説!


木炭や練炭などを燃やすと炭素原子1個と空気中の酸素原子2個とがむすびついた二酸化炭素ができます。
このとき多量の熱がでて、まだ燃えていない炭素の部分が熱せられ、赤くなります。 

二酸化炭素がこの熱せられた炭素に触れると炭素原子1個と酸素原子1個とがむすびついた一酸化炭素という気体ができます。

空気が足りなくて、燃え方が不完全なときにも一酸化炭素ができます。

木炭や練炭が青い炎を出しているのはこの一酸化炭素が燃えているからです。

この一酸化炭素は、色もにおいもない気体で火をつけると青い炎をあげて燃え二酸化炭素になります。

また、強い毒性をもっていることが特徴です。

一酸化炭素が空気にまじって肺の中に吸い込まれると、血液中のヘモグロビンとむすびつきます。

ヘモグロビンは、酸素とむすびついて酸素を体の各部にくばる大切なはたらきをしているものです。

しかし、一酸化炭素がヘモグロビンとむすびつく力は酸素の場合に比べて、非常に強いのです。

しかも、できた一酸化炭素ヘモグロビンは酸素を運ぶはたらきを失ってしまいます。

それで、空気中に一酸化炭素が0.1パーセント以上あると私たち人間は死ぬといわれています。




二酸化炭素の性質とは? わかりやすく解説!

二酸化炭素の製法

二酸化炭素は炭素や炭素の化合物を燃やす以外の方法でもつくれます。

石灰石に希塩酸をかける

石灰石のかけらをビー力に入れ希塩酸を注ぐと、二酸化炭素が泡になって発生します。 

石灰石の主な成分は、炭酸カルシウムでこれが塩酸と反心して、二駿化炭素ができるのです。

ですから、石灰石のかわりに、炭酸カルシウムを主成分とす貝殻を使っても二酸化炭素ができます。

炭酸水素ナトリウムに塩酸をかける

炭酸水素ナトリウムは、重曹といわれているものです。
ここに塩酸を注ぐと、二酸化炭素が発生します。

炭酸ナトリウムに塩酸をかける

炭酸ナトリウムは、ソーダ灰とよばれる白色の粉です。
これに塩酸をかけると、二酸化炭素ができます。
塩酸のかわりに酢(酢酸がふくまれている)を使ってもできます。


二酸化炭素の性質

二酸化炭素は、においも色もなく空気の約1.5倍も重い気体です。

この気体は燃えもせずまた、物が燃えるのを助けるはたらきもありません。

これは、水槽に高さの違うロウソクを入れて火をともし、二酸化炭素を入れると下から順に火が消えていくことでもわかります。

また、二酸化炭素は、圧力をかけると容易く液体になります。
ところが、ふつうの圧力のまま、零下78.5℃まで冷やすと液体にならずに白い固体になってしまいます。

これがドライアイスです。

このドライアイスを空中においておくとすぐに気体の二酸化炭素にもどります。

このように、気体からすぐに固体になったり固体から気体になったりすることを昇華といいます。

二酸化炭素が炭素と酸素との化合物であることは二酸化炭素の中に燃えているマグネシウムを入れてみるとわかります。

このとき、マグネシウムは、二酸化炭素の中でも燃え続け黒い粉ができますが同時に白い煙を出します。

この白い煙は酸化マグネシウムですが黒い粉は炭素がまじっているのです。

マグネシウムは、酸素とむすびつく力が非常に強く二酸化炭素をつくっている酸素と化合して酸化マグネシウムとなり炭素がススとして残るのです。



二酸化炭素の水溶液

二酸化炭素は、水に割りあいよく溶けます。
二酸化炭素を水に溶かしてみるには下の図のような装置で、二酸化炭素を丸底フラスコに集め蒸留水を20立方センチほど入れて管のついた栓をします。

これを逆さまにして水の上に立てフラスコを振ると、フラスコの中の二酸化炭素が水に溶けるので、水が上がってきます。

ところが。フラスコに、水のかわりに水酸化ナトリウムの水溶液を入れておくとフラスコに上がってくる水の勢いがかなり強くなります。

これは、二酸化炭素が酸のはたらきをし水酸化ナトリウムと化合して炭酸ナトリウムができ急に体積が減るからです。

二酸化炭素は、このように酸のはたらきをするため、炭酸ガスともよばれます。

二酸化炭素の水溶液は、弱い酸性をしめします。
しかし、これを調べる場合つぎのページの図にあるように炭酸ナトリウムに塩酸をまぜて直に水に溶かした水溶液を使うのはよくありません。

それは、この場合、できた水溶液に塩酸のしぶきが飛び込んでその塩酸のために酸性になっていることがあるからです。

塩酸のあることは、硝酸銀を加えてみると白くにごることからわかります。

塩酸のしぶきが飛び込まないようにするには水を染み込ませた綿を管につめ、この中に二酸化炭素を通せばよいのです。

二酸化炭素の利用

二酸化炭素を多量に水に溶かしたものは口に入れるとさわやかな感じがします。

それで、これに甘味や酸味をつけてラムネやサイダーのような清涼飲料水をつくるのに使われます。

また、二酸化炭素を凍らせたドライアイスは冷たい物を保存するのに利用されます。

そのほか、空気より重いこと火を消すはたらきがあることなどを利用して消火器に応用されています。




燃える物の重さと、燃えてできた物の重さとは?

ロウが燃えてできる物

瓶の中で口ウを燃やすと瓶の内側は水分でくもります。
これは、ロウが燃えて水がでてきたことをあらわしています。 


また、ロウが燃えたあとその瓶に石灰水を入れてふると石灰水が白くにごります。

これは、ロウが燃えて、二酸化炭素ができたことの証拠です。

このように、ロウが燃えて水と二酸化炭素になることからロウには炭素と水素とがふくまれていることがわかります。

しかし、ロウは白くやわらかで木炭のように黒くもなければ、固くもありません。

また、水素のように気体でもなければ火をつけて爆発することもありません。
すると、ロウの場合は、炭素と水素とはどういう状態にあるのでしょうか。

これは、炭素と水素とが互いにむすびついて炭素だけ、水素だけとは違った性質をもった物をつくっているのです。

このように、炭素と水素とが化合していても火をつけることにより、そのむすびつきが離れて今度は、それぞれの原子が空気中の酸素とむすびついてしまい水や二酸化炭素となってしまうのです。

アルコールや木・紙なども燃えて二酸化炭素と水とができます。
しかし、これらのつくりはロウとは違い炭素と水素・酸素からできた化合物なのです。



燃える物の重さと、燃えてできた物の重さ

木炭が燃えてできた物が灰だと間違って考えると、物が燃えると重さが減るということになってしまいます。

しかし、木炭が燃えてできるものは二酸化炭素です。
この二酸化炭素は、炭素に酸素がむすびついた物ですから炭素だけのときよりも重さが増しているわけです。

しかし、二酸化炭素などの気体の場合は目方がはかりにくく、実験も面倒になりますが鉄の細い線(スチールウール)を燃やすと燃えて重さの増えることが、はっきりと確かめられます。

マグネシウムを燃やしても、重さの増えることがわかりますがこのとき、できた酸化マグネシウムの一部が飛び散ることがあるので間違えることがあります。

ロウソクが燃えると、二酸化炭素と水とができます。
こうしてできた二酸化炭素と水とを図のような仕掛けで逃がさないようにして重さをはかるともとのロウソクよりも重くなったことがわかります。

このにように物が燃えるとその物と酸素の重さの和はできた物の重さに等しくなります。

これは、質量保存の法則とよばれている極めて大切な法則です。




木炭・水素・マグネシウム・硫黄・鉄が燃えてできる物とは?

木炭が燃えてできる物

木炭が燃えているところを見ると木炭の火がふわふわした向い灰に包まれています。 

それで、よく木炭が燃えて灰かできる、と考えられがちですがこの灰は、実はもともと木炭にふくまれていた物なのです。


木炭はその90パーセント以上が炭素で残りは灰になる物でできています。

木炭に火をつけると、この炭素が燃えて二酸化炭素ができます。
二酸化炭素は、炭素と酸素とが化合してできた気体です。

前にも述べたように、空気中で物が燃えるということは空気中の酸素にその物が酸化されることなのです。

木炭の燃えているところを拡大して見ることができたとすれば、分子や原子が入りまじりところどころに灰になる物質がまざっている様子がわかるでしょう。

木炭が燃えると二酸化炭素ができることは瓶の中で木炭を燃やし、このあとに石灰水を少し入れて振り混ぜてみると白くにごることでわかります。

石灰水には、二酸化炭素にあうと白くにごる性質があるのです。
この二酸化炭素は、木炭の炭素が瓶の中の酸素と化合してできた物です。

水素が燃えてできる物

水素が燃えると、何もなくなるようですがその炎の上に冷たい物をかざすとそこに水がつくので、水ができたことがわかります。

このときは、水素の2分子と、空気中の酸素の一分子とが反応して水の分子が2個できると考えることができます。



マグネシウムが燃えてできる物

マグネシウムのリボンに火をつけると白い煙をあげ、強い光をだして燃えます。

また、マグネシウムを瓶の中でも燃やすと瓶の内からに白い粉がたくさんつきます。

この白い粉は、マグネシウムと酸素とが化合したもので、酸化マグネシウムといいます。

しかし、この酸化マグネシウムは水や二酸化炭素と違って、分子ではありません。

酸化マグネシウムは、酸素原子とマグネシウム原子とが1対1の割合でむすびつきそれが、何万何億と集まってできた固体の粉です。

硫黄が燃えてできる物

硫黄を燃やすと、硫黄にも酸素にも全くなかった、特別の匂いのある気体ができます。

これは二酸化硫黄(亜硫酸ガス)という気体です。

二酸化硫黄は無色の気体で水でぬれた色素を漂白する性質があります。
例えば、赤い花を入れておくと白くなってしまいます。

鉄が燃えてできる物

鉄も、燃えて酸化物になります。
しかし、鉄などの場合はできるときの条件で赤い鉄の酸化物、黒い鉄の酸化物などというように、できる物が違ってきます。




酸素の働きとは? 物をよく燃やす方法とは? わかりやすく解説!

酸素のはたらき

私たちの周りにある物はふつう空気中の酸素によって燃えます。
その酸素はいったいどんなはたらきをするのでしょうか。 


炭が燃えるのは炭をつくっている炭素という元素と酸素とが化合するからです。
化合して二酸化炭素ができます。このとき、熱や光をだします。

このように酸素とほかの物質が化合することを酸化といいます。
炭素が酸化されて二酸化炭素ができたわけです。

木や紙なども燃えます。
木や紙は炭素・水素・酸素からできていますが酸素と化合することによって二酸化炭素や水になります。

すなわち、炭素は二酸化炭素に水素は水にまで酸化されたのです。

空気中にふくまれている酸素の量は体積で20パーセントぐらいですが純粋な酸素をつくって、その中で物を燃やすと非常に激しく燃えることは酸素の性質のところで実験してみましょう。

金属も、酸素といっしょにして熱すると燃えます。

例えば、マグネシウムリボンや毛状にした鉄くず(スチールウール)は火の上にかざすと燃えます。

マグネシウムは燃えて白い粉になります。
これは、マグネシウムと酸素とが化合してできた酸化マグネシウムです。

鉄は燃えると黒くなります。

これは、鉄と酸素との化合物で、酸化鉄といいます。
物が酸化されてできたものを、酸化物といいます。

酸化物は、ふつう酸化される物のあたまに酸化ということはをつけて酸化………とよばれています。

酸化マグネシウムや酸化鉄などはその例です。



物をよく燃やす方法

紙切れやカンナくずはマッチの火でも燃えだしますが木や炭などはマッチの火では燃えだしません。
同じ紙でもきちんとそろえて本のようになっていると、なかなか燃えません。

それは、大きい固まりのようなものではマッチの火ぐらいでは充分温度を上げられないからです。

また、燃やすはたらきをする酸素が充分そばに近づけないからです。

鉄板やマグネシウム・アルミニウムの板や俸はマッチの火ではもちろん少しぐらい大きな火でも燃えません。

しかし、マグネシウムの粉やリボンはマッチの火でも燃えます。
鉄も毛状にしたスチールウールはマッチの火でも燃えて、赤い火の玉になり、あとは黒くなります。

石炭も、細かい粉になるとよく燃えます。

このように、小さい粒や粉にするとそれが小さな火にもよく囲まれて温度が上がり、周りに空気とくに酸素が充分存在することができるのでよく燃えるのです。

水や酸化鉄はなぜ燃えないか

物は、すべて小さい粒にすると燃えるとはかぎりません。
酸素と化合することができない物は燃えません。
水や酸化鉄は酸化物で、それ以上酸化されることがないので、燃えません。

水は水素の酸化物で、水素の燃えがらともいえます。
二酸化炭素も同じように炭の燃えがらということもできます。
ですから、二酸化炭素は燃えません。

ところが、一酸化炭素は酸化物ですがさらに酸素と化合して二酸化炭素になることができます。

そのとき、熱と光を出します。つまり、一酸化炭素は燃える物質です。

光を出さずに燃える物

鉄は空気中にほうっておくと赤さびになることがあります。

これも酸化です。

そのとき、光をだしたり、温度が上がることはありません。

酸化がゆっくり進むので、熱がでても酸化が進むあいだに逃げてしまい温度が上がらないのです。
しかし、酸化はどんどん進んで酸化鉄になっていきます。

ふつう鉄の製品などは表面にペンキなどをぬったりして空気中の酸素に触れないようにしてあります。

ゆっくりした酸化で大切なものに食物の消化があります。

食物が、私たちの体の中に入るといろいろなものに消化分解されますが最後には肺から取り入れた酸素と化合して二酸化炭素と水になります。

このときも光はでませんが熱はでます。




物が燃えるために必要なこととは? わかりやすく解説!

物が燃える様子

物が燃えることを燃焼といいます。
物が燃えるというのは、その物から光と熱がでてその物がだんだんに変化していくことをいうのです。 


太陽も、燃えていると考えた時代がありました。
それに、光もでているし、熱もでているからですが太陽はかわっていません。

もし、太陽の熱が石炭が燃えてでているものとすると数百年で石炭は半分燃えて、太陽の大きさも半分になっているはずです。

しかし、太陽の大きさが小さくなっていくことを証明した人はいません。
それで、太陽は石炭のような物が燃えているのだとは考えられません。

電燈も、光と熱を出していますが電球のフィラメントは、もとのままの姿ですからこれも燃えているとはいえません。

木・炭・ロウソクなどが燃えるときは光と熱をだし、そして燃えていくにしたがってだんだんと減っていきます。

物が燃えるときにいるもの

炭やロウソクは電燈の火と違って瓶の中などでは、しばらくすると消えてしまい長い間、燃えていられません。

これは、物が燃えるためには空気中の酸素が必要だからです。

それで、物を燃やすときには燃える物と、燃えるのを助ける物とをたえず補ってやらなければなりません。

コンロを調べてみると燃える物を入れるところと空気を送り込むところが必ずついています。

ストーブやボイラなどになると燃料の入口、空気の入口、燃えてできた物の出口というように燃え方を盛んにするためのいろいろな工夫がされています。



燃えるために必要なこと

物が燃えるためにはふつう酸素が必要です。
酸素は空気にふくまれていますが燃える物と酸素があるだけでは燃えません。

その物がある一定の温度にまで温められていなければならないのです。

その温度は物によっていろいろ違っています。
この温度のことを、発火点といいます。

イオウや赤リンの発火点は300℃ぐらいで木や木炭は450℃ぐらいです。

発火点を正確にはかることはできないのでここにしめしたのはだいたいの数値です。

反対に酸素が不足したり発火点以下の温度になると物は燃えなくなります。
コンロの空気の入口を塞ぐと火は弱くなり、ついには消えてしまいます。

これは、燃やすはたらきをする酸素が不足したからです。
また、火に水をかけると火は消えます。

これは、水蒸気ができて酸素を遮ることもありますが燃えている物を冷やして発火点以下の温度にするからです。




鉛蓄電池のしくみとは? わかりやすく解説!

鉛蓄電池

乾電池は電圧が下がってしまうと、もう使えません。
しかし、鉛蓄雷池はある程度電圧が下がると外から電気を送り込むことによって、くりかえし使うことができます。 


鉛蓄電池のしくみは、陽極は二酸化鉛、陰極は鉛の板でできていてそれを互い違いにならべ、互いに触れ合わないいようにあいだにガラス繊維のマッ卜が差し込んであります。

そして、これらのものが希硫酸中につけられています。

鉛蓄電池のイオンの反応は複雑ですが陽イオンと陰イオンの反応であることに違いはありません。

電池から電気を取り出して使うことを放電といいます。
また、反対に、電池に電気を送り込んで再び放電することができるようにすることを充電といいます。

まず、放電のときについて考えてみると陰極においては、鉛が陰極に電子を残して鉛イオンとなりますがすぐに硫酸イオンと反応して溶けにくい硫酸鉛になり、陰極の表面に残ります。

このため、乾電池のときと同じように電解液の中に鉛イオンが増えることはなくイオン化はさまたげられません。



陽極においては、液中の水素イオンが陽極から電子を受け取って水素になりますが陽極の二酸化鉛に酸化されて水になります。

このとき、陽極の二酸化鉛は一酸化鉛になりますが、硫酸と反応して、やはり硫酸鉛になります。

この陽極の反応をまとめると上の化学反応式のようになります。

このようにして放電をつづけると陰極も陽極もしだいに、硫酸鉛になり、電池の起電力は下がってきます。

鉛蓄電池の陰極(鉛)と陽極(二酸化鉛)の一つの組みあわせの起電力は約2ボルトです。

これが1.8ボルトぐらいに下がったら電池に電気を送りこんでやると
放電の場合と全く反対向きの反応が起こり陰極は鉛に、陽極は二酸化鉛にもどります。

これが充電です。

なお、放電のとき、反応式を見てもわかるように硫酸液中の硫酸イオンや水素イオンが使われ、硫酸が減ってきます。

そのため、液の比重が小さくなるので比重をはかれば、電池がどのくらい使われたかがわかります。




イオン化傾向とは? 電気を使わないでメッキする方法とは?

電気を使うメッキのことはわかりましたが電気を使わないでメッキする方法があります。 

それには、金属イオンの性質をよく理解しなければなりません。
これから、金属イオンの性質と、その利用法などについて、考えることにしましょう。


電気分解によらないメッキ

3パーセントぐらいの硫酸銅の水溶液に、よくみがいた鉄くぎをつるしてしばらくそのままにしておくと、鉄くぎの表面が赤みを帯び金属の銅がくっついたことがわかります。

また、2パーセントの硝酸銀の水溶液によくみがいた銅線をつるしておくと、銅の表面に銀が析出します。

これらのことは、次のように考えるとうまく説明することができます。

硫酸銀の水溶液には、銀イオンがふくまれています。
これに銅を入れると、銅は電子を失って銅イオンとなって溶けだし溶液中の銀イオンは電子を受け取り、金属の表面につくのです。

その証拠には、長くおいた駅の色を見るとうすく銅イオンの青い色がついています。
したがって、銀よりも銅が、銅よりも鉄がイオンになりやすいことになります。

金属と水や酸

ナトリウムを水に入れると水素を発生して水酸化ナトリウムの水溶液ができますが、このことも同じように考えてよいのです。

水には水が電離して生じた水素イオンがわずかながらあります。
これにナトリウムを入れるとナトリウムのほうがイオンになりやすいためナトリウムイオンとなって溶け込み水素イオンは電子を受け取って水素原子となり、さらに、水素分子となって水素の気体を生じるわけです。

亜鉛はナトリウムイオンになりにくいため亜鉛に水を入れただけでは、水素がほとんどでません。

しかし、塩酸や硫酸のような酸だと、水素イオンが液中にたくさんあります。
亜鉛は水素より少しばかりイオンになりやすいので酸の中に浸すと、たくさんある水素イオンとの作用によって、水素を生じるわけです。

銅や銀の金属は、水の中はもちろん塩酸や硫酸の中に浸しても水素を発生しません。

このことは、銅や銀が水素イオンよりもイオンになりにくいためであると考えれげよいことになります。



イオン化列

イタリアのボルタは、多くの金属についてこのようなイオンになりやすさを研究し、1800年にその成果を発表しました。

下の表は、主な金属について、イオンになりやすいものから順に左から右にならべたものです。

これは、イオン化列とよばれています。

金属イオンになりやすいかどうかを水素を基準にして、0としてあらわした数値もこのなかにしめしておきました。

+の記号のついたものが水素よりイオンになりやすく-の記号のついたものがイオンになりにくいわけです。

この表で、+の数値の大きい金属は電気分解で金属メッキをするのがたいへんむずかしくなります。






イオンとメッキとは? 電気メッキとは? わかりやすく解説!

電気メッキ

金属は陽イオンになりやすい性質をもっていますから金属の陽イオンをふくむ溶液を電気分解すると、陰極の表面に金属のメッキをすることができないでしょうか。 

つぎのような実験をしてみましょう。


実験

①ビーカーに200立方センチの水をとりこれにつぎの薬品を順に入れ前に加えたものがよく溶けてからつぎを加えるようにしてメッキ液をつくります。

硫酸二ッケル30グラム・塩化アンモニウム3グラム・ホウ酸3グラム。

②二ッケル板を陽極にし、よくみがいてきれいにした銅板を陰極にして図のような装置を組み立て銅板の上に二ッケルメッキを行います。

このとき、陽極になった二ッケル板の表面では二ッケルが二ッケルイオンになって液に溶けこみます。

また、陰極の表面ではニッケルイオンがくっつき電極から電子をもらって金属になります。



メッキ液に加える塩化アンモニウムやホウ酸はニッケルメッキをきれいに出来上がらせる役目をもっています。

二ッケルにかぎらず、金属のイオンの陽電気をとりされば金属になるわけですからこのしくみを利用して、他の金属もメッキできます。

この実験では、ニッケルを陽極に使いましたが他のもの(炭素など)を陽極にしても陰極板にメッキすることができます。

しかし、この場合、メッキ液の中の二ッケルイオンが次第に少なくなりますからやがてメッキすることができなくなります。

たいていのメッキにおいては、このようなことがないように陽極にメッキする金属をつかいますがクロムメッキなどは陽極にクロムを用いないで、鉛や鉛の合金を使用します。




ナトリウムの製法と性質とは? わかりやすく解説!

ナトリウムの製法

ナトリウムは、水酸化ナトリウムや食塩(塩化ナトリウム)を非常に高い温度で溶かして、この液体を電気分解してつくります。
 

例えば、食塩は800℃に熱すると溶けますからこの溶けた食塩を黒鉛の陽極と鉄の陰極を使って電気分解すると陽極でナトリウムが遊離し、陰極から塩素がでてきます。

ナトリウムの性質

純粋なナトリウムは水より軽い金属です。
非常に不安定で、水に入れると水と激しく反応して、水素と水酸化ナトリウムになります。

また、空気中の酸素や水分ともすぐ反応しますからナトリウムを保存するときには石油などにつけて空気に触れないようにしておきます。

ナトリウムをふくむ化合物を炎に入れると、炎の色が黄色になります。

これを炎色反応といい、カリウムではうす赤紫色銅では濃い緑色というようにほかの金属でも見られる反応です。




塩素とは? 塩素の性質と用途とは? わかりやすく解説!

塩素の工業的製法

塩素は、工業的には食塩水の電気分解でつくられています。

食塩水の電気分解によってつくられる塩素はふくまれる不純物も少なく、非常に濃いものです。

また、費用もたいへん安くなりますので電解法は工業的な製法としては最も便利な方法です。 


塩素の実験室的製法

実験室では、塩酸に二酸化マンガンを作用させて塩素をつくります。

このとき、塩素に混じって塩酸や塩化水素がでてきますがこれは、下の図のような装置で水中を通すと取り除くことができます。

また、乾いた塩素が必要なときには濃硫酸か塩化カルシウムの中を通します。

これらは非常に水分を吸いやすい物質なので脱水剤として使われます。

塩素を実験室でつくるとき二酸化マンガンのかわりにさらし粉CaOCl2にや過マンガン酸カリウムKMnO4などを使ってもできます。



塩素の性質

塩素はごく薄い緑色の気体で空気の約2.5倍の重さがあります。

塩素は、ほかの物質と非常に化合しやすく酸素・窒素など数種の元素を除きほとんどの元素と化合して塩化物(塩素の化合物)をつくります。

また、塩素には色素とむすびついて色をなくしてしまう作用があります。

例えば、塩素を入れた瓶に色のついた花や赤インキで書いた紙などを入れておくと色がなくなってしまいます。

このような作用を漂白作用といいます。塩素の漂白作用には、水分が必要です。

塩素は水によく溶けます。塩素の水溶液は塩素水といい、強い酸化作用があります。

それは、①式のように塩素と水が反応して次亜塩素酸という化合物ができてこれが酸素をだしやすいからです。

また、塩酸も少しできますので塩素水は酸性になります。

一般に塩素をふくむ化合物は水に溶けやすく水に溶けると塩素イオンを遊離するものがたくさんあります。

この塩素イオンは、硝酸銀を加えると右の②式のように、塩化銀の白い沈殿をつくるので見つけることができます。

また、物質が燃えるときには酸素が必要ですが物質によっては塩素さえあれば燃えるものもあります。

例えば、塩素の中に火のついたロウソクを入れると消えずにそのまま燃え続けますがこれは、ロウの成分の水素が塩素とむすびついて塩化水素ができるからです。

また、気体の水素も燃えますが水素と塩素の混合気体は火をつけたり太陽の光線を当てたりすると爆発するので、たいへん危険です。

塩素の用途

塩素は、主に塩酸・さらし粉・DDT・BHCなどの薬品の原料として使われています。

また、そのままで水道水の消毒や下水の殺菌などにも使われています。

そのほか、最近は合成樹脂工業が発達してきたためこの方面でも盛んに使われるようになってきました。

例えば、塩化ビニル・シリコーンなどは塩素が原料の一つになっています。




食塩水の電気分解とは? わかりやすく解説!

食塩水の電気分解

食塩は塩化ナトリウムという電解質でできていますが
この濃い水溶液を電気分解してみましょう。



実際に実験してみると
陽極から塩素が、陰極から水素が発生することがわかります。

そして、陰極に近い水は水酸化ナトリウムの水溶液となっています。

このときの反応は、つぎのように説明されます。

① 水に溶けた食塩は、ナトリウムイオンと塩素イオンとに電離しています。

② 塩素イオンは陰イオンですから陽極に引かれ電極にくっついて、塩素原子になります。

そして、塩素原子が2個で塩素分子をつくり、水に溶けたり、気体になったりします。

③ ナトリウムイオンは陽イオンですから陰極に引かれますが陰極の材料によって様子が違います。

(A) 陰極が黒鉛や鉄でできていると水のわずかな電離でできた水素イオンが陰極にくっついて水素原子となりこれから水素分子となります。

一方、液の中には、ナトリウムイオンと水酸イオンとが残るわけですから水分を蒸発させると、水酸化ナトリウムが残ります。

(B) 陰極が水銀だと、ナトリウムイオンは一の電気と結びついて、ナトリウム原子となって水銀に溶けます。
この水銀に水を通すと、ナトリウムが反応して水酸化ナトリウムと水素になります。



ここでできた水酸化ナトリウムは強電解質ですから水に溶けている間は、ナトリウムイオンと水酸イオンとに電離していますが液を蒸発させると水酸化ナトリウムの固体としてえられます。

なお、食塩水の電気分解においては陰極にできた水酸化ナトリウムと陽極にできた塩素とが反応して塩素酸ナトリウムNaclO3ができることがあります。

これを防ぐために、食塩の工業的電気分解には陰極と陽極を隔膜で分ける隔膜法や陰極に水銀を用いる水銀法などが用いられるわけです。

食塩水は、工業的に塩化マグネシウム・硫酸マグネシウム・硫酸カルシウムなどの製造原料として大切なものですがいちばん重要な用途は、電気分解することにより塩素・水素・水酸化ナトリウム・ナトリウムなどをつくることです。

このような工業を、ソーダエ業といいます。

水酸化ナトリウムや水素の性質についてはほかのところで詳しく説明してありますからここでは、塩素とナトリウムについて調べてみましょう。






電気分解の原理とは? わかりやすく解説!

電解質の水溶液に電流を通すとイオンが電気を運ぶ役目をして電極にくっついて電気を失い、もとの物質と違う物質を生じます。 

イオンがあれば、いつもこのような電気分解が行われるかどうかこれから調べることにしましょう。


電気分解の原理

電解質の水溶液には陽イオンと陰イオンとが数多くあります。

この溶液に、2つの電極を浸して片方を電池の陽極につなぎ、もう一方を陰極につなぎます。

すると、陽イオンは陰極のほうへ陰イオンは陽極のほうへ引っぱられて動きます。

つまり、水溶液の中を電流が通るわけですが金属の中を電流が通るときと様子が違います。

金属の中では電子が動いて電流が流れることになりますが水溶液の中では、イオンが電気を運ぶので電流が流れます。

物質そのものが移動するのです。



水の電気分解

純粋な水は、ほとんど電離していませんからイオンが少なくて電流が流れません。

しかし、水酸化ナトリウムや硫酸のような電解質を溶かすと電流がよく流れるようになります。

ここでは水酸化ナトリウムを溶かした水溶液を電気分解するときのことを考えてみましょう。

水酸化ナトリウムの水溶液には陽イオンのナトリウムイオンと陰イオンの水酸イオンがたくさんあります。

このうちの水酸イオンは-の電気をもっていますから陽極に引っぱられてくっつき電極の+の電気をもらって、電気を帯びなくなります。

そして、水酸イオンの電気のなくなったものが酸素と水に変化して、陽極からは酸素が発生するわけです。

また、ナトリウムイオンは陰極に引きつけられますがなかなか電極にくっつきません。

かえって、水がごくわずか電離して生じている水素イオンのほうが陰極にくっつき、電極の-の電気をもらって電気を帯びない水素原子になってしまいます。

そして、水素原子が2個集まって水素分子となり、陰極から水素が発生します。

水酸イオンや水素イオンが少なくなると、水が新しく電離してこれを補うので結局は、水の電気分解となり、水酸化ナトリウムは変化しないことになります。

実験室で、電気分解をする場合はホフマン電解装置という図のような装置がよく用いられます。

電極のところをよく観察すると陽極から酸素が、陰極から水素が発生しているのがわかります。

水の電気分解をまとめると式にあるように、水2分子から水素2分子と酸素1分子ができる反応ですから電気分解によって生じる酸素と水素の体積は常に1対2となります。




電解質と非電解質とは? わかりやすく解説!

電解質

陽イオンや陰イオンがどのような仕組みになっているかは今までの説明でわかったことと思います。 


ところでみなさんは+電気と-電気が引きあってくっつこうとすることは知っているでしょう。

陽イオンと陰イオンもそれぞれ+電気と-電気をもっているのですからお互いに引きあってくっつきます。

例えば、+電気をもっているナトリウムイオンと-電気をもっている塩素イオンとは水溶液でないときは、お互いにくっついて、塩化ナトリウムという化合物になります。

このようにしてできている化合物は塩化ナトリウムのほかに塩化第二銅や硫酸アンモニウムなど、たくさんあります。

このような化合物は、水に溶かすと水のはたらきによってまた陽イオンと陰イオンとに分かれてしまいます。

ある物質が水に溶けてその成分の陽イオンと陰イオンとに分かれることを電離といいます。

電離するような物質の水溶液は電流をよく導き電流によって電気分解される性質があるので水に溶けて電離する物質のことを電解質といいます。



非電解質

電解質の水溶液がよく電気を導くのにたいして砂糖の水溶液は電気を導きません。

純粋な水もほとんど電気を導きませんがそれは、これらの液の中にイオンがないから電気を導かないのです。

つまり、砂糖も水も電離しにくいわけです。

水に溶けてもイオンを生じない物質は電気を通しませんし電気分解されることもありません。

それで、このような性質をもった物質を非電解質といいます。

このように、その水溶液が電流を通すか、通さないかによって物質を電解質と非電解質とに分けることができますが物質の種類によっては、どちらともつかない中くらいに電離するものもあります。

例えば、酢酸の水溶液が電気を導く程度は塩化ナトリウムの水溶液に比べると悪いですが砂糖の水溶液よりは、電気をよく導ききます。

これは、酢酸の水溶液中で酢酸は完全には電離せずほんの少ししか電離していないためです。
このような電解質を弱電解質といいます。

これにたいして、塩化ナトリウムのように水に溶けて、完全に電離してしまうような電解質のことをとくに、強電解質といいます。

また、水の分子も極めてわずかですが電離しています。
つまり、水分子1千万個について1個のわりで電離しています。

この程度では電気を導くことはほとんどできません。

しかし、水のこのわずかの電離によってできた水素イオンが電気分解のときなどには大切なはたらきをしています。




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